2019年09月01日 (更新:2020年08月12日)
車のマフラーの構造ってどんな風になっているの?詳しく解説します!
車のマフラーの構造がどのようになっているかご存知でしょうか。マフラーは、車を走らせるためになくてはならないパーツです。今回はマフラーの構造について解説します。
詳しく解説していきます。
そもそもマフラーって必要なの?
自動車のリアバンパーの下に、金属のパイプを見ることができますが、これがマフラーです。
エンジンは、空気を吸い込んで燃料と混ざり合って燃焼を行っており、その排気ガスを外に出す必要があります。
この時に、そのまま排気ガスを排出させると非常に大きな爆発音となるので、消音装置が必要となります。
その消音装置がマフラーになり、機能としては音を消すことを重点に開発されています。
エキゾーストマニホールドより後のパイプを全てマフラーと一般的に呼んでいますが、本来はエキゾーストパイプの最後尾にある消音機をマフラーと呼びます。
エンジントルクにも関係する
また、マフラーはエンジントルクにも密接な関係があり、マフラーの太さや長さによりエンジントルク特性も変わってきます。
排気量とマフラーの長さが同じ車で、マフラーの太さを変えた場合、マフラが細いとトルクが増しますが、高回転で頭打ちとなります。
しかし太いマフラーの場合は、低速トルクはスカスカとなりますが、高回転までよく回るエンジンになります。
これは、水道のホースと同じ原理で、ホースを指でつまむと勢いよく水は飛び出しますが、水量を変えてもその勢いはある一定を境にほとんど変わりません。
しかし、指でつままなければ、最初はちょろちょろですが、水道を開栓すればするほど水の勢いは増します。
これと同じことがマフラーにも当てはまり、太さによりエンジン特性が変わってきます。
マフラーの構造とは?
排気システムの構造は、NA車とターボ車とでは、取り回し方法が少し違います。
NA車
エキゾーストマニホールド→キャタライザー(触媒)→サブサイレンサー→メインサイレンサー
ターボ車
エキゾーストマニホールド→タービン→フロントパイプ→キャタライザー→サブサイレンサー→メインサイレンサー
ターボ車はタービンとフロントパイプを介するので、全く同じマフラーを装着すると排気音が静かになる特徴があります。
エンジンから排出された排気ガスは、高圧で高温なため、大気に触れたとたん排気ガスが膨張し大きな音を発します。
そこで、消音するためにマフラーを取り付けています。
構造として身近な例を挙げれば、ドアを開けっぱなしより半分閉めた方が部屋の中は静かになりますよね。
マフラー内に隔壁を幾つも作り、音を消し去る構造となっています。
また、もっと静かなマフラーとするために、吸音材をマフラー内に入れて、限りなく排気音を小さくする工夫がされています。
この他にも、キャタライザーによって排気ガスを浄化させる役割もあり、キャタライザーが取り付けられていない車両は、車検に通すことができません。
マフラーのサイレンサーはとても重要!
マフラーには、サブサイレンサーとメインサイレンサーのという2つのサイレンサーが取り付けられています。
サイレンサーは、エンジンから出る排気音を吸収して音量を下げる役目があります。周りに迷惑とならない排気音にするための重要なパーツです。
排気音はサイレンサーの作り方次第で変更することもでき、特にスポーツカーでは、純正状態でもかっこいい音が出るように研究されています。
サイレンサーの作り方で音量や音質を変えることができますが、保安基準で音量規制があるので、あまり大きな音の出るサイレンサーには注意が必要です。
マフラーは車検に関係する重要な部品
マフラーは、保安基準で細かく性能の基準が決められている重要部品になります。
マフラーは車の下に取り付けられているので、最低地上高が保安基準の9cmを下回るようなものはNGとなります。
このほか、生産された年式により車体後部のマフラーの突出具合や、騒音規制値も細かく決められています。
マフラーエンドの取り付け位置
マフラーエンドの取付位置は、平成20年12月31日までに生産された車両は、リアバンパーから突出してないことと、通行の妨げとならない事といった、曖昧な基準でした。
しかし、平成12年1月1日以降に生産された車両では、細かく基準が設けられています。
車検場では、30度・60度・90度の三角定規を用意し、60度の辺をバンパーに当てた時にマフラーが当たるようだと車検には通りません。
騒音規制
騒音規制に関しては、平成22年4月1日以降に生産された車両は、近接排気騒音が96㏈以下で、加速騒音は82㏈以下と決められています。
また、脱着可能のサイレンサーは認められていません。
それ以前の車両では、平成10年度規制前と規制後、そして平成11年規制に分かれて細か排気音量が決められています。
平成10年度規制前 | 平成10年度規制後 | 平成11年度規制 | |
リアエンジン7人乗り以上 | 103㏈ | 100㏈ | |
リアエンジン6人乗り以下 | 103㏈ | 100㏈ | |
リアエンジン以外7人乗り以上 | 103㏈ | 96㏈ | |
リアエンジン以外6人乗り以下 | 103㏈ | 96㏈ |
触媒ストレートはNG!
触媒ストレート(触スト)とは、触媒を外して触媒の代わりに何もないパイプを取り付けることです。
触媒は、中に入っているプラチナ、パラジウム、ロジウムといった金属を用いて、化学反応により排気ガス中に含まれる炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を無害化しています。
しかし、触媒が付いていると、排気抵抗が大きくなったり、音量が小さくなってしまいます。
それらを嫌って触ストに改造する方がいますが、そのままでは車検に通らないことは勿論、有毒ガスが浄化されないまま大気中に放出されるため、環境に大きな悪影響を与えます。法律違反なのでやめましょう。
スポーツ触媒なら車検OK!
近年では、スポーツ触媒という排気抵抗を小さくした製品も販売されています。排気抵抗を少なくしたい方は、検討してみると良いでしょう。
まとめ
マフラーは、単にエンジンの排気ガスを大気に放出させているパイプではない事がお分かりいただけたでしょう。
マフラーは、エンジンのパワーを引き出し、排気音を抑制、排気ガスをクリーンにしています。安易に取り外すことがないようにしましょう。