2022年09月10日
車のエアコンが冷えない!どこが壊れてるの?修理費用は?
エアコンから冷たい風が出て来なくなった!故障の可能性の高い箇所と概算の修理費を解説します。
壊れたと決めつけるのはまだ早い!まずはこれらを確認
車のエアコンから冷たい空気が出てこない!そんなときはまずこれらを確認しましょう。
- エアコンスイッチはONになっているか
- 温度設定は外気よりも低くなっているか
- 吹き出し口から風は出てくるか
- 内気循環になっているか
エアコンの設定や状態が上記通りにもかかわらず冷えない場合、壊れていると考えて間違いありません。なお、しっかりと風が出ているのであれば、ブロワファンの故障やエアコンフィルターの詰まりは考えにくいといえます。
エアコンガスの漏れは原因究明が必要
エアコンが冷えない原因はエアコンガスが減っているからだと言われることが多々ありますが、そもそもエアコンガスは各部が正常であればほとんど漏れ出ないものです。減ったら足せばいいというものではなく、エアコンガスの漏れの原因をしっかりと突き止めて直す必要があることを覚えておきましょう。
エアコンの故障原因は多岐に渡る
エアコンの故障原因には次のようなものがあります。
- エアコンスイッチの接触不良
- 内蔵モーターやパーツの故障
- 車内温度センサーの故障
- ヒューズ切れやリレーの故障
- コンプレッサーの故障
- コンデンサーの破損
- ラジエーターファンの故障
- ラジエーターファンシュラウドの破損
- エバポレーター温度センサーの故障
- エキスパンションバルブの故障
- レシーバ&ドライヤーの故障
- エアコンガス配管の故障や破損
エアコンスイッチの接触不良
エアコンの操作パネルにはA/Cの文字が入ったボタンがありますが、そもそもこのスイッチが接触不良を起こしているという場合です。可能性としてはかなり低いですが、ONの信号が届かないためにエアコンが動きません。
エアコンパネルのスイッチが不良の場合、アナログなスイッチであれば交換して数千円で直る可能性がありますが、新しいモデルやタッチパネルの車両などは、基盤丸ごと交換となるため2万円〜10万円程度になる可能性があります。
内蔵モーターやパーツの故障
冷たい空気の通り道を開くモーターが故障していたり、その周辺パーツが壊れているという場合です。エアコンパネル裏には冷たい空気と暖かい空気を分けたり混ぜたりするための遮風板がついており、これを小型のサーボモーターによって動かすことで空気温度をコントロールしています。このモーターや関連するパーツが破損していると、通路が開かれず冷たい空気が車内まで届きません。
サーボモーターの場合、修理費用は5,000円〜3万円程度。奥まった部分に装着されているため、内装の脱着が必要で地味に時間のかかる作業となります。
車内温度センサーの故障
車内の温度を測るセンサーが故障している場合です。車内が高温であるにもかかわらずセンサーが冷えていると勘違いするため、エアコンが作動せず冷えた風が出てきません。
車内温度センサーの故障の場合、センサーの部品代と交換工賃で5000円〜10,000円程度です。車種によっては奥まった部分に装着されているため、内装の脱着が必要で地味に時間のかかる作業となります。
ヒューズ切れやリレーの故障
エアコン関係のヒューズ切れやリレーの故障で回路が繋がっていない場合です。これらが故障しているとエアコンスイッチを入れてもその信号がコンプレッサーへ届かず、エアコンシステムが稼働しません。
ヒューズ切れやリレーの故障の場合は、かかる修理費用は数百円〜2000円程度。ヒューズは自分でもチェックできるため、近くに詳しい方が居ればその場で解決できる可能性もあります。
コンプレッサーの故障
エアコンガスを圧縮する装置が故障している場合です。これが壊れるとエアコンガスをしっかりと圧縮できないため、冷えの悪さに繋がります。また、コンプレッサーは各部の経年劣化によってエアコンガス漏れの原因となっている可能性があります。
コンプレッサーの故障の場合、修理費用は3万円〜8万円程度。新品部品ではなくリビルト部品を使用することで比較的安価に済ませることができます。ついでにエアコンシステムのクリーニングを行うことで信頼性が高まります。
コンデンサーの破損
エアコンガスを冷やす装置が故障している場合です。これが壊れるとエアコンガスのもつ熱交換性能をうまく活かすことができず、冷えの悪さに繋がります。また、コンデンサーは経年劣化によって細かな穴が空き、エアコンガス漏れの原因となっている可能性があります。
コンデンサーが破損している場合、修理費用は2万円〜5万円程度。コンデンサー自体は社外品が購入できることが多く、部品代を抑えられることがあります。
ラジエーターファンの故障
コンデンサーを冷やすためのファンが故障している場合です。コンデンサーを冷やすファンが壊れていると、コンデンサーに風が当たらないためエアコンガスの温度が下がらず、冷えの悪さに繋がります。
ラジエーターファンの故障の場合は、修理費用が1万円〜3万円程度必要です。ファンは2つついていたりラジエーターシュラウドと一体だったりするため、部品がどこまで小さくできるかで金額が変わってきます。羽根部分のみの交換の場合はもう少し安価となります。
ラジエーターファンシュラウドの破損
ラジエーターファンの取り付け部が壊れている場合です。ラジエーターファンは導風板によって囲まれたところに搭載されていますが、この取り付け部が割れてファンが浮いていたりすると、うまく風を通すことができず冷えにくさに繋がります。
ラジエーターファンシュラウドの破損の場合、修理費用は1万円〜3万円程度となります。ファンモーターと一体であったりするものもあるため金額が定まりませんが、プラスチックのひび割れ程度であれば接着して直すことも可能です。
エバポレーター温度センサーの故障
キンキンに冷えるパーツの温度測定を行うセンサーが故障している場合です。このサーミスタセンサーが故障するとエバポレーター自体が凍結してしまい、空気の通り道が氷で塞がってしまうため、冷えた風が出なくなります。
エバポレーター温度センサーが壊れている場合は、数千円〜2万円程度で修理が可能です。奥まったところにある場合は少し内装を外す必要がありますが、比較的短時間で修理が可能です。
エキスパンションバルブの故障
液状のエアコンガスを気化させる部分が詰まってしまう場合です。詰まると液状ガスがうまく気化せず、冷えの悪さに繋がります。詰まりを引き起こすものには混入した水分などさまざまなものがあり、他の部分を同時に点検する必要があります。
エキスパンションバルブの故障の場合、修理費用は2万円〜6万円程度。エキスパンションバルブ本体の交換はもちろんですが、詰まりの原因次第では他の部品の交換も必要になります。エアコン配管クリーニングも同時に行うことで信頼性が向上します。
レシーバ&ドライヤーの故障
エアコンガスに混入する水分を除去する乾燥器が壊れている場合です。長年の使用で乾燥器内部が詰まってしまい、エアコンガスが流れなくなることで冷えない症状に繋がります。また、中の乾燥剤が漏れ出ることで、コンプレッサーやエキスパンションバルブなどエアコンシステム各部に詰まりを引き起こすことがあります。
レシーバ&ドライヤーが壊れている場合、修理費用は1万円〜3万円程度です。乾燥剤が漏れ出ている場合はエキスパンションバルブの詰まりの点検やエアコン配管クリーニングも同時に必要となります。
エアコンガス配管の故障や破損
エアコンガスを通す配管に何らかの故障や破損が見られる場合です。ガス配管自体に穴が空いている場合はもちろん、ジョイント部分のOリングなどのゴム部品の劣化によってガス漏れが引き起こされ、効きが悪くなります。
エアコンガス配管の故障や破損の場合、その修理箇所によって数千円〜数万円まで金額が大きく変動します。配管が損傷することでコンプレッサーを潤滑するコンプレッサーオイルまで抜けてしまうことがあり、最悪の場合焼き付きによってコンプレッサーも交換となる可能性があります。
ブロワファンの故障
エアコンの風を生み出す扇風機のようなものが壊れている場合です。風量を増やしても風が全く出て来ない場合は故障している可能性が高いといえますが、ちゃんと風が出てくる場合はここが原因ではありません。
エアコンフィルターの目詰まり
エアコンの風をきれいにするフィルターが詰まっている場合です。フィルターが詰まってしまっていると、吹き出し口からしっかりと風が出てきません。しかし、ちゃんと風が出てくる場合はここが原因ではありません。
エアコンの故障原因特定は難易度高め
エアコンはいくつもの装置で成り立っているため点検箇所が多く、原因特定の難易度が高いシステムです。内部の状態もエアコンガスを回収しないと状態がわからないため、すぐにプロに相談するのが良いでしょう。夏本番前にしっかりと点検することで、夏の快適なドライブに繋がります。