2019年06月30日 (更新:2020年08月07日)
高級車ディーラーでのクルマの買い方
レクサスやBMW、メルセデス・ベンツなど、日本でも高級車ディーラーが軒並み増えています。今までは、ヤナセのような輸入専門ディーラーが中心でしたが、現在では各自動車メーカーが専売ディーラーを設置するようになりました。今回は、ちょっと敷居が高くて入りにくい高級車ディーラーでのクルマの買い方について解説していきます。
そもそも数が少ない高級車ディーラー
トヨタや日産、ホンダや三菱など国産車を扱うディーラーは、住んでいる地域に数多く存在しますが、レクサスやBMWやメルセデス・ベンツに関しては、各都道府県に1店舗から3店舗ほどの営業にとどまります。
さらに、マセラティやフェラーリやランボルギーニなどの超高級車となると、正規ディーラーの数は全国でも数えるほどしかありません。
この中には、自動車メーカーが販売店に関与して直営店のような形で運営するお店と、ヤナセに代表される輸入代理店を専門にして複数の自動車メーカーの取り扱いをするお店があります。直営店と輸入代理店では異なる部分がいくつもあります。両者の違いについて解説をしていきます。
メーカー直営店
BMWやメルセデス、レクサスの自動車メーカーなどが直接関与しているお店です。メーカー直々にお店の運営方針や従業員教育、店舗の佇まいなどを決め、専門的に単一メーカーのクルマを販売しています。
働いているスタッフには、そのメーカーのクルマのことを専門に勉強したスペシャリストが揃い、エンジニアはそのメーカーのクルマの特徴を深く理解しているので、より専門的に整備を行うことができます。
また、中古車に関しても「認定中古車」を販売しています。厳しい基準をクリアした良質な中古車だけを選りすぐり、メーカー認定を付けることで、保証期間を長く設定したり、新車購入と同じようなサービスを提供しています。特に中古車に関しては「認定」がついているのか、そうではないのかによってディーラー側の対応が大きく異なることも覚えておく必要があるでしょう。
輸入代理専門店
ここでは、メーカー直営ではない輸入代理店を指します。主に正規輸入にて多様なメーカーを取り扱うヤナセを中心に、正規輸入と並行輸入を織り交ぜて輸入車を販売するディーラーもあります。ショールームに様々なメーカーの車種が並んでいるお店は輸入代理専門店です。
一部、自動車メーカーの教育が入っているお店もありますが、基本的には地場資本の別会社が店舗設営から社員教育までを行うところが多く、メーカー直営店とは一線を画します。
一般中古車販売店
最近では、中古車販売店もチェーン店化しており、全国各地に数多くのお店が軒を連ねます。中には高級車、超高級車の中古車を販売しているお店も多くあり、手ごろな値段で憧れのクルマを手に入れることができます。
さらに、気になるクルマをインターネットで全国在庫として探すことができるようなったので、多くの台数から探せるようになりました。
認定中古車と比べ値段も手ごろで購入しやすいのですが、状態の良し悪しやメーカー独自のサービスが利用できないなど、デメリットも数多くあります。価格の面では最も手の届きやすい販売店ですが、所有した後の苦労があるのが一般中古車販売店の特徴でもあります。
高級車はメーカー直営店から買うのがベスト
クルマは大きな買い物です。それだけに、価格を比べてできるだけ安いものをと考えたくなりますが、価格のみを優先すると失敗してしまう可能性があるので注意が必要です。
正規購入と、それ以外を区別する
例えば、レクサスディーラーでの一例を説明します。AとBのクルマがあり、どちらもレクサスLS600h、年式やグレード、色などクルマとしては何もかもが同じ仕様です。Aは正規のレクサス店で認定中古車を購入したもの、Bは一般の中古車販売店で購入したものです。この2台が同じレクサス店に入っていった場合、お店の対応はどうなるでしょうか。
この2台の違いは認定中古車か否かということになり、大きな違いがあります。認定中古車の場合、「レクサスオーナーズカード」という正規ディーラーから購入したことを表す証明書が発行され、これを手にした日から「レクサスオーナー」となります。
特別プログラムの組まれた点検整備、車両通信サービスの利用、オーナーズラウンジの利用など、レクサス店で新車を購入したオーナーと同じサービスが受けられます。
対して、一般の中古車販売店で購入したお客様はこれらのサービスを受けることが出来ません。
レクサスのサービスをすべて受けるのには、認定中古車を購入する必要があります。
せっかくの高級車ですから、所有する喜びも、もちろんありますが、ディーラーでの様々な接遇やサービスを受けることができれば、さらに高級車に乗る喜びを得られるはずです。購入の際には新車中古車に関わらず正規ディーラーから購入することをお勧めします。
正規ディーラーの在庫車に注意
輸入車ディーラーに行くと、「このクルマは〇〇のオプションは無くて」「この色しか今はないんです」などの言葉を聞くことがあります。自分は白いクルマが欲しいのに、黒しかないと言われて、黒いクルマを買ったなどという話をよく聞きますが、これが輸入車ディーラーの在庫車です。
在庫車はお得?
レクサスのように完全受注生産制を敷いているメーカーでは、在庫車というものが存在しませんが、数多くのディーラーが新車の在庫車を抱えている状況です。これは、メーカーと販売店の間で月間の配車台数というものが決められており、顧客からの注文如何に関わらず販売店はメーカーに対し一定台数の注文を入れなければならないからです。
例えば今月は15台の配車台数に対して顧客からの注文が10台しか入らなかった場合、残りの5台は販売店が売れそうな色や装備を決めて、買い手の付いていないクルマを発注します。この買い手の付いていないクルマを在庫車と呼びます。
購入の際、セールスマンから在庫車を提案されることもあるでしょう。在庫車ではカラーやオプションを車選ぶことができませんが、オーダー車より早く納車が出来たり、大幅な値引きをしてくれる可能性があったりとメリットもあります。もし、自分の希望通りの在庫車があれば、お得に購入できるかもしれません。
まとめ
あまり理解されていない、高級車の正規ディーラーとその他ディーラーの違いについて解説してきました。高級車ディーラーでは1000万円近く、さらにはその上の金額を出してクルマを購入するのですから、単純にクルマを所有する以外の満足も得たいものです。
高級車ディーラーでは売って終わりということは決してなく、大事にオーナーを扱い、クルマだけでは味わえない極上のサービスを提供してくれます。あなたも慎重にお店選びをし、極上のサービスを受けてみてはいかがでしょうか。