クルマが水没したら!?緊急脱出方法 | CARTUNEマガジン
クルマが水没したら!?緊急脱出方法

2018年11月20日 (更新:2024年08月15日)

クルマが水没したら!?緊急脱出方法

「車が水没することはあるのか?」と思われがちですが、最近では台風やゲリラ豪雨が発生し、道路が冠水したり、堤防が決壊する可能性は十分にあります。夜間では、見通しが悪いことから河川や海に転落する事故が、国内でも毎年数十件起きています。車が水没したらどのように脱出すればいいのでしょうか。では、車が水没したときの緊急脱出方法についてみていきましょう。

クルマに常備しておくべき道具たち

やまぴーさんのセレナの画像
やまぴーさんのセレナの画像
引用元:やまぴーさんの投稿

車が水没したとき、車の窓が開いていると、室内に水が入ってきて非常に危険です。しかし窓が閉まっているからといって安心はできません。車の窓ガラスは、金づちでも割れにくい安全ガラスが採用されており、強化ガラスのように丈夫に作られています。

ここで知っておいてほしいのは、安全ガラスは先がとがっているものだと割れやすい性質をしていることです。この性質を知っているだけでも、水没事故が起きたときも対処することができるでしょう。

JAFの検証実験では、ヘッドレストの鉄の棒、車の鍵などで安全ガラスをたたいても、割るのは難しいことが結果として出ています。そこで普段から準備しておいてほしいのが、エマージェンシーハンマーです。

写真のように、エマージェンシーハンマーの先は鋭くとがっているため、簡単に安全ガラスを割ることができます。

しかもシートベルトを切断できるシートベルトカッターまでついているのです。エマージェンシーハンマーは、運転席から手の届く範囲の場所に保管しておきましょう。

最近では、発煙筒とエマージェンシーハンマーが一体になっているものも販売されていますので、あなたが使いやすいと思うエマージェンシーハンマーを常備してください。

いざ水没した!緊急脱出

車が水没した場合は、すぐさま脱出しなければいけません。しかし焦ってしまうと脱出方法を知っていても、脱出に時間がかかってしまいますので、まずは落ち着くことが必要です。車が水没したからといって、すぐに車内に水が入ってくることはありません。

窓を開けようと思っても、パワーウインドウは電気系統ですので、配線がショートして開けることができなくなるかもしれません。また車が水没すると、少しずつ車に水圧が加わり、ドアの半分の高さである60cmまで水がくると、ドアを開けるためには普段の5倍以上の力が必要です。ここでは、窓の安全ガラスを割って脱出する方法をご紹介します。

シートベルトを外す

車から脱出するためには、まずシートベルトを外さなければいけません。シートベルトがバックルからすぐに外れるといいですが、もし外れない場合は、エマージェンシーハンマーについているシートベルトカッターを使ってシートベルトを切ってください。子どもや同乗者がいる場合も、シートベルトを外すように促すか、シートベルトを切ってあげましょう。

サイドウインドウを割る

パワーウインドウが作動せず、窓が開かない場合は、エマージェンシーハンマーでサイドウインドウを割ります。水がサイドウインドウの高さまできている場合は、窓を割った瞬間に水が勢いよく入ってきますので注意してください。窓が割れたら、子どもやお年寄りを優先に車外へ出ましょう。車外へ脱出できれば、落ち着きながら岸へ移動してください。

もしエマージェンシーハンマーがなければ、自分で力でドアを開けなければいけません。ドアを開けられるチャンスは、車が着水した直後と、車外と車内の水位がドアを境に同じ高さになったときです。この2つのチャンスを逃すと、自力でドアを開けるのは難しくなります。

水没した車の後処理

車が水没した後、気になるのは水没した車のことです。水没した車は、基本的に修理することができます。車の修理費用は、一般にシートの下まで水に浸かった場合は250,000円以上、シートの上まで水に浸かった場合は500,000円以上は見積もっておく必要があるのです。

もしエンジンが水に浸かってしまった場合は、エンジンを載せ替える必要がありますし、トランスミッションを交換するとなると、数百万円の修理費用を覚悟しなければいけません。

高額な修理費用が見積りで出された場合は、あなたが加入している自動車保険で、水没のときの補償に加入していれば、補償金額の範囲で補償を受けることができます。例えば、自動車保険の補償範囲が上限500,000円で、修理費用が900,000円だった場合は、400,000円は自己負担しなければいけません。

このように、水没した車は修理することはできますが、高額な修理費用がかかったり、修理できたとしても、のちに異音・不具合などが発生する可能性があります。また場合によっては、室内のにおいがとれないときもあるのです。

「修理費用が高額だと修理を依頼することができない」「あとで故障や不具合は出てほしくない」と思うのであれば、残念ですが車を廃車にするしかありません。ただ最近では、水没車であっても、その車に値段をつけて「買取り」してくれる業者がいますので、そこに買取りを依頼すると、水没車を買取ってくれるかもしれません。

まずは修理費用の見積りをとって、車の修理を希望しないのであれば、廃車買取業者に車を買取りしてもらいましょう。廃車買取業者はテレビCMも放映しており、廃車王やカーネクストがその例です。

まとめ

今回は、車が水没したときの緊急脱出方法についてみていきました。車が水没すると誰しもがパニックになってしまいますが、まずは落ち着きを保っていただいて、シートベルトを外す(切る)、サイドウインドウを割るという手順を進めてください。

水没時に備えて、エマージェンシーハンマーは車内に常備しておきましょう。運転席から手の届く範囲にエマージェンシーハンマーは置いておいてください。水没した車は修理することは可能ですが、エンジンやミッションが水没している場合は、高額な修理費用がかかります。

修理費用が出せない場合や、修理後の不具合が気になる場合は、車を廃車買取業者に出すことも候補の1つにでしょう。あなたの命、大切な人の命を守るためにも、今回の記事をぜひ参考にしてください。

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