車検では何を確認するの?車検の内容を解説します! | CARTUNEマガジン
車検では何を確認するの?車検の内容を解説します!

2018年12月26日 (更新:2020年07月16日)

車検では何を確認するの?車検の内容を解説します!

車を所有していると必ずやってくるのが車検。車検は、定められた期間中に必ず受けなければならないものだというのはご存知のことだと思いますが、車検では車の何を確認しているのかでしょうか。おそらくその内容まで知っているという方は少ないかと思います。そこで今回は、車の所有者であれば知っておきたい、車検の検査内容を解説していきます。

車検内容について

アゲ番長さんのエブリイワゴンDA64Wの画像
アゲ番長さんのエブリイワゴンDA64Wの画像

それでは早速、検査場にて実際行われている車両のチェック項目をそれぞれ解説していきたいと思います。意外と多くの箇所がチェック対象となっているので、それらの項目にひとつでも問題がある場合は、車検に合格することができません。しっかり確認しておくようにしましょう。

なお、車検の一連の流れとしては、

  • 1.検査員の目視による確認(外回り検査)
  • 2.検査ラインによる検査
  • 3.検査員の目視による確認(外回り検査)

という流れになっています。では、どのような確認がされているのか、それぞれ見ていきましょう。

ホーン・灯火類

白神さん家さんのマークXGRX120DIYの画像
白神さん家さんのマークXGRX120DIYの画像

ホーン

まずホーン(クラクション)に関してですが、ホーンを押した際、しっかり正常に音は出るか、また、保安基準を満たしているかなどのチェックが行われます。なお、現在におけるホーンに対する道路運送車両の保安基準は、下記のように定められています。

  • 警音器の音は、連続するものであり、かつ音の大きさ及び音量が一定なものであること。

  • 音の大きさは、前方7メートルの位置で112db以下87db以上であること。
  • 音の種類は、サイレンもしくは鐘でないこと。

例えば、ホーンの音量や音色を任意で自由に変えられるものや、あまりにも音量が大きすぎる又は小さすぎるなどの場合は保安基準適合外となりますので、車検をクリアすることができません。特にホーンを社外品に交換している場合は、それが保安基準に適合しているかどうかを確認するようにしてください。

灯火類

続いて灯火類についてですが、灯火類は「ヘッドライト・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウィンカー」など、車の外部に取り付けられている全ての灯火装置に対してチェックが行われます。こちらの灯火装置もホーン同様で、保安基準が定められていますので、それを満たしていない場合は車検をクリアすることはできません。また、近年では灯火類に対して色を変更するカスタムが流行していますが、

ヘッドライトは

  • 白色または淡黄色で、かつ左右のヘッドライトが同一色でなければならない

ブレーキランプは

  • 赤色でなければならない

など、各灯火類の色も保安基準によって細かく指定されているので、その基準に満たない場合は車検に合格することはできません。もちろん純正品だとしても、球切れなど正常に灯火しない場合は車検は通りません。ちなみに、ブレーキランプなど後方にある灯火類に関しては、球が切れていても気付かない場合は多いので注意が必要です。

スピードメーター

えぬびーさんのロードスターNB8Cの画像
えぬびーさんのロードスターNB8Cの画像

スピードメーターに関しても、車検時のチェック項目として入れられています。車検時のチェックとしては、実際に走行している速度とスピードメーターに表示されている速度が、許容範囲内であるかというチェックが行われます。そもそも車のスピードメーターは誤差が生じるものですので、誤差も許容範囲内に収まっていれば大丈夫です。

なお、チェック方法としては専用のレーンに車を乗せ、そこでスピードメーターが40km/hに達するまで加速させた状態で、専用の計測器と照らし合わせます。平成19年1月1日以降に製造された車に関しては

  • 30.9km/hから42.55km/hまで

平成18年12月31日以前に製造の車に関しては

  • 30.9km/hから44.4km/hまで

を、誤差の許容範囲内としています。

つまり、スピードメーターの誤差は、実際の速度計測に対して10km/h程度であれば、許容範囲内とされるわけです。スピードメーターの検査に関しては結構アバウトな部分もあるので、許容範囲内を大幅にズレていたり、作動しなかったりした場合以外は合格するでしょう。タイヤやホイールをカスタムして、タイヤの外径が変わっている場合はメーターにズレが生じるため要注意です。

ブレーキ、サイドブレーキ

りくさんのアルトワークスCS22Sブレーキパッドの画像
りくさんのアルトワークスCS22Sブレーキパッドの画像

ブレーキ

次にブレーキに関するチェック事項ですが、これは前後のブレーキが確実に効くかどうかということが車検時のチェックのポイントとなっています。車検では、ブレーキパッドの磨耗状態で判断されるため、摩耗が激しくブレーキパットの残量が少なすぎると、車検に通らなくなる可能性が出てきます。

車検に通らない基準としては、ブレーキパットの残量が1ミリ未満であるかどうかが基準になります。しかし、ブレーキパットの残量が1ミリ未満であっても、車検時にブレーキが確実に効いていれば「問題ナシ」と判定されてしまうこともあります。

結局のところ、ブレーキに関しては車検を実施する検査場次第ということにもなってくるので一概には言えませんが、もし消耗が激しい場合は、安全性を確保するためにも早めに交換すべきです。いずれにせよ、ブレーキは命に関わる重大なパーツですので、早めの交換をオススメします。

サイドブレーキ

サイドブレーキの効き具合に関してもチェックが行われます。チェックの方法としては、車の後輪をローラーに乗せ、そのローラーを回転させながらサイドブレーキの効きをチェックします。

それと同時に、サイドブレーキをいっぱいに引いたとき、その引きしろが多すぎたり、逆に少なすぎたりしていないかのチェックも行われます。基本的にはサイドブレーキを引いた際、後輪がしっかり固定されていれば問題ありません。

タイヤ溝

Takechan51さんのフーガKY51タイヤの画像
Takechan51さんのフーガKY51タイヤの画像

タイヤの溝に関しても車検のチェック項目のひとつです。タイヤの溝というのは、新品タイヤの状態で約8ミリ程度の深さがあります。それに対して車検に通る溝の深さの最低ラインは「1.6㎜よりも多いこと」とされていますので、1.6mm未満の場合、車検には通りません。

どのタイヤにも、タイヤの溝が危険なレベルまで減っていることを知らせる「スリップサイン」という目安が記されています。そのスリップサインが約1.6㎜を示していますので、1箇所でもそのスリップサインに達していた場合は、車検に合格することはできませんので注意してください。なお、1.6㎜というのはあくまで車検をクリアするための最低基準値ですので、安全安心のため、スリップサインに到達する前には交換することをオススメします。

サイドスリップ

プリウスさんのシャトルの画像
プリウスさんのシャトルの画像

サイドスリップという言葉自体、あまり聞き慣れない言葉ではありますが、このサイドスリップも車検のチェック項目となっています。どんな検査なのかというと、ハンドルを真っ直ぐにした状態のまま車を直進させ、その際左右にどのくらいのズレが生じるかをチェックするもので、つまりタイヤがちゃんと前を向いているかをみる検査となります。

このサイドスリップの検査基準は、1メートル走行した場合に対して、横滑り量は±5ミリの範囲内であるかというところが基準で行われます。特にローダウンなどで足回りを変えている場合や、前輪を縁石などに勢いよくぶつけてしまった場合などにタイヤのトー角が狂いやすいのです。もしそういった心当たりがある場合は、一度整備工場や専門店などでしっかりアライメント調整をおこなうことをオススメします。

排気ガス

とくちゃんさんのWRX STIVABマフラーの画像
とくちゃんさんのWRX STIVABマフラーの画像

排気ガスの検査方法としては、指定の場所にエンジンを切らずアイドリング状態のまま停車させ、マフラーに排気ガス検査器のプローブと呼ばれる検査棒を差し込み、マフラーから排出されるCO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)の濃度を測定します。なお、排気ガスに対する自動車排出ガスの基準値は「CO:1.0%」、「HC:300ppm」と定められていますので、その基準値を上回るような場合は、検査に合格することはできません。

オイル漏れ

あゆ太郎さんのタンドラの画像
あゆ太郎さんのタンドラの画像

エンジンオイルに関しても車検時にチェックされる項目で、検査の方法は、検査官がボンネット開けて目視でエンジンルームを確認する方法と、下回りを直接目視して確認する方法の、2つの方法で検査されます。なお、エンジンオイルが漏れている車に関しては車検に合格することはできません。しかしオイル漏れに関しての車検の合否は、その場でオイル漏れが確認できるかどうかで決まります。

車検場の検査官がオイル漏れを確認しなければ「特に問題ない」とされますので、オイルが滲んでいる程度であれば、車検前に拭き取ってあげるだけで、車検には通ってしまいます。ただ、いくら車検に合格したからと言っても漏れていることには違いありません。エンジンオイルは人間でいう血液に値する大事な役割を担っていますので、早急に修理するなどの対処が必要です。

ブーツなどの破れ

ともさんのヴェルファイアGGH20WDIYの画像
ともさんのヴェルファイアGGH20WDIYの画像

ドライブシャフトブーツに関しても、車検時に確認されるチェック項目のひとつです。そもそもドライブシャフトというのは、エンジンから発生する力をタイヤに伝え、車を走行させるための大事な役割を担っています。そのドライブシャフトには、動きを良くするためにグリスが充填されているのですが、そのグリスが汚れたり飛び散ったりするのを防いだり、可動部を保護するためにドライブシャフトブーツという部品が使われているわけです。

このドライブシャフトブーツという部品はゴムで作られており、車に使われているゴム製品のなかでも特に劣化しやすい部品となります。車検時にドライブシャフトブーツのひび割れや破れていたり、グリスが漏れていたりした場合は、当然ながら車検にも通りません。ボディの下回りにあるため、なかなか異変に気づきにくく、車検時に指摘されるケースも多い箇所です。ドライブシャフトブーツの破損は、車検の合否以前に、走行不能となる場合もあるので注意してください。

車検に落ちた場合は?

リバシーさんのチェロキーKJ37の画像
リバシーさんのチェロキーKJ37の画像

車検を受けたものの、何らかの理由で不合格になってしまったということは、決して珍しいことではありません。もし車検に合格することができなかった場合、問題となった箇所を速やかに改善し、再度検査を受ける必要があります。

ちなみに、再度検査を受ける場合、当日であれば後2回まで追加費用0円で受けられますので、すぐに改善することができるようであれば、その日に再検査を受けた方が良いです。

なお、再検査においては問題となった箇所のみが検査対象となります。その際すでに合格している部分に関しては受ける必要はありません。(※再検査扱いとなるのは15日間以内です。)

また、部品の交換が必要な場合など、その日に再検査を受けることが難しい場合は、車検満了日を過ぎても15日間限定で公道を走行することができる「限定自動車車検証」を発行してもらえるので、利用すると良いでしょう。この限定自動車車検証を持っていれば、期間内は公道を走行することができるので、決められた有効期限内に問題個所を改善し、再度検査を受けるようにしてください。

もし限定自動車車検証の有効期限が切れてしまった場合は、公道を走行することができませんので、再度車検場へ車両を持ち込む際にはレッカーで運ぶか、もしくは仮ナンバープレートを付けて走行する必要があります。その際、車検不合格となった日から15日間以上が経過していますので、再検査という扱いではなく、新規として1から車検を受けることになるので注意してください。このように、もし車検に落ちてしまった場合、できる限り当日もしくは15日間以内に改善し、再検査を受けるようにした方が、もっとも賢明な方法です。

まとめ

今回は、車検の時に行われるチェック内容について、詳しく解説してきました。ここでご紹介してきたように、車検には非常に多くの検査項目があり、そのうち1つでも保安基準に満たない箇所や部品などがあった場合は車検は不合格になります。

もし車検に合格することができなかった場合は、速やかに問題個所を改善し、再検査もしくは車検の取り直しを行わなければなりません。ただし、再検査や取り直しとなれば当然余計な手間や費用がかかりますので、車検は出来る限り一度で合格できるようにしましょう。そのためには、日頃からのメンテナンスが最も大切だと言えるでしょう。

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