『フルコン』ってどんなもの?サブコンとの違いは?

2019年06月04日

『フルコン』ってどんなもの?サブコンとの違いは?

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フルコンとは、エンジン制御を単体でフル制御するコンピューターのこと。エンジンスワップやフルチューン状態など、純正ECUやサブコンでは調整しきれない状態のエンジンをコントロールするために必須となる制御装置です。フルコン導入にかかる費用についても解説します。

フルコンとは

フルコンピューターシステムのこと

フルコンとは、フルコンピューターシステムのことを指し、それ単体でエンジンを制御できるコンピューターです。そのため、純正ECU(エンジン・コントロール・ユニット)とまるまる交換する形で用いられるのが一般的ですが、なかには純正ECUの一部機能を活かしたまま併用して使うものもあります。

どんなときに使う?

エンジンが稼働するには、各種のセンサー情報をECUが演算処理し、インジェクタやイグニッションコイルに適切なタイミングで電気信号を送る必要があります。しかし、ノーマルエンジンよりも回転上限を大きく上げたり、制御方法が変わるマルチスロットル化や、極端に大きなタービンに対応する燃料を制御するとなると、既存のセンサーやECUでは正確な制御ができないため、エンジンを適切に稼働することができません。フルコンはハイチューンドエンジンをコントロールするために必須となる、エンジンコンピューターなのです。

具体的にフルコンで行われること

フルコンは、回転数や負荷状態、吸気温や水温に対する燃料噴射量や点火時期の調整はもちろん、回転リミッターや速度リミッターの制御など、ECUが制御しているあらゆるセンサー情報と出力信号を制御することができます。

また近年では常識となったバルブタイミングの位相制御や、電子制御スロットルなどコントロールに加え、エアフロセンサー制御から吸気抵抗の少ない大気圧センサー制御への移行や、空燃費センサーによる緻密な燃料制御など、あらゆる制御を車両状態に合わせて調整することで、エンジンパフォーマンスを最大限に発揮させることができます。

調整が必須

フルコンは、ただ取り付けただけでエンジンが適切に制御されるわけではありません。適切なデータが入力されていないフルコンを接続してエンジンを始動すると、エンジンを破損する危険性があります。

フルコンでエンジンパフォーマンスを発揮させるためには、膨大な車両情報に対し、どのタイミングでどれだけ信号を送るかを、制御マップ内の数値を手作業で調整してやらなければなりません。調整はチューナーによる勘所が大きいため、しっかりと性能を引き出すためには技術や知識、車両ノウハウにもとづく微調整が必須です。

サブコンとの違い

サブコンとは、その名が示すとおりサブコンピューターの略で、純正ECUの一部分を代理制御する補助コンピューターです。フルコンと比べると機能は限定的であり、ヘビーチューンには対応しきれませんが、安価な価格が大きなメリット。おもにライトチューン車両の燃料の補正に用いられますが、なかにはフルコンに匹敵する多機能性をもった製品もあります。

フルコンチューニングに掛かる費用

フルコン本体の価格

フルコンの本体価格は10万〜30万円ほどが一般的な価格です。取り扱える制御マップ数や追加センサー数が増えるごとに価格が上がる傾向にあります。

国内メーカーの代表的なフルコンでは、A’PEXiのPOWER FCや、HKSのFconVproがおよそ10万〜15万円。海外製品ではハルテックスやLINKなどのフルコンが15万〜30万円。公認レースでも使われるMoTeCなどは30万円オーバーの高級フルコンです。

業者に依頼した場合の費用

フルコンの取り付け・セッティング費用は、およそ7万〜15万円です。セッティングにはシャシーダイナモなどで出力を計測しながら現車合わせで調整するため、費用は高額です。車両のチューニング度合いや、劣化などによりセッティング中に部品の交換が必要になった場合には、それ以上の費用がかかります。業者によって得意とするメーカーのフルコンや車種があるため、依頼する業者の選定には事前調査が必須です。

まとめ

近年の車のECUは、エンジン制御だけでなく、ABSやトランスミッション、スタビリティコントロールなどの制御も一括してコントロールしているため、車種によっては、フルコンでエンジンは正常に動作したとしても、他の機能が誤作動を起こしてしまう場合があります。なかには特殊な制御もコントロールできるフルコンも存在しますが、セッティングには非常に高度な技術を要するため、費用が高額になるのも頷けます。

フルコンはあくまで複雑なエンジン制御ができるコンピューターであり、純正ECUの上位互換機能をもつものではありません。フルコンを使わなければ制御できないほどのチューニングカーは、日常の使用には適しませんが、サーキットなどの限定条件下では圧倒的なエンジンパフォーマンスを発揮するために必要なアイテムなのです。