2018年02月08日 (更新:2018年05月23日)
どういう効果があるか知ってる?編集部おすすめカスタム、スポット増し!
ボディ補強の種類の一つ、スポット増し。なぜわざわざ純正のスポット溶接以上のスポットを打つのでしょうか。ボディ剛性と深い関わりのあるスポット増し。今回はそんなスポット増しについて解説します。また記事後半ではCARTUNEユーザーのスポット増しカスタム例を紹介します。
スポット増しってなに?
スポット増しとは?
スポット増しとは何でしょうか?純正の車はパネルとパネルをいろいろな方法で繋げています。その内の一つの方法がスポット溶接です。パネルとパネルの重なっている部分に電気を流し、上のパネルと下のパネルを溶接することで、二つのパネルを繋げています。スポット増しとは、更にスポット溶接を増やすことです。つまり、市販車よりもスポット溶接の数が多いことになります。
一般的にスポット増しはパネルとパネルの繋ぎ目に行われます。ドア開口部やハッチ開口部などは、剛性が低いため特に、スポット増しをする効果があると言われています。またフロアパネルや、エンジンルーム内などにもスポット増しは行われます。
なぜスポット増しをするのか?
スポット増しを必要とする車は、主にモータースポーツ競技で使用されている車です。ラリーやサーキットではボディに大きな負荷がかかります。純正で想定されている以上の負荷がボディにかかると、ボディがしなるように動いてしまいます。そうするとサスペンションの性能をフルに活かしきれなくなります。またボディが動いてしまうため、ハンドリング性能が悪化します。つまりボディ剛性が低い状態で、過酷な走行を行うと、ドライバーの意のままに車を操ることが難しくなります。
こうした状態を改善するため、モータースポーツではボディ補強が重要になってきます。ボディ補強の方法は、タワーバーやロールバーの装着など様々な方法がありますが、そのうちの一つが、スポット増しです。
スポット増しのメリット
ここまでスポット増しについて説明してきましたが、いったい純正のスポット溶接以上の溶接を増やして、どのようなメリットがあるのでしょうか。
スポット増しのメリットは、タワーバーやロールバー等で繋ぐことのできない箇所まで剛性を上げることができる点です。例えばフロアパネルやドア開口部、リアハッチ部のパネルなど、構造的に弱い箇所を繋ぎ、剛性を上げることができます。一般的にスポット増しによるボディ補強のほうが、タワーバーやロールバー等によるボディ補強よりも効果が高いと言われています。ただどちらか一つを選ぶというわけではなく、組み合わせて装着することで、ボディ補強の効果はさらに高まります。
上記でも述べましたが、ボディ剛性を上げることにより、車体の運動性能をさらに上げることが可能になります。
スポット増しのデメリット
ではスポット増しのデメリットとは何でしょうか。
一つは、車体に余計な負荷をかけるために、ボディ寿命が短くなってしまう点です。簡単に説明すると、車のボディはしなることによって、路面から伝わる衝撃を吸収しています。それはサスペンションの働きではないかと思われる方もいるかもしれません。確かに衝撃の大部分を吸収しているのはサスペンションです。しかしボディも同時にしなることにより衝撃を吸収しています。そのボディをスポット増しをすることにより剛性をあげると、剛性が弱い場所に大きな負荷がかかってしまいます。今までしなることによって逃がしていた力が、剛性の弱い場所に集中するわけです。そのためその箇所にいずれクラック等が入ってしまい、結果的にボディ寿命は短くなります。
二つ目は、工賃の高さです。工賃は後述するのですが、決して安いとは言えません。モータースポーツ競技に取り組んでいない人にとっては不必要な出費かもしれません。
スポット増しの工賃
ショップにもよるのですが、スポット増しの工賃の目安を以下記載します。
- フルスポット増し:¥500,000~2,000,000
- フロアのみ:¥150,000~
その他部分部分でスポット溶接を行ってくれるショップもあります。
CARTUNEユーザーのカスタム例紹介
リョウ86さんのトヨタ カローラレビン AE86 GT-APEXカスタム事例
リョウ86さんのトヨタ カローラレビン AE86 GT-APEX。フルスポット溶接をしてもらっています。サーキットユーズの車なので、フルスポット溶接を行ったようですね。ボディ補強によりタイムアップが期待できます。