2019年09月17日 (更新:2022年10月24日)
100万円台でポルシェを味わえる!ボクスター986の魅力に迫る
ポルシェのオープンモデルといえばボクスター。986は、その初代モデルにあたります。入門用ポルシェとも呼ばれる986ですが、果たしてそうなのでしょうか。今回は、986ボクスターが持つ本当の魅力についてご紹介します。
ポルシェ・986ボクスターとは
ポルシェの986ボクスターは、1996年に登場した『968』の後継モデルです。1993年に公開されたポルシェのコンセプトカーであるプロトタイプボクスターをベースに開発され、従来の直列4気筒エンジン・FR方式より水平対向6気筒エンジンをミッドシップレイアウトで搭載。
この水平対向エンジンは車名の由来ともなっており、ポルシェのラインナップのなかでも抑えられた価格帯とエンジン出力で、エントリーモデルとしてのキャラクターが与えられています。
メルセデスの『SL』クラスやマセラティの『グラントゥーリズモ』と競合するような「GTカー」としての色が濃くなってしまったポルシェ『911』は高性能・高価格。そんな中、「ライトウェイトスポーツカー」としてのポルシェを味わうのに、うってつけなのが986ボクスターなのです。
ポルシェ・986ボクスターの魅力
デザイン
ポルシェ986ボクスターは、1993年開催のデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカーを元に市販車としてデザインされています。一際目を惹くのがオープントップデザイン。構成部品のほとんどを共有する兄弟車・ケイマンはハードトップになっているのに対して、986ボクスターは走行中にオープンエアを楽しむことができるようになっています。
また、ヘッドライトも丸形ではなく俗に「目玉つながり」と呼ばれるウインカー一体式の個性的な形状。、ボディサイドに刻まれた大型のエアインテークデザインが、一目で986ボクスターだと分かる造形です。
パフォーマンス
2.5L水平対向6気筒エンジン(最高出力204ps・最大トルク25kgm)が搭載され、5MTもしくはマニュアルモード付き5速トルコン式ティプロトニックが組み合わせられ、最高速度は240km/h、100km/h加速は6.9sを誇りました。
1999年のマイナーチェンジで、エンジン排気量が2.7Lに拡大。220psに引き上げられ、同時に3.2Lエンジンを搭載する「ボクスターS」が追加されます。MT仕様は、「ボクスター」が最高速度250km/h、「ボクスターS」が最高速度260km/h、となっています。
2002年には、「ボクスター」「ボクスターS」共にエンジン出力が8ps向上。2003年リリースの「550スパイダーエディション」は専用内外装をまとい、エンジン出力も266psまで高めて搭載されました。
986ボクスターはお買い得!
当時の新車価格
986ボクスターは、2003年に追加された「550スパイダー」のデビュー50周年記念限定モデル「ボクスターS 550スパイダーエディション」と、ベースグレードの「ボクスター」。その高性能グレードである「ボクスターS」の3グレードが存在しています。最終型の新車価格はMTとATモデルで価格が異なっており、以下のようになっていました。
グレード | MTモデル | ATモデル |
---|---|---|
ボクスター | 5,775,000円 | 6,405,000円 |
ボクスターS | 6,825,000円 | 7,455,000円 |
ボクスターS 550スパイダーエディション | 7,696,500円 | 8,326,500円 |
中古車相場価格
2003年当時の最廉価モデルで5,775,000円~という価格だった986ボクスターですが、走行距離により最終後期モデルでも100万円を切っている個体が相当数流通しています。「ボクスターS 550スパイダーエディション」の走行6万キロでも本体価格278万円という個体も見られるため、「911カレラ」でも本体価格が総じて50万円ほど高くなることを考慮すれば、986ボクスターはかなりお買い得なモデルといえるのではないでしょうか。
まとめ
フラットシックスと呼ばれる水平対向6気筒エンジンの高い出力と、軽量かつ高剛性から発揮されるパフォーマンスは、決してポルシェのエントリーモデルだとひと括りにしていいようなものではないでしょう。
最終モデルが販売されてから、すでに15年が経過している986ボクスターは、ポルシェのレストアサービス「ポルシェクラシック」に名前を連ねており、まだまだ現役で走ることができます。
4代目982型718に現行モデルが移り変わっているボクスターですが、986には現行車にはない魅力があります。100万円台で購入できる今だからこそ、986ボクスターは更に輝いて見えるのではないでしょうか。