2018年11月22日 (更新:2022年10月26日)
スカイラインER34の魅力を解説!カスタム例も紹介します。
ER34は日産を代表する車両、スカイラインです。34スカイラインと聞くと34 GT-Rを思い浮かべてしまうところですが、今回はそれとは異なるER34スカイラインの魅力を解説します。特徴や用途、グレードの紹介やCARTUNEユーザーに見るカスタム事例など、これを読めばER34スカイラインの基本を知ることが可能です。それではみていきましょう。
ER34ってどんな車?
ER34は型式GF-ER34のスカイラインのことです。発売期間は1998年5月から2000年8月、及び2000年8月から2001年6月の期間となっていました。後輪駆動2WDと四輪駆動4WDのスカイラインがラインナップしていた中で、型式ER34のスカイラインは後輪駆動2WDに分類されます。
さらにその中で、1998年5月から2000年8月の中では25GT TURBOと25GT、そして2000年8月から2001年6月の期間では25GT TURBO・25GT-V・25GT-X・25GTのグレードが型式ER34の車両となっているのです。
スカイラインで34と聞くと、巷で盗難が多発している34 GT-Rを想像しがちですが、34GT-Rは型式BNR34型と呼ばれるグレードで発売されたのは1999年1月、型式的にも発売時期としても、今回紹介しているER34スカイラインとは異なる車両になります。
BNR34型GT-Rは当時のスカイラインの最上級かつ最高級のグレードとなっていました、つまりER34スカイラインはその下位グレードにあたる車両であるということがわかります。ER34型スカイラインの話題になったときよくあがる疑問をひとつ紹介すると、ER34型スカイラインとENR34スカイラインは何がどう違うのかということです。
つまりはこの2つのグレードは勘違いされがちなグレートということになります。以下のグレード紹介でも説明しますが、ER34型スカイラインとENR34型スカイラインの大きな違いは駆動方式とターボ装着の有無です。前者は後輪駆動2WDでターボ装着グレードが用意されていますが、ENR34型スカイラインは基本的に四輪駆動4WDでターボ装着グレードは用意されていません。
ER34の車としての主な使われ方
カスタムベース
34 GT-RほどではないにせよER34スカイラインは自動車として高い性能を誇っていることは事実です。そのER34スカイラインはどのような使われ方をしているのでしょうか。
最も普及している使われ方は街乗り向けの使い方です。街乗りに使用する車として、通勤から週末のドライブ、時間があるときのワインディングなどを楽しむことができます。
純正仕様のスペックの高さを見ても、街乗りで困ることは全くありません。デートカー、スポーティードライブなど、サーキットのような本格的なスポーツ走行をしないけれどさり気なく流して気持ちよく運転したい方を満足させてくれる車です。
街乗りメインの場合、カスタムベース車両として使っている方も多数います。CARTUNEユーザーでもER34を所有している方は多いのですが、純正仕様の状態で乗っている方だけでなく、外装や内装を自分好みにカスタムしている方も多くみられるのです。
カスタムカーのカスタムとしては定番ですが、ER34のバンパーを純正仕様から社外品モデルへ変更することや、ホイールのサイズアップやツライチだけでなくデザイン性を自身の嗜好に合わせて変更するなど、定番カスタムが積極的に行われています。
ドリフト
そして忘れてはならない使われ方といえばドリフト走行です。ER34はドリ車としても人気のある車種で、数多くのユーザーが今でも現役でドリフト仕様のER34でドリフトしています。
先日引退したばかりの元D1レーサーである野村謙氏はD1開幕当初からER34スカイライン(4ドアタイプ)で参戦を続け、選手としての最終シーズンであった今年2018年もER34スカイライン(マシン名は「NAC R34 DUNLOP BRIDE」)でファンを盛り上げていました。ドリフト最前線での活躍もあったことから、ER34は今でもドリフト向け車両として人気があるのです。
最も肝心なことは、今日各メーカーが発売している車両でFR車(後輪駆動車)がほとんどなく、それゆえ年式の古い後輪駆動車を使い続けているという背景もあるということになります。
ER34のグレード紹介
2ドアスポーツクーペ(1998年5月-2000年8月)
ER34スカイラインのスペックですが、グレードによって違いがありますのでスペック表を参考にしてください。まずは2ドアスポーツクーペモデルを紹介します。紹介するグレードは1998年5月から2000年8月の間に販売されていた25GT TURBOです。
25GT TURBOの大きな特徴はターボが装着されていることです。同時期に発売されていた2ドアスポーツクーペ仕様のスカイラインは後輪駆動3モデル(ER34、HR34)と全輪駆動車1モデル(ENR34)でしたが、この中でターボが搭載されていたのは25GT TURBOだけでした。
タイヤサイズは前後共に225/45ZR17となっています。1998年5月から2000年8月の間に発売されていたもうひとつのER34スカイラインは25GTというグレードになります。スペックは表を参考にしてください。タイヤサイズは205/55R16で25GT SPORTよりも小さいホイール・タイヤが組まれています。
シャーシスペック(2ドア)
25GT SPORT | 25GT TURBO | 25GT | |
---|---|---|---|
全長 | 4,580mm | ||
全幅 | 1,725mm | ||
全高 | 1,340mm | ||
車両重量(MT車) | 1,410kg | 1,340kg | |
ホイールベース | 2,665mm | ||
Fトレッド | 1,480mm | ||
Rトレッド | 1,470mm | ||
Fサスペンション | 独立懸架マルチ | ||
Rサスペンション | 独立懸架マルチ | ||
Fブレーキ | 対抗ピストン型 | 対向ピストン型 | |
Rブレーキ | 対抗ピストン型 | 対向ピストン型 |
エンジンスペック(2ドア、4ドア共に)
RB25DET[NEOストレート6] | RB25DE[NEOストレート6] | |
---|---|---|
エンジンタイプ | 水冷直列6気筒・DOHC | 水冷直列6気筒DOHC |
排気量 | 2,498 | |
最高出力 | 206kW(280PS)/6,400rpm | 147kW(200PS)/6000rpm |
最大トルク | 343N・m(35.0kgf)/3,200rpm | 255N・m(26.0kgf)/4,000rpm |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
ターボ | あり | なし |
4ドアスポーツセダン(1998年5月-2000年8月)
ER34スカイラインは2ドアスポーツクーペモデルだけではありません。4ドアスポーツセダンタイプも同時に販売されていました。1998年5月-2000年8月に発売されていたER34スカイラインは25GT-X TURBO、25GT TURBO及び25GT-Xと25GTという4つのグレードです。全て後輪駆動モデルとなっています。ターボ仕様とNA仕様でまとめて紹介します。
25GT-X TURBOと25GT TURBOは同じエンジンを搭載するグレードになります。搭載エンジンは2ドアスポーツクーペモデルの一部車両にも搭載されていた型式RB25DET[NEOストレート6]エンジンです。装着タイヤは前後共に225/45ZR17です。
25GT-Xと25GTは共にRB25DE[NEOストレート6]<LEV>を搭載するグレードのER34です。搭載エンジンを見ればわかるとおりNAエンジン車両になります。この車両の大きな特徴はMT仕様ではなくデュアルマチックM-ATx(フルレンジ電子制御4速オートマチック)を搭載するAT車という点になります。2ドア・4ドアタイプすべての中で唯一のAT仕様のER34です。
タイヤサイズに目を向けてみると、25GT-Xグレードが205/55R16で、25GT グレードで205/60R15のタイヤです。ターボ仕様と比べると小さいタイヤが採用されていることがわかります。
25GT-X TURBO | 25GT TURBO | 25GT-X | 25GT | |
---|---|---|---|---|
全長 | 4,705mm | |||
全幅 | 1,720mm | |||
全高 | 1,375mm | |||
車両重量(MT車) | 1,430kg | |||
ホイールベース | 2,665mm | |||
Fトレッド | 1,480mm | |||
Rトレッド | 1,470mm | |||
Fサスペンション | 独立懸架マルチ | |||
Rサスペンション | 独立懸架マルチ | |||
Fブレーキ | 対向ピストン型 | ベンチレーテッド | ||
Rブレーキ | 対向ピストン型 | ベンチレーテッド |
2ドアスポーツクーペ(2000年8月-2001年6月)
2008年8月から2001年6月の期間で発売されていたER34スカイラインのひとつが2ドアスポーツクーペモデルです。なおかつ後輪駆動になります。グレードは25GT TURBOと25GT-Vの2種類で、トランスミッションは5速MT仕様とデュアルマチックM-ATx(フルレンジ電子制御4速オートマチック)から選択可能です。
25GT TURBOに搭載されているRB25DET[NEOストレート6]は以前のモデルと同じですが、最大トルクが363N・m(37.0kgf)/6,400rpmと高くなっている点が異なります(後期4ドアモデルのエンジンと同じ)。25GT-VのエンジンとなっているRB25DE[NEOストレート6]〈LEV〉には変更点は見当たりません。使用燃料も引き続き無鉛プレミアムガソリンです。
この期間に発売されたモデルは後期型とも言われていますが、ボディサイズやホイールベースに前後トレッドは同じ、車両重量も同じ、前後サスペンション方式さらにはブレーキまでターボ仕様と同じものが採用されています。
25GTの代わりに登場した25GT-VはNAエンジンでありながら対向ピストン型ベンチレーテッドディスクが採用され、タイヤサイズはターボ仕様と同じ225/45ZR17になっているなど、25GTと比較して足回りが強化された印象です。
4ドアスポーツセダン(2000年8月-2001年6月)
後期型4ドアスポーツセダンも2ドアモデルと同じく、引き続き後輪駆動車両となりました。ラインナップしていたグレードは4つで、25GT TURBO、25GT-V、25GT-X及び25GTです。2ドアモデルとは反対に4ドアモデルでは25GT-X TURBOグレードがラインナップからなくなって代わりに25GT-Vが登場しました。
これによって後期型で消滅したグレードは2ドアモデルでは25GT、4ドアモデルでは25GT-X TURBOの2つのグレードということがわかります。搭載エンジンは、25GT TURBOがRB25DET[NEOストレート6]で、それ以外のグレードのエンジンはRB25DE[NEOストレート6]<LEV>です。トランスミッションは5MTと4ATから選択することができます。
25GT-V、25GT-X及び25GTのエンジンはRB25DE[NEOストレート6]<LEV>となっていて、25GT-Vは5MTと4ATとトランスミッションが選ぶことが可能、GT-Xは4ATのみのラインナップで25GTは5MTのみとなって4AT仕様がラインナップからなくなった形です。
ボディサイズ、ホイールベース及びトレッドは前モデルと同じサイズとなっています。車両重量は、25GT TURBOでは変化なし、新たに追加された25GT-VはMTモデルで1,400kg、25GT-Xが1,400kgで変化なし、25GTは1,370kgとMT化されたことで軽量になったことがわかります。
前後サスペンションは、全グレードに独立懸架マルチリンクの採用、ブレーキは25GT TURBOと25GT-Vには対向ピストン型ベンチレーテッドディスク、それ以外には通常のベンチレーテッドディスクです。こちらは前モデルと同じような設定となっています。タイヤサイズは25GT TURBOと25GT-Vに225/45ZR17、25GT-Xは205/55R16で25GTには205/60R15となっています。
トランスミッションの変速比・減速比
RB25DETエンジンを搭載する車両の変速比は全て同じです。それはRB25DE[NEOストレート6]<LEV>エンジンにおいても同様となっています。これら2つのエンジンのMTのギア比を比較すると、RB25DE[NEOストレート6]<LEV>のほうが全体的にギア比は大きく、最終減速比に関しては明らかにこちらのほうが低いです。
ER34のカスタム例
TEIN MONO SPORT DAMPER
1998年式25GT TURBOにテインのMONO SPORT DAMPERというサスペンションキット(ダンパーとスプリングのセット)を取り付けたカスタム事例です。このサスペンションキットは全長調整式、単筒式、減衰力調整可能なタイプで、アッパーマウントを付属します。オーナーの方はこのサスを組んでワインディングやサーキット走行しているそうです。
純正サスペンションでも十分走りを楽しむことはできますが、サーキット走行でタイムアップする目的や、足回りの整備知識を付けたい方、純正のサスペンションが消耗して正常に機能しなくなったので足回りをリフレッシュしたい方、シャコタンにしたい方、などにおすすめのカスタムです。
内装統一カスタム
年式不明の25GTグレードのER34スカイラインの内装を統一するカスタムが施されています。シフトブーツに赤色ステッチが入っているので、サイドレバーのグリップとブーツも赤ステッチにして統一感を出そうというのがこのカスタムの狙いです。
100均で合皮シートを、そしてハンドメイドショップで赤紐を購入し、DIYでシートに紐を塗ってレバーに巻き、ブーツに赤紐を直接縫うなど、アイデアを絞り出して生み出したオリジナルカスタムとなっています。内装のデザインを揃えて全体の統一感を出したい場合や自分好みにしたいときにおすすめのカスタムです。
ボディカラーとホイールカラーの統一
1998年式 ER34スカイラインクーペAT仕様の車両で、ボディカラーが純正仕様のアクティブレッドとなっています。その色に合わせるようにホイールカラーが同じ系統の色(赤とオレンジを足したような色)でまとめています。ボディとホイールの色をまとめることで全体的にバランスのとれたカラーリングとなっているのがポイントです。
このER34ユーザーのスカイラインの主な使い方街乗り・ドライブとのこと。ドライブにでかけたくなるような自分好みのエクステリアを選択することでカスタムを楽しんでいるところも好印象です。これからも大事に乗ってほしいと思います。ホイールを交換するだけでこれだけ統一感を出すことができるので、手軽に見た目をよくしたい方におすすめのカスタムです。
花柄デザインの入ったボディとツライチのホイール
ボディ側面周りにピンク色で花柄が描かれているER34スカイラインです。これだけでも十分オリジナル感が高いのですが、ツライチホイールのリム部分もピンク色に塗装されていてさらに統一感が出ています。
社外マフラー(柿本)や車高調も組まれているとのことで、中身・外見の両方がカスタムされているER34となっているのが特徴的です。ドリフトするときにより目立たせることや、街中でも目立つようなカスタムでオリジナル性を出したい方におすすめです。
まとめ
今回はER34スカイラインをテーマに、ER34スカイラインの特徴や車としての用途、グレードの紹介やCARTUNEユーザーのカスタム事例などを紹介しました。34スカイラインと聞くとGT-Rを考えがちですが、ER34スカイラインのようなGT-Rほどではないけれど性能は高く、街乗り・ワインディング・サーキット・ドリフトなど、幅広い分野で活躍する車です。グレードも細かく分かれていて、同じER34スカイラインでもトランスミッションがMTのものからAT限定まであるので、購入や部品購入の際には注意しましょう。
カスタムバリエーションも豊富ですので、カスタムに興味のある方はぜひ挑戦してみてください。