2019年08月18日 (更新:2020年08月11日)
【外国の自動車メーカー】イギリスにはどんな車メーカーがある?英国車メーカーを大特集!
西洋と北海の間に浮かぶイギリスは、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国という4つの国からなる連合国です。首都はロンドンで、「紳士の国」と呼ばれるほどマナーを重んじる国民性があります。では、そんなイギリスにはどんな自動車メーカーがあるのか見ていきましょう!
イギリスといえば?
イギリスは、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドという4つの国家で形成されます。そのため、公用語は英語だけではなく、ウェールズ語、スコットランド語、ゲール語も使われています。
サッカーやテニス、競馬が人気スポーツであり、特にイングランドは「サッカーの母国」とも呼ばれるほど、名だたる強豪チームが存在します。テニスは世界的に有名なウィンブルドン大会が開催されるため、一度は名前を耳にしたことがある人も多いでしょう。また、イギリスの紅茶文化は忘れてはいけないでしょう。1日を通して5.6回はティータイムがあるといわれるほど、イギリス人の紅茶好きは世界的に見ても群を抜いています。
ロールスロイス
ロールス・ロイスは、世界的な高級車メーカーを代表する存在。現在は「ロールスロイス・モーターカーズ」として、BMWグループ傘下に入っています。
今でこそ、ラグジュアリーなショーファードリヴンを手掛けるロールスロイスですが、元々は航空機のエンジンを開発するメーカーでした。
1904年の創設以来、さまざまなモデルを世に送り出しており、常に世界中のセレブから熱い視線を受けています。
ロールス・ロイスのボンネットに鎮座するギリシャ神話の女神・ニケをモチーフにしたオーナメント、「スピリット・オブ・エクスタシー」は同社のシンボルとして知られていますね。
ファントム
ファントムはロールス・ロイスの旗艦サルーンです。初代モデルが生まれたのは1925年。第一次大戦以前の設計のままだった、同社のシルバーゴーストの後継モデルとしてデビュー。2018年、14年ぶりに現行型へとモデルチェンジが加えられました。
「世界で最も静かなクルマ」といわれる静粛性と、V12型ツインターボエンジンが発生させる強烈なパワー、数々の快適・先進装備を搭載しており、価格は5460万円~。世界的に見てもトップレベルの高級車として君臨するモデルです。
ベントレー
ベントレーは、今年で創設100周年を迎えるイギリスが誇る高級車・スポーツカーメーカーです。
「世界最高のドライヴァーズカー」の製造を目的としているベントレーは、1931年にロールス・ロイスに買収されるまで、ル・マン24時間耐久レースで5回の優勝を飾るなど、モータースポーツで名を挙げたメーカーでもあります。
1998年以降はフォルクスワーゲン傘下となり、さまざまなモデルを開発。日本では5車種の現行モデルを展開しており、そのいずれも2000万円を越える高級モデルとなっています。
ミュルザンヌ
ミュルザンヌは、2009年まで製造・販売されていた同ブランドの『アルナージ』に代わるフラッグシップサルーンです。ベントレーがル・マンで活躍していた歴史に由来する車名を冠しており、2010年よりデリバリーが開始されました。
現行型ミュルザンヌにはロールス・ロイス製V型8気筒ツインターボエンジンが搭載され、総排気量は6750cc。究極のラグジュアリー、パフォーマンスを両立させた、まさに世界最高のドライヴァーズカーです。
ジャガー
1922年に創設された、スワロー・サイドカー・カンパニーを前身とするジャガー。当初はサイドカーの製造で成功を収めたメーカーです。「ジャガー」になったのは1945年のこと。車名をジャガー・カーズへ変更し、ブランド名もジャガーへ。ル・マン24時間レースなど、モータースポーツへ参入することでスポーツカー開発へと乗り出しました。
80年代後半~2000年にかけて多くのイギリス自動車メーカーが姿を消していく中、高級車・スポーツカーを製造し続けている稀有なメーカーであり、イギリス王室よりワラント(御用達)の指定を受けている伝統ある企業です。
XJ
XJはジャガーが2010年より販売を手掛けているFセグの高級セダンです。現行モデルとなっているX351型は4代目にあたり、2009年に首都ロンドンにて初披露されました。
「Beautiful Fast Car -美しく、速いクルマ-」をコンセプトに開発され、新世代アルミニウムボディの採用によりボディを大幅に軽量化。XJシリーズのアイコンでもあった丸目4灯ヘッドライトなども全て刷新され、大体な流線形を取り入れたスリークデザインになっています。
MINI
MINIは、イギリスを代表する自動車メーカーの一つです。1994年よりBMWグループに属しているMINIですが、始まりは1952年にブリティッシュ・モーター・カンパニー(BMC)のアレック・イシゴニスのチームが自動車設計をしたことにメーカーとしての端を発します。
何度も生産、販売会社を変えながら新たなモデルを生み出し続けるMINIには、熱狂的なファンが多く存在します。ビートルズやエリザベス女王など著名人・文化人にも愛好家が多く、日本においても圧倒的な支持を受けているメーカーなのです。
モーリス・ミニ・マイナー
1959年に販売が開始された、MINIの記念すべき第一号となるモデルです。技術者でもあったアレック・イシゴニスによって設計されたコンパクトなボディに、横置きエンジン・前輪駆動・2BOXスタイル・ラバーコーンサスという、当時としては全く新しい構造と理論で登場しました。ミニは1960年代のイギリスの人々の文化に深く根付くと同時に、ラリーでも活躍。64年に一度、改良型のクーパーSにて65,67年のラリー・モンテカルロにて優勝を飾っています。
ランドローバー
ミシン会社を起源にしているランドローバーの創立は1948年。当時のローバー・モーターがオフロード向けの車両として、ランドローバー・シリーズⅠをアムステルダムモーターショーで初公開したのが自動車メーカーとしての始まりです。
親会社を何度も変えつつも、四輪駆動専門のメーカーとしてブランドを確立。
現在はインド資本のタタ・モータース傘下、ジャガーランドローバーの一員となっています。主要モデルには、レンジローバーやディフェンダー、ディスカバリーなどがあり、全モデルが高い走行性能を誇ります。特にレンジローバーシリーズはラグジュアリーSUVとして、根強い人気を誇ります。
レンジローバー L405
究極のラグジュアリーSUVを謳う、フラッグシップSUVです。1970年のデビュー以来、ラグジュアリー・エステート・パフォーマンス・クロスカントリーという役割を1台でこなす車両として開発され、現行モデルは2013年より販売されている4代目です。
オールアルミモノコックで軽量化されたボディを持ち、路面状況に最適なセッティングを行うテレインレスポンス2を搭載。優れた走破性と、快適な居住空間から「四駆のロールス・ロイス」とも呼ばれています。
アストンマーティン
1913年の創立以来、イギリスを代表する高級スポーツカーメーカーとして知られているのがアストンマーティンです。正式な社名は「アストンマーティン・ラゴンダ」であり、イギリスの自動車メーカーでは数少ない、民族資本のメーカーとしても有名です。パフォーマンスとクオリティを徹底的に追求したクルマ開発で、イギリス王室のウェールズ公チャールズよりロイヤル・ワラントを受けています。
他のメーカー同様、モータースポーツの分野においても古くから活躍しており、現在でもFIA世界耐久選手権に参戦。F1ではレッドブル・レーシングと提携しています。また、映画『007』シリーズにおいて、主力となるモデルのほとんどが、主人公が乗るボンドカーとして登場していることも有名ですね。
DBS スーパーレッジェーラ
DBS スーパーレッジェーラは、同ブランドにおけるグランツーリズモ(GT)としての役割を担う、モデル・DB11の超高性能・軽量化バージョンにであり、フラッグシップモデルにあたります。位置付け的には「スーパーGT」となり、搭載された5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンは驚愕の725psを発揮。0-100km/h加速3.4秒、最高速は約340km/hという圧倒的な動力性能を秘めています。
モーリス・ガレージ
モーリス・ガレージが自動車メーカーとして確立されたのは1923年。自社で開発・製造を手掛けた小型スポーツカー『Raworth 11.9hp』を世に送り出したことが始まり。トレードマークのオクタゴン(六角形)を採用したエンブレムを特徴とする、2シーターオープンカーを主力とし、サルーンやクーペなどさまざまなモデルを開発しています。
特に、1950年代~1960年代に生産されたモデルは、現在でもクラシックカーの入門として高い人気を誇り、ヒストリックカーレースなどでも走っている姿を多く見ることが出来ます。現在では中国資本である南京汽車に買収され、その傘下に入っています。
MGB
1962年にデビューし、先代である「MGA」を遥かに越える52万台以上という製造・販売台数記録を残す、2シーターオープンカーの代名詞とも呼べる存在がMGBです。そのスタイリングは、マツダの名車・初代ユーノスロードスターにも多大な影響を与えました。
独自に設計されたモノコックボディはスチール製。当時としては先進的かつ高性能なクルマとして開発され、軽快なハンドリングや走行性能、修理等にかかる維持費の安さから一躍大ヒットとなったモデルです。
ロータス
ロータスは、もともとレーサーでもあった天才エンジニア、コーリン・チャップマンが創設した、ライトウェイトを主力とするスポーツカーメーカーです。1952年に創設され、初の自社開発モデルであるマーク6の販売を開始したのが始まりです。
現在では中国吉利汽車(ジーリー)グループとして、乗用車の製造・販売を行う「カーズ」と自動車の技術に関するコンサルを行う「エンジニアニング」の2部門に分かれて事業を展開しています。ロータスのラインナップは、全てイギリス本国のへセル工場でのみ行われており、親会社であるジーリーの販売網に乗せて全世界へデリバリーされています。
エヴォーラ400
エヴォーラ400は、2015年開催のジュネーブショーで発表された、ロータスのフラグシップです。「ロータスが作るスポーツカーの伝統を受け継ぎ、精密なハンドリング、高いパフォーマンスを実現した」とロータスが語るように、エヴォーラ400は高いパフォーマンスを発揮するピュアスポーツカーです。ミドシップレイアウトのスーパーチャージャー付き3.5リッターV6エンジンは、最高出力406psを発揮。同ブランド史上最強・最速の市販モデルとなっています。
ケーターハム
1960年代から一貫したキープコンセプトを続けるライトウェイトスポーツカー・セブン(スーパーセブン)を生産し続けるケータハム。メインファクトリーの従業員数は25人以下、グループ全体でも従業員数100人以下の小規模な自動車メーカーとして、ロンドンの郊外にあるケイターハムに本社を置くのがケーターハムです。
もともとロータスのディーラーを営んでいたグラハム・ニアーンが、1973年からロータス・セブンの製造権を取得したのを起源としています。
セブン(スーパーセブン)
ロータスが自社モデルだったロータス・セブンの生産中止を決めたおり、創設者のグラハムがセブンの製造権を取得したことで徐々に浸透していったモデルです。1台1台が2名体制で手作業により組み上げられ、さまざまなメーカーから供給を受けたエンジンに独自のチューンナップを施して搭載しているのが特徴。
現在では4グレードを展開していますが、外見はどれも往年のクラブマンレーサーの雰囲気に溢れ、クラシカルなシルエットは自動車ファンを魅了し続けています。
マクラーレン
マクラーレン・オートモーティブは、2009年にマクラーレングループのロードカー部門として設立されました。1990年に設立されていたマクラーレン・カーズを前身としており、当初から高性能市販車の開発に力を注ぎ続けてきたメーカーです。
今では伝説の名車といわれている『マクラーレン・F1』の発表を皮切りに、数々のスーパースポーツカーを開発。
イタリアのフェラーリやランボルギーニのラインナップに肩を並べるほどの動力性能を発揮するマシンたちは、本体価格が2億を越えるモデルであっても、事前予約で完売してしまうほどの人気を誇っています。ガルウイングドアと流麗なスタイリングが特徴的で、見る者を引き込む力がありますね。
スピードテイル
2019年開催のジュネーブモーターショーで公開されたスピードテイルは、同ブランドが展開する「アルティメイト」の3作目にあたります。
このフラッグシップモデルは、直線での最高速を極限まで追求されたハイパーGTであり、最高速度は約403km/hという途方もないパフォーマンスを実現。セントラル・ドライビングポジション/3シーターという独自のレイアウトを採用し、生産台数も106台。あらゆる面において、ハイパーカーと呼ぶにふさわしいモデルなのです。
アリエル
イングランドのサマセット州・クルーカーンに本拠地を置く自動車メーカー。1991年創設と比較的新しいメーカーですが、社長であるサイモン・ソーダース氏を筆頭に従業員7名と、イギリスで最も小規模な部類に属するバックヤードビルダーを形成しています。
年間生産台数は僅か100台未満という少数ながら、製造しているモデルは軽さと高性能さが追求されており、特に『アトム』は公道を走行可能なモデルとしては世界で初めて外骨格型を採用した車両として有名です。
アトム
車重500kg台という群を抜いた軽さを誇るライトウェイトスポーツカーです。乗用車として公道も走行可能ではあるものの、レーシングカーに近い構造となっており、極めてスパルタンな外見をしています。運転席を含むほぼ全ての内装が剥き出しになっており、「ボディ」という概念が存在しないといっても過言ではありません。
アリエル社が「ドア無し、屋根無し、妥協なし」と語るように、ドライビングを楽しむための要素以外を一切排除した独特なモデルです。
ジネッタ
イギリス国内で、主にレーシングカーの製造に携わっているジネッタ。ウォークレット4兄弟により1958年に創設されました。現在では自社で製造・販売したモデルを用いたワンメイクレースを数多く主催し、モータースポーツ活動を支援する幅広いビジネスを展開しています。基本的に日本国内でジネッタの新車を購入することはできませんが、稀に台数限定で輸入される場合があります。
アクラ
ジネッタが自ら主催するレースから得たノウハウを余すところなく注入した、スーパースポーツカーです。ジュネーブ国際モーターショーで発表されたこのモデルは、オールカーボンモノコック製の1150kgという軽いボディに、6.0Lエンジンを搭載。FIA世界耐久選手権技術規定「ル・マンプロトタイプ」に由来する、アグレッシブな造形のエアロパーツをまとっています。
TVR
ライトウェイトスポーツカーの製造・販売を行うTVRは、1947年にトレバー・ウィルキンソン氏により創設されました。90年代に入ると、イギリスで独立しているメーカーとしては最大規模を誇るメーカーにまで成長しましたが、2006年12月に経営破綻。しかし、2013年に経営者の交代と会社の再建がなされ、2017年には新型車を発表するに至るほどの回復を見せています。
グリフィス
TVRが限定500台で生産を行う、新型スポーツカーです。パワートレインには5.0リッターV型8気筒エンジンを搭載し、6速のマニュアルトランスミッションを採用。ダウンフォースを最大・最適に発生させるためにサイドエギゾーストが採用されており、卓越したハンドリングとコーナリング性能を発揮するモデルです。
マーコス
マーコスは1959年にジェム・マーシュと、第二次大戦中に戦闘爆撃機の設計に従事した経験のあるフランク・コスティンによって、ノースウェールズのドルゲラウに創設されました。会社名は、マーシュの「Mar」とコスティンの「Cos」を合わせて名づけられました。
日本に初上陸したのは1964年開催の第2回日本グランプリ。2台出走し、1台は5位という成績を収め、帰国後もイギリスで開催されたレースでレコードを次々と更新。その実績から市販車第1号となるマーコススパイダーを発表しました。1990年代はミニ・マーコスやマンチューラといったモデルも代理店により輸入されていましたが、現在の日本には代理店が存在していません。
マーコス・ミニ
マーコス・ミニは1959年に完成した、マーコス社を代表するキットカー・モデルです。全てのパーツをミニより流用可能、グラスファイバー製のモノコックボディ、流用するパーツは加工なしで装着できるという3つのことを大前提として製作されており、全長も3050mmとほぼベースであるミニと変わらないボディサイズとなっています。
このマーコス・ミニは1966年開催のル・マン24時間レースにも出走しており、伝説のライトウェイトスポーツカーと呼ばれているモデルです。
ボクスホール
19世紀中期より機械メーカーとして創業・発展していたボクスホールが自動車業界に参入したのは1903年のことです。参入当初は当時としては異例のハイパワーを誇る高性能なスポーツカーなどを開発していましたが、GM系列入りした後は大衆向けの量産車メーカーとなりました。
GMはヨーロッパ圏内にオペルという子会社も持っているので、同一の車種をイギリス国内では「ボクスホールブランド」、それ以外の地域では「オペルブランド」として販売していました。これは、ボクスホールというメーカー・ブランドの知名度の高さを物語るエピソードでしょう。現在は売却され、PSAグループのフランス現地法人になっています。
VXR8 GTS
2013年に発表された、ボクスホールが誇るハイパフォーマンスカーです。6.2リットルV型8気筒スーパーチャージャー付きエンジンを搭載。そこから最大出力585ps/5900rpm、最大トルク75.5kgm/4200rpmをひねり出します。もともと「VXR」はボクスホールのラインナップの中でも走りを磨いたモデルにつけられていた名称ですが、VXR GTSはそのレンジのフラッグシップモデルです。
AC CARS
AC CARSは、イギリスで生まれた最も古い独立系自動車メーカーの一つです。初めて車両を発表したのは1903年のこと。それから、1960年代前半にかけてさまざまなモデルを開発・販売しますが、度重なる財政困難に見舞われ、一度は倒産も経験しています。しかし、2008~2012年にかけての合弁事業により経営を再建。現在でもニューモデルの開発を行っているメーカーです。
ACコブラ
ACコブラは、世界中のカー・コレクター垂涎の的です。AC CARSが1960年代を中心に製造したスポーツカーの名称で、特に1965年より製造が開始されたMk.Ⅲは世界で最も希少価値のあるクルマとして知られており、市場では1億をゆうに越える値段で取引されています。
1044kgという軽量ボディに、フォード社製7.0リッターV型8気筒エンジンを搭載しており、「イギリスの公道に速度制限が設けられたのはコブラのせい」といわれるほど高い動力性能を秘めているモデルです。
モーガン
モーガンは、1913年にイングランドで設立された代表的な少量生産スポーツカー・メーカー。約150名の従業員を抱え、創業者一族による家族経営がなされています。
三輪自動車の『3ホイーラー』の販売と、それを用いたモータースポーツでの成功がモーガン社のクルマ作りの基盤となっており、3ホイーラーをベースとして4輪に仕立てたモデル『4/4』をフラッグシップとし、基本構造を変えないままの伝統的なスタイルで現在でも車両を生産し続けています。
『4/4(Plus4)』
『4/4』は、モーガンラインナップで最も有名なモデルでしょう。発売された1936年より変わらない美しさ、ナローボディを保った審美的なエクステリアを特徴としています。
年代ごとにアレンジが加えられるデザインは世代を隔てても、折りたたみ式風防や羊皮を用いたボンネットストラップなどは共通して採用されており、クラシカルな見た目のまま現代の安全・環境基準に合わせてハンドメイドで創り上げられています。残念ながら、『4/4』は2019年3月で新車の製造・販売を終了しています。
ブリストル・カーズ
ブリストル・カーズは、イギリスの自動車メーカーのなかでも数少ない純イギリス資本で経営されているメーカーです。イングランドの西部ブリストルの郊外に製造拠点を構えており、ロンドンのケンジントン・アンド・チェルシー王立特別区に属する地区であるケンジントンに世界唯一のディーラーを構えています。
広告を一切出さないことでも知られており、このメーカーの存在自体を知らないイギリス人もいるのだとか。ブリストルが製造するモデルの最も特徴的な装備として、スペアタイヤをフェンダー内に内臓しているという点が挙げられます。
ファイター
ファイターはブリストルが製造したモデルの中で、最も優れたパフォーマンスを発揮するモデルです。
実用性を重視した保守的なモデルを製造することで知られているブリストルですが、2004年に発売したファイターはクライスラー製V型10気筒エンジンを搭載し、標準モデルでも532馬力を発生させる紛れもないスーパーカーです。
個性的なガルウイングドアを採用した、空力重視のエクステリアデザインになっています。また、ファイターをターボ化した『ファイターT』という派生モデルも存在し、こちらは最高出力1012PS、最高速度430km/Lをマーク。ブガッティのヴェイロンを超えた、まさに怪物と呼ぶにふさわしいモデルとなっています。
ノーブル
ノーブルは、一貫してスポーツカーの開発を続けている自動車メーカーです。
設立者であり、現在の代表でもあるリー・ノーブルは、様々なロードカーの開発に携わっていたことから、自分でもスポーツカーの開発に着手。1999年、ノーブル市販車第一号モデル『M10』の量産化を行うために、ノーブル・オートモーティブとして1998年に設立されました。
製造するモデルはレーシングカーに近い、極めてスパルタンな雰囲気を放つクルマばかりであり、軽量かつ高剛性ボディで優れた動力性能を発揮します。
M600
2009年にノーブルが発表したスーパーカーがM600です。1980年代のフェラーリF40や、1990年代のマクラーレンF1を現代流にアレンジしたスーパーカーを目指して設計され、同ブランドの従来モデルに比べ、TCSやABSなど運転支援のための電子制御システムを非搭載とした、乗り手を選ぶスーパーカーとして仕上げられています。
ヤマハ製4.4L V型8気筒エンジンをツインターボ化するなどのチューンナップを加えた結果、最高出力は650英馬力にまで引き上げられ、車体もカーボンファイバーパネル等を用いたことで1275kgという軽さを獲得しています。公表されているスペックで、0-100km-3秒、最高速度は362km/hに達します。
アルティマスポーツ
アルティマスポーツは1992年に創設されたスポーツカーメーカーです。
もともとは、キットカーの販売メーカーで、モデルを購入するとマシンを組み立てるための部品が届く仕組みとなっています
現在ではアメリカでの販売がメインとなっており、日本国内でのアルティマ製モデルは見つけるのさえ相当に難しいとされています(国内現存個体は4台とも)。
アルティマスポーツのクルマは、F1に用いられるようなフォーミュラカーに、カウルを被せたような個性的なデザインとなっています。
アルティマRS
2019年6月に発表された、アルティマの新型スーパーカーです。2015年にアルティマが限定生産を行った『エボリューション』をベースに、パフォーマンスを高めるための様々な改良が施されています。公道を走ることができる最速のマシンとして開発され、フラッグシップとなるスーパーチャージャー付きLT5エンジン搭載モデルは0-60mph加速は2.3秒、最高速度は402km/hにまで達します。
また、最速であるだけではなく、オプションにより装備することができる362mグルーブド・ディスクに6ピストンキャリパーを備えたブレーキは、約161km/hから3.3秒で停止できるという最高クラスの減速力すら兼ね備えています。
ラディカル
ラディカルは、アマチュアのドライバーだったニック・ハイド氏とエンジニアのフィル・アボット氏により1997年に創設されました。
初めて製作したのは、カワサキ製エンジンを搭載した『ラディカル 1100クラブスポーツ』で、それを用いてレースへの参戦も行われました。その後も、日本のバイクメーカーのエンジンを搭載する2シータースポーツカーを次々と製作。『SR9』ではル・マン24時間レースにも出走し、総合20位にも輝いた経歴があります。
また、2007年に開発した『SR8・LM』はニュルブルクリンク・ノルドシュライフェタイムアタックにおいて、コースレコードを樹立。この時のタイムは2017年にポルシェ911GT2RSが更新するまで不動のものだったという逸話も残しています。
RXC
RXCは、ラディカルの歴史の中でも、初となる量産車用エンジンを搭載したモデル。採用されたのは、フォード製V6ツインターボエンジンであり、スタンダードモデルで最高出力400馬力、オプションとなるチューニングモデルで650馬力を発揮します。
2シーターのミドシップレイアウトとなるボディの各部にはいたる所にカーボンファイバーが用いられており、レーシングカー顔負けのエクステリアとなっています。レーシングカーらしいのは見た目だけではなく、FIA規則に乗っ取ったフロントクラッシュボックスの搭載やフルバケットシート、ロールバーを装備。
公道での走行も可能な驚くべきモデルなのです。
リスター
リスターの創業は1954年。イギリスのケンブリッジで鉄鋼業を営んでいたブライアン・リスターがオリジナルで自動車を設計たのが始まりです。レーシングカーを中心に製造を手がけ、マセラティ製直6エンジンを搭載した『リスター・メーザー』やジャガー製6気筒エンジンを積んだ『リスター・ジャガー』を開発し、レースに投入。
小規模なメーカーとしては異例の好成績を納めていましたが、1958年に資金難で経営破綻、閉鎖を余儀なくされました。その後、1968年になりリスター・カーズ・リミテッドとして再建され、ジャガーXJSをベースとした車両や『リスター・ストーム』というスーパースポーツカーを製造しました。
リスター・ストーム
リスター・ストームがデビューしたのは1993年。コルベットとフェラーリを混ぜたような独特のどっしりとしたボディに、ジャガー製V型12気筒エンジンを搭載する4人乗りサルーンとして、世間の注目を浴びることになります。最高出力は550馬力、最高速度は335km/Lにまで達する恐るべき動力性能を秘めており、販売価格も3500万円と超高額。製造された個体が僅か4台という幻の名車です。
まとめ
古くからモータースポーツなどで名を馳せた伝統ある名門メーカーが多く存在する国、イギリス。
王室御用達に指定されているモデルも多く、クオリティにも定評があります。多彩なクルマがラインナップしているイギリス車は、手が届く大衆車から高級車、憧れのスーパーカーなどさまざまです。
今回紹介したのはほんのひと握りだといえるほど、世界にはたくさんのカーメーカーが存在しています。
「外車は壊れる、燃費が悪い」のは過去のこと。食わず嫌いせずに、名車の世界に触れてみてはいかがでしょうか。