2020年08月05日 (更新:2024年07月22日)
スピーカーを社外品に交換!選び方からおすすめまで徹底解説します!
新車当時から装備されているスピーカー(純正スピーカー)の性能は社外メーカーが市販化しているものと比べて性能が低く、市販されているスピーカーに取り換えると性能差がよくわかるというのは巷でよく言われていることです。ここではその理由とスピーカーの種類、及び社外メーカーのスピーカーを紹介します。
なぜ純正スピーカーは音が悪いのか
新車で車を購入した差に装備されているスピーカーは純正スピーカーで、この純正スピーカーは社外スピーカーと比較すると性能が劣っていると言われています。純正スピーカーの性能が劣っていると言われることには次のいくつかの理由が要因となっているのです。ここではそれらの理由を紹介します。
素材
純正スピーカーの性能に大きな影響を与えているのがスピーカーに使われている素材です。スピーカーの素材の中でもチェックしたいのが、振動板、フレーム、マグネットに使用されているものになります。これらの部品は音声電流をコイルや振動板を経て私たちがその音を実際に聞くことができるプロセスにおいて大切な役割を果たしていのです。
しかし、純正のスピーカーではそれらに使用される素材は音質を高めることを考えたものではなく、むしろ燃料消費率(俗に言う燃費のこと)向上のための軽量化を考えた素材が使われています。つまり良い音を伝えるための素材を使用せずにより軽量な素材を優先的に採用しているということです。
例えば、純正スピーカーの場合、振動板にはペラペラの紙・厚紙みたいなものが使われていることや、フレームの強度が低い、さらにはマグネットの性能も低いなど、全体的にスピーカーの性能向上に努めている形跡は何も見当たりません。以下で社外スピーカーを紹介するのでそちらを参考にしていただくとわかるかと思いますが、純正スピーカーよりも音質を高めることを考えた素材選びがなされているのです。
定格入力と最大入力
スピーカーの素材に加えて、スピーカー自体の定格入力と最大入力のスペックの低さもその原因となっています。定格入力は連続的にスピーカーへ入力がなされてもスピーカーが問題なく機能することを示している数値、最大入力はそのスピーカーに瞬間的に入力されても問題とならない音量を示す数値です。純正スピーカーにおけるこの数値は、社外スピーカーと比較すると全体的に低くなっており、そのため音にひずみが発生しやすくなおかつ音量を上げると壊れやすくなっています。
スピーカーの仕組み
純正スピーカーの性能が何故低いのかを説明しましたが、理解を含める目的で、ここではスピーカーが機能する仕組みを少し紹介ます。まず、私たちがスピーカーを経て聞くことができる音の存在とは振動した空気のことで、その振動は振動板が動いたことによって生み出されたものです。振動板が動くためにその振動源が必要となるのですが、その振動源となるのがボイスコイルやマグネットになります。
ボイスコイルやマグネットは振動するモノであって、これらが振動するきっかけを生み出すのが電気信号となっているのです。アンプを経由して増幅された音がボイスコイルに流れ、マグネットが振動し、振動板が動いたことで生まれた振動している空気が私たちの耳に届く、これが一連の流れとなっています。
スピーカーの種類
ここではスピーカーの種類について、それぞれの特長や役割を説明します。
コアキシャルスピーカー
1つ目に紹介するスピーカーの種類はコアキシャルスピーカー(フルレンジスピーカーとも呼ばれる)です。コアキシャルスピーカーとは純正スピーカーにも多く見られるタイプのスピーカーで、車のフロントドアに取り付けられます。高音専用として機能するツィーターと中低音用スピーカーが同軸上にある、つまり低い音から高い音まで全て1つのスピーカーで鳴らすことができるのです。
コアキシャルスピーカーの良いところとして、純正スピーカーよりも素材にこだわっているため音質が純正スピーカーよりも優れていること、それでありながら決して高すぎず手に届く価格の製品が多いこと、低音から高音までのすべての音が一緒に聞こえてくることなどが挙げられます。反対に悪いところとしては、コアキシャルスピーカー自体がフロントドア下部に設置されることが多いため音像(音が発せられる位置)が低い位置になってしまうことがあるのです。良し悪しはありますが、交換するとなった場合には同じタイプの社外スピーカーに交換することが最も簡単に音質を高める方法といえるでしょう。
セパレートタイプ
2つ目に紹介するスピーカーのタイプはセパレートスピーカーというタイプです。セパレートスピーカーは、コアキシャルスピーカーとは違ってツィーターが2つに分離されています。1つのツィーターは高音専用となっていて、もう1つのツィーターは中音・低音用となっているのです。
ツィーターを取り付ける時、高音専用のものはできるだけ高いところに、中音や低音は低いところに取り付けるというのが常套手段で、これは音の特徴を活かした方法となっています。高い音がより耳に近いところから発せられることで、コアキシャルスピーカーよりも音の聞こえ方が良くなるのです。
ウーファー
ウーファーと呼ばれるパーツもスピーカーでは重要な役割を果たします。ウーファーとは低音を発生させる役割を持つもので、スピーカーユニット全体の中でその役割を持つものをウーファーと呼ぶのが一般的です。中低音に関係するウーファーはミッドウーファーと呼ばれています。これらに加えてサブウーファーと呼ばれるものも存在していて、これは低音より低い音(重低音)を再現することができるのです。重低音まできっちり味わいたい場合にはマストアイテムになります。
商品紹介
ここではスピーカー製造メーカー各社が製造・販売しているスピーカーでAmazonで販売されているものをいくつか紹介します。なお、スピーカーによっては取り付けることができないモデルもありますので、購入する前に必ず確認しましょう。
ケンウッド
カーナビやドライブレコーダーのメーカーとして有名なケンウッドはスピーカーの製造・販売にも携わっています。
17cmセパレートカスタムフィット・スピーカー
17cmセパレートカスタムフィット・スピーカーです。音質を高めてその音だけでなく雰囲気も感じることができるなスピーカーを目指して作られたセパレートタイプのスピーカーになります。
軽量でありながら強度に優れる素材が採用された振動板、剛性に優れたアルミダイキャストウーファーフレーム、その他にもマグネットカバーや磁気変調歪みを打ち消すアルミショートリングといったパーツなど、細部にわたってこだわりの入っているスピーカーです。新設計のソフトドーム型ツィーターや純正同様に取り付けることのできる点も特長となっています。
16cmカスタムフィットスピーカー
16cmカスタムフィットスピーカーは2WAYタイプのコアキシャルスピーカーです。定格入力と最大入力はそれぞれ30W/150Wとなっています。振動板の素材にはパールマイカとダイヤモンドアレイポリプロピレンを採用して軽量で強靭かつ柔らかい見た目をもつスピーカーとなっています。
12cmカスタムフィットスピーカー
12cmカスタムフィットスピーカーは2ウェイ2スピーカーのコアキシャルスピーカーになります。日産・ホンダ・スバル・スズキ車用のスピーカーです。
スピーカーのサイズは小さく、定格入力/最大入力は23W/100W、そして2WAYタイプと特別優れているわけではありませんが、純正スピーカーよりは良いです。安く手軽に取り付けたい方におすすめします。
アルパイン
お次に紹介するスピーカーは、日本は福島県に本社を構える自動車用音響機器メーカーアルパインの製品です。
17cmセパレート2ウェイスピーカー
17cmセパレート2ウェイスピーカーは3cmセパレートドームツィーターを採用するセパレートタイプのスピーカーになります。同社のグレートアップスピーカーシリーズの中で初となるセパレートタイプにあたるスピーカーで、磁気回路(スクエア・ボイスコイル・ワイヤー)をアルパインの上位モデルにあたるDDLinearに値するほどのスペックとしている点や、見た目にも性能にも効果的な高品位PPマイカインジェクションコーンの採用、音響用コンデンサーの搭載などが特長的です。
2ウェイスピーカー コアキシャル 17cmX
2ウェイスピーカー コアキシャル 17cmXはアルパインのスピーカーラインナップの中でも上位にあたるⅩプレミアムサウンドに属するコアキシャルスピーカーです。
ツィーター振動板の素材にはカーボングラファイトが採用されています。カーボングラファイトとは、アモルファスカーボンとグラファイト(黒鉛とも言う)という2つの素材が結合されたものです。軽量でありながら高い強度を持ち、解像度(実際の音の再現具合)の高さが特長になります。ウーファー振動板にはナノファイバー素材が採用されていて、低音を高いクオリティで再現するために求められる弾性率に優れた素材となって音質向上に貢献しているのです。
ダブルギャザードエッジというひだ形状のエッジで振動板の安定性を高めて、大入力時でも振幅特性を発揮するエッジ形状や、大型35mmのボイスコイルなども採用されています。
カロッツェリア
カロッツェリアやパイオニア株式会社が展開するカーナビ・カーAVブランドです。
17cm2ウェイスピーカー
17cm2ウェイスピーカーはカロッツエリアのFシリーズに位置する2ウェイのコアキシャルスピーカーです。
ウーファーの振動板には高音質IMCCと呼ばれるカーボン素材が採用されていて、振動板の軽量化・剛性強化を行っています。その他にも、磁気回路やボイスコイルの見直し、頂点駆動方式と呼ばれる新システムの採用、トゥイーターの細部の見直しによって中高音の音質向上、ハイレゾ音源への対応などがポイントです。コアキシャルスピーカーでありながらセパレートタイプに劣らない広い指向特性の獲得に成功しています。
17cmセパレート2ウェイスピーカー
17cmセパレート2ウェイスピーカー (ハイレゾ対応 TS-F1740S)はセパレートタイプの2WAYスピーカーです。先ほど紹介したスピーカーと似ていますが、こちらはセパレートタイプとなっているので、ウーファーとトゥイーターが別々に用意されています。
中音域はトゥイーターを通じて再生するようにされていて、車内のどこから聞いても臨場感あふれる音楽を楽しむことが可能です。もちろん高音域もトゥイーターから再生されます。ウーファーの振動板にIMCCを採用している点や、磁気回路見直しもなどは、先に紹介した製品同様です。
まとめ
今回は純正スピーカーの性能が市販されているスピーカーと比べて劣っているということ、スピーカーの種類、社外メーカーのスピーカーなどを説明・紹介しました。自動車を購入する際の決め手とされているものに純正スピーカーというものが含まれていると聞くことはほとんどなく、燃費の良さやデザイン、そして価格やメーカーのブランドイメージなどに重きを置いているように感じます。純正スピーカーの製品としての品質の低さには、このような背景が関係しているのです。しかし、メーカーによってはオプションで有名スピーカーメーカーのサウンドシステムを用意するなどしているなど、音にこだわるユーザーたちもある程度視野に入れているようです。
より良い音を車内で楽しむことができるように考えて作られているスピーカーは、振動板やボイスコイルにマグネットなどの作り・素材に拘りをもっていることはこれまで説明したとおりです。なお、スピーカーにもさまざまな種類がありますので、市販のスピーカーを取り付ける際には自身の車両に合うスピーカータイプを選ぶようにしましょう。
音にこだわった純正スピーカーがあるかどうか探してみるとこと、そして素材や作りなどにこだわるスピーカーメーカーのスピーカーを一度取り付けてみること、これらを同時進行で進めることがスピーカーから発せられる音への感度を高めることに繋がることでしょう。