2022年09月10日 (更新:2022年09月15日)
タイヤ交換の便利グッズ、トルクレンチはもう持ってる?
タイヤ交換が安全かつ正確に行えるトルクレンチ。今回はトルクレンチのアレコレを徹底解説します!
そもそもトルクレンチってなんだ?
トルクレンチとは、いま自分が締め付けているボルトやネジが、どれくらいの力で締め付けられているかを測定すると同時に、適正なトルクで締め付けるための工具です。
車の整備では、エンジンの組み立てなどはもちろん、ホイールナットやホイールボルトの締め付けによく使用されます。
トルクレンチの種類
トルクレンチは、大きく分けるとシグナル式と直読式の2種類があります。
シグナル式トルクレンチ
シグナル式トルクレンチとは、設定したトルク値を超えた瞬間に、カチッという音や手応え、ブザー音などのシグナルで知らせてくれるトルクレンチのことです。
現在販売されているトルクレンチの大半がこのシグナル式トルクレンチで、中でも締め付けトルクを許容範囲内で自由に設定できるプリセット型トルクレンチが広く普及しています。
直読式トルクレンチ
直読式トルクレンチとは、現在の締め付けトルクがリアルタイムでわかるようになっているトルクレンチのこと。
直にいまのトルクを読むことができるのが特徴で、このボルトはどれくらいで締まるのか、といった検査や測定、精密な締め付け作業などに向いています。
トルクレンチの選び方
トルクレンチ、特にシグナル式のプリセット型トルクレンチは締め付けトルクを調整できるうえ、設定トルクを超えた時にわかりやすいため人気です。プリセット型トルクレンチや他のトルクレンチを購入する時は、次のような点を考慮しましょう。
調整範囲に余裕のあるものを選ぶ
プリセット型トルクレンチはさまざまな締め付けトルクに設定でき便利ですが、調整範囲の下限と上限付近ではしっかりとした精度が出ません。そのため、締め付けたいトルクから下限上限ともに30〜40N・m以上の余裕がある製品を購入するようにしましょう。
たとえば、愛車のホイールナットの締め付けトルクが100N・mの場合、70〜130N・mや60〜140N・mなどのトルク調整範囲をもつプリセット型トルクレンチの購入がベストです。
ソケットが付属しているものを選ぶ
トルクレンチは、ホイールナットの大きさに合わせて先端のソケットを交換する必要があります。商品の中には複数のソケットが同梱されているものがあるので、DIY初心者の方はそちらを購入しましょう。
中古品はできるだけ避ける
トルクレンチは精密機器。前所有者が下記にあるような注意点を守っていない場合や、製造後かなりの時間が経過している場合、精度が著しく悪くなっている可能性があります。安くても¥5,000程度と高価な工具ですが、事故などのリスクも考えると可能な限り中古品は避けたいところです。
トルクレンチを使うときの注意点
トルクレンチは精密機器のため、取り扱いにはいくつもの注意点があります。これらを常に念頭に置き作業を行いましょう。特に自動車においては、工具の取り扱いミスは事故に直結します。
緩める方向には絶対に使用しない
トルクレンチは締め付けトルクを測定する機器のため、緩める目的では使用できません。精度が狂ってしまうため絶対にやめましょう。車載レンチやクロスレンチなど他の工具を使用して緩めます。
左回転の締め付けには使用できない
トルクレンチはほとんどの製品が右ネジ用に作られており、反時計回りで締まる左ネジには対応していません。先端部分の金具を操作することで反時計回りに締め付けることができてしまうこともありますが、これはNG。左ネジ用は左ネジ対応と必ず記載があるので、購入時によく確認しましょう。
設定トルクを変えてしまわないよう注意
プリセット型トルクレンチはグリップ部分を回して締め付けトルクを設定するものがほとんどですが、力を掛けていくうちにグリップ部分が回り設定トルクがズレてしまうことがあります。必ずグリップのロックをかけてから作業を行いましょう。
グリップの中心以外を持って締めてはいけない
トルクレンチは、必ずグリップの中央を持って締めなければいけません。それ以外の部分を持って締め付けを行うと正確な精度で締め付けられないので必ず守りましょう。
途中で止めずに締めきる
トルクレンチを使用中、途中で締め付けが止まってしまわないよう注意しましょう。
締め付けていくとだんだん力が必要になってきますが、その反力に負けて動きを一度止めてしまうと正確な締め付けができません。トルクレンチがカチッと鳴るまで、ゆっくりと回転を止めずに締めきりましょう。
シグナルがあった瞬間に力を抜く
シグナル式トルクレンチは、カチッという音と手応えのシグナルによって締め込み完了を伝えますが、このシグナル後も力をかければどんどん締め込まれてしまいます。操作には少し慣れが必要ですが、カチッときたらすぐに力を抜くようにしましょう。
カチカチと何度も締め込まない
シグナル式トルクレンチのシグナルがあった後、不安だからといって何度もカチカチと操作するのはNG。ボルトやナットはその度にどんどん締め付けられてしまい、締め過ぎ(オーバートルク)となってしまいます。
プリセット型は下限値に戻して保管する
プリセット型トルクレンチはさまざまな締め付けトルクに設定できますが、保管時は設定トルクを調整範囲の下限値まで戻して保管する必要があります。これを行わないと、保管中に精度が狂い正確な締め付けができなくなるため、保管ケース内にメモ書きを行い、毎度必ず行いましょう。
30〜140N・mのトルクレンチの場合 : 30Nに設定して保管
湿気の多い場所に保管しない
トルクレンチは精密機器のため、保管環境に気をつけるようにしましょう。内部に錆が発生する可能性が高いため、屋外など湿度の高い場所や炎天下に保管するのはNG。製品の取扱説明書を熟読してください。
トルクレンチを使ってみた感想
免許を取って30年以上、初めてトルクレンチなるものを購入😂 奥さんが力いっぱい締めてもカチッと音がするので安心ですね😅 奥さんもこれなら私も出来ると喜んでました🤗
トルクレンチはもはや必需品
スタッドレスタイヤへの交換やホイール脱着を含むDIY作業を行う方にとって、トルクレンチはもはや必需品といえます。命を預ける車の足回りを確実に組み上げ、より安全なカーライフを実現しましょう。