2019年06月25日 (更新:2021年02月08日)
スズキが生んだトールワゴン!スペーシア3兄弟のご紹介!
2017年末に初となるフルモデルチェンジを果たしたスズキのトールワゴン・スペーシア。ライバル車も多いジャンルの中でも、「居住性」と「機能性」を「楽しさ」と掛け合わせる大胆な発想で人気のモデルとなっています。今回は、そんなスペーシアを兄弟車であるバリエーションモデルとともにご紹介します。
スズキスペーシアとは
スペーシアは、スズキが製造・販売を手掛ける軽自動車であり、軽スーパーハイトワゴンとも呼ばれるモデルです。「空間」を表す英語〝Space〟を名前の由来としており、同ブランドが2008年から発売していたパレットの実質的な後継モデルとして発表されました。
〝実質〟というのは、室内寸法や車重、全車でマイルドハイブリッドとした燃費性能、などが大きく進化しており車種も別名が付けられたため。
ただし、そのまま引き継いだ機構も備えており、先代の特徴でもあった後席の電動両側スライドドアや副変速機構が付いたCVT、車両の型式である「MK」もそのまま継承されています。
スペーシアカスタム
初代スペーシアカスタムが登場したのは2013年。こちらはパレットSW後継のスポーティモデルとして発表されました。その後、2017年10月には一度販売を終了していますが、同年の12月にはフルモデルチェンジを施された2代目として市場に復活。
内外装をスーツケースをイメージしたデザインへと大幅な意匠変更が加えられ、スペーシアにはない圧倒的な迫力と存在感を持つモデルといて生まれ変わりました。
エクステリア
スペーシアカスタムのエクステリアは、スペーシアよりも、よりアグレッシブな印象を与えます。専用の大型フロントグリルが特徴的であり、若年層向けのデザインとされ、バックドアメッキガーニッシュなど、各部にメッキパーツを採用することでそのスタイリッシュな造形を強調しています。
インテリア
基本的なデザインはスペーシアと共通としながらも、よりシックで洗練された黒基調の内装になっています。シフトノブやステアリングには本革を採用し、ステアリングを握ったままシフトチェンジが行えるパドルシフトを装備。スペーシアカスタム専用設計のシートにはレザー調が使われています。
また、上級グレードである「HYBRID XS」および、「HYBRID XS ターボ」のシートには赤ステッチが施されており、スポーティさも感じることができます。
スペック
グレード | HYBRID GS | HYBRID XS | HYBRID XS ターボ |
---|---|---|---|
全長 | 3395mm | ||
全幅 | 1475mm | ||
全高 | 1785mm | ||
室内寸法 | 2155mm×1345mm×1410mm | ||
ホイールベース | 2460mm | ||
トレッド(前/後) | 1295mm/1300mm | ||
車両重量 | 880kg | 890kg | 900kg |
燃焼効率 | 28.2km/L | 25.6km/L | |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒 | 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ | |
エンジン機構 | DOHC12バルブ吸排気VVT | DOHC12バルブVVT | |
総排気量 | 0.658cc | ||
最高出力 | 38kw<52PS>/6,500rpm | 47kw<64PS>/6,000rpm | |
最大トルク | 60kw<6.1kg・m>/4,000rpm | 98kw<10.0kg・m>/3,000rpm | |
モーター種類 | WA05A型:直流同期電動機 | ||
モーター最高出力 | 2.3kW (3.1PS)/1,000rpm | ||
モーター最大トルク | 50N・m (5.1kg・m)/100rpm |
スペーシアギア
スペーシアギアは2018年12月に発表された、SUVとしてのデザインを採用したスペーシアのバリエーションモデルです。
スペーシアシリーズの中で一番の新顔となる本モデルは、「広い空間をアクティブスタイルを融合したSUVな軽ハイトワゴン」をコンセプトとして誕生し、キャッチフレーズは「遊びゴコロにギアを入れろ」となっています。
エクステリア
スペーシアギアのエクステリアは、兄弟モデルであるスペーシア/スペーシア カスタムとは一線を画すデザインとなっています。
前後のバンパーとドアの両サイドにはプロテクターを装着し、軽SUVとしての力強さをアピール。プロテクターと同色塗装されたフロントグリルには丸いLEDヘッドライトが採用され、同ブランドの本格軽SUVとして名高いジムニーを彷彿とさせるデザインとなっています。
インテリア
インテリアも、まさに〝遊び道具〟としての機能性を重視した空間が広がっています。スペーシアギア専用の装備として、フロント/リヤ/ツイーターに各部2つずつ、計6つのスピーカーを装備。
ブラック基調のインテリアのシート生地には自転車やサーフボードをそのまま積み込めるように撥水加工が施され、採用されたハニカム形状は滑り止めの役割も果たしてくれます。
また、助手席側ダッシュボードはツールボックスをモチーフにしたアッパータイプのボックスを装備、メーターもよく見ると〝歯車風〟になっているなど細部までこだわった雰囲気作りがなされています。
スペック
グレード | HYBRID HZ | HYBRID XZターボ |
---|---|---|
全長 | 3395mm | |
全幅 | 1475mm | |
全高 | 1800mm | |
室内寸法 | 2155mm×1345mm×1410mm | |
ホイールベース | 2460mm | |
トレッド(前/後) | 1295mm/1300mm | |
車両重量 | 890kg | |
燃費効率 | 28.2km/L | 25.6km/L |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒 | 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ |
エンジン機構 | DOHC12バルブ吸排気VVT | DOHC12バルブVVT |
総排気量 | 0.658cc | |
最高出力 | 38kw〈52PS〉/6,500rpm | 47〈64PS〉/6,000rpm |
最大トルク | 60kw〈6.1kg・m〉/4,000rpm | 98kw〈10.0kg・m〉/3,000rpm |
モーター種類 | WA05A型:直流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 2.3kW (3.1PS)/1,000rpm |
収納スペース
スペーシアの車内には、空間を上手く使った収納スペースがいくつも用意されています。ラゲッジスペースは地上高510mmという低さに設計されており、自転車なども楽に積み下ろしが出来るようになっています。
また、リアシートもワンタッチでフラットにすることができるため、大荷物の積み込みにも困ることがほとんどありません。ラゲッジスペースだけではなく、運転席・助手席・後部座席の各部にポケットとホルダーが設置されているため、小物の収納スペースも十分に確保されています。
快適装備
スペーシア三兄弟には、居住性を高める快適装備としていくつかの機能が搭載されています。まずは、スリムサーキュレーターです。これは、車内の空気を効率よく循環させ前席と後席の温度差を軽減するための機能。サーキュレーター自体もコンパクトな設計になっているため、室内の広さを損なうことがありません。
また、新プラットフォームである「ハーテクト」の採用により先代を超える低床設計を実現。乗り降りが楽になっているだけではなく、引き継いだパワースライドドアに予約ロック機能を搭載することで「降りた後にドアが閉まり切るまで待つ」ストレスがなくされています。
安全装備
スペーシアシリーズの安全装備で特筆すべきは、軽自動車では初となる「フロントガラス東映式のヘッドアップディスプレイ」を搭載していること。
車速やシフト、デュアルセンサーブレーキサポートの警告などが、ドライバーから最も見えやすい位置に表示されるようになっており、運転中の前方視界からメーターへと視線移動することなく運転中のさまざまな情報を得ることができるようになっています。
さらに、オプションとして設定可能な「全方位モニター用カメラパッケージ」装着車では、こちらも軽自動車初となるクルマの周辺を立体で映し出す3Dビューを採用。
クルマを俯瞰で見下げる「室外視点」と、運転席から車体を透かして見るような「室内視点」を切り替えて表示することで、ドライバーを様々な視点からサポートしてくれます。
走行・燃費性能
スズキ・スペーシアは、スズキの「スズキグリーン テクノロジー」により、環境性能もバツグンです。モデルチェンジを経て、全モデルでマイルドハイブリッド化し、ボディの新軽量衝撃吸収ボディ「テクト」との組み合わせにより、JC08モード計測で30.0km/Lを実現しています。スペーシアシリーズ、全モデル/全グレードでの燃費性能は以下のようになっています。
グレード | 燃費性能(JC08モード) |
---|---|
スペーシアHYBRID G | 28.2km/L |
スペーシアHYBRID X | 28.2km/L |
スペーシアカスタムHYBRID GS | 28.2km/L |
スペーシアカスタムHYBRID XS | 28.2km/L |
スペーシアカスタムHYBRID XSターボ | 25.6km/L |
スペーシアギア HYBRID XZ | 28.2km/L |
スペーシアギア HYBRID XZターボ | 25.6km/L |
CARTUNEユーザーのカスタム例
ゆなしんさんのスペーシアカスタムは、福岡を拠点とするエアロパーツメーカー・バタフライシステムのデモカー仕様。BLITZ車高調でローダウンした足元に、ワークのリザルタード17インチをインストール。シンプルにまとめ上げた、上品な一台です。
るんるんさんの32型スペーシアカスタムは、ワンオフリップにワンオフボンネットなどこだわりを詰め込んだ一台。ラゲッジオーディオまで作りこんで、自作で張り替えを行ったという車内も見どころです。
目にも鮮やかな純正色である、フェニックスレッドパールをボディカラーにチョイスしたNANNTOさん。足元に光るのは、ゴールドディスクのレオンハルト・プログレスライン ゲミュート。カラーのコーディネイトがシブい仕上がりになっています。
まとめ
スペーシアはスタイリッシュな「カスタム」、軽SUVの「ギア」というバリエーションモデルの存在によって、世代や用途により受け入れられる懐を広げたモデルであるといえるでしょう。シリーズとしてこれだけのバリエーションが用意されているのは、他の軽カーにはない強み。まさに、自分だけの相棒として選ぶことができるのがスペーシアではないでしょうか。