2018年03月28日 (更新:2018年05月23日)
どうして汚れるの?エンジンオイルが黒ずむ謎に迫ります!
使っていると次第に黒く変化する自動車のエンジンオイル。「なぜ黒くなるのか?」「黒くならないエンジンオイルはないのか?」「何が黒いのか?」「黒くなりやすい場合があるのか?」など、エンジンオイルに関する疑問にお答えします。
はじめに
「エンジンオイルって何?」という初心者の方に向けて、エンジンオイルの役目やその確認方法を簡単に説明します。
エンジンオイルとは
エンジンオイルは、 自動車のエンジン内部を循環する液体のことです。場所によっては1000度以上の高温になるという過酷なエンジン内部で、潤滑・密封・冷却・清浄・防錆などの役割を果たしています。その役目の幅広さと重要性から、エンジンオイルは自動車の血液とも呼ばれています。
エンジンオイルはエンジン内部の清浄を行っているために黒くなります。ガソリンが燃焼するときに発生するススや摩耗した細かな金属片などが黒さの原因物質です。この発生を防ぐことは不可能なため、黒くならないエンジンオイルは存在しません。
エンジンオイルは時間が経つにつれて劣化するため、定期的な交換が必要です。車種や使用状況によって異なりますが、半年から一年に一度は交換することが推奨されています。
エンジンオイル交換、エンジンオイルの上抜き、オイル交換を安く済ませる方法、編集部厳選エンジンオイルなどの記事は、オイル交換を自分で行うときにきっと役に立つでしょう。
エンジンオイルの確認方法
まず、汚れてもよい服装と不要な布を用意します。次に、ボンネットを開けてオイルレベルゲージを取り出します。一度布で拭いてからもう一度装着し、再び取り出します。オイルレベルゲージの先端に付着したオイルを見て判断します。
より詳しい方法は、エンジンオイルの入れすぎの記事で紹介しています。
黒くなる原因考察
新品のエンジンオイルは、透明の薄い茶色です。しかし、次第に色は黒っぽく変化します。この変色には複数の原因があり、車種やエンジンオイルの種類、日常的な使い方などによって大幅に変化します。いくつかの代表的な原因について考察してみます。
原因①:エンジンオイルの種類
エンジンの洗浄性能が高いエンジンオイルは黒くなりやすいです。これは、エンジン内部の汚れを取ってくれるためです。しかし、交換時期を守っている限りは、色が黒くなったからと言ってすぐに交換する必要はありません。
原因②:長期間の使用
エンジンオイルは定期的な交換が必要です。もしエンジンオイルを交換しないまま数万キロ走行すると、真っ黒なエンジンオイルが出てくることでしょう。
これはエンジン内部にススや摩耗した金属片が大量に溜まっているためです。また、エンジンオイルだけでなく定期的なオイルエレメント(オイルフィルター)の交換も大きな影響を与えます。
オイルエレメントを交換しなければ、エンジンオイルはすぐに汚れます。エンジンに負荷を与え、燃費の悪化などにもつながりますので、必ず適切なタイミングで交換しましょう。
原因③:運転の仕方
頻繁に短距離走行をする車は、エンジンオイルが早く劣化します。エンジン始動直後はガソリンが多めに噴射されます。
この状態で走行を繰り返すとススが多く発生し、エンジンオイルの黒ずみの原因になります。坂道や高速道路をよく走る車もエンジンに負担がかかるため、エンジンオイルがすぐに黒くなります。
原因④:車種
エンジンオイルが黒くなりやすい車種が存在します。少し昔の直噴エンジン搭載車は、ガソリンの燃え残りススが大量に発生したため、エンジンオイルが黒くなりやすいという特徴がありました。
ディーゼルエンジン搭載車もススが多く発生するため、にエンジンオイルが黒くなりやすいようです。
状態の判断方法
ガソリンスタンドなどで、エンジンオイルの汚れを理由に交換を進められることはよくあります。エンジンオイルの色は簡単に確認でき、オイル交換において最も重要な指標といえます。しかし、本当にエンジンオイルの色だけで交換の必要性を判断できるのでしょうか?実は、色以外にも様々な判断要素があります。
判断要素①:走行距離と期間
オイル交換において最も大事な判断要素は、最後の交換からの走行距離および期間です。
エンジンオイルは車を使用していなくても劣化します。自動車メーカーやオイル会社が推奨する時期を超えた使用は禁物です。前回交換したときの日付と走行距離を記録し、忘れないようにしましょう。
判断要素②:色
エンジンオイルの色も判断要素の一つとして使うことができます。もし真っ黒ならば早めに交換した方が良いでしょう。
しかし、すぐに色が付くエンジンオイルや初めから濃い色のエンジンオイルもあります。状況に合わせた臨機応変な対応をしましょう。
ほとんど汚れていない場合でも、交換時期を過ぎて使用することは避けるべきです。エンジンオイルの劣化は目に見えるものではないので、あくまでも目安として考えましょう。
判断要素③:臭い
最後に、エンジンオイルの臭いを紹介します。もしエンジンオイルから強いガソリン臭がした場合は、エンジンオイルがガソリンで希釈されています。
ガソリンの圧縮時や燃焼時に、ガスの一部がエンジンオイルに混ざることが原因です。この場合は、シリンダーやピストンリングの摩耗が疑われます。
エンジンに深刻なダメージを与えている可能性もありますので、ディーラーや修理工場で相談しましょう。
おわりに
今回はエンジンオイルが黒ずむ原因について取り上げました。このように、エンジンオイルが黒くなるのには様々な理由があります。オイル量の定期的な確認はもちろんのこと、色や臭い等にも注意を払って、安全なカーライフをお過ごしください。