カーアクション映画やゲームに用いられていることが多いニトロ。皆さんはニトロを危険なものだと考えていませんか?皆さんが想像しているニトロと車のニトロには違いがあるのです。今回はそんなニトロに関する豆知識をご紹介しますね。
この記事の目次
ニトロ(NOS)ってなに?
車に文字通り爆発的なパワーをもたらすニトロ。大人気カーアクション映画であるワイルドスピードや人気ゲームのニードフォースピードなどに登場しているので、ニトロについて知っているという人が多いのではないでしょうか。
ところが、私たちがニトロと呼んでいるものは実はニトロではありません。正式名称をNOS(ナイトラス・オキサイド・システム)と呼びます。亜酸化窒素と呼ばれるガスをエンジン内部に噴射して車をパワーアップするシステムのことです。
ニトロとはいわゆるニトログリセリンのこと。ニトログリセリンとは有機化合物で、爆薬の一種です。NOSが爆発的な加速をもたらすことから、NOS=ニトロというイメージがついたのでしょう。しかし、実際は全くの別物なのでこの機会に覚えておきましょう。
ニトロ搭載車は速い!
NOSといえばブルーのガスボンベが印象的ですが、ガスボンベの中には亜酸化窒素がたっぷりと充填されています。亜酸化窒素には大気中の空気の1.5倍もの酸素が含まれており、これがガソリンの燃焼を促進させることでパワーをもたらしているのです。
まずはこちらの動画をご覧ください。北米で盛んなゼロヨンレースの一部始終をまとめた動画になります。ボディフロントが持ち上がっている車種も見受けられ、NOSがどれだけのパワーを車にもたらしているのかがひと目で理解できます。
動画の1:21あたりで車から白い蒸気のようなものが噴出されていますね。これはパージと呼ばれています。NOS配管内の酸素を強制的に噴出することで、NOSを使用する際のタイムラグを低減させる役割があるそうです。
続いての動画がこちら。前述した動画と同じく、ゼロヨンレースの一部始終です。動画の前半ではNOS搭載車がR35 GT-Rを置き去りにするほどの加速力で勝利しています。R35 GT-Rが大敗するとは思いもよらず、大和男児としては衝撃を隠せません。
ニトロ搭載車は壊れやすい?
上記ではNOSによって爆発的な加速力を得ている動画をご紹介しました。しかし、本来は実現できそうもないパワーをNOSによってもたらすのですから、なんだか車に大きな負担がかかっているようにも思えますが、NOS搭載車は故障しやすいのでしょうか。
結論からいうと、NOSを搭載しているからといって車が故障しやすいということはありません。そもそもNOSは日本国内でこそあまり馴染みのないチューニングですが、ゼロヨンが盛んな北米地域では定番といえるチューニングメニューのひとつです。
また、亜酸化窒素は気化する際に周囲の熱を奪う性質があります。そのため、熱対策が必要不可欠な車などに相性の良いチューニングだといえるでしょう。ハードなチューニングを施したことで車が故障するというのは、何もNOSに限った話ではありませんよね。
ニトロの値段は?
映画やゲームで大活躍しているNOS。メディアの影響を受けて、あなたもNOSを搭載してみたいと思ったのではないでしょうか。NOSは日本でも入手することができます。NOSのカスタムキット自体は15~20万円程度で購入・取付することが可能です。
ただし、エンジンパワーだけを求めても車は速くなりません。それどころか、本来のトータルバランスが崩れることによってパフォーマンスが低下してしまう恐れすらあります。NOSを取り付けたいなら、エンジンから足回りまで満遍なくチューニングしましょう。
それを踏まえると、NOSの真価を発揮するためには最低でも100万円程度の費用が発生すると思われます。また、ガスボンベ内に充填されている亜酸化窒素は、定期的に補充する必要があります。亜酸化窒素は補充量にもよりますが、1万円~2万円程度です。
まとめ
今回はカーアクション映画やレースゲームに欠かせないニトロ(NOS)についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。この記事を読んだ皆さんは、ニトロとNOSをしっかりと区別できるようになったはずです。
NOSは決して危険なチューニングではなく、故障や不具合が起きやすいチューニングでもありません。日本国内において主流ではないだけで、NOSチューンを楽しんでいる人は世界中に存在しています。少数ですが日本でNOSチューンを楽しんでいる人もいるのです。
NOSに関する正しい知識を頭に入れたことで、NOSに対するイメージが大きく変わったことと思います。NOSチューンをやってみたいと思った人もいるでしょう。まずはNOSを取り扱っているショップに問い合わせるところからはじめてみてください。