2019年04月22日 (更新:2024年08月02日)
クーラントの色には意味がある?メーカー別のクーラントの色も紹介!
エンジンを冷やすクーラントの色にはどのような効果があるのでしょうか。クーラントに関する疑問のあれこれを解説します。
クーラントに色がついているワケ
車のエンジンを冷やすために使用されているクーラント(ロングライフクーラント、LLC、冷却水とも呼ばれます)。
クーラント自体は透明で作ることができますが、わざわざ着色料によって色がつけられています。これには次のような理由があります。
- 残量がわかりやすい
- 漏れている箇所を特定しやすい
- 冷却系の診断に活用できる
残量がすぐにわかる
クーラントは定期的に残量の確認が必要ですが、クーラントが入っているリザーバータンクは不透明なため、水のような色のない液体では残量が非常にわかりにくくなります。
着色しておくことで夜間でもライトをかざすだけで明確に残量を把握できます。
漏れている箇所を特定しやすい
クーラントはウォーターポンプや各ホースの劣化によって漏れ出てしまうことがあります。
着色されていることでどこから漏れているか、どの方向へ噴き出ているかなどがすぐにわかるため、トラブルシュートに役立ちます。
冷却系の診断に活用できる
クーラントの色は冷却系の診断にも使用できます。旧車などの長期放置車は冷却系統が錆びていることがあり、クーラントの色が暗い色へ変色していたら冷却系が錆びていることが考えられます。
この他にも、不透明な茶色や油が浮いているとオイルが混ざってしまっている可能性が考えられます。
クーラントの色は性能と関係するのか
クーラントの主な色は赤、緑、青、ピンクの4種類。クーラントは色によって性能が異なり、次の2種類に分けられます。
- 赤・緑:ロングライフクーラント
- 青・ピンク:スーパーロングライフクーラント
ロングライフクーラント
ロングライフクーラント(LLC)とは赤や緑の色をした冷却水を指します。
車検ごと(2年ごと)の交換が推奨されています。主成分はエチレングリコールです。
スーパーロングライフクーラント
スーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)とはピンクや青の色をした冷却水を指します。
新車から7年もしくは16万km程度、一度交換してからは4年もしくは8万km程度での交換が推奨されています。主成分はプロピレングリコールです。
色の違うクーラントを混ぜてもいい?
色の異なるクーラントを混ぜてもいいのか。結論からいうと、同じクーラントの種類(赤と緑または青とピンク)であれば混ぜても問題はありませんが避けるべきです。
クーラントは同じクーラントの種類であれば色が異なるだけで役割は変わらないため、色の異なるクーラントが混ざっても問題はありません。しかし、混ざると色が変化してしまうため、クーラントの色による冷却系の異常が判断できなくなってしまいます。
クーラントが少し漏れていたり出先で点検したら全く入っていなかったなどの緊急時に応急処置としてであれば仕方がありませんが、元の色に戻すにはいちど全て抜かなければなりません。混ぜるのは可能な限り避けるのが賢明です。
クーラントのかわりに水を足してもいい?
クーラントが足りないからと水を足してしまうのは、応急処置時を除いてエンジンを痛める行為といえます。
クーラントは不凍液といって冬でも冷却水が凍らないようにするものです。しかしクーラントには錆を防ぐ防錆剤も入っており、水ばかりを足し続けるとこの防錆剤が薄まりエンジン内部に錆が発生します。
発生したサビはラジエーターの詰まりやウォーターポンプの早期摩耗を引き起こし、その修理には多額の費用が必要です。緊急時以外は水の補充を避け、クーラントを使用しましょう。
スーパーロングライフクーラントを旧車に使っても大丈夫?
長寿命が特徴のスーパーロングライフクーラントですが、赤や緑のロングライフクーラントが指定されている古めの車に使用すると漏れが発生することがあるようです。
スーパーロングライフクーラントはロングライフクーラントよりも高い防錆性、吸放熱性、洗浄性を誇りますが浸透性も高く、旧車に使うとゴムシールや冷却水ホースの接合部などからにじみや漏れが発生する可能性があります。
各メーカーのクーラントの色
クーラントは自動車メーカーによって異なっており、各メーカーのクーラントの色は次のようになっています。
各社スーパーロングライフクーラントへの置き換えを行っているため、今後は青かピンクのみになっていくと予想されます。
メーカー | LLCの色 |
---|---|
トヨタ | ピンク |
ニッサン | 青 |
ホンダ | 青 |
マツダ | 緑 |
スズキ | 青 |
スバル | 青 |
ダイハツ | ピンク |
三菱 | 青 |
ベンツ | 青 |
BMW | 青 |
アウディ | ピンク |
フォルクスワーゲン | ピンク |
予備としてもっておきたいクーラント
クーラントは漏れていなくても熱で徐々に蒸発し減ってしまうため、補充用に少し保管しておくと安心。
補充用クーラントなら、希釈せずそのまま使えるタイプがおすすめです。
ロングライフクーラント
スーパーロングライフクーラント
メーカー純正のクーラントも入手できる
クーラントを交換するのであればやはり純正品が安心。
メーカー純正のクーラントは通販でも入手可能です。
トヨタ純正クーラント
日産純正クーラント
ホンダ純正クーラント
スズキ純正クーラント
スバル純正クーラント
メルセデスベンツ純正クーラント
BMW純正クーラント
フォルクスワーゲン純正クーラント
クーラントは混ぜないようにしたい
クーラントは冷却以外にも防錆などいくつかの機能をあわせもち、重要な役割を担っています。
通常あまり触れる部分ではありませんが、異なる色を混ぜないこと、水を足さないことなど、最低限の知識を覚えておきましょう。