2019年04月21日 (更新:2024年03月08日)
ラジエーター洗浄の重要性・手順を解説!
ラジエーターは定期的に洗浄する必要があります。放っておくと、サビや泥がたまり、冷却水の循環が阻害され、オーバーヒートの原因になります。トラブルを未然に防ぎたい人のために、なぜラジエーターを洗わなければいけないかを解説し、洗浄の手順を説明します。
ラジエーターとは
ラジエーターは、エンジンが過剰に熱くなるのを防ぐための水を冷却する装置です。運転中、エンジンは燃料を燃やしている関係上温度が上昇します。温度が一定を超えてしまうと、熱害によるエンジン故障の原因になります。トラブルを防止するため、冷却水がエンジン内を循環しており、この水を利用して温度がコントロールされています。
冷却水は熱を受けて少しずつ蒸発します。不足によるオーバーヒートも起こりますので、2年ごと (車検ごと) に冷却水を交換するといいでしょう。
洗浄することの重要性
ラジエーターは使い続けるうちにサビやゴミが溜まり続け、冷却性能を劣化させるため、回復させるためには洗浄が不可欠です。目安として3ヵ月に1回は洗浄する必要があります。
車は運転中、道に落ちている小さな葉っぱやゴミを拾っています。悪路を走っていると、土もラジエーターに入ります。これらが堆積した結果、冷却水が堆積物に阻まれ循環速度が低下します。その結果、エンジンの温度がうまく下げられなくなります。
冷却水を長い間使っていると、ラジエーターに水垢やサビが発生します。これも冷却水の循環やラジエーターの損傷などの原因になり、車をオーバーヒートさせてしまいます。
ラジエーターを清掃してほしいが、やり方が難しいと思う人は整備工場への依頼が考えられます。しかし整備工場への依頼には相応の費用がかかります。費用を抑えるためにDIYでラジエーターを掃除することも可能です。
ネットショップではラジエーター洗浄剤をはじめ、清掃に役立つアイテムが多数販売されており、それらを準備し自力で掃除できます。自身の状況に見合った清掃方法の選択が重要です。
ラジエーター洗浄の手順
ラジエーター洗浄の手順は以下の通りです。
必要なものと注意点
必要なものは以下の通りです。
- 作業用手袋 (常に着用)
- 石鹸水
- 安全ゴーグル
- ラジエーター洗浄剤
- 新しい冷却水
- タイヤストッパーやジャッキなど車のフロント部分を持ち上げるもの
- 古い冷却水などを受けるバケツ
- ペットコックを外すためのプラスドライバー
- 排出物のためのポリタンク
排出する冷却水は有毒なため、道やゴミ箱、河川、下水道などに勝手に捨てないでください。環境汚染や違法を問われるおそれがあります。また、冷却水に子供やペットを近づかせないよう注意が必要です。
1:エンジンを完全冷却
まずは車のエンジンを完全冷却させてください。停止から2時間後が目安です。
2:フロントをジャッキで持ち上げる
車のフロント部分をジャッキで持ち上げることで、ラジエーターの洗浄がスムーズになり、冷却水のエア抜きも容易になります。
3:フィンの掃除
ボンネットを開き、ラジエーターの前後にあるフィン (細長い金属の薄板) に石鹸水をつけ、ナイロンブラシでこすりましょう。フィンの方向通りにブラシを走らせないとフィンに傷をつけるおそれがあります。
(ラジエーターがエアコンのコンデンサーに遮られていて、フィンを掃除できない場合もあります。その場合は業者に依頼しましょう)
4:ラジエーター本体のチェック
パイプやホース部分が損傷し液漏れが起きていないか、キャップにダメージがないかを確かめましょう。ダメージが確認された場合は修理工場への持ち込みが必要です。錆びや腐食、ゴミなどがつきすぎていたり、不凍液の匂いがする場合も業者に依頼した方がいいでしょう。
5:排水用ケースを設置し冷却水を排出
排水用ケースをラジエーターのバルブかペットコック (底面のボルト) の下に置きましょう。ペットコックはラジエーターの底にあるボルトです。バルブの場合は底にあるプラスチックカバーをドライバーで外す必要があります。
ペットコックもしくはバルブを抜いて冷却水をケースに注ぎましょう。冷却水は有毒なので取扱に注意が必要です。冷却水は産業廃棄物なので、整備工場やガソリンスタンドなどにリサイクルし、下水道、河川、ゴミ箱などに捨てないように気をつけましょう。環境汚染だけでなく違法に問われる可能性があります。こぼしてしまったときは水できれいに洗い流してください。
6:ラジエーターを洗浄する
ラジエーターにペットコックを再装着します。ラジエーター洗浄剤をラジエーターの水位線まで貯め、エンジンをかけて10分間待ちます。停止でエンジンを冷却させ、ペットコックを外し2つ目のケースに洗浄剤を注ぎます。
こちらも先ほどまで溜まっていた冷却水の成分で汚れているので、整備工場やガソリンスタンドにリサイクルしてください。以上を2~3度繰り返します。
7:新しい冷却水を入れる
新しい冷却水を水位線まで注入してください。前回と同じ冷却水でないと凝固を引き起こし故障の原因になるため注意が必要です。冷却水の種類がわからない場合は、自動車の取扱説明書か、ディーラーや自動車用品店に製造元、型、年式などを伝えて聞き出しましょう。
ラジエーターの大きさも車種で異なるため、冷却水の必要量も把握することが大切です。
8:エア抜き
掃除でラジエーターに入った空気を外に逃がすため、ラジエーターキャップを外した状態で、エンジンとヒーターを15分間オンにしてください。これでラジエーターから全ての気泡が放出されます。気泡で冷却水を水位線まで入れられないこともありますので、気泡を取り除いたあとに改めて残りを入れましょう。
定期的に洗浄することで高効率を保てる
ラジエーターは汚れやサビを溜めこんでトラブルにならないように、数年に一度は掃除しましょう。ラジエーターのダメージが見られる場合は業者への依頼が必要です。きれいにすることでラジエーターが新品同様のクオリティを取り戻し、エンジンの冷却がスムーズになります。
長い間ラジエーターを掃除していない人は、早速この記事を参考にし、都合のいい日時に作業をはじめましょう。