2019年06月18日 (更新:2022年12月08日)
SKODA・シュコダはチェコ最大の自動車メーカー!シュコダの車種を紹介!
チェコ最大の自動車メーカーであるシュコダ。日本ではWRCでの目覚ましい活躍で知られている自動車メーカーです。今回はそんなシュコダがどんな自動車メーカーで、どのような歴史があるのかについて迫ってみたいと思います。記事後半ではシュコダ車の中でも特に人気のある3車種をピックアップして紹介しているので、気になる人はぜひご覧ください。
シュコダとは
皆さんはシュコダ(SKODA)という自動車メーカーをご存知ですか?
シュコダはチェコに拠点を置いているチェコ最大の自動車メーカーです。国内の自動車販売シェア1位の大企業で、世界最大の自動車グループであるフォルクスワーゲングループに属しています。
日本では知名度の低いシュコダですが、ヨーロッパや中国を中心に高い人気を博しています。今回はそんなシュコダがどのような自動車メーカーなのか、どのような歴史があるのかについて迫ってみましょう。
シュコダの歴史
シュコダの歴史は1895年に遡ります。書籍商のヴァーツラフ・クレメントと機械工のヴァーツラフ・ラウリンの2人が、自転車メーカーのラウリン&クレメントを創業しました。業績は順調で、4年後には自転車だけでなくオートバイの生産も開始。
1901年にはシュコダ初の自動車「ラウリン&クレメント」を製造します。1907年に株式会社化、1912年には自動車メーカーを買収するなど、ラウリン&クレメントは自動車メーカーとして急速に成長していきました。
その後は乗用車だけでなく、トラックや航空機用エンジンなどの製造を手がけることで、国内最大手自動車メーカーとしての地位を築き上げます。しかし、1924年に自社の工場で大規模な火災が発生したことで、経営困難に陥りました。
翌年に、国内の大企業であるシュコダ工業株式会社に買収されることになります。買収当時、開発中だったラウリン&クレメントの新型車を「SKODA 360」として発表。SKODA360以降はラウリン&クレメントではなく、シュコダブランドとして自動車製造を手がけるようになりました。
現在はフォルクスワーゲンの傘下
1945年以降は、戦後復興を目的に国有化が実施されます。30年以上に渡って国有化は続きますが、1991年、フォルクスワーゲングループの傘下に収まることでシュコダ。オート株式会社として民営化されることになったのです。
フォルクスワーゲングループの一員になったことで、フォルクスワーゲンが保有する技術やデザイン力がシュコダに反映されました。これにより、シュコダは大幅な近代化が進み、世界で通用する自動車メーカーへと成長を遂げることになりました。
モータースポーツへ参入
シュコダは社会主義時代の1960年代以降、モータースポーツ活動に積極的に取り組むようになります。1975年にはFIA世界ラリー選手権(WRC)に参戦。惜しくも総合優勝は逃しましたが、クラス優勝圏内を席巻することで国内外から注目を集めるようになります。
WRCに積極的に参戦してノウハウを培った結果、1994年には2Lワールドカップを獲得。その後も順調に好成績を収めました。ラリージャパンにもワークスとして出場するなど、WRCファンの中ですこだの知名度は高まりつつありましたが、残念ながらラリージャパンの1年後にはWRCから撤退することになります。
2009年以降はプロダクションカー世界ラリー選手権(PWRC)やインターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)に参戦。これらのモータースポーツで活躍するために新開発したファビアS2000は、スバルや三菱を差し置いて優勝するなど、輝かしい成績を収めました。
シュコダの代表車種を紹介
最後にシュコダを代表する3車種を紹介します。なかなか日本では目にする機会のないシュコダですが、日本国内の自動車メーカーに負けず劣らずの車種を製造しているのです。
特に、これから紹介するコディアック、ファビア、スペルブは欧州市場や中国市場を中心に高い人気を博しています。チェコが世界に誇る自動車をぜひご覧ください。
KODIAG(コディアック)
KODIAG(コディアック)は2016年から製造・販売が行われているシュコダのクロスオーバーSUVです。ボディサイズは全長4,695mm×全幅1,880mm×全高1,675mmと、全幅がやや大きいもののカテゴリとしてはミドルサイズSUVに分類される車です。
プラットフォームにはフォルクスワーゲングループが開発した「フォルクスワーゲン・MQB」。フォルクスワーゲン・MQBはフォルクスワーゲン・ゴルフやアウディ・TTなどにも用いられているFF(前輪駆動)車用プラットフォームです。
世界のベストファミリーカーと選出されるほど、高い実用性が備わっています。力強さと上質感を表現したフロントマスクやフォルクスワーゲン車やアウディ車に通ずるものがあるリア周りがスタイリングが特徴です。
コディアックには大きく分けて、ガソリン車とディーゼル車の2種類があります。ガソリン車は1.4L直列4気筒もしくは2.0L直列4気筒エンジンを搭載。ディーゼル車には2.0L直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載しており、比較的コンパクトな排気量でありながら力強い走りを実現しています。トランスミッションは6MTもしくは6/7DCTと、走りのダイレクト感を重視したラインナップです。
FABIA(ファビア)
続いて紹介する車種はFABIA(ファビア)。2001年に生産終了となったフェリツィアの後継車種にあたるBセグメント車で、1999年から製造及び販売が行われています。
フォルクスワーゲンとの連携によって新たに開発された車種なので、フォルクスワーゲングループの小型車とプラットフォームを共有。ほぼフォルクスワーゲン車であるにもかかわらず、プラットフォームを共有しているほかの車よりも安価な価格帯で発売されました。
現在販売されているファビアは3代目モデルにあたります。2014年にデビューした車種で、フロントマスクのデザインにはシュコダの統一デザインが採用されました。
直線的なヘッドライトと縦フィン形状の大型フロントグリルは、シュコダ車ならではのアイデンティティがしっかりと反映されています。硬質感のある直線的なスタイリングは姉妹車のフォルクスワーゲン・ポロと通ずるものがあります。
ファビアのラインナップはガソリン車とディーゼル車の2種類です。ガソリン車には1.0L直列3気筒自然吸気エンジンもしくは1.2L直列4気筒ターボエンジンが設定。ディーゼル車には1.4L列3気筒エンジンが搭載されています。
トランスミッションは5/6MT、7DCTです。日本ではシュコダ=ファビアといっても過言ではないほど、シュコダを代表する車種としてのイメージが強くなっています。それは間違いなくシュコダがファビアで積極的なモータースポーツ活動を行っているおかげです。
SUPERB(スペルブ)
最後に紹介する車種はシュコダ最大の大型サルーンであり、フラッグシップモデルの役割を担っているSUPERB(スペルブ)です。初代スペルブはシュコダの国営時代に製造及び販売が行われていたモデルで、2代目スペルは2001年に登場しました。
フォルクスワーゲンの上級サルーンであるパサートをベースに、シュコダのデザインテイストが散りばめられています。現在販売されているスペルブは4代目モデルにあたり、2015年のジュネーブモーターショーで初公開されました。
シュコダのフラッグシップを担うモデルとして相応しい、堂々とした風格のあるスタイリングを採用しています。縦フィン形状の大型フロントグリルや直線基調のヘッドライト、個性的なボンネットラインなど、シュコダならではのデザインテイストが盛り沢山です。
ボディサイズは全長4,860mm×全幅1,865mm×全高1,470mmと、フラッグシップモデルらしいサイズ感。重厚感のあるボディからは強い迫力を感じます。スペルブにもコディアックやファビアと同様、ガソリン車とディーゼル車の設定があります。
ガソリン車には1.4L直列4気筒ターボ、1.8L直列4気筒ターボ、2.0L直列4気筒ターボの3種類が設定。ディーゼル車には1.6L直列3気筒ディーゼル、2.0L直列3気筒ディーゼルの2種類が設定されています。
トランスミッションは6MT、6/7ATで、派生モデルとして5ドアワゴンも用意されています。パサートベースなので、駆動方式はFFもしくは4WDです。大型サルーンとしてはリーズナブルな価格帯でありながら、高い質感を実現していて人気を博しています。
まとめ
今回は、チェコ最大の自動車メーカーであるシュコダについてご紹介しました。日本市場には投入されていないブランドなので、その存在を知っている人はそう多くありません。
しかし、自動車メーカーとしては比較的長い歴史がある上に、モータースポーツへの積極的な参戦するなど、自動車メーカーとしての確かな技術が備わっています。また、欧州市場や中国市場で販売している車種も個性的かつ魅力的なモデルばかりです。
シュコダのWRCでの活躍を知っている人は、シュコダ車を購入したいと考えている人もいるのではないでしょうか。現状、シュコダ車を入手するルートは限られていますが、ルートが限られている今だからこそ、シュコダ車を購入すれば目立つことができますよ。