三菱のエンブレムには家紋が隠されていた!? | CARTUNEマガジン
三菱のエンブレムには家紋が隠されていた!?

2019年05月05日 (更新:2020年08月27日)

三菱のエンブレムには家紋が隠されていた!?

現在ではおなじみとなっている三菱のエンブレム「スリーダイヤ」ですが、こ三菱自動車だけではなく「三菱」というグループ全体で使用されているエンブレムです。これには三菱という企業の歴史が刻まれています。本記事では、三菱自動車におけるスリーダイヤのルーツについてご紹介します。

三菱の歴史

にわたまさんのデリカD:5CV1Wの画像
にわたまさんのデリカD:5CV1Wの画像

三菱は正式には三菱自動車工業株式会社といい、戦前から自動車製造をを行っていた日本国内の自動車メーカーとしては最古のメーカーであり、電気自動車の量産を世界で初めて成功させたメーカーとしても有名です。初めて自動車の開発を行ったのは1917年に、三菱造船として独立した時でした。

初開発となった車両は三菱A型乗用車と名付けられ、1948年からは当時から保有していたプレス設備により、日本国内の他メーカーのボディ生産を請け負うことで技術を蓄積していきました。その後、国の過度経済力集中排除法により、東日本重工業・中日本重工業・西日本重工業の3社に分割されますが、1964年の再合併に際し社名を変更。三菱重工業としました。

現在の三菱重工業は、2000年から始まったクライスラーとの合弁事業として始まり、1993年まではクライスラーと資本提携の関係にありました。この関係は2005年に解消されますが、技術提携関係自体は2009年まで続くことになります。

また、三菱自動車は2009年まではモータースポーツにも取り組んでおり、同ブランドで開発をおこなっていたランサーやパジェロといったモデルで、WRCやダカール・ラリーに参戦。数多くの好成績を残したメーカーでもあるのです。

三菱のエンブレムの由来

いずほさんのデリカD:5の画像
いずほさんのデリカD:5の画像

十九商会

1869年に時の明治政府が藩営事業を禁止しようとしたことを受け、土佐藩主だった林有造が海運業の商社として土佐開成社を設立。代表は海援隊の土居市太郎と中川亀之助でしたが、1871年には廃藩置県により土佐藩官職を追われた岩崎弥太郎が経営者となりました。

この時に九十九商会が自社の船に掲げていた船の旗が、現在の三菱のエンブレムのルーツとなっています。当時のモノは今のエンブレムに比べて細いなど、わずかな違いがあるもののイメージとしてはほぼ変わらず、カラーも赤でした。

岩崎家の家紋

九十九商会は1873年に三菱商会へと社名を変更しましたが、この時に作られたエンブレムが今でも知られている三菱の「スリーダイヤ」の原型となっています。これは、土佐藩主であった山内家の家紋だった三つ柏紋を元に、岩崎家が用いていた三階菱を合わせて作られたものとなっているのです。

「スリーダイヤ」ではないエンブレムも?

三菱のエンブレムといえば「スリーダイヤ」ですが、実はそれとは違ったエンブレムが使われていたこともあります。それは、三菱のイニシャルである〝M〟を模したエンブレム。1976から1982年頃まで使われていた「M」のエンブレムですが、当時のいすゞのエンブレムと形状が似ていたことから間違われやすく、1980年代前半から1990年代中盤には英文社名を略した「MMC」をシンボルとしました。

その後、1987年からは次第に「スリーダイヤ」エンブレムも復活。「MMC」と同時に並行して使われるようになりましたが、1993年10月以降は「スリーダイヤ」と「MITSUBISHI」のロゴを使うようになっています。

現在でも一部のレンタカーなどでは「MMC」エンブレムが使われていますが、インターネットでのドメイン名である「mmc.co.jp」が、同じ三菱グループである三菱マテリアルに使われていたこともあって、市販車ではほとんど見ることが出来ません。

三菱のエンブレムをカスタムしよう

デイトナ『耐ガソリンペイント』

皮膜の厚いウレタン樹脂塗料でエンブレムを塗装すれば、簡単にオリジナリティを出すことができます。エンブレムはメッキなどでコーティングされているので、メッキを剥がすかプライマー塗料なで下地を作ってから塗装を行いましょう。

『フロントスリーダイヤ』

塗装するよりも手軽に、取り付けるだけでエンブレムを変えることができるパーツです。エンブレムのサイズ自体はほとんどの車種で統一されていますが、購入する場合はサイズに注意です。今回紹介している商品は赤いスリーダイヤをメッキで縁取ったものですが、全体がクロームメッキになっている商品などもあるので、変えたい雰囲気に合わせてチョイスしましょう。

まとめ

工場長さんのランサーエボリューションⅧDIYの画像
工場長さんのランサーエボリューションⅧDIYの画像

三菱自動車のエンブレムには、幕末から明治時代という日本が激動の時代だと言われていた頃にルーツを持っています。新型「ek」の発売などで見るように、軽自動車開発においては日本国内メーカーの中でも第一人者ともいえる技術を持っている三菱には、これからも伝統をしっかり受け継いだ、魅力的なモデルを開発していって欲しいですね。

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