車検に通るマフラーの条件とは?騒音規制や計測方法も解説! | CARTUNEマガジン
車検に通るマフラーの条件とは?騒音規制や計測方法も解説!

2019年04月14日 (更新:2022年10月26日)

車検に通るマフラーの条件とは?騒音規制や計測方法も解説!

社外マフラーは見た目がよくなるうえに、サウンドもよくなり良いことばかりですよね。そんな社外マフラーですが、メーカーによっては車検非対応(レース仕様など)なるものも販売されています。そもそも、車検対応のマフラーとはなんなのでしょうか。今回は車検対応マフラーの条件についてご紹介したいと思います。

車検に通るマフラーの条件

かげろう。さんのBRZZC6マフラーの画像
かげろう。さんのBRZZC6マフラーの画像

車検に通るマフラーの条件はいくつかあるのでご紹介します。

音量

車検でいう音量とは「近接排気騒音」のこと言い、上限値は96dBになります。昨年の11月に国土交通省より、交換用マフラーを備えた四輪自動車等の騒音規制の取扱いを見直すことが発表されました。

新しい基準とは?

新車時の近接排気騒音が車種毎に定められた一定の値※1を超える四輪自動車等に対して 交換用マフラーを備える場合は、使用過程における近接排気騒音が新車時から悪化しない こと※2を確認する相対値規制を適用します。また、これに伴い、近接排気騒音の測定方法 について所要の改正を行います。 なお、交換用マフラーを備えた車両のうち一部の二輪自動車等については、昨年 12 月に 同様の改正を行っております。

※1 車種毎に定められた一定の値

  • 乗合車・貨物車(車両総重量 3.5t 超、最高出力 150kW 超) :94dB
  • 乗合車・貨物車(車両総重量 3.5t 超、最高出力 150kW 以下) :93dB
  • 乗合車・貨物車(車両総重量 3.5t 以下) :92dB
  • 乗用車(車両後部にエンジンを有するもの) :95dB
  • 乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外のもの) :91dB

※2 新車時の近接排気騒音(車検証等に記載)に5dB を加えた値以下であること。

最低地上高と位置

ヒロボー♪さんのエスティマの画像
ヒロボー♪さんのエスティマの画像

道路運送車両の保安基準第3条により地面から9cm以上であること。煙草の箱の高さ(88㎜)が一つの基準として使われている時代もありましたね。また、「衝撃に十分耐える構造」及び「アンダーカバー等が装着されている構造」の場合、地面から5cm以上と読み替えて適用できること。前輪のタイヤの真ん中より前方・後輪のタイヤの真ん中より後方であれば、地面から9cm以下でも問題ないなどの例外もあります。

車枠から極端に飛び出してはいけない。細かく言うと、マフラー上方のフロア・ラインを含む鉛直面から10mmを超えて突出してはいけません。

触媒の有無

マフラーには触媒という、有毒ガスなどを発散防止させる機能がついています。この触媒が装備されていないと、排ガス規制に引っ掛かってしまうため、車検に通過できなくなります。なので、触媒が装備されているマフラーにしましょう。

マフラー音に関する3つの基準

あおさんの86ZN6の画像
あおさんの86ZN6の画像
引用元:あおさんの投稿

マフラーの音量をチェックする基準は、近接排気騒音、加速走行騒音、定常走行騒音の3つあります。そのうち、車検でチェックされる項目は近接排気騒音ですが、それぞれどのような基準のものなのか見ていきましょう。

近接排気騒音

まずは、車検時に検査される近接排気騒音です。これは、計測器をマフラーの出口から50cm離し、45度の角度で計測器を設置します。そこで、最高出力回転数の75%までエンジンを回し、キープしたところから一気にアクセルを離します。

この時の計測値が96db以下であれば車検はクリアです。90dbで犬の鳴き声、100dbで電車の高架下ほどなので、かなり大きな音に感じるかもしれません。しかし、社外マフラーはこの基準値ギリギリの製品が多いです。

機械で計測するので、誰が検査しても同じ結果が出ますし、検査員によって車検が通ったり通らなかったりということはありません。もし、前回の車検と同じマフラーで検査が通らないのであれば、劣化によるものなので交換する以外に方法はないでしょう。

加速走行騒音

こちらは、車検では行わずに車検対応の公認マフラーの認定を受ける際に計測されます。これは、車を目一杯加速させた際の排気音を計測します。マイクも走行する道路の横に設置されるため、音量は近接排気音量よりは低いですが、76dbがボーダーラインとなっています。

これは、歩行者の横を車が通過した際、実際に耳にする音量となりますので現実的ですね。この基準をクリアしたものでなければ、販売時に車検対応と明記できないことになります。

定常走行騒音

こちらも、公認マフラーの認定を受ける際に計測されます。加速走行騒音は加速時の計測でしたが、こちらは一定の速度で走行している時の音量です。車を運転される方ならご存知ですが、一定の速度で走行すると回転数が上がらず、音量も小さいです。

定常走行騒音は72db以下です。この基準もクリアできなければ公認マフラーの認定が受けられないため、メーカーも研究を重ねてなんとか基準内の製品を開発しているのです。

マフラー騒音規制の厳格化

丸さんさんのRX-7の画像
丸さんさんのRX-7の画像
引用元:丸さんさんの投稿

2016年4月20日に、マフラー音量の平成28年度規制が施行されました。内容は純正・社外マフラーに関わらず、特定の音量以下におさめる「絶対規制値」ではなく、新車登録時に計測された「加速走行騒音」から逸脱しない「相対規制値」への変更。

さらに、加速騒音低減に効果的でないマフラーへの改造を禁止する措置です。対象車は、2016年(平成28年)10月1日以降に製造された新型車。輸入車と現在継続生産される車とは、2021年(平成33年)9月1日以降から対象となります。

現在装着されているJASMAやJQRなどの性能確認制度に適合するマフラーは、当面の間、絶対値規制を継続するとされています。ただし「当面」がいつまでなのか明確な時期は明示されていません。つまり今後の新型車は、純正マフラーの劣化を加味したプラス5dBまでの音量に制限されます。

社外マフラーへの交換自体は可能ですが、純正から大きく逸脱する音量のマフラーは禁止になるということです。

マフラー音量を自分で計測してみよう

すくーらさんのチェイサーJZX100の画像
すくーらさんのチェイサーJZX100の画像
引用元:すくーらさんの投稿

排気音の測定には「近接排気騒音値」「加速走行騒音」「定常走行騒音」の3種類の測定方法が用いられますが、車検時や、取り締りで適用される音量計測には「近接排気騒音値」のみが用いられます。

近接排気騒音の計測方法

「近接排気騒音値」の計測は、車の暖機が完了した状態で計測します。ニュートラルギアのに入れた状態で、最高出力発生回転数の75%(6000rpmの場合は4500rpm±3%)を5秒以上維持した状態からアクセルを抜いてアイドリングが安定するまでの最大音量が適用。

2回測定し、2dB以上の差がある場合は無効となりますが、規制音量を超えている場合は有効となります。音圧は、周囲の環境や距離でおおきく誤差がでますので、計測マイクの位置も重要です。測定位置は、マフラーから45°後方の50cmの位置。高さはマフラー出口と同じ高さです。

より正確に計測するには

測定環境は、音が反響しない平坦な場所。路面が乾燥しており、風速5m以下の条件。騒音計は、信頼できるメーカーのもので、年に一度の校正がされていること。1dB未満の数値は切り捨てです。

計測時はマイクに防風スクリーンを取りつけた状態で、周波数補正特性がA特性、動特性モードをFASTにして計測します。しっかりと計測環境を整えなければ正確な騒音計測はできません。

逆をいえば、しっかりとした計測環境でなければ法的拘束力はないということです。多少の誤差はありますが、簡易的にマフラーの音量を調べたい場合は、スマートフォンの騒音計アプリが手軽に利用できておすすめです。

純正マフラーなら問題ない?

しゃらくさんのMR-SZZW30の画像
しゃらくさんのMR-SZZW30の画像
引用元:しゃらくさんの投稿

純正マフラーは車検に通るように作られているので当然車検に通りますが、経年劣化による穴あきや破損が原因で車検に通らないというケースもあります。

穴あきの主な原因は錆によるものが多く、その発生要因は雨や水撥ねなどの外部からだけではなく、内部からも起こりえます。排気ガスに含まれる水蒸気が冷えたマフラーと接触し、結露して水たまりになり、それが原因で錆が発生してしまうことがあります。内部に水を溜めないためには、マフラーを温めて結露水を完全に除去する必要があります。

車検に通るマフラーの選び方

TOSCOさんのジムニーJB23Wマフラーの画像
TOSCOさんのジムニーJB23Wマフラーの画像
引用元:TOSCOさんの投稿

社外マフラーには、「車検対応品」「保安基準適合品」「JASMA認定品」など主に3種類の表記があります。「車検対応品」は読んで字のごとく、車検に通ることを前提に作られたマフラーを指しています。「保安基準適合品」は車検対応品と同等品と考えていいです。そして少し特殊なのが「JASMA認定品」です。

「JASMA認定品」とは?

まずは「JASMA」について簡単に説明します。日本自動車スポーツマフラー協会(Japan Automotive Sports Muffler Association)を通称「JASMA」と言い、道路運送車両の保安基準を遵守し、騒音、排ガス、熱害等の基準に則ったスポーツマフラーの普及に努めるため、平成元年に設立された協会です。「JASMA認定品」は「車検対応品」や「保安基準適合品」よりも厳しい認定基準のため、この認定を受けたマフラーであれば車検も安心して通せます。

まとめ

じゅんぽーさんのレガシィB4BE5の画像
じゅんぽーさんのレガシィB4BE5の画像
引用元:じゅんぽーさんの投稿

色々と諸条件などを説明してきましたが、車検を通過するための要点をおさらいすると次の3点です。

  1. 音量規制
  2. 最低地上高
  3. 突出規制

これを注意すればほぼ車検は通ります。それでも心配な方は、マフラーメーカーやJASMAに相談して、確実に通すことをお勧めします。

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