2018年06月28日 (更新:2022年08月02日)
RX-7 FD3Sを徹底解説!スペックから他車比較、カスタム実例も紹介!
2002年の生産終了後も高い人気を誇るロータリースポーツ、RX-7(FD3S)を徹底解説します!基本スペックからグレードごとの違い、気になるあのクルマとの比較、カスタム例紹介も。この記事を読めばRX-7(FD3S)のすべてが分かる!?
RX-7はこんなクルマ!
1978年にサバンナクーペの後継車として、サバンナRX-7(FB3S・FC3S)として発表されました。1991年に2度目のフルモデルチェンジが行われた際、アンフィニブランドからの発売となり、アンフィニ・RX-7へ名称が変更されました。そ
の後、1997年10月アンフィニブランドが廃止された際にマツダブランドへ再度移管しています。自動排出ガス規制の強化によって、2002年8月に生産終了となりました。頭文字Dや湾岸ミッドナイトなどの漫画にも登場し昔からのファンだけでなく若い人達からの人気も高く、漫画に登場する走り屋達の車もチューンされたRX-7を操っています。また海外でも未だ人気が高く、中古車が数多く輸出されています。
RX-7(FD3S)はこんなクルマ
マツダが、日本が世界に誇るロータリーエンジンを搭載したスポーツカー、RX-7。その3代目となるモデルが1991年にデビューしたRX-7 FD3S型です。搭載される13B-REWエンジンにはシーケンシャルツインターボが組み合わせられ、ターボ車特有のターボラグを極力抑える設計がなされています。
初期型の出力は255psでしたが度重なるマイナーチェンジを経て、最終型となる6型ではメーカー自主規制値いっぱいの280psを発揮するようになっています。
【基本スペック】(最終型・スピリットRタイプA)
- エンジン:13B-REW型 654cc×2 直列2ローター シーケンシャルツインターボ
- 駆動方式:FR
- 最高出力:280ps/6500rpm
- 最大トルク:32kgm/5000rpm
- トランスミッション:5MT
- 車輌重量:1270kg
RX-7(FD3S)のグレード別解説
1991年から2002年の長きにわたり製造されたRX-7(FD3S)は幾度もアップデートが行われています。大きく分けると、前期型(1~3型)、中期型(4型)、後期型(5、6型)に区別されます。
一番確実な見分け方は車台番号です。FD3S-から続く車台番号の最初の数字が1~6型に対応しています。また、RX-7(FD3S)には幾度となく特別仕様車が設定されたこともあり非常に多くのグレードが存在しています。
- タイプS
- タイプR
- タイプRバサースト
- タイプRバサーストX
- タイプRバサーストR
- タイプX
- タイプRZ
- ツーリングX
- ツーリングS
- タイプR-2
- タイプR-2バサースト
- タイプR-S
- タイプRS
- タイプRS-S
- タイプRB
- タイプRBバサースト
- タイプRBバサーストX
- タイプRB Sパッケージ
- スピリットR タイプA
- スピリットR タイプB
- スピリットR タイプC
・・・と列挙するだけで混乱してしまいそうなほどです。ここでは、RX-7(FD3S)に設定された全グレードを紹介しつつ、その歴史を振り返っていきます。
1型(1991年12月~1993年7月)
RX-7(FD3S)のデビューモデル。マツダ5チャンネル化施策の中「アンフィニ・RX-7」として販売されました。
タイヤサイズは前後とも225/50R16。最大出力は255psでした。
当初用意されたグレードは
- タイプS(4AT/5MT)
- タイプX(サンルーフつき)
- タイプR(5MTのみ)。
1992年10月にサスペンション強化、ギア比変更、マウント強化、レカロ製カーボンフルバケットシート、リアシートの廃止により約30kgの軽量化がなされた限定仕様車
- タイプRZ
が300台限定で販売されました。
2型(1993年8月~1995年2月)
グレード名が一部変更され
- ツーリングS
- ツーリングX
- タイプR
そして新たに追加された
- タイプR-2(2シーター)
の4グレードとなりツーリング系のグレードはATのみの設定となりました。
変更点としてはサスペンション強化、リアクロスメンバーに補強バーを追加するなどボディ剛性強化、インテリアの質感向上などが図られています。細かいところではエアコンガスが従来のR12からR134aになったりもしています。
1993年10月には1型にも設定された
・タイプRZ
が150台限定で復活。トルセンLSD、ビルシュタイン製ダンパー、BBS製のホイールが装着されました。
1994年9月にはオーストラリアで開催される「バサースト12時間耐久レース」でRX-7(FD3S)が3年連続で優勝したことを記念し、
・タイプR-2バサースト
が350台限定で販売。記念ステッカーとブルーガラスが差異点です。
1995年12月にはベース車を変更し
・タイプRバサースト
が500台限定で販売。オーディオレス仕様になるなど装備が一部簡素化されています。
3型(1995年3月~1995年12月)
1、2型で限定モデルだったグレードを一部カタログモデル化し
- ツーリングX
- タイプRZ(2シーター)
- タイプRバサースト
- タイプR-S(タイヤサイズ17インチ化、MOMO製ステアリング)
の4グレードに。見分けるポイントとしてはリアウイングのステーが4本から2本に変わっていることが挙げられます。
ツーリングSは廃止され、タイプRはタイプR-Sにグレードアップしました。タイプRZはブレーキディスクが17インチ専用に大径化されています。
1995年7月には
- タイプRバサーストX
が777台限定販売。本革シートやガンメタホイール、グレーガラスが差異点となっています。
4型(1996年1月~1998年12月)
初めてエンジンに手が加えられ、ターボの過給圧やエアインテークパイプが変更。
MT車のみ10psアップの265psになりました。
グレード体系は
- ツーリングX
- タイプRZ
- タイプRB
- タイプRBバサースト
- タイプRS(従来のタイプR-S)
この型からリアコンビネーションランプが丸型3連デザインとなりました。インパネの照明がアンバー系からグリーン系に変わっているのもポイントです。そして外見からは分かりませんが制御コンピュータのCPUが8bitから16bitにスペックアップしています。
タイプRSにはタイプRZ同様17インチ大径ディスクブレーキが装備。
1997年1月には
- タイプRBバサーストX
が700台限定販売。プロジェクタータイプのフォグランプや専用デザインリアウイング、リアワイパー、専用デカールが差異点です。
1997年10月には「アンフィニ」の名に別れを告げ「マツダ・RX-7」としての販売がスタート。ロータリーエンジン車誕生30周年を記念し
- タイプRS-R
が500台限定販売。タイプRSをベースにタイプRZの専用装備を採用、専用ボディカラー(イエローとブラック)とガンメタホイール、専用デザインのメーターパネルが特徴です。
5型(1999年1月~2000年9月)
過給圧が最大1.2倍になるウルトラハイフロータービンの採用でメーカー自主規制値と言われていた280psまでパワーアップ(R、RS)。ツーリングXが廃止となり
- タイプRB(スタンダードダンパー)(AT設定あり)
- タイプRB Sパッケージ
- タイプR(大型ダンパー)
- タイプRS(ビルシュタインダンパー)
が設定されました。
エアバッグやABSが標準装備となったほか外観にも大きな変更点があり、角度調整機構つき大型リアウイング(RB除く)、フロントデザインの全面的な変更、ウインカーレンズの位置・形状変更などかなりの手が加わっています。
見分けるポイントとしてはこの型からスピードメーターの0位置が時計の6時方向=真下に変更になっています。
6型(2000年10月~2002年8月)
5型から大きな変更点はありませんがABSの制御ユニットが8bitから16bitとなりEBS(電子制御動力配分システム)が追加されたことがトピックで、見分けるポイントとしてはメーターパネルがホワイトになり照明色がレッド系になったという変化があります。
- タイプRB
- タイプRB Sパッケージ
- タイプR
- タイプRS
というグレード体系にも変化はなく、
- タイプRZ
が限定ボディカラーとなるスノーホワイトパールマイカを設定して175台限定販売されました。
2001年8月には
- タイプRバサーストR
が復活しSHOWA製専用車高調、カーボン調パネルを装備して500台限定販売。
2001年12月にはさらにボディカラーを追加した
- タイプRバサースト
が特別仕様車としてカタログモデルになっています。
2002年4月、RX-7(FD3S)は搭載する13B-REWエンジンが新排ガス規制に対応できないことを理由に生産終了することが決まり、最終限定モデルとしてBBS製ホイール、レッドキャリパー、専用インパネを備えた
- スピリットR タイプA(2シーター5MT、レカロ製フルバケットシート)
- スピリットR タイプB(4シーター5MT)
- スピリットR タイプC(4シーター4AT)
をそれぞれ500台ずつ販売。また、タイプRバサースト以外のモデルは販売を終了しました。
2002年8月26日にマツダ宇品工場をラインオフしたスピリットRタイプA(チタニウムグレーメタリック)を最後に生産終了となりました。
RX-7(FD3S)CARTUNEユーザーカスタム例紹介!
CARTUNEに数多く投稿されているRX-7(FD3S)の中から、編集部員イチオシのカスタムマシンたちを紹介します!
Stance nationにも展示された竹やんさんのFD3S
人気イベント"Stance nation"で注目を集めたのが竹やんさんのFD3Sです。オリジナルのブラウン色は光の当たり具合で色が変わって見えるそうです。あえて選択したであろうウイングレスのスタイルがFDの曲線美を引き立てています。エアロの主張は強くないものの注目度は抜群!竹やんさんのセンスの良さが光るカスタムですね。
走りを追求したLmesさんのFD3S
サーキットを走るLmesさんのFD3Sを捉えたのがこの写真。疾走感にあふれていますね。LmesさんはFD3Sでドリフト走行会に参加しているそうです。大型ディフューザーや牽引フックが競技車感を漂わせています。レッドブルのステッカーもレースシーンをイメージしたものでしょうか。ピュアスポーツであることを追求し続けたFD3S。サーキットで存分に走らせてあげてください!
まるで漫画の世界から飛び出してきたかのようなしゅう@RX7SpiritRさんのFD3S
続いてご紹介するのはしゅう@RX7SpiritRさんのFD3Sです。FD3Sはサーキットや峠だけでなく高速ステージも似合う車ですね。
人気の漫画「湾岸ミッドナイト」でも、ロータリーエンジンと設計思想に魅せられた男たちがFD3Sを改造し首都高バトルに挑む様が描かれています。こちらの写真はアンダーネオンの効果でRX-7がまるで映画や漫画の世界から飛び出してきたかのように見えます。
RE雨宮さんのRX-7
RE雨宮さんのRX-7は人気走り屋マンガ「頭文字D」に登場する高橋啓介仕様!
ベースとなっているのもマンガと同じ1型のタイプRです。
FD7oitaさんのRX-7
FD7oitaさんのRX-7は走行会仕様。
RE雨宮のエアロキットに加えて中身もパワーアップが図られています。
Niall_RX7さんのRX-7
Niall_RX7さんのRX-7は映画「ワイルド・スピード」シリーズを彷彿とさせるVeilsideのフルエアロ仕様!
NAOさんのRX-7
NAOさんのRX-7はロータリー界では知らない者はいない有名チューニングショップ「RE雨宮」の元デモカー!
【番外編】RX-7(FD3S)とRX-8を徹底比較
RX-7が惜しまれつつも2002年に生産を終了したのち、ロータリーエンジンのスポーツカーというコンセプトを継承して生まれたのがRX-8です。
実質的な後継車種として、この2台の違いを見ていきましょう。
ボディスタイル・実用面編
RX-7(FD3S)のボディタイプはリアゲートを持つ3ドアクーペ、RX-8は一見トランク別体型の2ドアクーペですが、特徴的な観音開きのドアを持つ4ドアクーペです。
これには開発時資本提携を結んでいたフォード側からのパッケージングへの要請があったようで、RX-7(FD3S)ではオマケ程度の扱いであったリアシートもRX-8ではきちんと大人4人が乗れる設計がなされています。
リアルスポーツカーとしての路線を歩んできたRX-7に対して、ファミリーユースも考慮されたのがRX-8と言えるでしょう。これはけして軟派になったということではなく、スポーティーな走りの楽しさを味わえるステージが広がったという考え方ができるのではないでしょうか。
パワートレイン編
RX-7(FD3S)とRX-8に搭載されるエンジンは、型式こそ同じ13B型ですが、RX-8のエンジンはほとんどが新設計されています。(通称RENESIS)
具体的な特徴としては
・シーケンシャルツインターボの廃止
・サイド排気ポート採用による低速トルク向上、燃費改善
・NA化に伴うレブリミット向上(8000rpm→9000rpm)
また、組み合わせられるトランスミッションに6速AT・6速MTが追加されています。
最高出力的には、RX-7(FD3S)の255~280psに対して210~250psと低速トルクと引き換えにパワーダウンしています。
車体重量も1300kg前後だったRX-7(FD3S)に対して1350kg前後となり、軽快な走りを楽しみたい人にはRX-7(FD3S)のほうが向いているかもしれません。
結論:RX-7は最強
RX-7(FD3S)に対してRX-8はスポーツカーとしての要素を見れば劣る部分もあることは事実ですが、マツダがロータリーエンジンを持つスポーツカーをエンジンをほぼ新設計してまで後継車種として開発製造してくれたことは特筆すべき点ですし、ファミリーユースも考慮された新しいカタチのクルマとして世の中に受け入れられたことはCARTUNEに多くのカスタム例が上げられていることからも伺い知れます。
マツダが開発していると噂される次なるロータリーエンジン搭載のクルマにも期待したいところですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。未だに多くのファンをもつロータリーエンジンを心臓に持ち、シーケンシャルツインターボで武装した戦闘機のような走りが魅力のRX-7(FD3S)。そのスポーツカーらしいスタイリングも美しく、カスタムベースとしての人気も頷けるものがあります。
コスモスポーツから始まり、RX-7(FD3S)、RX-8と受け継がれてきたロータリースピリットがまた新たな形で日の目を見ることになるのか、今後のマツダに注目して行きたいですね。