クラウン120系を解説!キャッチコピーは【いつかはクラウン】 | CARTUNEマガジン
クラウン120系を解説!キャッチコピーは【いつかはクラウン】

2018年07月10日 (更新:2024年07月30日)

クラウン120系を解説!キャッチコピーは【いつかはクラウン】

1983年に有名な「いつかはクラウン」のキャッチコピーと共に登場した、120系クラウン。クリスタルピラーの優雅なデザインや搭載されたスーパーチャージャーに憧れた方も多いのではないでしょうか。今回は「いつかはクラウン」のテレビCM動画と共に、120系クラウンを振り返ります。

120系クラウンとは

🔥サムライゼット🔥さんのクラウンの画像
🔥サムライゼット🔥さんのクラウンの画像

120系クラウンは、クラウンの7代目モデルとして1983年に発売されました。テレビCMでは石坂浩二さんのナレーションによる「いつかはクラウン」のキャッチコピーが用いられています。このキャッチコピーは歴代クラウンの中でも最も有名ではないでしょうか。

「いつかはクラウン」としての立ち位置

現代で聞くと多少違和感を覚えそうなこのキャッチコピー。LEXUSブランドが存在する今ではクラウンではなくLEXUS LSをチョイスする方も増えていますが、当時のトヨタ系ブランドではそのヒエラルキーのトップに位置していたのがクラウンだったのです。

より高額なモデルとして、運転手付きで使われることの多いショーファードリブンとしてセンチュリーやプレジデントがありましたが、オーナードリブンとしての頂点に位置したのは、クラウン。そういった点では、「いつかは(トヨタ車の中では最高級車である)クラウン(に乗りたい)」という意味のキャッチコピーも十分納得です。

「いつかはクラウン」のキャッチコピーをCM動画で確認

有名な「いつかはクラウン」のキャッチコピーのもととなったテレビCMを動画で確認してみます。最初は登場当初のCMが、2分30秒過ぎからは3リッターエンジン搭載車登場時のCMが確認できます。2トーンのボディーカラーはGX71型クレスタなどでも人気でしたね!

時代背景と販売台数

120系クラウンが誕生した1983年は、バブル景気に向かう景気の拡大局面でした。好景気を背景にした販売台数の増加をもとに、クラウンには電動格納式ドアミラーやトヨタが好んで用いたツインカムエンジンことDOHCエンジンのラインナップ拡充など、積極的な改良が行われました。

クラウンは4年の販売期間で合計33万台以上の販売実績を残しています。当時はハイソサエティーカー、略してハイソカーブームが始まった頃です。この、ちょっと上級かつ上質な車を意味するハイソカーブームを2ドアクーペのソアラと共に牽引したのがクラウン・4ドアハードトップです。

販売台数としてはGX71型マークⅡの3兄弟の方が更に売れていましたが、予算に余裕がある人達はクラウンを選択していました。年間平均にすると約8万3千台。これは2018年販売台数実績に当てはめるとC-HRよりも売れており、ヴィッツに近い数字です。かなり売れていることが理解できますね!

120系クラウンの特徴

一体感のあるキャビンで人気を集めた4ドアハードトップ

120系クラウンで人気を集めたボディタイプが4ドアハードトップです。Aピラーをブラックアウトし、Bピラーをグラスエリアでカバーしたことで、クリーンなグラスエリアを実現しています。また、何といっても高級感を感じさせたのが、Cピラーに新たに採用したクリスタルピラーです。

それまでCピラーはボディー同色とされるのが一般的でしたが、それをシルバーの化粧パネルで覆う事で優雅な雰囲気を醸し出しています。水平基調のアンダーボディにA、Bピラーをブラックアウトしてグラスエリアを広く見せるデザイン、そこからラップラウンドしてリアウィンドウに続くデザインはキャビンを小さめに見せることでパーソナル感を演出しています。

クラウンにスポーツイメージを植え付けた「アスリート」

グレード名に「アスリート」を初めて採用したのも、実はこの120系クラウンです。他のグレードとの違いはフロントスポイラーの装備や専用サスペンションの搭載と、ベースグレードとの差はそれほど大きくありませんでしたが、高級車であるクラウンに走りのグレードが設定されたことからも、自身でハンドルを握るドライバーを意識しているのがわかります。

実際に、4ドアハードトップのエレガントかつスポーティーな雰囲気や、ツインカムエンジンの拡大採用などによって、クラウンを選択するユーザーは一層増加しました。

120系クラウンのラインナップと変遷

1983年9月に登場した際のラインナップを確認してみます。ボディタイプとしては4ドアハードトップ、セダン、ステーションワゴンの3タイプがラインナップされました。

4ドアハードトップ

ロイヤルサルーンG2800 DOHC
ロイヤルサルーン2800 DOHC / 2000 DOHC
スーパーサルーンエクストラ2000 Turbo / 2000 / 2400 Diesel
スーパーサルーン 2000 / 2400 Diesel
スーパーエディション2000 Turbo / 2000 / 2400 Diesel

4ドアセダン

ロイヤルサルーンG2800 DOHC
ロイヤルサルーン2800 DOHC / 2000 DOHC
スーパーサルーンエクストラ2000 Turbo / 2000 / 2400 Diesel
スーパーサルーン2000
スーパーデラックス2000 / 2400 Diesel
デラックス2000 / 2400 Diesel
スタンダード2000 / 2400 Diesel

ステーションワゴン

スーパーサルーン2000 / 2400 Diesel
スーパーデラックス2000 / 2400 Diesel

搭載エンジン詳細(最大出力はグロス値:エンジン単体での出力です)

排気量 (cc)最大出力 (ps)詳細
5M-GEU2,759175直列6気筒DOHC
1G-GEU1,988160直列6気筒DOHC
M-TEU1,988145直列6気筒OHCターボ
1G-EU1,988125直列6気筒OHC
2L-TE2,44696直列4気筒OHCターボ
2L2,44683直列4気筒OHC

ディーゼルエンジンについては、4ドアハードトップとステーションワゴンには2L-TE型ターボディーゼルが、4ドアセダンではスーパーサルーンエクストラとスーパーデラックスには2L-TE型ターボディーゼルが、デラックスとスタンダードについては2L型ディーゼルが搭載されました。

車体寸法

全長 (mm)全幅 (mm)全高 (mm)
4ドアハードトップ・ロイヤルサルーンG4,8601,7201,400
4ドアハードトップ・スーパーサルーン4,6901,6901,410
4ドアセダン・ロイヤルサルーンG4,8601,7201,420
4ドアセダン・スーパーサルーン4,6901,6901,435
4ドアセダン・スタンダード4,6901,6901,445
ステーションワゴン4,6901,6901,515

この時代の車を振り返る際によく聞く言葉ですが、2リッターエンジン搭載車については全幅1,700mm以下の5ナンバーボディに収まっています。3ナンバーボディとなるロイヤルサルーンGについても30mmの全幅の差は厚みのあるサイドモールなどの分ですので、室内幅に違いはありません。

その後、1984年には最上級グレードの搭載エンジンを2.8リッターから3リッターに拡大しています。また、1985年に行ったマイナーチェンジにて日本初となるスーパーチャージャー過給エンジンを搭載した「2000ロイヤルサルーン・スーパーチャージャー」を追加しています。

追加・変更エンジン詳細

(最大出力はネット値:エンジンに付加装置を装着した状態での出力で、グロス値よりも15%から20%低めの値となります)

排気量 (cc)最大出力 (ps)詳細
6M-GEU2,954190直列6気筒DOHC
1G-GZEU1,988160直列6気筒DOHCスーパーチャージャー

CARTUNEユーザーのカスタマイズ例をピックアップ!

くそガキ🤨さんのクラウンロイヤルの画像
くそガキ🤨さんのクラウンロイヤルの画像

ディープリムホイールとメッキのフェンダーモールがとても似合っています。ホイールは当時物のリネアスポーツのフィンタイプでしょうか!?

めぐりゅうさんの画像
めぐりゅうさんの画像

こちらの車輌のホイールはSSR MkⅠ(マークワン)ですね。この角度からのクリスタルピラーは、最もエレガントに見えます。また、この時代はトランクリッドに多くのエンブレムが装着されていましたね。

まとめ

クラウンの最も有名なキャッチコピーである「いつかはクラウン」を生んだ120系クラウンを振り返ってみました。 今見てもクリスタルピラーを採用したグラスエリアのデザインは素晴らしいです。筆者は後方斜め45度のアングルからの眺めが好きです!

ボディー全体のデザインも水平基調のエッジの効いたもので、全幅1,690mmとは思えない存在感を感じさせてくれます。搭載するエンジンも複数のユニットが用意されており、多くの選択肢を提供していました。それだけ多くのニーズがあったからでしょうね。

最近のネオクラシックブームにも関わらず、120系クラウンのユーズドカーの価格は人気の4ドアハードトップでも50万円程度から見つけられるなど比較的安定しています。しかしトップグレードであるロイヤルサルーンの相場は150万円超えと上昇傾向ですので、当時憧れていた方は手に入れる最後のチャンスといえます。この機会に手に入れて、当時の最高級車の雰囲気を満喫してみるのはいかがでしょうか。

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