高級SUV、メルセデス・ベンツ GLSクラス！GLA、GLE、GLC・・・それぞれの特徴は？

メルセデス・ベンツにはセダン、クーペ、ステーションワゴンなど様々なボディタイプの車種がラインナップしていますが、その中で特に存在感を発しているモデルがあります。それが「GLSクラス」。GLSクラスはメルセデス・ベンツが2013年から製造および販売を手がけているラージサイズのクロスオーバーSUVです。

メルセデス・ベンツを代表するフラッグシップSUVといえば「Gクラス」が思い浮かびますが、Gクラスはあくまで悪路走破性を重視したオフロードマシンです。車内での快適性や実用性も最大限配慮されていますが、Sクラスなどの高級サルーンと比べるとまだまだ発展の余地があります。

Sクラスのように、オンロードでの快適性や上質感を重視した最上級クロスオーバーSUVとして設計・開発が進められたのがGLSクラスです。元々は「GLクラス」という名称で販売されていましたが、ラインナップの最適化・統一を図るため、2016年に実施されたマイナーチェンジと共にGLSクラスという名称に改名されています。

要するに、メルセデス・ベンツには2種類のフラッグシップSUVが存在しているということ。悪路走破性の高い オフロード性能を重視したフラッグシップSUVがGクラス、オンロードでの快適性を重視したフラッグシップSUVがGLSクラスとなっています。

メルセデス・ベンツならではの上質かつ迫力のあるスタイリング・インテリアはもちろん、大排気量エンジンを搭載することによる圧倒的な動力性能を実現。7人乗車が可能な3列シートの採用によって、実用性も確保されています。

そんなGLSクラスをメルセデス・ベンツではファーストクラスSUVと呼んでいるそうです。GLSクラスはその呼び名に偽りのない高い快適性や上質感を有しています。

メルセデス・ベンツがファーストクラスSUVと銘打っているほどに、様々な面が超豪華なGLSクラス。そんなGLSクラスのスペックはどのようになっているのでしょうか。

GLSクラスには大きく分けて3種類のグレードが設定されています。受注生産のベースグレードである「GLS 350 d 4MATIC」、量販グレードとして販売されている「GLS 350 d 4MATIC Sports」、唯一のガソリンエンジン搭載車である「GLS 550 4MATIC Sports」の3種類です。

「GLS 350 d 4MATIC」と「GLS 350 d 4MATIC Sports」には3.0 L V型6気筒ディーゼルターボエンジンが搭載されています。最高出力は258馬力、最大トルクは63.2 kgmです。高級車ブランドの中では一般的ともいえる3.0 Lの排気量ですが、ディーゼルエンジンならではの力強いトルク感は やはり魅力的です。

「GLS 550 4MATIC Sports」は唯一のガソリンエンジン搭載車で、4.7 L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載しています。最大出力は455馬力、最大トルクは71.4 kgmです。先述したディーゼルエンジンのトルク感も魅力ですが、大排気量エンジン+ツインターボチャージャーの動力性能はやみつきになりますよ。

GLSクラスの駆動方式はすべて4WDです。快適性や実用性重視とはいえ高価なSUVなので、走行性能に大きく関わる4WDは必要不可欠だといえます。

燃費性能はJC08モード・8.2～11.3 km/Lです。車両重量が大きくエンジンも大排気量の割には、意外にも低燃費な数値を記録しています。とはいえ、街中で走っている一般的な車とは比較するまでもありません。

ボディサイズは全長5140 mm×全幅1980 mm×全高1850 mmと、ラージサイズSUVらしく大柄で、日本での取り回しは大変でしょう。郊外であれば問題ないかもしれませんが、都市部や狭い路地での運転には気を遣うはず。これだけボディサイズが大きいと、自宅の駐車場に駐車するのもひと苦労です。

GLSクラスは、メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスチューニングブランドであるAMGにもラインナップされています。AMGにラインナップされている「GLS 63 4MATIC」は5.5 L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載。

その最高出力は585馬力、最大トルクは77.5 kgmにも達しています。トランスミッションは通常のGLSクラスの電子制御9速ATではなく電子制御7速ATを採用することで 、伝達効率とレスポンスを向上させているそうです。

やはりAMGを冠しているモデルということもあって、圧巻の動力性能を誇っています。並みのスポーツカーやハイパフォーマンスセダンでは太刀打ちできない動力性能が、 「GLS 63 4MATIC」には備わっているのです。

最上級の上質感を満喫できるGLSクラスですが、GLSクラス以外にもメルセデス・ベンツにはたくさんのクロスオーバーSUVがラインナップされています。もちろん、上質感や動力性能でGLSクラスに敵うことができないモデルがほとんどです。

しかし、GLSクラス以外のクロスオーバーSUVも同価格帯の競合車種と比べると上質感のある仕上がりとなっています。GLSクラスには敵わなくとも、十分に魅力的なクロスオーバーSUVたちを簡単に紹介させてください。

GLAクラスはメルセデス・ベンツが、自社のエントリーモデルであるAクラスをベースに製造及び販売しているコンパクトクロスオーバーSUVです。どんなところにも気軽に走り出せる必要十分な動力性能・走行性能と、ファミリーで快適に過ごせる高い実用性が備わっています。

GLSクラスと比べると全体的に中性的なボディライン・フロントマスクを採用しているため、どんな人が乗っていても違和感はありません。昨今のクロスオーバーSUV人気や比較的リーズナブルな価格帯で購入できることを考えると、おすすめのコンパクトSUVです。

GLCクラスはメルセデス・ベンツが、自社の中核を担うCクラスをベースに製造及び販売しているクロスオーバーSUVです。GLCクラスもメルセデス・ベンツのラインナップの中では、比較的コンパクトな部類に入ります。

上手にまとまっていて品格を感じるCクラスと同等の優れたスタイリング、シューティングブレークのようにも見える低く抑えたシルエットが外観上の魅力です。車両価格が600万円台という競合の多い価格帯に属していながら、強い存在感を放っています。

GLCクーペは先述したGLCクラスをベースに、より流麗なスタイリングを追求したクーペSUVと呼ばれる派生モデルです。流れるようなサイドウィンドウとリアに向かって低くなっていくルーフはまさにクーペタイプのようで、美しさと力強さを両立しています。

あくまでクロスオーバーSUVがベースとなっているので、クーペのように実用性の低さを痛感することもありません。クーペタイプはラゲッジスペースが車内空間から独立していることが多いですが、GLCクーペはラゲッジスペースが独立していないため、状況に応じて使い分けることができます。

GLEクラスはメルセデス・ベンツがCクラスと同じく、ラインナップの中核を担っているEクラスをベースに製造及び販売を手掛けているクロスオーバーSUVです。立ち位置的にはミドルサイズSUVに該当しますが、1900mmを大きく上回る全幅はラージサイズSUVと同等の 迫力を演出しています。

GLSクラスと同じくプレミアム性が非常に高いクロスオーバーSUVなので、そのスタイリングやインテリアの上質感が非常に高いです。また、メルセデス・ベンツが誇る快適装備や先進安全装備の数々も積極的に採用されています。

GLEクーペは先述したGLEクラスをベースに、より流麗なスタイリングを追求したクーペSUVです。GLEクラスの派生モデルとして販売されていますが、そのフロントマスクやボディラインの美しさはEクラスセダンやEクラスクーペを思わせます。

GLEクラスと同等の存在感とクーペならではの美しいフォルムを両立していることが、GLEクーペ最大の魅力だと思います。走行性能や利便性に関してもGLEクラスと同程度で、メルセデス・ベンツの魅力を1車種で堪能したい人におすすめのモデルです。

GクラスはGLSクラスと対照的に、オフロード性能や機能性を重視している本格派のクロスカントリーSUVです。そのルーツは軍用車にあり、とてつもなく 長い期間にわたって販売され続けているので、ほかのメルセデス・ベンツ車とは少し異なる独自のブランドを築き上げています。

世界中に熱心なファンが存在していることでも有名です。時代の流れに追随しないレトロなスクエアボディとオフローダーとしての走破性、車内空間の広さや機能性からくる実用性の高さがいつまでも、そしてこれからも人気を維持し続ける秘訣となっています。

今回はメルセデス・ベンツが誇る最上級クロスオーバーSUVのひとつであるGLSクラスの魅力や特徴を徹底解説しました。GLSクラスに備わっている多数の魅力は、実際に乗車してみないことにはわからないことも多いですが、1度乗車してしまったら最後、GLSクラスに乗り続けたくなること間違いなしです。

高級車ブランドのフラッグシップモデルである以上、購入できる人はとても限られているのですが、どうしてもメルセデス・ベンツのクロスオーバーSUVに乗りたいという人は、記事後半で紹介しているGLSクラス以外のクロスオーバーSUVたちの情報をしっかりとご覧ください。もしかしたら、あなたの手に届く車種があるかもしれません。