ボロボロの車が復活!新車のように蘇るレストアについて紹介します! | CARTUNEマガジン
ボロボロの車が復活!新車のように蘇るレストアについて紹介します!

2018年11月13日 (更新:2020年07月09日)

ボロボロの車が復活!新車のように蘇るレストアについて紹介します!

日本には、フェアレディZ30やハコスカなど、いつの時代も車好きを魅了してやまない魅力を持った車が存在します。しかし、これらの車はすでに製造されてから30年以上の年月が経っており、自走もままならないことも多いのです。車を蘇らせる「レストア」とは、一体なんなのでしょうか。

レストアってどんなことをするの?

510ZさんのフェアレディZS30の画像
510ZさんのフェアレディZS30の画像
引用元:510Zさんの投稿

レストアとは英語で〝restore〟と表記し、意味は「元通りにすること」です。

これを自動車用に使用する場合は、時間が経って劣化した車両を新車・新品同然の状態まで復元することを指します。

オーバーホールとレストアの違い

よくオーバーホールと混同して語られることがありますが、オーバーホールとレストアは全くの別物です。レストアは車両全体を新品同然にしてしまうことを指していますが、エンジンやトランスミッションなど、ピンポイントな部品を修理・修復することをオーバーホールと呼んでいます。

双方とも新品のようにしてしまうという部分は同じですが、レストアはその対象となる範囲が広く、オーバーホールはメカニカルな部分に限られるという違いもあります。

レストアはメーカーか専門店にお願いする

メーカーによるレストア

🏁M.R.B 初代総長🎗iron🌟8 さんのNSXの画像
🏁M.R.B 初代総長🎗iron🌟8 さんのNSXの画像
引用元:🏁M.R.B 初代総長🎗iron🌟8 さんの投稿

自社の製造した車両に永く乗ってもらうことが出来るように、一部の自動車メーカーではレストアを行っているメーカーも存在します。

日本では走るマンションと呼ばれたホンダ初代 NSX、日産 スカイライン R32&34、マツダ ロードスター(NA)などです。特にマツダでは、当時の製品を現在の技術で再製造した部品を使うなど、こだわりの部品を使用してレストアを行います。

海外のメーカーであれば、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、アストンマーチンなど伝統あるメーカーがレストアを行っています。フェラーリなどはレストアの際に、ヴィンテージな車両の真贋の判定を行ったうえで証明書の発行を行うなど、単なるレストアを超えたサービスを提供しています。メーカーによるレストアは、妥協のない完璧な仕上がりが魅力なのです。

専門店に持ち込んでのレストア

レストアを専門店に依頼する場合、オーナーの意向や車両のコンディションによって工程が大きく増減します。基本的には以下のようなメニューでレストアを行う業者が多いようです。金額や施工内容も相談できるため、予算に合わせてメニューを組むことができます。主な作業工程は以下のようになっています。

  1. ベース車の部品調達
  2. エンジン降ろし
  3. ボディリペア(塗装剥離・錆び取り・板金など)
  4. エンジンなどメカニズムの修理
  5. ボディペイント
  6. インテリア補修
  7. エクステリア補修

ボディリペア

jetstrokeさんのボディの画像
jetstrokeさんのボディの画像
引用元:jetstrokeさんの投稿

ヴィンテージカーなどの場合、目に見えない部分も錆びている可能性があるため、サブフレームまで分解します。ボディは内側に施された溶接部分から錆びてくるのがほとんど。そのため、徹底して下地の処理を行います。この時、同時に防錆処理も行うことでレストア後も塗装のコンディションを保つことが出来るようにしています。

エンジンリフレッシュ

タカさんの画像
タカさんの画像
引用元:タカさんの投稿

ボディのオールペンを行っている間にエンジンの整備を行います。車から降ろされたエンジンは、普段目の届かない場所まで整備するチャンス。ベルトなどの消耗品はもちろん、インジェクションやキャブレターといった燃料の制御システムに至るまで全てに手を入れます。

ゴム製部品などの交換

さらに、ボディの各部にある配線やゴム類も交換します。年代が古くなればなるほど、配線やハーネスなどのトラブルは起こりがちです。そういったことを予防するために、配線を全て引き直す場合もあります。

また、ウィンドウや衝撃吸収のために使われているゴム部品も交換します。ほとんど動かしていなかったようなヴィンテージカーの場合、ゴムが傷んでいる場合が多いためです。普段は気にもしないような部品ですが、新品に取り換えるだけで車内の密閉感や走りにまで良い影響が出るといいます。普段は気にしない、目に見えない部分にまで完璧に手を入れるのがレストアなのです。

レストアのメリットとデメリットを紹介します!

一見すると、メリットしかないように感じるレストアにもデメリットは存在します。ここでは、レストアのメリットデメリットそれぞれをご紹介します。

メリット

レストアをする一番のメリットは、思い入れのある車が新車のようになって甦ってくれることでしょう。特に、すでに製造されていないクラシックカーやヴィンテージカーのオーナーであれば、その車に愛着があるのは当然であり、現行の車とは違ったカーライフを送ることができます。

また、東京都では旧車への自動車税の割り増しが行われていますが、レストアをして「東京都が指定した粒子状物質減少装置を取り付けた車や1945年以前製造の車」は、申請することにより重課が減額されるなどの措置も取られているため、レストアはエコな乗り方であるともいえます。

デメリット

レストアをするデメリットとしては、まず費用の高さが挙げられます。レストアするベースの車両のコンディションがよかったり、以前にもレストアを受けていたりする場合であれば費用もそれだけ安くなる可能性があります。しかし、逆に全てのパーツを交換しなければならなくなった場合であれば、レストア費用が現行の車種の新車価格と変わらない値段になってしまうこともあるのです。

また、当時の純正品を使ってレストアしようとした場合、新品のパーツを探すのが非常に困難なため時間がかかってしまう可能性があります。ショップに預けてからレストアが終了するまで、数年単位でかかるようなケースも珍しくはないようです。

まとめ

hideさんのスカイラインの画像
hideさんのスカイラインの画像
引用元:hideさんの投稿

日本では「お金持ちの道楽」程度にか浸透していないレストアですが、海外ではレストアは当たり前。そういったコンセプトで制作されているオンライン番組が多いことがその証拠でしょう。

高級車ではなくても、思い入れのある車に永く乗りたいと思うのは、オーナーとしては当たり前のはず。車がボロボロになってしまっても、買い替えの前にレストアを検討してみてはいかがでしょうか?

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