車のアルミホイールの正しい選び方を伝授!種類や製造方法による違いは? | CARTUNEマガジン
車のアルミホイールの正しい選び方を伝授!種類や製造方法による違いは?

2018年07月02日 (更新:2020年06月04日)

車のアルミホイールの正しい選び方を伝授!種類や製造方法による違いは?

車のカスタマイズの中では定番中の定番であるアルミホイールへの交換。アルミホイールには数えきれないほどの種類があるので、どれを選ぶべきかわからない、またどうやって選べばいいのかわからない、という人も多いです。そんな初心者応援企画として、今回はアルミホイールの正しい選び方を皆さんに伝授したいと思います。

そもそもアルミホイールとは?

アルミホイールは車のカスタマイズパーツとしては、もはや定番とも言えるアイテムです。その名の通り、アルミ合金を原料としたホイールのことで、デザイン性の高さやその軽さからくる運動性能の向上など、その魅力は多岐に渡ります。

しかし、国産車のほとんどは、純正ホイールにアルミホイールではなく、スチールホイールを採用しています。スチールホイールは重く、デザインの自由度も低いですが、アルミホイールと比べ安価という大きなメリットがあります。

車種によっては、アルミホイールを純正オプションとして設定している場合もありますが、最初からアルミホイールを装着している車は、一部の高級車やスポーツカーなどに限られています。

アルミホイールの種類

スポークホイール

アルミホイールには大きく分けて4つのタイプがあります。

ホイールの中心から外側に向かうようにスポーク(ホイールの中心と外側を繋いでいる棒のこと)を配置している、スポークホイール。 スポークホイールは最も一般的なホイール形状で、 純正アルミホイールでもよく採用されているタイプです。

迷ったときはとりあえず、スポークホイールを選んでおけば後悔しないと言われるくらい、どんな車にもバッチリ似合います。

フィンホイール

次に、スポークホイールよりもスポークを細く、多く配置しているアルミホイール。フィンホイールと呼ばれています。スポークホイールは3~7本のスポークが配置されているものが一般的です。

それに対し、フィンホイールは少なくとも10本以上。多いものは20本前後のスポークが配置されています。スポークホイールよりもスポーティーさは劣りますが、優雅さ(ラグジュアリー感)を強く演出しています。欧州の高級サルーンなどに、純正ホイールとして採用されていることが多いです。

メッシュホイール

スポークが網目のように張り巡らされているデザインを採用しているメッシュホイール。デザインにもよりますが、一般的には網目が太くなると力強さを、網目が細くなると上品さを車にプラスします。

造形が複雑なため、他のタイプのホイールと比べて価格が高く、手入れが大変だというデメリットもありますが、その分、愛車とメッシュホイールのデザインがマッチしたときのカッコよさも段違いです。 また、 ホイール自体の剛性が高いことも特徴のひとつとなっています。

ディッシュホイール

最後に紹介するのは、円盤状のスポークを採用しているディッシュホイール。スポークが太いので剛性が高く、空気抵抗が少ないという特徴があります。スポーティーさはやや欠けていますが、重厚感があり、ラグジュアリー感を強めるにはうってつけのタイプです。

ただし、他のタイプのホイールと比べ車を選びます。セダンやミニバンなど、ボディサイズの大きな車に装着している人が多いです。アルミホイールは軽さがウリのひとつですが、ディッシュホイールはアルミホイールの中でも重い部類に入ります。

アルミホイールの種類は、基本的にはこの4タイプが主流です。それぞれに違った魅力や特徴がありますが、最初は外観が気に入ったタイプの中から探してみるといいでしょう。

製造方法の違い

アルミホイールは製造方法によって、大きな違いがあります。アルミホイール選びをややこしくしている部分でもありますが、製造方法によってアルミホイールがどう変わるのか、それを1度知ってしまえば簡単です。

アルミホイールの製造方法は、金属を叩いて成型する鍛造と、溶かした金属を金型に流し込んで成型する鋳造の2つがあります。

鍛造ホイールは金属を叩く過程で、ホイール内部にできた気泡などを圧着させることが可能です。その結果、 軽くて剛性の高いアルミホイールを製造することができます。しかし、鋳造ホイールと比べると、デザインの自由度は若干低いです。また、コストがかかるので、ホイール本体の価格が高くなってしまうというデメリットもあります。

鍛造ホイールと比べ、鋳造ホイールは価格の安さとデザインの豊富さが特徴です。金型に流し込んで成型する鋳造ホイールは製造過程が簡単なので、コストがかからず、比較的安く購入することが可能です。

また、金型に流し込むだけなので、デザインの自由度は高いです。ただし、鍛造ホイールのように叩いて鍛えているわけではないので、剛性面では鍛造ホイールに劣り、ホイール内部に気泡などが混入してしまうことがあります。

アルミホイールで愛車はどう変わる?

上記ではアルミホイールの大まかなタイプと、製造方法による違いを簡単に説明しました。これでアルミホイールがぐっと身近な存在になったと思います。

アルミホイールの装着は、車好きにとって身近なカスタマイズのひとつです。アルミホイールに交換するだけで、愛車は見違えるほどかっこよくなるでしょう。

実はアルミホイールを装着したことによる影響は、見た目だけではありません。アルミホイールはドレスアップのためだけのアイテムではなく、愛車に様々な恩恵をもたらします。ただし、アルミホイールを装着したことによる影響は、良いことばかりではありません。

実際にアルミホイールを購入する前に、アルミホイールを装着するメリットとデメリットをきちんと理解しておきましょう。

アルミホイールを装着するメリット

まずはアルミホイールの特徴を整理しましょう。アルミホイールはスチールホイールと比べ、デザインのバリエーションが豊富で、軽量に作られています。デザインのバリエーションが豊富ということは、自分の愛車により似合うホイールをチョイスすることが可能になるので、これは大きなメリットですね。

また、スチールホイールからアルミホイールへと交換することによって、バネ下重量が大幅に軽くなります。バネ下重量が軽くなることによって、車は運動性能が大きく向上。加速性能やブレーキ性能が高くなります。ステアリングがより軽く、挙動がクイックになるので、キビキビとした走りが実現できますよ。

さらに、車全体の車両重量が軽量になることで燃費性能もアップ。しかし、燃費性能の向上はわずかで、大きく向上するということはありません。こちらに関しては、あくまで付加価値だと考えておきましょう。

アルミホイールを装着するデメリット

アルミホイールを装着することで、乗り心地が悪くなることがあります。アルミ合金はスチールよりも頑丈ではなく、しかも軽量なので、路面からのショックをしっかりと吸収することができません。そのため、スチールホイールよりもロードノイズが発生しやすいです。

また、耐久性においても、アルミホイールはスチールホイールに劣っています。傷が入りやすく、場合によっては大きく損傷したり、変形したりすることもあるので、注意が必要です。

厳密にはアルミホイールを装着するデメリットではありませんが、ホイール価格の高さもネックです。鋳造ホイールはまだマシな方で、鍛造ホイールはホイールサイズにもよりますが、中古の軽自動車を購入するくらいの覚悟が必要になります。

純正ホイールから社外品のアルミホイールへ交換するとなると、インチアップを検討する人も多いでしょう。見た目は確実にカッコよくなるインチアップですが、上記でお伝えしたデメリットがさらに大きなデメリットとなってのしかかってきます。

乗り心地の悪化を避けることはできず、価格はさらに高く跳ね上がるでしょう。上記でもお伝えしたように、アルミホイールは傷が入りやすいので、「せっかく高価なホイールを購入すたのに、すぐに傷がついてしまった・・・」と落ち込むことも多々あります。

アルミホイールはどうやって選べばいい?

アルミホイールを装着するメリット・デメリットは把握できましたか?

それでは、本題であるアルミホイールの正しい選び方を伝授したいと思います。アルミホイールを選ぶうえで大切なのは、愛車のホイールサイズをきちんと把握しておくこと。ホイールを先に選んでしまうと、物理的に装着することができなかったり、装着できたとしてもフェンダーからはみ出してしまったりする恐れがあります。

それでも加工して、無理やり(なんとか)装着することは不可能ではありませんが、余計な手間や出費がかかってしまいます。そんなハメにならないように、まずは愛車のホイールサイズを把握することが大切です。

愛車のホイールサイズを確認する

ところで、皆さんはアルミホイールのホイールサイズの見方を知っていますか?

これを知っているかどうかで、アルミホイールの選択肢はさらに広がります。例えば、「16 × 6・½ J 5/114.3 44」。ホイールサイズの見方がわからない人にとっては、暗号にしか見えません。ひとつずつ解説しますね。

16 × ½ J 5/114.3 44の場合

  • 16:リム径
  • 6・½ :リム幅
  • 5:ボルト穴数
  • 114.3:P.C.D
  • 44:インセット

リム径とは、いわゆるインチサイズのことです。リム幅はタイヤをはめる部分のこと。ホイールの横幅だと考えると、わかりやすいと思います。

ボルト穴数はそのままの意味で、ホイールを車に装着するためのボルトの穴の数です。P.C.Dはボルト穴の中心を結ぶとできる円の直径のこと。ホイールピッチとも言いますね。

インセットはリム幅の中心からホイール取り付け面(ボルト穴のあるところ)までの距離を表しています。「44」という数値は、リム幅の中心から44mm外側にホイール取り付け面があるということです。

逆に、リム幅の中心から内側にホイール取り付け面があると、それはインセットではなくアウトセット。リム幅の中心にホイール取り付け面があると、それはゼロセットと言います。アウトセットの場合は数字の前に「-」が、ゼロセットの場合は「±0」となるので、注意してください。

例えば、「17 × 6・½ J 4/100 41」なら、このホイールは17インチでリム幅が6.5J、ボルト穴の数が4つでP.C.Dが100mm、インセットが41mmということになります。

ちなみにホイールサイズの「J」は、フランジ形状(ホイールとタイヤの接合部分)のことを指し、ほかにも「B」や「JJ」などがありますが、現在は「J」が一般的です。

ホイールサイズは非常にややこしいので、少しずつ覚えた方が間違いがありません。そして、どのくらいのホイールサイズであれば、愛車に装着することができるのかを事前に確認しておきましょう。どうしてもよくわからない人は、素直にホイール販売店でスタッフに尋ねた方が後悔せずに済むと思います。

自分の欲しいアルミホイールをイメージする

愛車のホイールサイズを確認したら、アルミホイール選びを始めましょう。アルミホイールは本当にたくさんの種類があるので、自分好みのものが必ず見つかるはず。デザインを重視したい人は直観で選んでも良いですし、軽さを重視したい人は鋳造ホイールよりも鍛造ホイールの方が良いですね。

このように、アルミホイールに何を求めるかによって、選ぶべきホイールは変わります。ただし、中には愛車にどんなホイールが似合うのかわからないという人もいるでしょう。そんな人はCARTUNEに投稿している皆様の愛車を、ぜひ隅々まで参考にしてください。

レイズ ボルクレーシングシリーズ「TE37」。押し出し感の強い6本のスポークと洗練されたデザイン、鍛造製法による軽さが特徴の人気ホイールです。「TE37」のシンプルかつ力強い造形は、スポーツカーに装着することでバッチリとキマります。

深リムなのにリーズナブルな価格設定が好評のAME シャレンシリーズ「XF-55」。ナイフをモチーフにした迫力のあるスポークは、ラグジュアリー感とスポーティーさを両立しています。VIP系のセダンやミニバンに装着すると、その迫力が倍増します。

流行りのコンケーブホイールと言えば、ワーク ジーストシリーズ「ST1」。シンプルな造形ですが、立体感のあるデザインが愛車の足元に力強さをプラスします。「ST1」のようなコンケーブホイールは、欧州車やスタンス系カスタムを施した車によく似合いますね。

カッコいいメッシュホイールを探しているなら、とりあえずチェックしておきたいブランドがBBSです。BBSの中でも「RS-GT」は、メッシュホイールとしては太いスポークと深リムを組み合わせています。スタンダードな網目ですが、深リムと組み合わせることでスポーティーさを強調しています。その洗練されたデザインのおかげで、どんなローダウン車もスポーティーになりますよ。

自分が愛車に対してどんなイメージを持っているのかを考えながら、そのイメージにマッチするアルミホイールを探してみると良いかもしれません。

先にアルミホイールを選ぶという選択も

愛車に装着できるホイールサイズを把握したうえで、アルミホイールを探すのが基本的には正しい選び方です。しかし、あえてアルミホイールを先に選ぶという手法もあります。

車が装着できるホイールサイズには限界がありますが、フェンダーやボディの加工を前提にすれば、その限界をも超えることができます。つまり、愛車にアルミホイールを合わせるのではなく、アルミホイールに愛車を合わせるということです。

この手法は高い確率で愛車の加工が必須になるので、その分費用もかかってしまいますが、いくつもの壁を乗り越えて、本来なら装着できないアルミホイールを装着することができたとき、あなたは達成感や優越感でいっぱいになります。オンリーワンになった愛車への愛着がさらに高まるはずです。

車のカスタム初心者にはオススメできる手法ではありませんが、目立ちたい人や人と被りたくない人は、1度試してみる価値はあると思います。

アルミホイールの装着で愛車はもっとカッコよくなる

車のカスタマイズの中では、もはや定番中の定番であるアルミホイールへの交換。誰しもが気軽に交換していると思いがちですが、その裏側では豊富な知識が必要であることがわかりました。

カッコいいアルミホイールを愛車に装着したい気持ちが先行し過ぎてしまうと、いざ交換するときにそれなりの試行錯誤が必要になることもあります。そんなことにならずに済むように、今回私がお伝えしたことを参考にしてアルミホイールを正しく選び、後悔のないカスタマイズを楽しんでください。

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