2019年03月19日 (更新:2020年06月03日)
マフラーの種類は様々!車のマフラーを種類別に解説します!
車のマフラーと一口でいってもその種類はさまざま。ドレスアップパーツとしての人気も非常に高く、走行性能を重視したものからデザインを重視したものなどまで様々なマフラーが販売されています。クルマ好きにとっては欠かせない重要なアイテムでもあるマフラーについて、詳しく解説していきます。
車のマフラーについてのおさらい
チューニングやドレスアップを目的として多くのクルマ好きが導入しているマフラーは、1本出しから4本出しなど様々な種類が存在しています。まずは、マフラーについて基本的なことを今一度おさらいしておきましょう。
マフラーとは
マフラーとは、車の底(腹下)に設置してある排気パイプのことで、主にエンジンから排出される排気ガスを外へ出すためのパーツです。そのため、マフラーはエンジンに直接繋げられ、車両の後ろまで伸びている比較的長く大きな部品です。
エンジンと繋がれているとはいえ、マフラーは一本のパイプで出来ているわけではなく、いくつかのパーツが組み合わさって作られています。
組み合わされているマフラーのパーツは「NA車」と「ターボ車」とで異なり、それぞれの構造の違いは下記のとおりです。
NA車の場合のマフラー構造
「エンジン」➝「エグゾーストマニフォールド」➝「キャタライザー」➝「サブサイレンサー」➝「メインサイレンサー」
ターボ車の場合のマフラー構造
「エンジン」➝「エグゾーストマニフォールド」➝「タービン」➝「フロントパイプ」➝「キャタライザー」➝「サブサイレンサー」➝「メインサイレンサー」
マフラーの役割
マフラーはエンジンから排出される排気ガスを外へ出すための装置ではありますが、他にも重要な役割があります。その役割は主に3つです。
- 排気ガス中の有害物質浄化
- 排気音の消音
- 排気効率の向上
排気ガス中の有害物質浄化
エンジンから排出される燃焼ガスの成分のなかには、二酸化炭素や一酸化炭素、炭化水素、窒素化合物、さらにディーゼル車では窒素酸化物や粒子状物質など、人体をはじめ地球環境への様々な有害物質が含まれています。
マフラーはそういったエンジンから放出される有害物質を浄化し、よりクリーンな状態にして排出するといった役割を担っています。
排気音の消音
エンジンをかけた際、エンジンから放出される排気音は非常に大きな音が発生します。
マフラーは、そうしたエンジンから放出される大音量な排気音を軽減する役割があり、一般的にグラスウールや仕切り版など消音効果の高い素材が使用されています。
ちなみにマフラーという言葉は、「muffle(音を消す)」というところから来ています。
排気効率の向上
マフラーは、径や長さを調整することによって排気効率を調整することができ、エンジン出力やトルクを決定する役割も持っています。
車検とマフラー
クルマのチューニングやドレスアップをおこなう際にマフラーは欠かせないパーツとなっており、現在では非常に豊富な種類のマフラーが販売されています。おそらく、これから愛車をドレスアップするため、マフラーを購入しようと考えているオーナーも多いことでしょう
しかし、マフラーを購入する際は、車検のことも考慮しながら選ぶ必要があります。マフラーは国土交通省が定める道路運送車両法という法律で厳しく規制されており、その規定をクリアできていない場合は、車検に合格することはできません。
マフラーの基準を定めた法律は?
国土交通省が定める道路運送車両法によって決められているマフラーに関する規定内容は、主に下記の内容となっています。
- マフラーから排出される音量は、普通乗用車の場合で96dB(デシベル)以下、軽自動車の場合で97dB(デシベル)以下と定められており、その数値を超える場合、車検には通りません。
- 保安基準第3条において、車両の最低地上高を9センチ以上確保しなくてはならないとしています。つまり車両の底部に設置してあるマフラーが9センチ未満の場合、車検には通りません。
- マフラーのテールエンドが車両のバンパーから飛び出していたり、尖っていたりする場合、車検には通りません。
- エンジンから排出する有毒なガスなどの発散を防止する装置「触媒」が装着されていない場合、排ガス規制に該当するため車検には通りません。
なお、そのマフラーが車検に対応している製品なのかを確認する方法としては、「保安基準適合品」「車検対応品」「JASMA認定品」と、いずれかの記載があるマフラーであれば基本的に問題ありません。
ただし、保安基準適合品と車検対応品に関しては注意が必要で、マフラーの設計段階で車検の通る範囲内ギリギリで製造している場合があります。
そのため、マフラーを長期間使用し続けることによって消音材の劣化が進み、排気音が大きくなってしまい車検時の音量規定に引っかかるといったケースがあるので注意が必要です。
車検に通らないマフラーとは
「JASMA認定品」と記載のあるマフラーは、JASMA(日本自動車スポーツマフラー協会)にて保安基準適合品や車検対応品よりも更に厳しい基準で審査が行われ、それに合格した製品であるということになります。よって、車検を意識してマフラー選びをする際は「JASMA認定品」と記載のあるマフラーを選ぶようにすると良いでしょう。
マフラーの種類
マフラーには、走行性能の向上を目的としたものから見た目を重視したドレスアップ目的のものまで、素材やデザインなどの違いから様々なマフラーが販売されています。素材の種類では、マフラーに使用されている素材は「スチール」「ステンレス」「チタン」「カーボン」が主流となっており、それぞれの違いとしては下記のとおりです。
スチール
昔からマフラーの素材として多用されてきました。手に入りやすく加工も容易ですが、経年劣化によるサビが出やすいため、近年の純正マフラーはステンレス素材に変わりつつあります。
ステンレス
マフラーに使用される素材のなかで、もっとも多く使われるのがステンレスです。ステンレスは鉄よりも軽量で錆びにくく、比較的強度も高いうえ、価格が安いというメリットがあります。ちなみに、純正マフラーではステンレスを使用するのが一般的です。
チタン
チタンは非常に軽量であるほか、ステンレスと同様錆びに強く、強度も非常に高い素材です。軽量かつ高強度な特徴はマフラーにもっとも必要な要素であることから、レーシングカーにも多く採用されています。市販車ではサイレンサーやテールエンドなどに使われたりします。ただ、ステンレスに比べて高価なため、マフラー自体の価格も高めです。
カーボン
カーボンは軽量かつ丈夫な素材の代名詞といってもいいほどよく知られた素材です。、何と言ってもカーボン独特の風合いは人気があり、特にスポーティ志向の方に好まれています。しかし、カーボンは非常にコストがかかるるうえ、熱に弱い為、マフラーにおいては主にテールエンド部分などに使われます。
マフラーの本数の違いとは?
マフラーのデザインは、主に片側1本or2本出し、左右2本ずつの4本出し、そして中央2本出しなどいくつかの種類があります。
では、1本出し・2本出し・4本出し、このようにマフラーの本数を増やすことで、どのような違いが生まれるのでしょうか?
消音効果
マフラーの本数が増えることで、パワフルでいかにも速そうな車といったイメージが湧きますが、実はマフラーを2本にする事でサイレンサーも2つになるため、より消音効果が高くなります。
特に排気量の大きい車両においてはマフラー1本だけだと十分な消音効果が得られないため、その場合2本出しにして消音効果を得ているのです。
排気量が大きい車両に2本出し、4本出しマフラーが多いのはそのためです。大きなサイレンサーを収めつつ最低地上高を確保するためのケースもあります。
視覚的なデザイン性
クルマ好きの多くは、1本出しよりも2本出しのマフラーの方が見た目の印象が良く、また高級感があるといったイメージを持っています。
つまり、見た目のデザイン性を重視し、マフラーの本数や形状が決められているということもあります。
このように、1本出しや2本出しなど、マフラーの本数やデザインにいろいろな種類があるのは、消音効果を高めつつ、見た目のドレスアップ効果に大きく貢献するためでもあります。
まとめ
クルマのマフラーにはたくさんの種類が存在する!ということで、今回はクルマのマフラーについて詳しく解説してきました。
ここで紹介してきたとおり、マフラーには走行性能を向上させる役割や環境への配慮、またクルマのリアビューをカッコ良くしてくれるというドレスアップ効果に大きく貢献してくれます。
しかし、マフラーに関しては道路運送車両法で厳しく制限されており、購入する際はそのマフラーが「車検に対応しているのか」ということをしっかりと確認する必要があります。
各メーカー様々な種類のマフラーを販売していますので、ぜひ自分の好みにあったマフラーを選んで、楽しいカーライフを送ってください!