2018年11月14日 (更新:2020年07月15日)
週1で見かける車たち!AE86ことレビンとトレノについて紹介します!
街を走っていると、たまに見かけることのあるAE86です。外見からも古そうですが、今でも大人気車種であり、中古市場はプレミアがついています。そんなAE86とはどんな車なのでしょうか?今回は、AE86の人気の秘密に迫ります!
レビンとトレノに関する基本情報
まずはAE86とは一体どんな車なのかをご紹介します。AE86とは、カローラレビンとスプリンタートレノの2種類存在します。2台の違いはヘッドライトで、レビンのヘッドライトは露出しており、トレノはリトラクタブルヘッドライトです。そんな2台の車のスペックやグレード、そしていつ頃販売されていたのかをご紹介いたします。
販売期間
AE86の販売期間は1983年から1987年の4年間です。この4年間で販売された車がこれほど有名になり、今でも全国で走っているというのですからどれほど売れたのかというと、トレノが35000台、レビンが66000台です。
当時、車は今のような1人1台ではなく、1家に1台というのが多かった中でこの生産台数が人気であったことを物語っています。そして、この時代に生産された車が、現在でも大切に乗られているのです。
特長
AE86の特徴として、デザインとエンジン性能の2つあります。どちらも、当時の最先端技術を詰め込んだ車種であったことから、販売されていた頃にも人気が集中したわけです。
デザイン
今でこそ車の外装には樹脂パーツが使用されていますが、樹脂パーツを使用するだけの技術が発達していませんでした。樹脂パーツの代わりに使用されていたのがメッキが施されたスチールです。
ここでAE86は樹脂パーツを使用し、スチールではデザインが難しい形を作り出し、さらに丸目ヘッドライトが多かった時代にトレノに関してはリトラクタブルヘッドライトを使用したのです。
リトラクタブルヘッドライトは当時メジャーではありませんでしたが、その後はセリカやロードスター、180SXなどに搭載されました。まさに時代の先を行くデザインだったのです。
ハイパワーなDOHCエンジン
AE86のエンジンに採用されたのが4A-GEエンジンです。このエンジンには当時の国産車では珍しかった、DOHCエンジンが使用されました。カムシャフトを2本搭載し、吸気と排気で各カムシャフトを動かす仕組みにしたのです。
当時のスポーツカーと言えばスカイラインやギャランでしたが、乗っているエンジンはカムシャフトが1本のOHCエンジンです。そこでAE86はDOHCエンジンを採用し、パワーアップに成功したのです。
グレード・価格
それでは、AE86の発売当初のグレードと当時の価格を見ていきましょう。最も人気だったのが最上級グレードのGT-APEXでした。標準装備でアルミのホイールを履き、マッドガード、ブロンズガラスなど、高級思考も詰め込まれたグレードでした。
3ドアのみで販売されたGTVは最も走りのためのグレードであり、オプション設定でもパワーステアリングがないなど、無駄な装備を外した仕様だったのです。
そして2ドア設定のGTは、GTVよりも少し実用的になったモデル。パワーステアリングがオプション設定され、ハンドルはウレタン製で、ローバックシートが装備されていました。
それでは、各グレードの価格を表にまとめます。
LEVIN | TRUENO | |
---|---|---|
GT-APEX(2ドア) | 152.3万円 | 153.8万円 |
GT-APEX(3ドア) | 154.8万円 | 156.3万円 |
GTV | 136.8万円 | 140万円 |
GT | 132.2万円 | 135.4万円 |
バブル好景気といっても、発売した1983年の大卒初任給平均は13万2200円です。現在は20万円を超えたところで推移していることを考えながら見ると、簡単には買えない車だったということがわかります。
スペック
それでは、AE86の主要スペックをご紹介します。DOHCエンジンを搭載したAE86が、一体どのような性能を持っていたのかは気になるところだと思います。
排気量 | 1.6L |
---|---|
外寸(全長×全幅×全高) | 4180(レビン)4205(トレノ)×1625×1335(mm) |
車重 | 940kg(3ドア) 925kg(2ドア) |
最高出力 | 130ps |
最大トルク | 15.2kg-m |
燃料供給装置 | EFI |
10モード燃費 | 13.0km/L |
当時のソアラに搭載された2.0L6気筒ターボでも160馬力でした。その中で4気筒にも関わらず馬力を130psまで引き出したのですから、スポーツカー好きが飛びつくのも頷けますね!
何故こんなに人気が出ているのか
なぜ32年前に生産を終了した車が、これほどまでに人気なのでしょうか。その原因は、実は様々あるのです。そのことについてご紹介いたします。
漫画・アニメの影響
30代よりも若い世代の方々がAE86に憧れる理由はこれが大きいのではないでしょうか。漫画やアニメにもなった頭文字Dの主人公が、AE86に乗っていたのです。パワーで劣るAE86に乗って、FDや32GT-Rなどの車を次々と抜き去るシーンは正に痛快でした。
当時の車好きであれば誰しもが読んでいたであろう頭文字Dですが、モータースポーツの火付け役として一役買っていた漫画でもありました。アーケードゲームなども登場し、最近ではアニメのリメイクなどされるほど、今尚人気があります。
古くても良い車であれば、各車種にファンがいるものです。しかし、かなり世代が限られるという特徴があります。頭文字Dは、その世代の壁を壊して各世代にAE86のファンを作ったと言えるでしょう。
両モデル最後の後輪駆動車であったこと
AE86はレビン、トレノで最後の後輪駆動車でした。この後に発売されるAE92、AE101、AE111は全て前輪駆動車なのです。なぜ後輪駆動車に人気があったかと言えば、この後にドリフト走行に人気が出ます。
2004年には、プロのドリフト大会であるD1グランプリが開催され、ドリフト人気も一気に向上しました。ドリフト走行に有利なのは後輪駆動車なので、レビン、トレノの中でもAE86の人気が高いものとなったのです。
ドライバーを育てる車である
元プロドライバーであり、ドリフトキングと呼ばれる土屋圭一の言葉によると、「AE86はドライバーを育てる車」なのです。1980年代の車なので、もちろん今の車のような電子制御はありません。
さらに、運転してみるとわかりますが全てにおいて意思がダイレクトに伝わります。ステアリング操作にも誤魔化しはききませんし、ハイパワーではないためにミスをカバーすることが困難です。
AE86は、ミスをするとダイレクトに結果につながることから、ドライビングテクニックを向上させる車としても、人気の高い秘密なのです。
中古車市場価格
それでは、当時150万円前後で販売されていたAE86は一体いくらなのでしょうか。現在は車体も少なくなってきているので、プレミア価格で取引されています。それでは、中古市場を見てみましょう。
なんと、AE86の最頻値価格は250万円です!新車より100万円ほど高くなっているのが現状なのです。そして、走行距離を見ると10万kmを超え、20万kmに届いているものも多々見られます。
その中でも、250万円以上はしますが、消耗部品を全て交換するレストア済みの車体もありますので、長く乗りたい方はそちらを選択しても良いのではないでしょうか。
CARTUNEユーザーの紹介
それでは、ユーザーの方々のAE86をご紹介します。中古車市場を見てもお分かりの通り、非常に貴重な車種です。現在所有しているだけで車への愛を感じられますね。それでは、見ていきましょう。
正に頭文字D仕様ですね。なんとドアには「藤原とうふ店(自家用)」の文字も!忠実に再現しているのですが、なんといっても素晴らしい点が、綺麗に保存していらっしゃいます。塗装もピカピカです。
塗装は経年と共に劣化していきますが、劣化した後はサビに繋がり、ボディが腐食してしまいます。それを防止しているというのは、本当に大切に乗っていらっしゃることが感じられます。
次はレビンです。色合いも良いですが、何といってもオーバーフェンダーとギリギリまでせり出した深リムのホイールがベストマッチしていますね!ジムカーナ走行を行なったということですが、やはりAE86にカウンターを当てたタイヤは似合います!
こちらの方は、お父様から86を譲り受けたそうです。親子2代で同じ車種に乗るというのも、他の車種では珍しいかもしれません。最近の車にはインチアップのホイールが似合いますが、やはりAE86と言えば深リムでホイールもタイヤも存在感をアピールしているほうが似合いますね!
まとめ
時代を超えて愛される名車と言えるAE86です。発売当初から人気があった車種ですが、さらに色々な要因があって、今尚愛される車になっているのです。年々車体は少なくなっています。
もしも、「絶対に乗りたい!」という方がいらっしゃいましたら早い方がチャンスは多いです。全く見なくなってしまう前に、是非ともAE86を手に入れてください!