2018年03月26日 (更新:2022年12月12日)
エンジンオイルの継ぎ足しは良いの?悪いの?補充をする前に要確認!
自動車のエンジンオイルは日常的な使用でも少しづつ減っていきます。普段の点検でエンジンオイルが減っていたら、「少しだけ足す」ことが頭をよぎることでしょう。今回はその良しあしについて詳しく解説します!
継ぎ足しを行うとき
結論から言うと、エンジンオイルの継ぎ足しがオイル交換に代わって積極的に推奨されるときはありません。自動車のエンジンオイルは全量を交換することが基本であり、自動車もそのように設計されています。また、オイルレベルゲージの下限よりも上側にある場合は、追加する必要はありません。
なお、エンジンオイルが少なくなるたびに継ぎ足しをおこなうとエンジンオイルが急激に劣化しエンジンの故障につながります。この場合は、エンジンの分解または交換が必要となり、数十万円の出費になってしまいます。継ぎ足しの繰り返しをしてはいけません。
オイル上がりやオイル下がりでエンジンオイルが減る場合などエンジンオイルの消費によりやむなくエンジンオイルを追加する場合も継ぎ足しではオイルの品質が保たれないので、3,000kmや半年に1回のオイル交換は行うようにしましょう!
オイルレベルゲージが範囲内の場合
オイルレベルゲージの上限と下限の範囲内にあれば特にオイルの追加は必要ありません。ちなみにオイルレベルゲージの上限と下限での油量は車種にもよりますが、軽自動車は0.5L程度、普通車は1L程度で設定されていますのでオイルレベルゲージをチェックする際の参考に覚えておくと良いでしょう。
オイルレベルゲージ下限以下の場合
オイルレベルゲージで確認して下限以下の油量しかない場合は、今すぐにでもオイルを購入して継ぎ足しておきましょう!エンジントラブルの可能性もありますが、レベルゲージの下限を下回っている状態でエンジンオイルを足さずに走行を続けると、エンジンが焼き付いて故障する恐れがあります。継ぎ足した場合は性能が下がりますが、エンジンの故障は防ぐことができます。
また定期的にオイル交換を行っていてオイルレベルゲージの下限以下にまでオイルが減少している場合は、エンジン内部トラブルの可能性が高いため早めに点検を行いましょう!
継ぎ足しの方法
準備
オイルの継ぎ足しの作業を行うときは、車のエンジンルーム内を触ります。汚れてもいい服装にしておくといいでしょう。じょうごまたはオイルジョッキと、オイルレベルゲージを拭き取るための汚れてもよい布を用意しましょう。また、エンジンオイルを適切量入れるために、水平で広い安全なところに車を止めましょう。
手順
次に、エンジンオイルの継ぎ足しの手順を説明します。オイル交換方法の記事やエンジンオイルの入れすぎ対処法の記事も参考にお読みください。
➊ボンネットを開ける
この作業は突風に注意して行ってください。運転席の周辺にあるボンネットオープナーを引くと、ボンネットが少し浮き上がります。次に、その隙間に手を入れて、ボディ側に付いているレバー操作しながらボンネットを持ち上げます。ボンネットを持ち上げた後は、エンジンルーム内の棒を使って固定します。
➋オイル残量を確認する
オイルレベルゲージとは、黄色かオレンジ色のグリップが付いた部品です。折ってしまわないよう慎重に引き抜き、一度布で拭いてからもう一度装着します。再び引き抜いて、エンジンオイルの残量を確認します。
➌オイルフィラーキャップを外す
エンジン上部についているオイルフィラーキャップを外します。エンジンオイルはここから挿入します。すぐわかる場所についている場合がほとんどなのですぐに見つかるでしょう。
➍じょうごまたはオイルジョッキを使ってエンジンオイルを入れる
こぼさないように気を付けながら、じょうごまたはオイルジョッキを用いてエンジンオイルを挿入します。こぼれてしまった場合は、丁寧に拭き取りましょう。エンジンオイルが残っていると、最悪の場合エンジンから出火します。
➎オイルレベルゲージを確認する
再びオイルレベルゲージを使ってエンジンオイルの量を確認します。ここで量が足りない場合は、④に戻ってエンジンオイルを追加しましょう。
➏オイルレベルゲージとオイルフィラーキャップを装着する
エンジンオイルの量が適正であることが確認できたら、オイルレベルゲージとオイルフィラーキャップを装着します。この作業を忘れて走行すると、エンジンオイルが噴き出し、エンジンルームがオイルまみれになってしまいます。
➐ボンネットを閉める
最後にボンネットを閉めます。ボンネットを少し浮かせた状態から手を離すと、重力でボンネットが閉まります。占めた後に上から押して、半ドア状態になっていないか確認しましょう。
継ぎ足しの際の注意点
オイルの種類
継ぎ足すエンジンオイルは、もともと入っているオイルと同じものをいれることが理想的です。全く同じものが準備できなくても、オイルメーカー・粘度(5W-30や10W-40)・品質(SAやGF-1など)・種類(鉱物油か合成油か)をできる限りそろえましょう。違うものを使っても故障が起きることはありませんが、本来の性能を発揮できなくなります。
故障の可能性
エンジンオイルを継ぎ足す原因は、エンジンオイルの消費ですね。消費ペースが早いときは、エンジンに不具合が生じている可能性があります。一般的に5000㎞走行あたりに500ml程度のオイル消費までは正常と考えていいでしょう。
オイル消費ついてはリンク先にて詳しく説明しています。「車の下のオイルが垂れる」「マフラーから白煙が出る」などの症状がある場合は、それぞれの状態に対応した修理が必要です。不具合の心当たりがある方は、ぜひお読みください。
具体的な症状がない場合でも目に見えない故障が原因となってエンジンオイルが早くなくなっているかもしれません。必要に応じて早めにディーラーや整備工場で検査をしてもらいましょう。
おわりに
いかがでしたか?エンジンオイルは普通に車に乗っているだけでも減ります。わずかな減りは問題ありませんが過度な減少が確認出来た場合は、早めに点検を行ってもらいましょう。車も早期発見、早期修理が最も軽症で済むのは体と同じです。
エンジンオイルが減っていても、やみくもに追加することなく、状況に応じた適切な対処をしましょう。そして、定期的な点検・整備を欠かさずに、快適で安全なカーライフをお過ごしください。