2018年06月28日 (更新:2022年10月20日)
ランサーエボリューション6の情報を徹底解説!スペックから他車比較、カスタム例も!
ランサーエボリューション6はランエボ第二世代の最後の車です。1996年から誕生したランエボ第二世代。その最後を飾るランサーエボリューション6は、ベースとなる5代目ランサーのシャシーをフル活用し、戦闘力を大幅に向上させたモデルとなっています。WRCで輝かしい戦績を残したランサーエボリューション6。そのモデルの戦闘力を徹底解説していきます。
ランサーエボリューション6ってどんな車?
開発経緯
ランサーエボリューションと言えばWRC。もともとランサーエボリューションはWRCラリーで勝つために、ギャランVR4に代わり、三菱自動車が全力をあげて開発した車両です。ランサーエボリューションはその名の通り、10代目までに渡り進化し続けてきました。
ランサーエボリューション5になり、ワイドボディ化による3ナンバー化や、名機4G63のさらなる熟成が図られました。しかし日々進化していくのがランサーエボリューション。
99WRCラリーレギュレーションへ対応すべく、三菱はランサーエボリューション5をベースに新たなランエボを開発。WRC・グループAで連勝するために、三菱自動車はランサーエボリューション6を1999年に発表します。
ランサーエボリューション5からの主な変更点
ランサーエボリューション6は、ランエボ第二世代の最後のモデル。ランサーエボリューション5を更に進化させたモデルとなっています。一番わかりやすい変更点としては、非対称デザインのフロントマスクではないでしょうか。冷却性能を上げるため、フロントマスクが新設計のものとなっています。また市販型もナンバープレートが中央からサイドに寄せられ、冷却性能の向上が図られています。
それ以外にもターボチャージャーにチタンアルミタービンを採用したり、オイルクーラーやインテーク、冷却系、足回り、ブレーキ等の車両を構成するほぼすべての箇所に改良が加えられ、車が更に進化しています。
スペック
ランサーエボリューションVI「RS」
- エンジン型式:4G63ターボ
- 最高出力:280ps(206kW)/6500rpm
- 最大トルク:38.0kg・m(373N・m)/3000rpm
- 総排気量:1997cc
- サスペンション形式:マクファーソンストラット(前)、マルチリンク(後)
- 駆動方式:フルタイム4WD
- トランスミッション:5MT
スペック的には実はランサーエボリューション5と変わらないランエボ6。最高出力や最大トルク等のエンジンスペックに変更はありません。ただし、様々な変更(主に冷却関係)を施したことにより、マシンの耐久性を更に向上させることに成功しています。
ラリーでは、マシンスペックももちろん重要ですが、同じくらい耐久性も重要です。「壊れない」車は、ラリーでの勝利の近道とも言えます。
ランサーエボリューション6のポイント解説
ポイント1:エンジン
4G63はさかのぼること、ギャランVR-4時代から、三菱のグループA車両に搭載されています。ギャランVR-4からランサーエボリューションに受け継がれ、ランサーエボリューション4では、自主規制値目一杯の280馬力に到達します。そのあとも、最大トルクや冷却システムに変更が加えられ、ランサーエボリューション6に引き継がれることになります。
このエンジン、その耐久性と性能の高さから、エボ6以降も使用し続けられる運命をたどります。ランサーエボリューション9まで引き継がれた4G63。ランサーエボリューションの代名詞と言っても過言ではないエンジンです。
ポイント2:ブレーキ・足回り
ランサーエボリューションと言えばブレンボ製のブレーキ。ランエボ6にも例外なくブレンボキャリパーが取り付けられています。約1.3トンもの車体を止めるためには強力なブレーキが必須。ブレンボキャリパーの大径ローターはこのことを実現しています。
足回りの特徴としては、ランエボ5に比べて乗り心地がソフトであるということ。エボ5の足回りが硬すぎて、ユーザーには不評であったと言われています。そのため、エボ6ではフロントサスのロールセンターを変更することで、マイルドな乗り味に。けれどもこれは、乗り心地を向上させたものの、競技には不向きであったようで、競技に参加しているドライバーからは不満の声が多発したようです。
ランサーエボリューション6 VS インプレッサWRX・STi
ランサーエボリューションのライバルと言えば、インプレッサ。その車両形状から用途、ラリーでの戦績等、非常に似通った部分が多い2台。ランサーエボリューションを購入する際、ついつい比較してしまうのがインプレッサというのは必然ではないでしょうか。
今回はそんなランサーエボリューションとインプレッサWRX・STi(GC8)を比較していきます。
ボディサイズ・車両重量・最小回転半径比較
ランサーエボリューション6「RS」
- 全長×全幅×全高:4350×1770×1415mm
- ホイールベース:2510mm
- 車両重量:1260kg
- 最小回転半径:5.5m
インプレッサWRXタイプRA STiバージョンVI
- 全長×全幅×全高:4350×1690×1405mm
- ホイールベース:2520mm
- 車両重量:1260kg
- 最小回転半径:5.2m
ランサーエボリューション6の方がスバルインプレッサに比べ、若干車体が大きくなっています。この結果、車体の全幅、最小回転半径が大きくなり、ランサーエボリューション6のほうが小回りが苦手な仕様となっています。
走行性能比較
ランサーエボリューション6
- エンジン型式:4G63ターボ
- 最高出力:280ps/6500rpm
- 最大トルク:38.0kg・m/3000rpm
- 総排気量:1997cc
- 駆動方式:フルタイム4WD
- トランスミッション:5MT
インプレッサWRXタイプRA STiバージョンVI
- エンジン型式:EJ20
- 最高出力:280ps/6500rpm
- 最大トルク:36.0kg・m/4000rpm
- 総排気量:1994cc
- 駆動方式:フルタイム4WD
- トランスミッション:5MT
どちらの車も、WRCという世界最高峰のラリーでの優勝を目指して、両メーカーが全力を挙げて開発したということもあって、2Lクラスでは最高級のスペックを誇ります。自主規制目一杯の280馬力を醸し出すエンジンに、低回転から発生する太いトルクを持ち合わせています。そのためエンジンスペックでは両車とも似たような値になっています。
編集部からの一言
正直なところ、どちらを購入するか決める決め手は、三菱とスバル、どちらが好きかという点に落ち着いてしまうと思います。そのくらいランサーエボリューションとスバル・インプレッサは拮抗したスペックを誇ります。
ただ一点違う点があるとすれば、スバル・インプレッサWRX・STiには2ドア仕様がある点です。2ドアの方がいい、という方は必見ですね。
ランサーエボリューション6の編集部イチオシおすすめカスタム
千葉かずさんの 三菱 ランサーエボリューション Ⅵ GF-CP9A Ⅵ GSR 1999年 のカスタム事例
千葉かずさんのランエボ6。クーラーもヒーターもない、スパルタンなランエボです。サーキット走行をメインに所有しているようです。
千葉かずさんは整備も自分でやっているみたいです!この画像はリアメンバーを外している画像。
リアメンバー。
3時間半掛けて、ようやく…リアメンバーが外れました。
リアメンバーを支持固定しているボルトのうち、2本のボルトが固着していたために、非常に苦労しました…
ボスさんの 三菱 ランサーエボリューション Ⅵ RS のカスタム事例
ボスさんのランサーエボリューション6。リアランプの上部分が白く塗りつぶされていいるためか、ランエボではないかのような雰囲気を漂わせていますね。また、どでかいウィングが圧倒的な存在感を誇っています。画像ではわかりづらいですが、大きく突き出したリアディフューザーも、かっこいいですね。
白にゃんえぼさんの 三菱 ランサーエボリューション Ⅵ のカスタム事例
アンチラグ仕様が搭載されている白にゃんえぼさんのランサーエボリューション。フロントリップや大きく横に広がっているオーバーフェンダーが特徴的です。
最近サーキットいけてないアンチラグ仕様
まるでジャングルジムのように張り巡らされたロールバー。
千葉かず@将来ジムニストさんのランサーエボリューションⅥ
このランエボⅥでサーキットも走る千葉かずさんが街乗り用ホイールとしてチョイスされたのがワークエモーションのM8Rです。M8Rはどちらかというと性能を重視したホイールですが、8メッシュに深いテーパーが与えられたそのデザインはどこか高貴な美しさを持っています。
機能を追求し、迫力あるルックスに仕上げたうえでこのホイールが組み合わされることで、千葉かずさんのランエボⅥは獰猛な中にも上品さを秘めた非常に美しいクルマとして仕上がっています。
TIGERさんのランサーエボリューションⅥ
ラリー参戦のために生まれたランエボには実際にラリーに使われていたホイールがよく似合います。上に紹介したエンケイのWRCターマックエボやスパルコのラリースパルコシリーズ、OZのラリーレーシングなどがこれにあたります。ラリーレプリカ仕様には必須のアイテムですし、そうでなくてもホイール一つでラリーカーに近い印象を与えることができます。
終わりに
第二世代の「とり」であるランサーエボリューション6。その開発経緯やスペックなどいろいろと知って頂けたでしょうか?ただランエボ6の魅力はのってみないと分からない。もしも気になった方は、試乗等されてみてはいかがでしょうか?