2019年03月25日 (更新:2019年03月26日)
90年代を代表するエンジン!スズキの名機F6Aを紹介します!
スズキの軽自動車でおなじみのF6Aエンジンを解説します。耐久性やスペックなどの観点から、F6Aの人気の理由や活躍の歴史を探ってみましょう。これを読むことで、スズキが生んだ名エンジンの素晴らしさが理解できるでしょう。
F6Aとは
スズキのF6Aエンジンは1990年に誕生しました。同年に軽自動車の規格が見直された結果、排気量が550ccから660ccに拡大、その時期にフルモデルチェンジを受けた3代目アルトワークスにF6A DOHCターボが搭載されています。これがF6Aエンジンの元祖です。
耐久性
F6Aには、チューニングベースとして人気を誇るだけの耐久性がありました。軽自動車のエンジンは、一般的に走行距離が10万キロを超えると中古車市場ではワケアリとして扱われることが多く、廃品になるケースもあります。
しかし、F6Aはモータースポーツでの使用を念頭に置いた設計になっているため、頑丈な鋳鉄製シリンダーブロックの採用で耐久性をアップし、そのパワーは当時後継のアルミブロック型K6Aでも敵わないほどと評されました (現在はアルミブロック型K6AでもF6A並かそれを超えるパワーを発揮できます) 。
スペック
F6Aエンジンはチューニングベースとしてノーマルの約3倍まで最高出力を引き出せます。現在の軽自動車の最高出力はノーマルで64PSまでと制限されていますが、チューニング効果で192PSまで引き出すことも可能です。しかしチューニングの内容により車検に通らないこともありますので注意してください。
搭載車種
F6Aエンジンは大きく分けてシングルカムヘッド (SOHC) とツインカムヘッド (DOHC) の2タイプがあります。それぞれに該当する車種の代表例を紹介します。
シングルカムヘッド
シングルカムヘッドのF6Aエンジン搭載車種の代表例を種類別に紹介します。
SOHC | アルト (1988-2005)、エブリイ (1990-2001) |
---|---|
SOHC4バルブ | アルト (1988-2001)、ワゴンR (1995-2003) |
SOHCターボ | エブリイ (1990-2001) |
SOHCインタークーラー付ターボ | Kei (1998-2001年) 、アルト (1990年-2000年) 、ワゴンR (1995-2003)、ジムニー (1990-1998)、カプチーノ (1991-1998) |
ツインカムヘッド
ツインカムヘッドのF6Aエンジンは4バルブ・インタークーラー付ターボのみです。
- Kei (1998-1999)
- アルト (1988-1994)
- セルボ (2006-2009)
- キャラ (1993-1995)
などに搭載されていました。
チューニング例
CARTUNEで実際に公開されているスズキ・F6Aのチューニングに関する記事を紹介します。
ジムニー (JA11V) のために購入した EGR カットプレートの画像です。これにより最高出力が5PS程度アップするそうです。ただし、ガスの循環が悪くなったり、燃費が犠牲になったりするデメリットもあるので、実践には注意が必要です。
アルト エポ (HA12S) にHKS スーパーパワーフローと呼ばれるエアクリーナーを取り付けています。吸気効率を向上させ、馬力やトルクを引き出しやすくなり、場合によっては NAでもノーマルのターボに近い性能を発揮します。
ジムニー (JA11V) にエンジンのオーバーホールを施しています。このときはヘッドのバルブステムシールを交換していました。
交換前のヘッドはオイルによりベトベトに汚れています。汚れがひどくなったり経年劣化したりしたパーツは定期的に交換しないと故障のもとになります。
エンジンのオーバーホールなど、特定のパーツを新品に交換することも、広義的には車を健全に走らせ続けるためのチューニングです。
Keiワークス (HN22S) に組み替えるタービンの画像です。それだけでなく、インジェクターの容量アップとサブコンも施しています。
このときはエンジン回りの新調以外にも車高調を投入するなど、本格的にチューニング作業を行ったそうです。
まとめ
スズキが誇るF6Aエンジンは、モータースポーツでの使用を前提とした耐久力の高い性能であったため、多くのカーマニアを熱狂させました。 90年代のスズキ車の多くにF6Aエンジンが採用されており、スズキを象徴するエンジンとして今も語り継がれています。
CARTUNEには、懐かしのスズキ車を愛し、F6Aエンジンにチューニングを施すユーザーがたくさんいます。本記事を参考に、スズキのF6Aエンジンの新しい楽しみ方を見つけてみませんか。