ポルシェ918スパイダーは900馬力のハイブリッドスーパーカー

ポルシェ918スパイダーとは、スーパーカーの一種です。2010年3月10日、ジュネーブモーターショー（サロン・アンテルナショナルド・ロト）でお披露目されました。往年のポルシェレーシングカー・917をモチーフにしており、公開当時から異次元の性能が話題になっていました。2013年に市販化が発表されています。著名人ではスウェーデンの名サッカー選手、ズラタン・イブラヒモビッチが所有しています。

ポルシェ918スパイダーには4つの走行モードがあります。

• E-Driveモード（E）：電気モーターのみ
• ハイブリッドモード （H）：エンジン、電気モーター、充電を組み合わせる
• スポーツモード（S）：パワーレベルを上げる
• レースモード（R）：パフォーマンスレベルを最大化する。サーキット向け

4つのモードを支える主要なシステムやスペックを紹介します。

918スパイダーの最大の特徴はプラグインハイブリッドエンジンです。現在はマクラーレン・P1、ホンダ・NSX、ランボルギーニ・LB48Hなど、スーパーカーにもハイブリッド搭載車が続々登場していますので、時代の流れを感じます。

ガソリンエンジンは4.6LのV型8気筒です。

918スパイダーのシステム最高出力は887馬力です。もちろんここまでのパワーを出せるハイブリッドカーは見当たらないでしょう。900馬力にも近づけるパワーユニットは、0-100km/h加速2.6秒、最高時速345km/hなど、次元を超えたパフォーマンスを引き出します。E-Driveモードによるモーターオンリーでの走行でも最高時速が150km/hに達するなど、ラスボスレベルのパフォーマンスを様々な形で体感できます。

918スパイダーには3L/100kmという驚くべき低燃費性能があります。これは日本での計算式である1L換算にすると33.3km/hに相当します。従来のスーパーカーは驚愕のパフォーマンスを引き出すために燃費を大きく犠牲にするケースが多いです。しかし918スパイダーは、ただハイブリッドにして燃費を節約するだけでなく、その燃費性能が日本の某人気ハイブリッドカーに近いレベルです。これだけでもスーパーカーの歴史を変える事実です。

918スパイダーをポルシェ・911の最上級モデル「GT2 RS」と比較しました。

918スパイダーと比較すると、911の進化モデルであるGT2 RSでも敵わないことがわかります。911 GT2 RSは911ブランドのなかでも最速のモデルといわれ、24時間レースでもおなじみのドイツ・ニュルブルクリンク北コースを、量産車試乗最速の6分40秒3で駆け抜けて話題になりました。最高出力700PSや最高速度340km/hなど、多くのレーシングカーでも出せないスペックを誇っています。

しかし918スパイダーは911 GT2 RSを最高出力、加速性能、最高速度などで上回り、燃費に至っては4分の1近くも低いのです。GT2 RSのようなスーパーカーでさえ超越したパフォーマンスが918スパイダーの素晴らしさです。

ポルシェ918スパイダーの値段は70万4365ユーロです。記事執筆時点の日本円換算では8690万6682円に相当します。しかし発売当初はユーロが今よりも高めで、日本円換算では約1億円になっていました。現在は桁数がひとつ減ったという意味でお買い得かもしれませんが、それでも大衆の手に届かない値段には変わりありません。

918スパイダーはポルシェが生んだ究極のスーパーカーです。エンジンの最高出力はハイブリッドシステムと合わせて900馬力に近づき、燃費は1リッターだけで30kmを超えます。驚愕の性能は今もカーマニアの心を刺激しているでしょう。

918スパイダーのクオリティは量産スポーツカーの中で最も速いといわれるポルシェ911 GT2 RSでさえ太刀打ちできないほどです。今後も918スパイダーがどんな話題を振りまくかに注目しましょう。