2019年06月20日 (更新:2020年06月05日)
トヨタのハイブリット4WDは一味違う!リアをモーターで駆動するE-Fourとは?
トヨタのハイブリッドカーの4WDに用いられるE-Four。E-Fourは、後輪をプロペラシャフトではなく、モーターで駆動する4WDシステムです。。プロペラシャフトがなくなることによって、さまざまなメリットが生まれるこのシステムですが、具体的にはどういったものなのでしょうか。E-fourについて、詳しくご紹介します。
トヨタのハイブリッド(HV)車に採用される4WD技術「E-Four」とは
E-Fourとは、トヨタのハイブリッドFF車に搭載される4WDシステムのこと。
機械的に動力を伝えるのではなく電気モーターによって後輪を駆動することにより、さまざまなさまなメリットを生み出す、電気式4WDシステムです。
プロペラシャフトがない!
E-Fourはプロペラシャフトによるエンジン動力の代わりに、モーターの動力で後輪を駆動させる4WD。そのため、エンジンパワーをロスすることなく後輪を駆動できることが大きな特徴です。
初期のE-Fourは、発進時と前輪が滑ったときにのみ後輪モーターが駆動する簡易的なものでしたが、4代目プリウスに搭載されたE-Fourは、より小型化され、70km/hまでの速度域で車両安定性を高めるように制御されるようになりました。2019年に登場したRAV4に搭載されるE-Fourは、さらに悪路走破性と車両安定性が高められた最新のE-Fourです。
E-Fourを採用するメリットは?
燃費の向上
E-Fourは、機械式4WDが発生する引きずり抵抗が少ないため、燃費が向上します。また、減速時には回生ブレーキとして電力を蓄え、ハイブリッドシステムの充電も効率よくおこなうことができます。
車両安定性の向上
車速やステアリング角度、アクセル開度に応じて、緻密に前後トルクと後輪左右のトルク比を変化させることができるため、車両安定性が高まります。
RAV4に搭載された最新のE-Fourは、モータートルクの強化と緻密な制御で悪路走破性も高められています。
専用設計ならフロアトンネルも不要
E-Fourを前提に設計されたボディフロアなら、プロペラシャフトが通るセンタートンネルが不要になるため、4WDシステムの車内への圧迫を抑え、室内空間を有効に使うことができます。
E-Fourが採用される4WDハイブリッド(HV)車ラインナップ
どのような車種に E-Fourが採用されているか、紹介していきます。
エスティマ
2006年に登場した3代目エスティマ・ハイブリッドは、世界で初めて電気式4WDが搭載された車です。制御は簡易的ではあるものの、強力な後輪モーターが搭載され、車重が重いエスティマをしっかりと押し出します。
ハリアー
2013年に登場した3代目ハリアーもE-Fourを採用。基本構造はエスティマと同じながらもトルクを強化したモーターが搭載されました。
アルファード/ヴェルファイア
2015年にフルモデルチェンジした3代目アルファード/ヴェルファイアは、ハリアーと同型のE-Fourを搭載します。
プリウス
2015年に登場した4代目プリウスに搭載されたE-Fourは、それまでのものよりも75%の小型化を実現。70km/hまでを上限に前後輪トルクを10:0から4:6までリニアな分配制御を可能としました。ただし、モーターはトルクを抑えた小型のものが使われています。
RAV4
3種の4WDシステムが用意されて登場するRAV4。プロペラシャフトを持たないE-Fourは、もっとも実用的な4WDとして扱われます。前後輪のトルク配分は10:0~2:8の割合まで高められ、旋回時の安定性も向上しています。
まとめ
E-Fourの後輪が発揮できるトルクは、モーターの性能に依存するため、絶対性能では機械式の4WDに及びません。しかし、一般走行ならば十分なトラクションを生み出し、安定した走行が可能です。RAV4ではさらに姿勢安定も緻密に制御し、車のコントロール性を向上させた最新のE-Fourが搭載されています。ただし、あくまで走行を補助するための装置であるため、機械式4WDほどの性能は発揮できないことを覚えておきましょう。