2019年04月05日 (更新:2022年08月18日)
フロントガラスの飛び石を修理!リペアに掛かる費用はいくら?
事故や飛び石によって、フロントガラスにヒビや傷が入ってしまうことがあります。フロントガラスにヒビや傷が入ったまま走行を続けると、振動や些細な衝撃によってフロントガラスの破損にも繋がり兼ねません。そのため、フロントガラスにヒビや傷が入ってしまった場合は速やかにリペア(修理)する必要があります。
フロントガラスにヒビや傷ができる原因
皆さんは愛車のフロントガラスにヒビや傷ができてしまったことがありますか。車に採用されているガラスは強度が高いため、簡単なことでヒビや傷が入ることはなかなかありません。しかし、様々な原因によってフロントガラスにヒビや傷ができてしまうこともあります。ヒビや傷をそのまま放置すると振動や風圧、車外と車内の温度差によって亀裂が生まれ、それがどんどん広がってゆく恐れがあります。
最悪の場合、走行中にフロントガラスが破損して大きな事故に発展しまう可能性も考えられます。まずはフロントガラスにヒビや傷ができる原因をしっかりと頭に入れておきましょう。
飛び石
フロントガラスにヒビや傷が入る1番の原因は「飛び石」です。車のタイヤに挟まった小石や道路上に落ちている小石がタイヤの回転によってはじき出されることでフロントガラス当たり、ヒビや傷を入れる飛び石となります。
一般道での飛び石は大きなダメージに発展することが少なく、あまり心配する必要はありません。フロントガラスにヒビが入るほどの飛び石は、60 km/h以上、要するに高速道路などで発生することが多いです。特に、夏タイヤと比べて柔らかい冬タイヤは小石を挟みやすく、飛び石の大きな要因となります。
そのため、飛び石による被害が発生しやすい季節は冬タイヤへの切り替え時期である秋や春だといわれているそうです。飛び石に関しては防ぐ手段がなく、意図的に避けることもできないので飛び石の被害にあった人は頭を抱えてしまいます。
温度差
ガラスは熱を加えると割れやすい性質があるため、温度差によってフロントガラスにヒビが入ってしまうこともあります。エアコンの使用で車内外の温度差が急激に変化したときや、本当はやってはいけないことなのですが、凍結したフロントガラスにお湯をかけたときに、ガラスに負荷がかかってヒビが入り、最悪の場合は割れてしまいます。
また、寒暖差によってガラスに負荷がかかった状態が長い期間にわたって続くことで、ある日突然ガラスにヒビが入ったり割れてしまったりすることがあります。車内外の温度差を急激に変化させないことが温度差によるフロントガラスの破損を防ぐ術となりますが、こちらも飛び石と同様、具体的な対策方法はありません。
洗車
洗車によってフロントガラスに傷やヒビが入ることもあります。一見大して汚れていないように見える車も、実際は細かな粒子や鉄粉がびっしりと付着していることが多いです。
にもかかわらず、しっかりと水洗車せずに泡立てたスポンジでフロントガラスをこすってしまうと、細かな粒子や鉄粉がフロントガラスを傷つけてしまいます。これはガラスに限らず、ボディにもいえることです。
また、しっかりと水洗車を行った後に泡立てたスポンジで擦っても傷が入ることがあります。これはバケツやスポンジ自体に細かな粒子や鉄粉が付着していること、質の低い洗車道具を使用していることなどの要因が考えられます。
まれに洗車機を使用したことでフロントガラスにヒビが入ったり傷が入ったりすることがあるといわれてますが、この場合は元からフロントガラスに微小なヒビや傷が入っていて、そこに洗車機からの圧力がかかることでヒビや傷の程度が広がるケースがほとんど。洗車機の場合は、故障でもしてない限りヒビや傷が入ることはありません。
その他
先述した原因以外にも、フロントガラスにヒビや傷が入ってしまうことはあります。上記以外で代表的なものといえばやはり事故でしょう。損害の少ない事故でも車にはしっかりとダメージが蓄積しています。 事故によってフロントガラスに微小なヒビや傷が入り、車を走行させているうちにヒビや傷がだんだん広がっていくということは充分に考えられます。
フロントガラスは修理か交換か?判断基準は?
フロントガラスに入ったヒビや傷は程度にもよりますが、リペアが可能な場合もあります。飛び石がフロントガラスに当たった部分にのみヒビが入っている場合や、ヒビや傷の大きさが直径1.5 cmよりも小さい場合はリペアすることが可能です。
一般的にリペアすることが可能なフロントガラスのヒビや傷は大きくても2cm程度。それ以上の傷やヒビになるとリペアすることが非常に難しく、フロントガラスの交換となります。
さらに、飛び石が当たった部分からヒビが上下左右に大きく広がっている場合などもリペアができず、こちらもフロントガラスを交換しなければなりません。また、たとえヒビや傷の程度が2cm以下でも、フロントガラスの淵から10cm程度の場所にヒビや傷が入っている場合は修理することができず、こちらも交換になるようです。
車検におけるガラスの基準
車検をパスするには、「運転者の視界を確保できる」「容易に貫通されない」この2点が重要になります。規約自体に傷の大きさが何センチまで、というような決まりは明記されていません。
そのため車検に合格するかどうかは担当する検査官によるという場合が多くなっており、ガラスが多少欠けているくらいであれば通りますが、ヒビが入っている場合は、視界を確保できないという理由で車検に通らない可能性が高くなります。
車検時に手間を掛けないためにも車検を受けるショップ等で事前に車検に通るかどうかを確認しておくことをおすすめします。
ショップにリペアを依頼する場合
続いてフロントガラスのリペアにかかる費用です。フロントガラスのリペア費用の内訳はガラス代と交換工賃です。
フロントガラスをリペアする車種 | フロントガラスのリペア費用 |
---|---|
軽自動車 | 8,000円~9,000円程度 |
普通車 | 10,000円~15,000円程度 |
ワゴン | 12,000円~17,000円程度 |
トラック | 13,000~18,000円程度 |
輸入車 | 15,000円~20,000円程度 |
フロントガラスの修理費用を車種別に記載しました。フロントガラスのリペア代は車種の大きさやモデルによって大きく異なるようです。高額な場合でも15,000円から20,000円程度なので、意外にもリーズナブルな費用でリペアできることがわかりました。
ただし、フロントガラスのヒビや傷の程度が大きく、交換が必要になった場合は話が別です。交換になった場合の費用も以下に記載します。
フロントガラスを交換する車種 | フロントガラスの交換費用 |
---|---|
軽自動車 | 50,000円~70,000円程度 |
普通車 | 70,000円~90,000円程度 |
輸入車 | 100,000円~150,000円程度 |
フロントガラスを交換する場合は、少なめに見積もってもリペアの5倍以上の費用が発生することになります。必ず交換しなければいけないものとはいえ、さすがに費用が高すぎるような気もしますね。人によってはすぐに交換することができないという人もいるのではないかと思います。
フロントガラスの交換は車両保険の対象となります。しかし、車両保険を使うと翌年から等級がひとつ下がるので、翌年以降の任意保険料が高くなってしまうというデメリットも。とはいえ、7万円から15万円程度の大きな出費を手出ししなくて済むので、お財布がスッカラカンになることもありません。
車両保険に加入している人は、安心してフロントガラスの交換をすることができそうです。問題は車両保険に加入していない人。車両保険に加入していない人は、フロントガラスの交換にかかる費用をすべて払う必要があります。
純正品のフロントガラスに越したことはありませんが、輸入ガラスという選択肢もあるようです。輸入ガラスのような社外品はリーズナブルな価格を実現している割に質が良いので、純正品のフロントガラスに手が出ない人は充分選択の余地があります。中には紫外線カットガラスやエアコン効率を向上させるエコガラスなども存在しているようです。
中古のガラスを使って修理
また、中古ガラスという選択肢もあります。中古品であれば多少程度が悪くても新品のフロントガラスに比べてはるかに安い価格で入手することが可能です。
問題はその入手方法ですが、中古ガラスは自動車整備工場やガラスの製造を手がけているメーカーに探してもらうこともできるのだとか。おすすめはもちろん純正品のフロントガラスへ交換することですが、選択肢のひとつとして参考にしてください。
ディーラーに依頼する場合
自動車ディーラーは自動車整備工場や車用品店よりも部品の価格や工賃自体が高く設定されています。フロントガラスのリペア費用も同様ですが、やはり自動車ディーラーに修理してもらった方が安心感があるという人もいるでしょう。
ディーラーにフロントガラスのリペアを依頼するときに発生する費用は上記の表で記載している価格帯から5000円~1万円程度高くなります。リペアの方法にもよりますが、修理が完了するまでの時間はだいたい1~2時間程度かかるようです。
フロントガラスを自分で修理する場合
フロントガラスに入ったヒビや傷の程度が小さいものであれば、自分でリペアすることもできます。自分でフロントガラスのヒビや傷をリペアすれば、10,000円~20,000円程度の出費を5000円以内に抑えることも可能です。自分でフロントガラスのヒビや傷をリペアする場合は市販のフロントガラス補修キットを用いることになるので、これからおすすめのフロントガラス補修キット3つ紹介していきますね。
ガラス リペア キット ひび割れ 補修 フロント
フロントガラスのリペアに限らず、様々な種類のデントリペアツールで定評のあるYooheが販売しているフロントガラスリペアキット。直径が2.5 cm以内のヒビや傷(放射状の傷は2.0 cm以下)であればきれいにリペアすることが可能です。
可視硬化型レジンと加圧減圧注入器の採用によって、気になるヒビや傷がきれいさっぱりなくなります。フロントガラスのリペアに使用するカミソリやピンなどのツールはすべてリペアキットの中に含まれているので、ほかのものを用意する必要はありません。
リペアの手順としては以下のようになっています。
- スクレ―パーでリペアしたい部分のゴミや汚れを取り除く
- リペアしたい部分を中心にして4点ポジショニングツールを設置
- レジンチャンバーと呼ばれるツールをねじ込む
- レジンを数滴流し込む
- レジンが完全に浸透したら、ツールを取り外してヒビや傷周辺のゴミや汚れをもう1度取り除く
- 最後にヒビや傷の表面にレジンを1適流し込み、透明フィルムを貼り付けレジンの硬化を待つ
- 硬化したら、フィルムを剥がして表面にはみ出たレジンをカミソリで削り取る
文章にすると難しく感じますが、実際にやってみるととても簡単で、気軽にフロントガラスをリペアすることができます。価格も1,199円とリーズナブルなので、ディーラーや自動車整備工場に依頼する前に1度試してみるといいかもしれません。
カーメイト 車用 ガラスリペアセット プロウインドリペア システムセット PS300
車用品を多数販売しているカーメイトが販売しているガラスリペアセット。フロントガラスにできた飛び石による傷をDIYで簡単にリペアすることができます。
こちらもYooheのフロントガラスリペアセットと同様、複数のツールがセットになっており、用意するものはこれひとつで充分です。生産国が日本であることも安心できる大きな理由のひとつ。
カーメイトのガラスリペアセットにはいくつかの使用できない条件があります。
- 大きさが2.0 cm以上の傷
- 窓の淵から5.0 cm以内にある傷
- 衝撃点(ヒビのはじまり)が2箇所以上ある傷
- ガラス内部の傷
- 深さが0.3 cm以上ある傷
- 軽い衝撃でさらに進行してしまうような傷
このような傷はカーメイトのガラスリペアセットでリペアすることは難しいとあります。あくまで軽度のキズ補修を目的とした商品であることを理解した上で購入してください。
カーメイトのガラスリペアセットは3,016円となっています。Yooheのフロントガラスリペアセットと比べるとやや高い印象を受けますが、価格以上の仕上がりに期待できるはずです。
ひび割れ 補修 フロントガラス リペア キット (飛び石 傷 修理 穴埋め 修復)
今回紹介するフロントガラス補修キットの中で最もリーズナブルな価格を実現している商品がこちら。こちらの商品も先述した商品と同じように、レジンを用いてフロントガラスの損傷部分を簡易的に補修してくれます。
真空エア抜き方式という方法を採用しているため綺麗な仕上がりが期待できますが、リペアした部分は透明の小さな跡になってしまうようです。また、深さのある傷や線状のヒビ、蜘蛛巣状のヒビに使用することはできません。
使用できる条件が非常に限られている商品ではありますが、360円というリーズナブルな価格設定に加えて、フロントガラスリペアキットが2ヵ所分入っているのも魅力的なポイント。本当に些細な傷でもリペアしたい人にはおすすめの商品です。
まとめ
今回はフロントガラスのリペア・交換にかかる費用やDIYでフロントガラスをリペアする場合に活用できるグッズを紹介しました。フロントガラスのリペア費用はヒビや傷の程度にもよるので一概にはいえませんが、ある程度の目安になったのではないでしょうか。
フロントガラスに入ったヒビや傷は、はじめはごくわずかなものでも、時間が経てばさらに大きなヒビや傷へと変化してしまう場合があります。できるだけ速やかに対処することが望ましいです。
交換費用がネックでなかなか修理することができない、という人は上記で紹介したフロントガラスリペアキットを活用してみてください。完璧な仕上がりとはいかずとも、応急処置するにはうってつけのグッズだと思います。