2019年03月12日 (更新:2024年08月07日)
ターボとスーパーチャージャーの性能UP!?ブーストアップのテクニックを大公開!
ブーストアップという言葉を聞いたことがあるでしょうか。過給機付きの車を所有している人ならば知っているかもしれません。ブーストアップをすると、エンジン出力を上げることができます。しかし、ブーストアップをするのに伴い、交換しなければならないパーツもあります。今回はそんなブーストアップについて徹底解説していきたいと思います。
ブーストアップとは
ブーストアップとは過給機にかけるブースト圧を上げて、エンジン出力を上げてあげることです。基本的には、過給機で過給する空気の量が多ければ多いほど、エンジン出力は向上します。(実際には、燃調などのセッティングも関わってくるので、ある一定のブースト圧を超えると、必ずしもそうではないです。)そのため、過給機で過給する空気の量を増やしてあげることで、ブースト圧を上げることができます。
ブーストアップのメリット・デメリット
メリット
メリットとしては、小規模のブーストアップならば比較的安価に行えるということです。またブーストアップで体感できる、エンジン出力の向上が、とても分かりやすいということもメリットの一つです。
デメリット
デメリットとしては、大規模のブーストアップの場合、交換しなければいけないパーツがとても多いということです。またブーストアップすると、燃費が悪くなるのもデメリットだといえるでしょう。
ブーストアップ方法
ターボ車のブーストアップ方法
強化アクチュエータ
ターボ車のタービンにはアクチュエータというパーツがついています。アクチュエータの役割としては、エンジン燃焼室に送られるブースト圧が一定以上になった際、ブースト圧を逃がすことで、ブースト圧を制限する装置です。強化アクチュエータ、そして後述のブーストコントローラーの仕組みを理解するためには、アクチュエータの仕組みを詳しく理解する必要があります。
アクチュエーターは上記の図にあるように、排気ガスをタービンから逃がす装置です。ブースト圧が一定以上になると、アクチュエーターのロッドの先についているバルブが開き、排気ガスをマフラーへと逃がします。
ブースト圧の感知は、タービンからインタークーラーの間の区間から送られてきたブースト圧をもとに行われます。ブースト圧はアクチュエーター内のダイアフラムを押し、ロッド先のバルブを開けます。ブースト圧が低いとスプリングの反発力のほうが勝り、ロッド先のバルブは閉まったままになり、ブースト圧は抜けません。
強化アクチュエータは、純正アクチュエータよりも、作動ブースト圧が高い(スプリングの反発力が強い)ので、ブーストアップが可能です。また多くの強化アクチュエータは、ロッドの部分が調整式になっており、ロッドを伸縮させることで作動ブースト圧を任意に変更することが可能です。
ブーストコントローラー
ブーストコントローラーはアクチュエーターに送られてくるブースト圧を調整することで、ブースト圧のかかり方を任意にコントロールする装置です。アクチュエーターに送られるブースト圧を、ブーストコントローラーで調整してあげることで、ブースト圧の最大値だけでなく、そのかかり方やかけるタイミング等を調整してあげることが可能な便利な装置です。
スーパーチャージャーのブーストアップ方法
スーパーチャージャのブーストアップ方法としては、ブーストアッププーリーを使用することです。スーパーチャージャー側のプーリーを純正のものよりも径が小さいものを使用することで、同じエンジン回転数でも、スーパーチャージャー側のプーリーの回転数は多くなります。スーパーチャージャーはエンジン回転数を、ベルトを介して、過給する際の動力源として使用しているので、プーリーの回転数が上がれば、過給圧も上がる仕組みになっています。
ブーストアップする際に交換しておきたい部品
ブーストアップする際に、交換しておきたい部品がいくつかあります。なぜなら、過給圧を上げるということは、個々のパーツに設計時以上の負荷をかけるということだからです。ただし、メーカーはある程度マージンをとってパーツを設計しているので、車種にもよりますが0.3~0.4kPaまでなら得に部品交換は必要ないと思われます。
フューエルカットコントローラー・ECU
多くの車種には、ブースト圧が一定以上上がると燃料をカットする、フューエルカットという機能がついています。例えばスターレットGTの場合、0.8kPa以上のブースト圧がかかるとフューエルカットが入ると言われています。
これをキャンセルするためには、フューエルカットコントローラーがおすすめです。これはECUの配線にかませるだけで、フューエルカットをキャンセルできるアイテムです。またECUをブーストアップに対応した社外品に交換するのも一つの手です。ただECUの交換はフューエルカットコントローラーに比べると高いです。
インタークーラー
どのくらいブーストアップするかにもよりますが、大幅なブーストアップを行う場合、インタークーラーも交換しておいた方がよいでしょう。ブースト圧が高くなると、圧縮された空気の温度は暖かくなります。
燃焼室に吸気する空気の温度が暖かいと、空気密度は低くなります。燃焼室にはより多くの空気を取り入れないといけないので、暖かい空気はできるだけ冷やす必要があります。ブーストアップすると、純正状態異常にブースト圧がかかるので、吸入空気の温度も暖かくなります。そのため、インタークラーを大容量化し、適切な温度まで冷やす必要があります。
燃調関係
ブーストアップにより、入ってくる空気の量が変化すると、燃料の量も変えてあげるべきです。そのため、大幅なブーストアップを行う場合、ECUの書き換えや燃調コントローラーによる調整、燃料フィルターや燃料ポンプの大容量化が必要になってきます。
その他
どのくらいブーストアップするかにもよるのですが、例えば純正値の2,3倍のブースト圧をかけようとすると、既存のパーツでは耐え切れなくなってしまいます。ピストンやカムシャフトの強化、タービンの交換等が必要となってくるでしょう。
終わりに
いかがでしょうか。ブーストアップについて理解が深まりましたでしょうか。もし過給機付きの車をお持ちの方は、ブーストアップを試してみたらどうでしょう。自分の車の特性が大幅に変わり、その車の新たな一面が見れるかもしれません。
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