クーラント液を見る機会はあるでしょうか?車のオイルとは違い、クーラント鮮やかなピンクや緑色をしています。この着色にはどのような効果があるのか?また、色の違いは機能にも違いが生まれるのか?見ていきましょう。
クーラントには色がついている
クーラントがなぜ着色されているのか?色がついている事は知っていても理由までは知らない方もたくさんいます。クーラントの色はあえてわかりやすいピンクや緑に着色しているのです。
その理由は車のエンジンルームには、クーラントの他にも各種オイルやエアコンが排出した水などの液体があります。もしこのうちのどれかが漏れていたとします。
クーラントに色が着色されていれば、車体下に溜まった液体の色で一発で原因が判明しますよね?このような整備性を高める意味でも、クーラントには着色が施されているのです。
ちなみに、トヨタは純正クーラントが赤で、日産は緑などメーカーによって使用しているクーラントの色は違います。
メーカー別クーラントの色
クーラントの色は補充する場合が多く色はラジエーターのリザーバータンクで確認すればわかりますが、主なメーカーの純正クーラントの色は次のとおりです。
メーカー | LLCの色 |
---|
トヨタ | ピンク |
ニッサン | 青 |
ホンダ | 青 |
マツダ | 緑 |
スズキ | 青 |
スバル | 青 |
ダイハツ | ピンク |
三菱 | 青 |
ベンツ | 青 |
BMW | 青 |
アウディ | ピンク |
ホルクスワーゲン | ピンク |
クーラントの色は性能と関係する?
それでは次にクーラントの色の違いは、性能の違いもあるのでしょうか?主なクーラントの色としては、青系、緑系、赤系の3種類が存在していますが、この3種類のクーラントは色以外に性能の違いはほとんどありません。
基本的に乗っているメーカーの純正クーラントを使用すれば問題ないですし、純正でなくとも同じ色のクーラントを補充しても問題はありません。
クーラントの中には金属やプラスチックパーツの痛みを和らげる、長寿命タイプのクーラントも発売されています。街乗りメインのドライバーは規定量が入っていれば特に気を使う事はありません。
しかし、週末にサーキット走行を行うことがある方は、クーラント液にこだわる必要が出てきます。なぜなら市販されているクーラント液ではレースを行った際の冷却まではカバーできない可能性があり、オーバーヒートしてしまいます。そういう方には、スーパーGTやF1などでも使用されるケミテック製の高性能クーラントを使用することをおすすめします。
色違いを混ぜた時に問題は?
クーラントの機能はどれも変わらないので、混ぜることで故障に繋がるということはありません。しかし、上記で紹介したような高性能クーラントと、一般的なクーラントを混ぜると、性能が100%発揮することができないので、注意してください。
また、クーラントが着色されているのは整備性を高める為と紹介してきましたが、ピンクのクーラントに緑色のクーラントを混ぜると、茶色に近い色になります。そのため、万一漏れが発生した場合オイルとの見分けがつかないなど、着色している意味合いが薄れてしまうので基本的には同じ色のクーラントを補充するのがおすすめです。
クーラントに水道水はダメ
クーラントの代わりに透明だし水道水を入れても問題ないという話しを聞くことがありますが、これは絶対にやってはいけないことです。その理由は2つあります。
エンジン内部が壊れてしまう恐れがある
クーラントは不凍液とも呼ばれているように水道水は寒冷地で凍結してしまい、氷になると膨張してしまうため、エンジン内部の故障を引き起こす可能性があります。クーラントは凍らない成分が含まれており、氷点下になっても凍ることがないのです。
またクーラントの中には希釈タイプもありますが、やはりこの場合も出来れば精製水を使うことをおすすめします。
エンジン内部の錆の原因になる
水道水を主に使用した場合、エンジン内部の配管、クーラントの通り道、リザーバータンクなどにサビを発生させてしまう可能性があります。なぜなら水道水には、カリウム、ナトリウム、塩素などが混入しており、これがエンジン内部の配管などを錆びさせる原因になってしまいます。
もし極端にクーラントが減っている場合は、応急措置として水道水を使うことは可能ですが、その後は必ずクーラントを入れ直すことを忘れないようにしましょう!
メーカー純正クーラント一覧
トヨタ純正クーラント
日産純正クーラント
ホンダ純正クーラント
スズキ純正クーラント
スバル純正クーラント
ベンツ純正クーラント
BMW純正クーラント
ホルクスワーゲン純正クーラント
まとめ
クーラントの色の意味は性能差ではなく、整備性を高めるためのものでした。多くの方は補充がメインですので補充する場合は同じ色のクーラントを補充するようにしてください。また、クーラントが黒ずんできた時は、クーラント液交換のサインでもあるので、クーラントの色を確認することも大切です。
CARTUNEではクーラントに関する投稿もたくさん集まっていますので是非参考までにご覧ください。