2019年09月24日 (更新:2024年07月29日)
車のタイヤがパンクしたら行うべき対処方法とは?パンクするその前に!
外出中にパンクした時は、気がめいってしまうものです。パンクには種類があり、それぞれ対処方法も異なりますから落ち着いて行動することが大切になります。それでは、パンク修理の対処方法を詳しくご紹介していきます。
今のタイヤは高性能なためパンクに気付くことが難しくなりました。タイヤはご存知の通りゴムでできているので、鋭利なモノを踏んでしまうとタイヤに穴が空き、空気が漏れてパンクします。
かつてのチューブタイヤだと、チューブ内の空気が急速に抜けだし、すぐにパンクに気付くことができました。しかし、今のタイヤはチューブレスタイヤとなっており、穴が小さい場合はタイヤの空気が一気に抜けてしまうことがなく、パンクに気付かずに走り続けることも良くあります。
パンクをすると、足回りから聞こえる音が変化しますので、音がおかしいと感じたら早めに確認をする必要があります。パンクをしたまま走り続けると、ハンドルが効かなくなったりと重大な事故につながる危険があります。タイヤに違和感を感じたら早急にディーラーや整備工場で確認してもらいましょう。
パンクしたらすぐに行う対処方法
安全な所へ車を移動する
一般道
走行中、車の異変に気が付いたら、車を安全な場所に停車させます。停車させる時には、決して急ブレーキを踏まずに、できる限りゆっくりと停車させましょう。
異変に気が付き停車させると決めたら、ハザードランプを点灯させて、徐々にスピードを落としていきます。一般道路を走行中は、広いスペースをさがして停車させましょう。道路上であれば三角停止板を車の後方に置きます。
高速道路
高速道路上でパンクを含めた異変が車に発生した場合は、ハザードランプを点灯させながらできる限りゆっくりと減速してください。決して急ブレーキは踏まずに、惰性だけで減速するのが基本です。
パンクが1輪のみであったり短距離の走行が可能であれば、道路左端にある非常駐車帯や高速出口まで車を移動させましょう。高速道路上で停止することは極めて危険ですので、走行が可能ならば決して止まらないでください。
非常駐車帯はトンネル以外ならば約500m、トンネル内は約750mおきに設置されています。停車させるときはハンドルを左側に目いっぱいに切り、エンジンを切らずに、ハザードをつけたままにします。車を停めたら発煙筒をもって左側のドアから降ります。
発煙筒は助手席の足元にあります。三角停止版をお持ちの方はこの時にトランクなどから取り出してください。ガードレールがある場合は、ガードレールの外に出ましょう。
安全が確保できたら、発煙筒を焚きながら、車の50mほど後ろに移動し、発煙筒を置きます。三角停止版にをお持ちの方は三角停止版も同時に設置してださい。この際、絶対に車道を歩かないでください。危険を感じる場合は車から多少離れた距離でも構いません。
※高速道路上では、三角表示板表示義務があるので、必ず車の50m以上後方に設置しなければなりません。ですが、三角表示版は携帯が義務づけられておらず、車によっては購入した状態では付属していない場合もある為、本記事では三角表示板を持っていない前提で記述しています。
発煙筒や三角表示板の設置を終えたら、決して車内には残らず、安全を確実に確保できる場所まで移動しましょう。
安全の確保ができたら、道路緊急ダイヤル(#9910)か110番に必ず通報してください。これによって車線規制や速度規制が行われ、交通管理隊やレッカーが向かう手はずになっています。保険会社のレッカーを利用する場合は、通報後に連絡をしましょう。
スペアタイヤに交換する
最近の車には、スペアタイヤが無いことが多くなりましたが、その場合はパンク修理キットが搭載されています。スペアタイヤが、積まれている車の場合は、車載工具を使いタイヤ交換をすることができます。
タイヤ交換をする場合は、タイヤを脱着するために車をジャッキアップさせる必要があります。ジャッキはスペアタイヤを採用している車種では車載工具として必ず搭載されています。車をジャッキアップさせるには、ジャッキアップポイントに確実にジャッキをあてなければ、思わぬ事故につながるので注意しましょう。
タイヤ交換の手順
- ホイールナットを対角線上に車載工具のレンチを使い緩める。
- 車をジャッキアップさせる。
- 緩めたホイールナットを全て取り外し、タイヤを外す。
- スペアタイヤを取り付ける。
- ホイールナットを手で取付け、手で締める。
- ジャッキをゆっくり下す。
- ホイールナットをレンチを使い対角で締める。(この時に足で踏んで締めると締めすぎになります)
これが、タイヤ交換の一連の流れです。ジャッキアップする時は、必ず平らで硬い地面の上で使用してください。坂や斜めになった場所で行うと、転倒の恐れがあり大変危険です。
また、高速道路上では、後続車が追突する危険があるのでタイヤ交換は決してその場で行わないでください。かならず緊急電話でタイヤがパンクして停車したことを告げてください。その後にJAFなどのロードサービスを呼んで、安全な場所までレッカー移動してもらってから、タイヤ交換をしましょう。
タイヤ交換をする際の注意点
交換する時の注意事項としては、ジャッキがしっかりと固定できる平坦な場所を確保する事と、交換する際に危険がないような十分な広さがある場所を選ぶのがポイントです。
特に右側のタイヤを交換するときには、車線側に背を向ける事になるので大変危険です。車の後方に三角表示板を設置することも併せて行うことが望まれます。
また、スペアタイヤが装着されたタイヤと同サイズのものならいいのですが、非常用のテンパータイヤは、走れる速度と使用距離に限度があるので、早急にパンク修理するか新しいタイヤと早めに交換しなければなりません。
さらに、最近の車ではそのテンパータイヤでさえオプションになっているケースがあり、その場合修理キットのみが積まれている場合があります。これは普段練習することが出来ません。ここで一通りの作業方法を説明しておきます。
パンク修理キットの場合
まず、パンク箇所の状態を確認しますが、この時タイヤに釘などが刺さっていたら、穴が大きくなってしまって修理キットが使えなくなる場合があるので、そのままにしておきます。パンク修理キットの種類によって使い方が異なる場合がありますが、通常はコンプレッサーがセットになっています。
今回は市販品でも人気のあるアメリカでは定番で日本でも人気の出てきているスライムの修理キットと自動車メーカー純正修理キットに関して使用方法を説明します。
スライムパンク修理キットの使い方
- 付属の専用工具を使ってバルブコアを外す。
- 注入用ノズルをタイヤのエアバルブにしっかりと差し込み、タイヤ1本に対しボトル1本すべてを注入する。
- 修理剤の注入が終わったら、バルブコアをしっかりと取り付ける。
- コンプレッサーのエア充填ホースをタイヤのエアバルブにしっかりと固定する。
- コンプレッサーの電源を入れ、コンプレッサーを作動。空気圧ゲージで空気圧を確認しながら指定空気圧まで空気を充填して下さい。
※修理後は80km/h以下で走行し出来るだけ速やかにガソリンスタンドやカーショップ、タイヤショップで修理剤を抜き取り、本修理を行いましょう!
パンク修理キットは、テンパータイヤより簡単で力もいらないので楽でもありますが、テンパータイヤ以上に早急なパンク修理の必要があります。また、メーカーによって仕様や取り扱い方法が異なりますので、それぞれの取り扱い説明書を確認しましょう。
自動車メーカー純正修理キットの使い方
次の動画は、トヨタが出している車載パンク修理キットの解説動画です。以前はタイヤがパンクしてしまったらスペアへ交換するのが一般的な方法でした。しかし、最近ではスペアタイヤの代わりにパンク修理キットを純正で搭載した車種が増えています。
このパンク修理キットは、パンク修理剤とエアコンプレッサーがセットになったモノ。タイヤの内側にエアバルブから液剤を注入することで穴を埋めつつ、エアコンプレッサーで空気を充填することができます。
ただし、全てのパンクのケースには対応しておらず、一時的な応急処置であることをわすれてはいけません。できるだけ早いタイヤの交換が必要なのに注意しましょう。
- ノズルをタイヤのエアバルブにしっかりと差し込みます。
- 空気圧ゲージで空気圧を確認しながら指定空気圧まで空気を充填して下さい。
パンク修理キット使用のメリット
パンク修理キットを搭載するメリットはその重さにあります。重いスペアタイヤやジャッキを搭載する代わりに、軽いパンク修理キットを搭載することで車全体を軽くし、燃費や動力性能を向上させることができるのです。
燃費が非常に重視される近年の自動車業界において、スペアタイヤではなくパンク修理キットが純正で付属する車が増えてきたのもこれが大きな理由です。また、上記のように作業が比較的楽であることもメリットの一つとして挙げられます。
スペアタイヤへの交換は力が必要であり、またジャッキアップを行うため危険も伴いますが、パンク修理キットを使用した補修であれば、女性やあまり力に自信のない人でも楽に、また安全に作業することができます。
パンク修理キット使用のデメリット
パンク修理キットには決して万能とは言えない部分もあります。まず、パンク修理キットが使えるのはタイヤのトレッド面、つまりタイヤが地面に接地する部分に穴があいてしまった場合のみであり、側面に穴があいてしまった場合は修理キットでは補修することができません。
つまりこのような場合にはスペアタイヤがなければどうすることもできないのです。さらに、パンク修理キットでの補修はあくまでも応急的なものであり、またその補修のためにタイヤの再利用ができなくなる場合もあります。
またパンク修理剤は応急的でない、きちんとしたタイヤ補修を行う際に洗い流さなければならず、それが難しい場合もあるためタイヤの再利用が難しくなる場合もあります。
JAFなどのロードサービスを利用する
最近の自動車保険や、ガソリン系や自動車メーカー系のクレジットカードには、ロードサービスが付帯されている事が多くなっています。パンクをしてしまったら付帯しているロードサービスを利用するのも一つの方法です。
付帯しているロードサービスは、無料となるレッカー移動距離やレッカー料金がそれぞれ異なるので、一度目を通しておくと、もしもの時に安心です。
タイヤがパンクしているときの症状って?
運転中にタイヤがパンクしてしまったら、どのような症状がでるのでしょうか。タイヤがパンクし、空気が漏れてくるとハンドルが取られたり、振動が伝わってくることで気が付くのですが、経験がないとわりと気付かずに走行してしまう事もあります。
特に前輪駆動車の場合、駆動力が伝わらずころがっているだけの後輪のパンクにはなかなか気づきません。車に乗る前ですと、車の傾きなどいつもと異なる変化に気が付くことが出来るので、その意味でも乗り込む前の点検は大事になります。
また、走りだすとハンドルが取られたり、パタパタというような路面をたたく音が聞こえるはずです。限界まで減ったタイヤでなければ、いきなりのパンク、バースト(破裂)というのは起きにくいのですが、異物がタイヤにささって、少しずつ空気が減ることが多いと思います。
特に高速道路を走行していると空気の抜けが早いので、休憩ごとに目視だけでも4本のタイヤ全てをチェックする必要があります。
車のタイヤがパンクする原因とは?
そもそも、なぜタイヤはパンクしてしまうのでしょうか。主な原因は以下の4つです。
- 釘などの鋭利なものが刺さる
- 縁石などにぶつてタイヤ側面が傷つく
- ホイールが変形して空気が漏れる
- 空気圧が適正でない
それぞれ詳細を見ていきましょう。
釘などを踏んでタイヤに穴が開いた
走行中、タイヤの接地面に釘などの金属片や硬い尖ったモノが刺さってしまったケースです。これが最も発生しやすいと言われています。
現代のタイヤは、釘などが刺さってしまってもすぐに空気が抜けきってしまわないようになっています。時間の経過と共にタイヤから空気が抜けていくため、なかなか気が付くことができないのもこのパンクの特徴であるといえます。
縁石などに側面・サイドウォールを接触させた
タイヤのサイドウォールを縁石などにこすってしまうと、タイヤ内部が損傷してパンクやバーストの原因となります。タイヤのサイドウォール(側面)は、トレッド面(底面)と違い肉薄となっています。それは、乗り心地をよくするためにサイドウォール(側面)に柔軟性を持たせるためです。
タイヤ内部には、カーカスと呼ばれるタイヤの形状を形作る金属のメッシュが入っています。タイヤを縁石などにこすると、カーカスが断裂してサイドウィールにこぶができます。こぶができずに、サイドウォールが切れることもあり、タイヤがこのような状態になるとタイヤはいつパンクしたりバーストするかわかりません。
駐車場などで、タイヤのサイドウォールをこすりながら走ることは、非常に危険な行為です。
タイヤの空気圧が低すぎる
空気圧はタイヤにとって最も重要です。低すぎる空気圧では、タイヤがたわみやすくなり、熱によってダメージを受けるほか、潰れたような状態で力を受け止めなければならないため、ゴムにヒビ割れが生じやすくなります。特に高速道路などの長距離を高速で走行するような場面では、空気圧が低いことによってタイヤが熱によるダメージを受け、パンクやバーストといったトラブルが起こってしまうのです。
目安としては、1ヶ月に1回、ガソリンスタンドなどで空気圧の点検を行いましょう。また、高速道路に乗る前には必ず確認しましょう。空気圧の適正値は運転席のドアを開けたドアストライカー周辺のステッカーに記載してあることが多いです。わからない場合は、店員さんなどに見てもらいましょう。
ホイールの変形
縁石にホイールをヒットさせた時にホイールのリムが曲がり、タイヤとの密着が悪くなくなり、そこからエアー(空気)漏れを起こしてパンクします。タイヤそのものに傷が無いので、ホイールを修正するか新しいホイールと交換しない限り、パンクは直りません。
パンクしたタイヤに関して
パンクを修理する方法は、大きく分けて以下の3つに分けることができます。
- タイヤ専門店などで、パンク修理をする。
- タイヤパンク修理キットを使い自分で修理する。
- 新しいタイヤと交換する。
この中で、パンク修理として安心できるのは、専門店で修理する方法となります。
もちろん自分で修理キットを使い修理できないこともありませんが、完璧に修理するにはタイヤをホイールから外して、裏側からパンク修理をする必要があります。パンク修理は、比較的費用を抑えられる対処法ですが、残念ながら修理不可となることもあります。それは、サイドウォールの損傷やパンク穴が大きすぎたり裂けている場合です。
また、空気が入っていない状態で走り続けると、内部構造を損傷にしてしまい、タイヤとして使い物にならなくなります。これらの場合には、新しいタイヤを購入するしかありません。
タイヤをパンクさせないためのポイント
タイヤをパンクさせないためには、日ごろからタイヤの点検をすることです。タイヤの空気圧が正常か、残り溝は十分にあるか、サイドウォールに傷はないかといった点検を行いましょう。また、道路の端には釘やネジが集まりやすいので、道路の端を出来るだけ走行しないようにすることも、パンクからタイヤを守る走行方法と言えます。
タイヤのパンクは起きて欲しくないと誰もが思うことでしょう。しかし、釘が道路に落ちているかなんて予測できる方はいませんよね。鋭利なものが刺さることが原因であるパンク以外は未然に防ぐことが可能ですので、以下のポイントに気をつけて走行しましょう。
- 1ヶ月に1回空気圧とタイヤの点検をする
- 縁石にぶつからないよう、車の回りをよく確認し余裕を持った運転をする
- 縁石や段差を越える際は十分に減速する
この3つを気をつけるだけでも、タイヤやホイールへのダメージを抑え、定期的な点検によって異常に早く気づくことができます。走行中のパンクは事故にもつながりますので、日ごろの点検をしっかりと行っておきましょう。
まとめ
タイヤが出先でパンクすると困ってしまいますが、自分で対処できない時にはロードサービスなどに連絡をするのが最善の方法です。そして、タイヤのパンクは、早めの処置によって費用を抑えることができます。気が付いたら出来るだけ早く修理をしてください。
なによりパンクした場合にはあわてないことが一番大事です。そしてパンクをさけるには、タイヤの山が規定以下になることで、ささいな事でもパンクしやすくなるので、早めのタイヤ交換が必要です。まだ大丈夫だろう、まだもったいない、と言っているうちにパンクするリスクは高まってしまいます。
また、高速道路などでパンクすると、大きな事故の原因にもなるので注意が必要です。そして、万が一の場合に備えて、自分の車にどのようなスペアタイヤや応急セットがあるかもう一度確認し、その取扱い説明書を一度読んでおきましょう。