2017年11月10日 (更新:2021年07月15日)
ホイールナットの種類やサイズ、選び方を徹底解説!取付方法も確認しよう!
愛車のタイヤ・ホイールをしっかりと愛車に留めてくれるホイールナット。どんなクルマにも必ずついている重要な部品です。このホイールナットには、実は様々なサイズや種類があることをご存知ですか?今回はホイールナットについて、規定トルクなどの取り付ける時の注意点とも合わせて紹介します!車に詳しくない人に向けても、簡単にまとめを作っていますよ!
ホイールナットについて
どっちがホイール、どっちがナット?
まずはとても初歩的な説明から!ホイールナットとは、最初にも説明しましたがクルマのホイールを留めている部品です。タイヤはタイヤ・ホイールのゴムの部分、ホイールはゴムに包まれている鉄の部分です。また、ナットは穴や窪みがある、ボルトと合わせて使う留め具で、ボルトは棒状でネジ山を持つ金具です。ここをおさらいした上で、実はたくさんの種類があるホイールナットについて知っていきましょう。
ホイールナットの種類
では、実際にホイールナットの種類について見ていきましょう。ホイールナットを使う上で、気にしなければならない要素について触れていきます!
ホイールナットのサイズ
ホイールナットで考えるべきサイズは、ホイールナットの内径と外径、そして長さになります。内径とはつまりネジの直径で、ホイールナットを締め込んでいくハブボルトよりも小さくても大きくてもいけません。ホイールナットの外径は頂点と対称の頂点とで測ります。こちらは多少であれば大きさを変えることもできますが、ホイールに入らないということは避けたいですね。長さも後述の選び方における重要なポイントです。
ホイールナットのピッチ
ボルトやナットに作られているネジ山の間隔を専門用語でピッチと呼びます。ホイールナットですとP1.25やP1.5といったように示されます。ちなみにピッチの単位はミリメートルなので、上記であれば1.25ミリと1.5ミリの間隔でネジ山があるということになります。
ホイールナットの素材
ホイールナットは車の中でも安全性に関わるところなので、金属から作られています。ただし加工のしやすさや耐久性の面からどの素材からでも作られているというわけではありません。市場にはスチール(鉄)やチタン、クロモリやアルミといった素材で作られた物が出回っています。
ホイールナットの形
愛車を見ていただけるとわかりますが、ホイールナットは一般的に六角形の物が使われています。非常に稀にですが、四角形や五角形の物が使われていますが例外と考えて良いでしょう。他にもナットの穴が貫通している貫通型、貫通していない通称「袋ナット」といった物がありますね。
ホイールナットの取り付け座面
ホイールナットの先端で、ホイールと当たる部分を取り付け座と呼びます。ホイールによってここの形、つまり取り付け座面は異なっており、主に三つの種類があります。まずは一般的に使われており座面に角度がついているテーパー座。次にホンダの車で使われている、座面が丸くなっている球面座。そしてトヨタの車で使われている、座面が平面になっている平面座です。
- テーパー座(一般的)
- 球面座(主にホンダ車)
- 平面座(主にトヨタ車)
ホイールナットの選び方
ホイールナットにはたくさんの要素があることがわかっていただけたでしょうか。どうやって選んだら良いかがわからなくなってしまうので、次はホイールナットを選ぶ上でのポイントを抑えましょう!一般的な使い方と、カスタム的な使い方の両方から見ていきます。
表記について
まず、ホイールナットが売られている時の表記について説明します。
ほとんどの商品では、M12×P1.25 17Hのように情報が記載されています。最初のM12というのはボルトの直径で、12ミリのボルトに対応していることを示します。
次のP1.25は先ほどの説明であったピッチですね。次の17は外径サイズで、その次のHはHEXと表記されることもあります。HEXはHEXAGON(六角形)の略になります。
この表記であれば12ミリのボルトに対応した、ピッチが1.25ミリ、外径が17ミリの六角形ホイールナットということになります。
表記の読み方を覚えて、合うホイールナットを探していきましょう。
絶対に抑えるポイント!
ホイールナットを選ぶ上で、どの車でも絶対に抑えなければならないのが次の3つです。
- 「ボルトの直径」
- 「ピッチ」
- 「取り付け座面」
ボルトの直径は先ほども説明したように、小さくても大きくてもボルトに入っていきません。厄介なのがピッチで、力ずくで入ってしまうこともあるのですが、合わないピッチはネジ山を削り取ってしまうのです。スルスルと入っていくのが正しいピッチなので要注意です。
ボルトの経は多くの車がM12なのですが、ピッチは車のメーカーによって違います。日産・スズキ・スバルはP1.25で、その他のメーカーはP1.5を中心に採用しているようです。ちなみにスバル・BRZやマツダ・キャロルといったOEM車種はこの通りでは無いので気をつけてくださいね。
トヨタ車、ホンダ車に乗られている方は、取り付け座面に特に気をつけましょう。純正ホイールを他のメーカーのホイールに変えた時にはナットも取り替えてください。丸座のナットと平座のナットを合わないホイールに使ってしまうと接地面が極端に少なくなり、ホイールを抑えきれなくなってしまうためです。ほとんどのホイールはテーパー座面なので、メーカー純正ホイールを買った時以外はテーパー座を選べば大丈夫でしょう。
ホイールナットの素材
ここからは、ユーザーの使い方に合わせて選べる要素で説明します。まずは素材から。愛車でサーキットに行ったりせず、普通に街中で使う、という方であれば安価で強度の高いスチールナットがおすすめです。
サーキットへ行くことが多い方には、クロモリナットやチタンナットをおすすめします。これらのナットは軽量かつ高強度を誇るので、スポーツ走行の激しい動きや熱にも耐えてくれますし、下回りの軽量化の中でも効果の高い、ホイール周りの軽量化にもなります。わずかな軽量化かもしれませんが安価にタイムアップできるかもしれません。
一方でアルミナットは街乗り中心、ドレスアップ目的という方向けかもしれません。アルミナットは軽量かつ、多種多様な色や形が用意されているのですが、アルミは軽量な代わりに鉄と比べて脆い素材です。何度も外しているとナット側のネジ山が無くなり、抑えが聞かなくなったり想定よりも強い力がかかると破断することもあるとか・・・。サーキットで使うには少し怖いですね。
ホイールナットのナットサイズ
ホイールナットの外径サイズはナットの厚み自体を減らすことで小さくできます。なので純正が外径21ミリだったとしても、高強度な物に変えて19ミリにすることも可能です。持ち合わせている工具との相性や、ホイールのボルト穴に入りきるサイズで選びましょう。
ホイールナットの形と貫通の有無
ナットの形はドレスアップ目的であれば六角形から離れてみるのも面白いかもしれません。ただ、一般的な工具は全て六角形のナットを前提に用意されているので交換するなら気合を入れて・・・!ホイールの盗難が怖いという方は、付属してくる専用の工具が無いと取り外せなくなる、ロックナット(セキュリティナットとも言います)がおすすめです。
貫通式か袋型かというのは好みを出せるところで、貫通していない袋型であればボルトを覆い隠せるので色を付けたりして足元のドレスアップに使えます。貫通式はカスタムをしたりしてボルトの方が長くなってしまった場合でも、最後までしっかりと留められるのがメリットですね。
選び方のまとめ
車に詳しくないし、長々と言われても・・・という方もいらっしゃるかと思うので、簡単にまとめてみます。
まず、ご自分の愛車がホイールナットを変える必要があるかどうかを判断しましょう。買ったままのホイールを使っているのであれば、変える必要はありません。メーカーで設定されている相性の良いナットが使われています。
一方で、スタッドレスタイヤを買った方やドレスアップで新しくホイールを買った方は注意してみてください。後から買ったホイールと純正のナットとは相性が良くないことがあります。特にトヨタとホンダの車はメーカー純正のホイールの穴が特殊な形をしています。
ただ、カーディーラーやカー量販店、タイヤ屋さんで交換をお願いした場合はナットも合うものに変えられているはずです。「次回の取替時に持ってきてくださいね」などと、取り替えたナットをもらっていたら忘れずに保管しましょう。自分でホイールを買って自分で取り替えた、という方はナットが合っていないかもしれません。解説を読み返して、合う物に取り替えましょう。
ホイールナットの取り付け方
これを読んで、DIYで取り替えてみようと思った方もいらっしゃるかもしれません。ホイールナットを取り替える際の、気をつけるポイントも紹介します。少し細かく説明していますが、きっちりと取り付けることで気分良く走れるかもしれませんよ。
1:ナットとボルトを確認しよう
ホイールを外したら、まずはホイールナットとハブボルトの状態を確認しましょう。ホコリが溜まっていないか、ネジ山が潰れてはいないかを確認しましょう。ホコリや砂は固着の原因になります。
固着はハブボルトを折る原因にもなるので取り除いてやりましょう。ネジ山が潰れていた場合は、要注意です。そこで圧力が抜けてしまい、ホイールが外れてしまうこともあり得るので早めにハブボルトの交換を行ってください。
2:センター出しをしよう
回転する上で取り付けのバランスは非常に重要です。コマも軸がぶれてしまうと、上手く回りませんよね。ハブボルトがホイールの穴の中心を通るように取り付けます。センターが出た状態でナットを軽く取り付けます。
3:対称に取り付けよう
ホイールナットを取り付ける際に、偏った取り付けをするとやはりバランスが崩れた状態になってしまいます。なのでホイールナットは必ず、付けた所の反対側を次に取り付けてください。穴が五つの場合は星を描くように取り付けていってください。
4:地面に下ろして本締めをしよう
ホイールが車体との隙間が無くなるくらいにホイールナットを締めた後に、車体を地面に下ろして最後の締め付けを行います。車体が浮いている状態で本締めを行おうとすると、車体が揺れてジャッキから落ちてしまうリスクやホイールが回転してしっかりと締め付けられないリスクがあります。なので隙間もなく、ガタが無いくらいに仮留めをしたらジャッキを下ろし、規定トルクでしっかりと本締めを行いましょう。締めていく順番も対称的にやってくださいね。
5:規定トルクで本締めをしよう
ホイールナットをしっかりと締める際に、規定トルクを意識して締め付けてください。規定トルクとは、メーカーで規定されたトルク(力)の値で、どのくらいの力で締め付けたらいいかを示しています。
車種やホイールによってこのトルク値は変わってくるのですが、軽自動車であれば90-100N・m, 普通自動車であれば100-110N・mが大体の目安となります。緩すぎるのはホイールが脱落する危険があるので絶対にやってはいけません。
ですが締め付けすぎてもハブボルトに負担がかかってしまうので、規定トルクを目安として締め付けを行いましょう。最悪の場合はハブボルトがねじ切れてしまいます。
トルクレンチという専用の工具を使ってあげると規定トルクを設定できるので、安全に締め付けを行うことができます。トルクレンチがない場合でも交換は可能ですが、トルクの値はわかりません。
先述のように、締め付けすぎよりも緩んでいる状態の方が怖いので、ホイールナット用の締め付け工具(十字レンチや車載工具)を使って締め付けるときには緩んだ状態で終えないように気をつけてください。
まとめ
今回は身近ではありますが意外に知らないことが多い、ホイールナットについて解説しました。より良いカーライフを目指すために、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
ホイールナットは一度締め付けたら終わり、というわけではありません!定期的なメンテナンスで、緩みが無いかを確認するようにしてくださいね。
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