2020年07月09日 (更新:2024年08月20日)
エアフロセンサーの清掃方法を完全解説!やると壊れるNG作業とは?
パワーダウンやアイドリング不良に繋がるエアフロセンサーの汚れ。今回はエアフロセンサーの清掃方法と、やってはいけないNG作業を解説します
エアフロセンサーとは?
エアフロセンサー(エアフロメーター)とは、エンジンが吸い込んだ空気の量(吸入空気量)を測定するセンサーで、コンピューターはこの吸入空気量を元に適切な燃料の量を割り出して燃料噴射を行なっています。
ほとんどのエアフロセンサーは、より正確に吸入空気量を測定するために温度センサーも内蔵されています。値段は純正品の新品でおよそ1~3万円ほど。
エアフロセンサーが汚れる原因
エアフロセンサーが装着されているのは、エアクリーナーボックス内もしくはエアクリボックスからエンジンまでのインテークパイプ部分。
センサー内を通過するのはエアクリーナー通過後の吸気のため比較的綺麗ですが、ブローバイガスなどの油分を含んだ空気による汚れが付着することがあります。
この汚れによって正確な吸入空気量を測定できなくなると、適切な量の燃料噴射を行うことができなくなり、アイドリングが不安定になったり加速が鈍いなどの症状が発生します。
エアフロセンサー清掃に必要なもの
工具(ドライバー、ソケットレンチなど)
エアフロセンサーは、エアクリーナーボックス本体またはインテークパイプに数本のボルトで固定されている場合が多く、取り外すための工具が必要です。バッテリーのマイナス端子の取り外しにも使用します。
マスキングテープ
部品を取り外した穴などを塞ぐために使用します。幅の広い物を用意すると良いでしょう。
エアフロセンサークリーナー
エアフロセンサーを清掃するためのクリーナーが販売されているので、そちらを用意しましょう。
下記で詳しく説明しますが、エアフロセンサーの清掃にパーツクリーナーを使用するとエアフロセンサーを壊してしまう可能性があります。
エアフロセンサーの清掃方法
エンジンを始動せずに警告灯の状態を確認する
ブレーキを踏まずにイグニッションキーを回す/スタートボタンを押し、まず全警告灯が点灯することを確認します。次に、ほとんどの警告灯が消灯したあとエンジンチェックランプが点灯していないことを確認してください。
作業前のこの状態でエンジンチェックランプが点灯もしくは点滅し続ける場合、別のトラブルが発生している可能性があるのでディーラーへ相談しましょう。エンジン始動後にエンジンチェックランプが点灯もしくは点滅している場合も同様です。
バッテリーのマイナス端子を外す
まず、バッテリーのマイナス端子を外します。マイナス端子を外すにはソケットレンチもしくはメガネレンチを使用しましょう。
マイナス端子を外している途中に、工具がバッテリーのプラス端子に接触しないよう注意してください。
バッテリーを外すと各種設定がリセットされる
バッテリーを外すと、オーディオやナビの設定だけでなく、コンピューターの学習による燃調補正がリセットされることがあります。これは故障ではありませんので注意しましょう。
エアフロセンサーに接続されているカプラーを外す
エアフロセンサーに接続されているカプラー(コネクター)を外します。外したカプラーにゴミが入らないよう、マスキングテープなどを使用して塞いでおきましょう。
エアフロセンサーを取り外す
エアフロセンサーを固定しているボルトを外しエアフロセンサーを引き抜きます。センサー部分には絶対に触れないようにしてください。
また、エアフロセンサー取り付け部分にゴム製のパッキンが入っている場合があるので、落とさないよう注意しましょう。
取り外した部分は確実に塞ぐ
エアフロセンサーを取り外した後の穴はマスキングテープで塞ぎ、絶対に中に物が入らないようにしておきましょう。ここから物が入るとエンジン内部へ落ちてしまい取れなくなるだけでなく、間違ってエンジンを始動するとエンジンが壊れます。
マスキングテープではなくタオルで塞ぐ方法もありますが、ほつれた糸や埃がエンジンに入ってしまう可能性があるためオススメできません。
エアフロセンサーを清掃する
汚れが残らないようエアフロセンサーを逆さまにして、クリーナーを適切な位置から吹きつけます。吹き付ける距離が近いとエアフロセンサーを破損する恐れがあるので注意しましょう。
また、エアフロセンサーには複数の測定部品が備わっています。よく観察して各部の清掃を行なってください。
パーツクリーナーはセンサー破損の恐れあり
パーツクリーナーは洗浄力が非常に強力で、センサーを痛めてしまう場合があるため使用しないでください。
エアフロセンサーを乾燥させ常温に戻す
エアフロセンサーを5~10分ほど乾燥させ、クリーナーによって下がった本体の温度を常温に戻します。
冷えた状態のままセンサーに通電すると、温度差によりセンサーが壊れる可能性があるので必ず行うようにしてください。
取り付け部分を清掃する
穴を塞いでいるマスキングテープを剥がし、エアフロセンサーの取り付け部分に汚れが付着していないか確認します。
汚れがある場合は、エアフロクリーナーを使用して拭き取ってください。このときも内部にゴミや物が落ちないよう注意してください。
エアフロセンサーを取り付ける
エアフロセンサーを取り付けます。センサー部分が他の部品に触れないよう注意して取り付けてください。
エアフロセンサーにカプラーを接続する
カプラーに貼っていたマスキングテープを剥がし、ハーネス(配線)がねじれないようにカプラーを接続します。カプラーのツメがしっかりと嵌合するまで差し込んでください。
バッテリーのマイナス端子を接続する
バッテリーのマイナス端子を接続します。イグニッションキーがOFFになっていることを確認し、端子を奥までしっかりと差し込んでボルトを締め込んでください。
この時も、工具がバッテリーのプラス端子に接触しないよう注意してください。
エンジンを始動せずに警告灯に異常がないか確認する
ブレーキを踏まずにイグニッションキーを回す/スタートボタンを押し、まず全警告灯が点灯することを確認します。次に、ほとんどの警告灯が消灯したあとエンジンチェックランプが点灯していないことを確認してください。
エンジンチェックランプが点灯している場合は、エアフロセンサーのカプラーがしっかりと接続されていることを確認してください。
エンジンを始動しアイドリングが安定しているかを確認する
エンジンを始動し、アイドリングが上下せず安定しているかを確認します。ここでも、エンジンチェックランプが点灯または点滅することがないか確認してください。
コンピューターの学習による燃調補正がリセットされているためアイドリングが不安定になる場合がありますが、5分程度アイドリングを続けることでコンピューターが再学習し、安定するようになります。
走行して異常がないか確認する
実際に走行し、今までどおりのパワーが出るか、綺麗に吹け上がるかを確認します。
こちらもコンピューターの学習による燃調補正がリセットされているため少し安定しない場合がありますが、加減速を織り交ぜた走行を5~10分ほど行うことで再学習し、安定するようになります。
再度警告灯を確認
再度エンジンチェックランプが点灯または点滅していないことを確認します。しばらく走った後に点灯する場合もあるので注意しましょう。
問題がなければ作業終了です。
エアフロセンサーは定期的にチェックしたい
エアフロセンサーは燃調制御に重要なセンサーの一つですが、汚れがつきやすい場所にあります。エアクリーナーの交換やスロットルバルブの清掃など、吸気系のメンテナンスを行う際に一緒に確認すると良いでしょう。
また、エアフロセンサーを清掃しても状況が改善しない場合があることは覚えておきましょう。自信のない方は初めから新品に交換するか、新品の購入を視野に入れてダメ元で行うのがオススメです。