2019年04月09日 (更新:2020年08月21日)
エアロってなに?カスタムの定番、エアロについて解説します!
車のドレスアップの基本としてエアロの装着が挙げられます。ただエアロはドレスアップをするだけのものではなく、車の走行性能や燃費性能にも大きく関わっているのをご存じでしょうか。今回は車に装着するエアロについてご紹介します。
そもそもエアロの語源は?
エアロの語源はラテン語の「aero」を英語読みすることで「エアロ」と言われるようになりました。aeroを日本語に訳すと「空気・空中」といった意味があります。車の部品であるエアロパーツは、走行時に「空気」の流れを変えることにより空気抵抗を減らし、走行性能向上に役立っているのです。
自動車と空力の歴史
現在、車の形はタイプ別に決まりつつありますが、車の形についてはさまざまなものが試されてきました。ここでは現在の車の形に至るまで、どのような歴史があったのかをみていきます。
空力と車のカタチ
馬車での移動が中心だった時代は、人は高速で自由に移動できることを夢見ていました。自動車が作られてからはその夢が実現しましたが、さらなる高速性能を求めるために、車のデザインを変えることが課題となりました。
自動車が製造された当初は、フロントガラスが直角に設置されているなど、風の抵抗を非常に強く受けていたのです。各国で高速道路の整備が進むようになると、空気抵抗を最小限に抑えるために流線型のデザインの車が登場します。
「流線型デザイン=空力デザイン」が浸透していき、各自動車メーカーからは丸みを帯びたデザインの車が多く生産されるようになりました。
直角だったフロントガラスは角度が緩やかなものになり、フロントバンパーは下部を前に張り出して、揚力と空気抵抗を抑える工夫も施されるようになりました。また、トランクの高さをあげることで空気抵抗を少なくする取り組みも行なわれました。
現在では、フロントフェンダーの後部にエアアウトレットを装着し、ボディ前部分の揚力を抑える工夫もなされています。このように、車の形と空力性能には深い関係があることから、車のデザインは空力に重点をおいて考えられてきました。
現代の空力
空力は単にボディの進行方向とは逆向きに働く「抵抗」のほかに、垂直に働く「揚力」(リフト・ダウンフォース)、そして横からの力である「横力」があり、現代ではこれらの空力が最適な状態となるような研究がエンジニアの間で進められています。
高速道路などで走行する際に、できる限り車にかかる力を少なくして、快適に、そして燃費性能を上げて走行するための取り組みです。
高速走行時に車が風の抵抗を受けてふらつく場合がありますが、これは空気の力で車が浮いてしまうことで起きる現象で、「リフト」といいます。リフトを小さくすることで、車が浮くことなく、路面をしっかりと捉えることが可能です。
また空気の力で車を路面に押し付けるのが「ダウンフォース」です。F1をはじめとしたレースカーが驚異のスピードで走行できるのは、このような空力が限りなく最適な環境であるからです。空力は目に見えるものではありませんので、最近の研究では人工的に風を生み出して車を模擬走行させる実験のほか、コンピュータを用いたシミュレーションも盛んに行なわれています。
よく見るcd値って何?
空力の話をするときに見かける「cd値」という言葉。cdは「空気抵抗係数」のことをいい、この係数は車の空気抵抗を計算するときに用いられます。
このcd値は、車のボディ形状や構造によってさまざまです。例えばバンとスポーツカーを比較すると、バンのような四角い形状よりもスポーツタイプのような流線形のほうが空気抵抗が少ないため、後者の方がcd値は小さくなります。
現代では、車をコンピュータ上で模擬走行させ、速度によってどれくらいのcd値が得られるのかを算出しています。
ただ、実際に車が走るのはコンピュータのような人工的な環境ではなく自然環境なので、さまざまな走行環境を考えて車の形状を考えなければいけません。空力は簡単なものではなく奥が深いのです。
アフターパーツとしてのエアロ
エアロは純正品だけでなく、車種ごとに社外品も製造されています。エアロパーツには空力を強化する役割があり、ここでは特に効果の高い3つのパーツをご紹介します。
グランドエフェクター
このパーツは車の底部分に装着されるもので、車体下の空気をサイドへ綺麗に流す役割を果たします。車体下の空気が流れやすくなることで、その流れに引っ張られ、ダウンフォースが発生します。空気の流れは広いところから狭いところへ入ったときに速度を増すため、これの装着に合わせて車高を下げることでより効果を高めることができます。
GTウイング
このパーツはスポーツカーのトランクに付ける羽のようなパーツです。これを装着することで車体に沿う空気の流れをスムーズにでき、ダウンフォースが発生します。それによりリアタイヤのグリップが向上するため、安定したコーナリングが可能となります。
フロントリップスポイラー
このパーツは車のフロントバンパーの下部に装着するパーツです。装着することで空気の流れを整え、車体下に流れる空気を減らすことでリフトを低減させます。
ドレスアップパーツとして装着されることが多い
空力を強化するアフターパーツをご紹介しましたが、これらのパーツは空力面で効果を発揮することは間違いありません。しかし、日本国内で一般道・高速道路を走行している限り、その意味合いは薄いと言えるでしょう。
ダウンフォースが発生するのは100km/hからと言われており、一般道の最高速度は原則60km/h、高速道路でも120km/hが限度です。これほどの速度では、体で感じられるほどのダウンフォースは発生しにくいでしょう。国内では、これらの空力パーツはドレスアップ効果を狙って取り付けられることがほとんどです。
CARTUNEユーザーのエアロパーツをご紹介!
最後に、CARTUNEユーザーが取り付けているエアロパーツをご紹介します。
グランドエフェクター
日産・エルグランドにグランドエフェクターを装着している例です。車の底につけられていますので、ドレスアップとして見ることはできませんが、ミニバンは高速走行時にふらつきやすいなど安定性が良くありませんので、少しでもダウンフォースが発生して、車が安定することに期待したいところです。
GTウイング
トヨタ・86にGTウイングを装着している例です。GTウイングを付けていると、よりスポーティーなイメージが強くなりますね。サーキットを走行すると、GTウイングの効果が絶大に現れるでしょう。
フロントリップスポイラー
スバル・BRZにフロントリップスポイラーを装着した例です。車の空気抵抗をどこよりも受けるのがフロント部分。フロントリップスポイラーはビジュアル面でも効果が高いですね。
まとめ
今回は車に装着するエアロについてご紹介しました。
エアロパーツはダウンフォースを生み出すものではありますが、効果を発揮するためにはかなりの高速でなければいけません、そのためエアロパーツは走行性能を左右するというよりかは、ドレスアップの意味合いが強くなっています。今回の記事を参考に、ぜひエアロを取り付けてみてください。