2018年10月02日 (更新:2024年02月16日)
バンパーの割れや擦り傷を修理!DIYでの修理方法とショップ修理の相場を解説!
バンパーを割ってしまった!そんなときのバンパー補修方法や修理費用の相場を徹底解説します!
材質によって割れるバンパーと割れないバンパーがある
金属製バンパー
金属バンパーは旧車やトラックに採用されているもので、ぶつけても凹んだり歪んだりするだけで割れてしまうことはほとんどありません。
ウレタン製バンパー
ウレタン製バンパーは、現代のコンパクトカーやミニバンなどほとんどの車に採用されています。ウレタン素材は柔らかめのプラスチックのようなもので衝撃に強く粘りがあるため、少しぶつけたくらいでは割れません。塗装が取れたり、バンパーの形状が少し歪むくらいの被害で済みます。
FRP製バンパー
割れてしまうバンパーというのは、ほとんどがこのFRP製のものです。FRPとはガラス繊維を樹脂で包んで強度を高めている素材で、薄くて軽いのに高強度というメリットがあります。FRP製バンパーは社外のエアロや軽量化を目指したスポーツカーの純正バンパーに採用されていることが多いのですが、このFRPは強い力がかかるとバキッと割れてしまいます。
バンパー割れの修理にかかる費用は?
ディーラー
ディーラーは修理費用が高くなりがちです。また、バンパーの割れが少なくても交換というケースが多く、トータルの費用がかかりがちとなります。費用は¥40,000〜くらいと考えておくのが良いでしょう。少し高めですが、ディーラーで修理することで中古車として手放すときに安心です。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも修理を請け負ってくれるところもあります。ガソリンスタンドの店員さんが板金塗装をするわけではなく、併設されている板金工場などでプロが作業を行います。クオリティに関しても、板金屋さんが作業をしてくれるので綺麗に仕上げてもらえます。価格はおおよそ次のとおりです。
- 20㎝以内の線傷や擦り傷:¥15,000前後
- 20㎝以内のへこみ傷:¥30,000前後
- 60㎝以内の傷:¥40,000前後
板金ショップ
全国展開しているカーコンビニ倶楽部のような、安さと早さを売りにしている板金屋さんに任せるのもアリ。板金ショップは腕の良し悪しがあるので、評判を事前に調べるなどの下調べを事前に行うようにしましょう。
国産車であれば、バンパーの修理は5㎝以内で¥12,000〜。輸入車であれば、バンパーの修理は5㎝以内で¥15,000〜と少し値段が上がります。10㎝以内となると、上記の料金+¥7,000〜¥10,000ほど。輸入車の場合は、一度見積もりを取ったほうがいいかもしれませんね。
修理よりも交換の方が安いケースもある
バンパーの傷や割れの補修は修理費用が高額になりがち。そんなときは、修理や補修の前に中古部品に交換するという選択肢も検討してみましょう。ヤフオクなどでは事故車や廃車となった車の使用できるパーツなどが安価で販売されており、同じ車種、同じ色のバンパーがあれば部品交換で安価に修理も可能です。
たとえば、アクアのバンパーは小傷程度のものなら5,000円程度から入手が可能。中古品を修理工場などに持ち込んで交換をお願いすれば、費用はかなり抑えられます。
DIYでバンパーを補修するメリットとデメリット
バンパーに限ったことではありませんが、ぶつけてしまった傷を自分で治すかどうかは悩みどころ。DIY修理は、費用を抑えられる、補修に慣れることができるなどのメリットがありますが、仕上がりがボロボロになってしまう可能性や、下準備にかなりの時間が必要などのデメリットもあります。
なるべく安く直したい、そんなに大きな傷ではない、最悪綺麗にならなくても納得できる、せっかく自分の愛車だから自分で直したい!という方は、下記のやり方を参考にしながらバンパー補修にトライしてみましょう。
バンパー割れをFRP修理!DIYで修理してみよう!
ここでは、割れてしまったFRPバンパーの修理方法を紹介します。FRPのガラス繊維を吸い込まないよう、マスクと手袋を着用して作業を行いましょう。
FRPバンパーの補修に必要なもの
- 手袋
- アルミテープ
- 紙やすり(#600〜#800)
- 脱脂用ウエス
- シリコンオフ(アセトンも可)
- ハケ(油性用)
- ガラスマット
- FRP樹脂
- FRP硬化剤
- コップ(混ぜ合わせ用)
- マスキングテープ
- マスキングシート(ビニールが付いているタイプ)
- パテ
- 耐水ペーパー
- 耐水ペーパー用研磨パッド
- サフスプレー
- ボディーカラーのペイントスプレー
- クリアスプレー
- コンパウンド
下準備
アルミテープを貼る
バンパーは裏から補修するため、表にアルミテープを貼ります。これは表へFRP樹脂が漏れ出さないようにするためです。
紙やすりで足づけを行う
紙やすりを用いて、補修する部分の周囲を削り、FRP樹脂がしっかりと食いつくよう足づけを行います。
脱脂を行う
足づけを行った部分をシリコンオフで脱脂します。非常に重要な作業なので入念に行いましょう。パーツクリーナーは水分を呼び込んでしまうので適しません。
FRP補修作業
ガラスマットを切る
ガラスマットを必要な大きさに切ります。厚手のガラスマットがおすすめです。少し大きめに切っておくのがコツですが、複雑な形状の場合は引っ張ったりして少しほぐしてから使用することもあります。
FRPに硬化剤を混ぜる
FRP樹脂剤に硬化剤を混ぜます。説明書をよく読んで適量入れ、30〜40秒ほどしっかりと混ぜ合わせましょう。ここで混ぜが弱いとしっかりと固まらず失敗します。また、硬化剤の量が多いほど硬化速度が速くなるので注意してください。
ガラスマットをFRPで貼り込む
ハケでFRPを周囲に塗り、その上にガラスマットをのせます。ガラスマットがうまくフィットしない時は、ガラスマットを少しほぐしてからのせていきましょう。ガラスマットが綺麗に浸るように、再度上からFRPを塗っていきます。
硬化してからアルミテープを剥がす
夏場であれば、60分もすればFRPが硬化します。しっかりと強度が出ているか確認しましょう。硬化したのを確認してからアルミテープを剥がし、剥がした部分に糊が残っていたらシリコンオフできれいに拭き取ります。
パテ作業
表面の平滑化
アルミテープをはがした部分をきれいにしていきます。バリが出ていたらカッターで削っておき、周囲とスムーズなつながりになるよう荒目の耐水ペーパーで整えていきます。
脱脂する
けずったところをシリコンオフで脱脂します。綺麗に塗装したいのであれば必ず行いましょう。
マスキングする
塗装するところ以外に塗料が付着しないよう、マスキングテープでマスキングします。新聞紙などを利用してもいいでしょう。
サフスプレーを吹く
パテの密着度を高めるため、サフスプレーを吹いておきます。カラー塗装した時に、とても綺麗に塗ることができるので下地は重要です。
パテを盛る
表面に凹みやくぼみがある場合はパテを盛ります。使用する際は押し当てながら、一定方向に盛っていきましょう。パテは縮むので、少し盛り上がるように塗るのがコツです。夏であれば1時間、冬であれば3時間~5時間ほどで乾きます。
耐水ペーパーで研磨する
パテが硬化したら600番の耐水ペーパーで滑らかになるまで研磨し、ボディ表面が綺麗になるように仕上げます。大事な作業ですので丁寧に行いましょう。
塗装作業
シリコンオフで脱脂する
パテ部分と塗装する範囲全体を再び脱脂します。指の油などが残っていると塗料の乗りが悪く、時間が経ってから剥がれてきます。
サフスプレーを吹く
下地となるサフスプレーを吹きます。2回~3回に分けて行いましょう。傷が軽微であれば、省略しても問題ないケースもあります。
耐水ペーパーで研磨する
サフが乾いたら1000番→3000番まで耐水ペーパーで周囲との段差を慣らすように研磨します。足づけにもなるため、塗装が必要な範囲全てに行います。
シリコンオフで脱脂する
最後の脱脂です。カラーがしっかりとのるようまんべんなく行いましょう。
カラー塗装する
カラースプレーを吹いていきます。ムラが出ないように数回に分けて調整するように塗装しましょう。ホワイト系のカラーはわかりづらいため慎重に。何度も分けて塗装していきます。
クリア塗装する
カラー塗料が乾いたらクリア塗装を行ないます。おすすめはウレタン2液のボディ用クリアスプレーです。カラー塗装と同様に、数回に分けてカラー塗装より少し広めに吹きましょう。
乾燥
塗料が完全乾燥するまで季節にもよりますが、塗装が乾くまでしっかりと待ちましょう。
コンパウンドで研磨する
塗装が乾いたらコンパウンドで研磨していきます。この時は仕上げ用コンパウンドを使用します。表面を磨くだけなので、優しく丁寧に行ないましょう。コンパウンド極細(7500番)で研磨し、超極細(9000番)で磨いてツヤを出していきます。
ツヤが出たら完成
FRPのバンパーの形状や強度、色合いが元通りになれば修理は完了です。さらに補強したい場合は裏面にFRPをさらに積層しましょう。
FRPの修理は難しいが達成感がある
バンパー割れはエアロを組んでいる方の多くが経験しますが、ヒビが入ったまま放置しておくとヒビがどんどん広がってしまいます。価格や時間を考慮し、早めに修理または交換を行いましょう。