NAエンジンの仕組みを紹介!ターボエンジンとの違いは?

2019年04月21日 (更新:2019年04月24日)

NAエンジンの仕組みを紹介!ターボエンジンとの違いは?

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アクセルを踏み込むだけで気分が高揚する、それがNAエンジンの醍醐味ではないでしょうか?ダイレクトな応答と高回転まで気持ちよく回すことができるレスポンス。そして甲高いサウンドを奏でてくれる爽快感は格別です。そんなNAエンジンのことをターボエンジンとどこがどんなふうに違うのか改めて紹介していきます。知っているはずのNAに新たな発見があるかもしれませんね。

NAエンジンとは

エンジンを搭載した車の誕生は1870年にまで遡ります。その後1926年にガソリン自動車を発明した「ダイムラー・ベンツ社」の設立以来、エンジンはすべて自然吸気(Natural Aspiration)でした。一般的にはNAと呼ばれていますね。改めてこの名前が付けられたのは過給機付きエンジン、いわゆるターボエンジンが1962年ゼネラルモーターズによって開発され、区別する必要ができたためです。

自然吸気エンジンの特徴

①出力

自然吸気エンジンは、エンジンの基本構造ともいえるレシプロエンジンのこと。または4サイクルエンジンとも呼ばれています。ピストンが「吸気」「圧縮」「燃焼(膨張)」「排気」 という4行程で1サイクルの作用を完了するエンジンのことです。この4行程を繰り返すことでピストンを往復させて動力を生み出しています。

出力の決め手は2つ。吸い込まれる空気量はエンジン設計の段階で決まっているため、ピストンストロークが大きいエンジンになるほど、吸入空気量は増えます。ということは排気量の大きさである程度の出力が決まるといえそうです。

そしてもう一つの要素としては、最高回転数です。回転数の高さが即出力になると考えられるので、回転数が高ければその分出力も上がり馬力や最高速度を上げることにつながります。また、排気ガスの流れがスムーズなので、高回転まで排気効率の高いエンジンを作ることができるというわけです。

②燃費の良さ

ターボエンジンに比べると2,3割良いといわれていて、回転数を抑えるセッティングにすれば高い効率を得られます。現在でもトヨタのEVに組み合わされるエンジンには燃焼性能を重視し、NAを使用しているのです。

③効率が良い

エンジン内のシリンダー容積と燃焼室容積の比率を表す圧縮比。これは高ければ高いほどエンジンの出力を引き上げることができるものです。NAは圧縮比を高く設定することができるため熱効率も高くなり、エンジン効率も上がります。

④レスポンスの良さ

NAは滑らかな加速に特徴があります。アクセルを開けた分だけストレートに回転が上げられるアクセルレスポンスの良さはほかでは感じることのできないものですね。

⑤軽量低コスト

部品の数も少なく、構造もシンプル。そのため軽量で、コストも抑えることができます。

⑥NAのエンジン音

エンジンの型式や気筒数で異なりますが、全体的に澄んだ甲高い音が特徴です。気筒数が多いエンジンになるほど、気持ちよく吹け上ります。

過給機エンジンの特徴

内燃機関の特徴として、空気を取り込めば取り込むほど効率が増すということがあります。一度に大量の空気を送り込めば、当然酸素の量も増えるためより多くの燃料を燃やすことが可能となり、出力の向上が図れるのです。これを実現したのが過給機であり、その種類にはターボチャージャー、スーパーチャージャー、ツインターボ、シーケンシャルターボ、ツインチャージャーがあります。ここでは筆頭となるターボチャージャーを詳しく見ていきましょう。

ターボチャージャーは、排気の流れで排気側の羽根車が回転すると、それに連動して吸気側の羽根車も回転します。この回転運動で吸気の流れが加速し、空気が圧縮されて出力が上がる仕組みです。つまり自然吸気エンジンでは捨てられるだけだった排気のエネルギーを回収して空気の圧縮に使っているということになります。これによって高出力、高トルクが実現。車の性能を重視したエンジンになっています。

1980年から1990年はパワー競争の時代でした。より高いパワーを求めてターボが活躍した時代です。最高出力と最高速度を追求し燃費に関しては決して良いと言えるものではありませんでしたが、最高出力が当時の国内規制値の上限という車もあり現在でも高い人気を誇っています。

ターボにはアクセルを踏み込んでから、ターボ特有の加速が来るまでに少し遅れるというターボラグがあります。このターボラグが大きいクルマは「ドッカンターボ」といわれていました。

その原因は2つ

タービンの立ち上がり

エンジンが低回転の間は排気ガスとエネルギーも低く、タービンの回転数も低いままの状態。アクセルを踏み込んでも、すぐにタービンの回転数が上がらないのです。

吸気管内中の空気の流れが良くない

圧縮された空気は吸気管内を通してエンジンに送り込まれます。その間に位置するスロットルバルブで圧縮された空気が阻害されることが、ターボの働きを妨げてしまいます。つまり、ターボラグはターボの回転数が上がらない時間と、吸気管内の圧力の不均等により起こってしまうものなのです。

2005年にフォルクスワーゲンが初めて採用した環境対応ターボエンジン「TSI」が人気となりました。これはハイブリッドを使わないで燃費を向上させ、性能も損なわないことからエンジンのダウンサイジングターボ化と呼ばれ現在もその流れは続いているようです。最近よく耳にしますよね。

NAエンジンの良いところ

現在では、数少なくなってしまったNAエンジンですが、その良さを車と共に紹介します。

ホンダ S2000

1999年に登場したS2000は、超高回転型エンジンF20 C型直列4気筒DOHC・VTECです。VTECはホンダが独自開発した可変バルブタイミングエンジンでバルブの開閉するタイミングとリフト量を変化さることができ、低回転でも高回転でも性能を発揮する優れもの。二段ロケットのような加速の切り替わりが魅力です。これにアコードやオデッセイなどに採用してきたF型エンジンを縦置きに改良し、後輪駆動のS2000 用に設計したものが搭載されています。これはF1エンジンに匹敵するピストンスピードを誇るショートストローク型エンジン。回転限界のレブリミッターは9000回転に達し、最高出力の250馬力を8,300回転で発することができます。つまりレーシングエンジンのデチューン版といえそうですね。

90年代ライバルとなる他社のターボ車と同じだけの出力を自然吸気エンジンで達成していた数少ない傑作エンジンといえるでしょう。残念ながら2009年に生産を終了していますがいまだに人気のある車の一台です。

トヨタ スープラ

2019年5月に新型スープラ販売が決まり話題になっています。2019年3月15日から17日に開催されていた『新城ラリー』にも新型スープラの展示ブースが設けられていました。その迫力のある走りが街で見ることができるのは嬉しいですね。

1986年から2002年まで製造されていましたが、排ガス規制の影響などから姿を消すことに。1993年にフルモデルチェンジしたA80 に搭載されていた2JZ-GTEエンジンの評価もいまだに高いものとなっています。このころのスープラといえば2JZ-GTE直列6気筒

DOHCツインターボのイメージが強いですが、3Lの2JZ-GE直列6気筒DOHCは鋭い加速が魅力的な一台です。実用域でのトルクが太く、レスポンスの良さはNAだからこそといえるでしょう。最高出力225PS、最大トルク284N.m。スープラだけではなくアリストなどにも搭載され、好評を得たエンジンです。

ニッサン シルビア

新型シルビアの復活がささやかれていますが、2002年に生産を終えるまで40年もの間生産されていた歴史ある車です。直列4気筒DOHC16バルブで後期型NAで最高出力140ps、最大トルク178NmのSR20DE型エンジンです。コンパクトな燃焼室、最適なポート形状に加え、可変バルブタイミングコントロールシステムの採用で、ツインカム特有のシャープな応答性と加速性能を発揮しています。現在でもチューンナップのしやすさで人気の高い車といえるでしょう。

NAエンジンとターボエンジンの違い

この二つのエンジンの違いはどこにあるのでしょうか?それはお互いに持っていないものを持っているということです。

最大の違いは、NAは踏み込めばすぐに応答するレスポンスと高回転まで回すことのできる性能は十分ありますが、ハイパワーやトルクを出すことはできません。対してターボは踏み込んだ時のターボラグはあるものの、NAでは出せないパワーを出すことができるということにあります。ほかには好みにもよりますが、サウンドの違いも。ターボはどちらかといえば低く、ガラガラとした音の集合体に聞こえます。NAは甲高いきれいな音と表現されることも。スポーツカーを語るとき「ターボor NA」は昔からの話題でもあります。そのこだわりは、本当に人それぞれのものなのです。

まとめ

最近ではダウンサイジングターボエンジンが主流になり、NAエンジンが少なくなりつつあります。そんな中、アストンマーティンヴァルキリーが世界初NAのロードカーで1160馬力最大トルク900Nmを達成したハイパーカーを誕生させました。NAの進化が楽しみな時代の幕開けになることを期待しています。