キャブ車ってなんだろう?キャブレターについて徹底解説!

2019年01月16日

キャブ車ってなんだろう?キャブレターについて徹底解説!

labelキャブレター

「キャブレター」というパーツをご存知でしょうか。現在の車には搭載されていないので、あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、昔の車のエンジンには必ず搭載されていたもの。今回は、キャブレターという部品が一体なんであるかをご紹介いたします。

キャブレターとは

先程「現在の車には搭載されていない」とお伝えしましたが、現在はキャブレターに代わってフューエルインジェクションという部品がその役割を担っています。まずは、キャブレターという部品の役割から見ていきましょう。

キャブレターとは燃料供給装置の一つ。電気等の動力源を利用せずに燃料と空気を混合する装置

キャブレターは、ガソリンを霧状にして空気と混合させるための部品です。エンジンは各気筒で起こった爆発によって動くのですが、液体のままガソリンを燃やすと、炎が上がるだけで爆発にはなりません。キャブレターがガソリンを霧状にして空気と混ぜ合わせ、圧縮することで爆発が起こるのです。

キャブレターは機械的な装置であるため、電気を一切使用せずに動きますが、現在は電気の力で動くフューエルインジェクションが使用されています。

キャブレター独自の故障

機械的に動く装置なので、キャブレターが搭載されたキャブ車ならではの故障もありました。後述しますが、ガソリンを霧状にするための部品であるジェットニードルという針に小さな穴が空いている部品があります。

そこに小さなゴミがたまると、ガソリンが供給されなくなりエンジンがかからなくなってしまうのです。さらに、ガソリンが詰まってしまいキャブレターからガソリンが漏れるオーバーフローという現象が起こります。また圧力を調整するフローターに穴が空いてしまっても機能しなくなり、こちらもオーバーフローの原因になります。様々な部品が樹脂パーツや真鍮で構成されているため、経年による劣化などにより故障する可能性が高い部品です。

キャブレターが消えた理由

キャブレターがなくなった主な理由は、排ガス規制。機械式に霧状にするキャブレターは、少し多めの燃料を噴射する設定だったので排ガスの規制に引っかかってしまったのです。

現在では、さらに新たな排ガス規制が設けられ、キャブレターからフューエルインジェクションへ切り替えただけではそれに対応できなくなっています。エンジンの構造を変えたり、マフラーの触媒を強化することで、現在も新車を売り出すことが可能になっているのです。排ガス規制は新車販売に関わることなので、過去に販売されていたキャブ車を乗る分には問題はありません。しかし、新たに生産されることがないため、キャブ車が少なくなっていることも事実です。

キャブレターのしくみ

それではキャブレターの仕組みを見ていきましょう。キャブレターには、ガソリンが入り、霧状にするシステムと空気を送り込むシステムが搭載されています。ガソリンはガソリンタンクから、空気はエアクリーナーを通ってキャブレター内に入り込みます。

では、キャブレター内に入ったガソリンと空気が、どのように混ざりエンジンへ送り込まれるかをご説明いたします。

ガソリンを霧状にする

キャブ内に送り込まれたガソリンは、霧状になり空気と混ざります。この霧状になる仕組みですが、ジェットニードルという針に小さな穴が空いている部品を通り、霧状に噴出されます。ジェットニードルの穴を調整することで、よりパワーを得られるケースもありますので、キャブレターを改造する方はここが最も重要なパーツです。

このバルブ部分(ニードルバルブ)に関しては、ガソリンが押し出されない限りジェットニードルからガソリンが出ることはありません。この押し出す力は、フローターによるもの。キャブレター内がにガソリンで満たされると、フローターが浮き、ニードルバルブが押し上げられます。

ここからガソリンが流れ込み、ジェットニードルの穴から霧状にガソリンが噴出されるのです。

必要な空気を送り込む

空気がなければ爆発が起こらないことはご存知だと思います。しかし、ここで気になることはアクセルを開けるほど燃料が濃くなるということ。そうすると、必要な空気の量も増えます。空気が少なければ燃えなかったガソリンが火花を散らすプラグに付着し、すぐに被ってしまいます。逆に空気が多いとガソリンが足りずに爆発しない現象もあるので、絶妙な空気量の調整が必要です。

ここで登場するのがスロットルバルブです。アクセルワイヤーと直接繋がっており、アクセルを開けるとスロットルバルブが開きます。これにより、必要な空気が供給されるというわけです。

混ざったガソリンと空気が爆発するまで

キャブレターから送られたガソリンと空気は、そのままエンジン内に送り込まれます。そこで、プラグが発する火花によって爆発が起こり、ピストンが動く仕組みになっています。この運動が連続することにより、エンジンは回転を続けるのです。

このことから、キャブレターはエンジンを動かす上で欠かせない部品であることがわかると思います。良い燃料、良い空気、良い火花という条件全てが揃って、車が調子よく動くのです。

インジェクションとの比較

現在使用されているフューエルインジェクションとキャブレターでは、どのような違いがあるのでしょう。一概に新しい方が優れているというわけでもありません。キャブレター愛好家は、一体どこに魅力を感じるのでしょうか。

キャブレターのメリット

まずはキャブレターのメリットから。機械的であることがキャブレターの良い面なのですが、機械的な面がどのようなメリットを生み出しているのかを、さらに詳しくご紹介いたします。

カスタムすることができる

キャブレターは、部品を変えることによりカスタムすることが可能です。最もポピュラーなのはジェットニードルの穴を大きくすること。穴が大きい分、たくさんの燃料が噴射されるので大きな爆発を起こす際には必須のカスタムです。

フューエルインジェクションではこのカスタムは難しく、非常に高額になる一方、キャブレターは、知識のある方であれば、ご自分でキャブレターを取り出し、分解することも可能ですので、DIYにより燃料を濃くすることも可能なのです。

もし、現在のフューエルインジェクション搭載のエンジンで燃料を濃くする場合は、コンピューターのセッティングを変更するという大掛かりな作業になります。自分で気軽にコントロールするための装置を搭載するのも高額になります。

排気音が独特である

キャブ車は、その独特の排気音も魅力の一つ。フューエルインジェクションはコンピューター制御のため、常に均等な音になりますが、キャブレターであれば一度爆発する度に鼓動を感じることができます。

また、フューエルインジェクションと比較しても音が太いのも特徴的で、マフラーを社外品にするとこの差は歴然です。

修理が安い

故障してしまう頻度こそ高いですが、キャブレターの修理はフューエルインジェクションの故障よりも安く済みます。ご自分でキャブレターを分解できる方であれば、部品を購入しても1万円を超えることは少ないです。

しかし、フューエルインジェクション関連で故障してしまうと、部品が一体型なため数十万円かかってしまいます。この点も、キャブ車のメリットと言えます。

故障してすぐに修理できる場合もある

キャブレターの知識がある方であれば、トラブルが起きた際にもその場で対応することが可能なケースがあります。フューエルインジェクション搭載の車であれば、エンジンがかからなくなった際に何かできるのはバッテリートラブルくらいです。

映画などで故障した車のボンネットを開けているシーンが見られると思いますが、現在販売されている車では開けても何もできません。しかし、キャブレターであれば、なにかしらの対処ができることもあります。

キャブレターのデメリット

では、キャブレターのデメリットを見ていきましょう。機械式であるため、細かなセッティングを一度してしまうと簡単に変更できません。また、精密にできた部品はトラブルも多いです。

暖機運転が必要

キャブレターのセッティングは、エンジンが温まった状態を想定されています。エンジンが冷えている状態では、ガソリンが霧になりにくいため、ガソリンを濃くしなければエンジンが止まってしまいます。

フューエルインジェクションはそれを察知して回転数を高くしてくれますが、キャブレターは手動で行わなければなりません。チョークとも呼ばれるスターターを引っ張ってアイドリングを行います。

この状態で走ると、燃料が濃いため、温まるとプラグがかぶる原因となります。スターターを戻してアイドリングが安定する状態まで運転を待たなければならないのです。さらに、真冬の北海道などで見られる現象ですが、エンジンが温まらずにオーバークールでエンジンがかからなくなることもあります。

定期的にオーバーホールが必要

キャブレター内部には樹脂パーツが使用されていますので、定期的に樹脂パーツを交換しなければなりません。劣化した樹脂パーツからはガソリンが漏れ出してしまうので非常に危険です。

キャブレターを分解できればDIYを行うことも可能ですが、精密な部品なためトラブルを避けるためには慎重に行わなければなりません。近年、メンテナンスフリーが人気の車事情ではデメリットになります。

排気ガスが多くなる

フューエルインジェクションと比較すると、アイドリングを手動で操作しなければなりません。気温や気圧の変化により、空気の質は変化します。空気が変化すると、必要なガソリンの量も変化するのです。

しかし、キャブレターは簡単に変更することができないため、少し濃いガソリンが排出されるようにセッティングされています。これにより、不完全燃焼のガソリンによって排気ガスが多くなるというデメリットがあります。

長期間エンジンをかけない場合のケアが必要

キャブレター内に入っているガソリンを抜かずに長期間放置すると、ガソリンが腐ってしまいタール状になります。これがキャブレター内にたまるとオーバーフローを起こします。ここまで来てしまうと、一度分解して清掃しなければなりません。

また、フューエルコックを閉めておかないとキャブレター内にガソリンが流れ込んでしまうので、コックを締めるという手間も発生します。このように、メンテナンスにかかる手間は多くなります。

フューエルインジェクションのメリット、デメリット

キャブレターにおけるメリット、デメリットをご紹介しましたが、フューエルインジェクションはこの真逆と言えます。カスタムは非常に高額であり、排気音が一定で静かです。修理は高額になってしまいますね。

しかし、暖機運転は不要です。行った方が良いとする人もいますが、基本的には必要ありません。オーバーホールも基本的には不要ですし、排気ガスも年々少なくなっています。

キャブレターで精密な部品を使用して行っていたセッティングは、フューエルインジェクションでは全てコンピューターにより行われます。余計なガソリンがエンジン内に入り込まないため、燃費も向上します。

キャブレターは独特な良さがありますが、手間もかかってしまいます。故障が少なく、メンテナンスがいらないフューエルインジェクションが現在の車に導入され、普及したのも頷けます。

まとめ

現在は在庫数も少なくなってしまったキャブ車ですが、排気音やエンジン音などが独特であり、自分で手を加える度に愛着が湧く車になることは間違いありません。手間をかけ、運転する度に好きになる車です。

電子制御されていない車ですので、それだけ自分で手を加えなければいけないという点も好みが分かれますが、一度乗ってみるとその良さに気づくでしょう。機会があれば、是非乗ってみてください!