車の車高を変化させるために必要な物や費用を紹介します! | CARTUNEマガジン
車の車高を変化させるために必要な物や費用を紹介します!

2019年01月16日 (更新:2022年03月11日)

車の車高を変化させるために必要な物や費用を紹介します!

車のカスタマイズの定番といえば、車高を変化させること。車高を変化させるには、サスペンションのパーツを変える必要があるのはご存知の通りですが、実際にどのようなパーツを交換すればよいか、どのくらいの費用がかかるか気になるところでしょう。そこで今回は、車高を変化させるために必要なアイテムや費用を紹介します。

車高を変更できるサスペンションやスプリング

sakaipyonさんのRCZサスペンションの画像
sakaipyonさんのRCZサスペンションの画像
引用元:sakaipyonさんの投稿

普通自動車が採用しているサスペンション方式のほとんどはコイルスプリング式です。この方式では、サスペンションそのものの長さや、組み込むスプリングの長さが変われば車高が変化するので、多くのメーカーから車高を変える製品がラインナップされています。

ここでは、代表的な車高調とダウンサスについて解説していきます。

車高調

コイルスプリング式のサスペンションで車高を思い通りに変えられるパーツを、一般的に車高調と呼んでいます。(車高調整式サスペンション)

車高調は二種類に分かれます。車高調に組み込まれているスプリングのロアシート(受け皿)の位置を上下させてバネを縮めたり緩ませたりすることで車高を変える「ネジ式」と、ショックアブソーバー本体の長さを変えて車高を変える「全長式」です。

安価な「ネジ式」の車高調 そのデメリットとは?

「ネジ式」の車高調は、構造が簡単なことから安価な製品が多いのが特徴ですが、車高を下げるとショックアブソーバーのストロークも短くなるという欠点があります。

ショックアブソーバーのストロークが短くなるということは、ショックアブソーバーの作動範囲が縮んでしまうということ。すなわち、車高を下げれば下げるほど、衝撃を吸収するというショックアブソーバー本来の機能が失われ、寿命を短くするだけでなく乗り心地も悪化してしまうのです。

お値段の張るモデルの多い「全長式」そのメリットやいかに!?

変わって「全長式」ですが、こちらはスプリングが収まっている部分の長さを変更せずに、ショックアブソーバーの自体の長さ「ケース長」を変えます。そのため、ストロークに変化が生じることがなく、車高を下げた場合でも乗り心地の変化を抑えることができます。

調整方法は、ショックのケース全体にネジが切ってあり、ロアブラケットの位置を変更することで車高調整を行います。ロアブラケットとスプリングロアシートの距離が狭まれば車高は下がり、反対に広がれば車高が高くなります。

ダウンサス

ダウンサスとは、車高を低くさせるためのコイルスプリングになります。車はコイルスプリングにより自重を支えているので、コイルスプリングの全長が純正より短くなると、その分車高が下がります。

ダウンサスのメリットは、安く購入できることです。デメリットは、車高の落ちる量を変えられないこと、組み付けるダウンサスによって、ショックアブソーバーとの相性で乗り心地が悪くなることです。

ダウンサスは、価格も安く手が出しやすいパーツですが、想像とかけ離れたダウン量となることも多く、購入する上で専門のショップに相談して決めた方が良いでしょう。

車高を変化させるとどうなるのか

Kさんのフーガサスペンションの画像
Kさんのフーガサスペンションの画像
引用元:Kさんの投稿

車高を変化させる、つまり車高を上下させる作業をするには、必ずサスペンションを分解する必要があります。サスペンションの取付は多少のクリアランス(隙間)を取って組み付けているので、一度分解したサスペンションはホイールアライメントが狂う可能性があります。

もしサスペンションを分解して、新しい車高調やダウンサスを取り付けてそのまま走行してしまうと、狂ったホイールアライメントにより、タイヤの片摩耗や操縦安定性の悪化が起こってしまいます。また、車高の変化はヘッドライトが地面を照らす向きにも影響するため、光軸調整が必要です。車検にも関わってくることなので、車高を変化させたら、光軸とアライメントの調整を同時に行いましょう。

また、車高を変化させることで、見た目が変わるのはもちろん、操縦性能も大きく変わります。上げても下げても、車の挙動に十分注意して運転することが必要です。

車高を低くした場合

ナカッセイ@O.S.MさんのオデッセイDIYの画像
ナカッセイ@O.S.MさんのオデッセイDIYの画像
引用元:ナカッセイ@O.S.Mさんの投稿

外観は低くスポーティーに

車高を低くした場合、車はよりスポーティーな印象に変わりカッコよくなります。

しかし、車高の下げ過ぎには注意が必要で、保安基準で決められている最低地上高9cmの範囲にとどめなければいけません。この場合の最低地上高とは、フォグライトなどの灯火類が付いていないエアロパーツや、稼働する足回り部品を除いた車体部分の一番低いところを指します。

このほか、車高を低くすると下回りや車の前後バンパーを損傷する恐れがあるので、十分注意して運転する必要があります。特に、かまぼこ型の踏切や舗装路面のギャップが激しい場所には気を配っておきましょう。また、今まで問題なく停めることができた駐車場も、縁石が車に接触する可能性があります。

操縦性能も大きく変化

そして、外観と同じぐらい変わるのが操縦性能です。

車は4つのタイヤが地面に接地しているほど操縦安定性は良くなりますが、カーブを曲がる時は外側のタイヤに荷重がかかり、内側のタイヤは浮き上がって安定性が失われます。これは車の重心を下げることで解決できるといわれており、車高を落とすとで重心を下げ、コーナーでの接地性を向上させることで、結果コーナリングスピードを上げることができます。

しかし、ただむやみに車高を下げればよいというモノではありません。車高を落とすことによりアーム類に無理な角度がついて、かえって操作性が悪くなることもあります。

車高を高くした場合

ランクルタロちゃんさんの画像
ランクルタロちゃんさんの画像
引用元:ランクルタロちゃんさんの投稿

車高を高くすると全高が変わってきますが、この全高が2mを超える場合は、小型自動車や普通自動車として車検を受けることができません。また、全高は±4cm以内の場合はそのまま継続車検を受けられますが、±4cmを超える場合は構造変更届を出す必要があります。

車高を上げた車をハイリフト車といい、SUVやピックアップトラック、そして最近では軽トラックで多く見かけます。車高を上げる場合、ドレスアップ目的で行う方が多いのではないでしょうか。

もともとハイリフトは、起伏の激しい場所を車で走行するのに、下回りが石や岩などに干渉しないようにしたり、車で川を渡るときに室内まで水が浸入するのを防ぐ目的でオフロード車ではじまりました。車高を上げれば、悪路の走破性が上がり、車で走行することが可能な範囲が増えるからです。

しかし、車高を上げると車の重心が高くなり、車の動きが不安定になりやすくなります。車高をあげた場合は、慣れるまで車の動きにより気を配って運転しましょう。

車高を変化させるために必要な費用

車高を変化させる場合、専用のパーツを購入して取り付けることになるので、パーツは車高調にするのか、ダウンサスにするのかで、費用は大きく変わってきます。

車高調などの取り換えには、サスペンションを分解する必要があり、専門的知識と技術がなければ難しいのと、工具も専門のものが必要になることもあり、カーショップや整備工場に依頼することがほとんどとなるでしょう。

車高調の場合もダウンサスの場合も、取り付ける車種や購入するパーツにより値段はピンキリ。

安い車高調では7万円台からありますが、本格的な足回りの性能を追求したものだと、数十万円にもなります。ダウンサスの場合は、1台分で2万円程度から購入できる商品が多くなりますが、サーキット走行などを目的にした走行性能重視のダウンサスには、5万円を超えるパーツもあります。

ショップでの取り付け

ほとんどのショップでは軽自動車、セダン・スポーツカー、ミニバン・ワゴン系といったように車種カテゴリーに分けて工賃を定めています。

ダウンサスの交換工賃も、基本的に作業が同じなので、それほど工賃に差はない事が多くなっています。ただ、スプリングを外すのに、専用のスプリングコンプレッサーを使い交換する手間が増えるので、若干高い設定となっているショップもあります。

車高調工賃相場合計
軽自動車90,000円~20,000円~110,000円~
セダン・スポーツカー80,000円~25,000円~105,000円~
ミニバン・ワゴン系70,000円~30,000円~100,000円~

軽自動車より、普通車のほうが車高調の価格は安いものが多くありますが、その代わり性能の良いモノは普通車のほうが高くなります。

ダウンサス工賃相場合計
軽自動車13,000円~20,000円~33,000円~
セダン・スポーツカー18,000円~25,000円~43,000円~
ミニバン・ワゴン系16,000円~30,000円~46,000円~

サスペンションの取付形状により、工賃は変わります。車高調と、ダウンサスとでは、商品価格の違いから合計価格でかなりの差があることがわかります。また、ここに光軸調整約5000円とアライメント調整料金約2万円~がどの車にもかかります。

DIYでの取り付け

しかし、工賃はどちらのパーツもかなり高いので、DIYで取り付けを行う方も多いでしょう。その場合は専門の工具を用意する必要があり、最低でも下記の工具は用意しなければなりません。

  • ジャッキ・・・フロアージャッキがベターで、ホームセンターで売られている数千円の商品より、本格的なフロアージャッキが良い。15,000円~
  • ジャッキスタンド・・・ホームセンターやカー用品で売られている商品で問題無く使える。4,000円~
  • 両口メガネレンチ・・・8mm~21mm程度のセット品を一つ持っていると重宝する。2,000円~
  • ソケットレンチセット・・・10mmから24mm程度まであると便利4,000円~
  • スプリングコンプレッサー・・・コイルスプリングを外すためのSST、数千円の安い商品が売られているが、安全を考えると最低でも15,000円程度の商品がおすすめ。

工具も何もないところから揃えると、かなりの金額になりますから、一度の交換のために、ここまでそろえるのはかなりの無駄。

ただ、この先も工具を使い自分で車のメンテナンスができると考えれば、工具を揃えた方がショップに依頼するより安くなるかもしれませんね。

まとめ

車の車高を変化に関わるサスペンションは車の根幹部品の一つ。安全にも関わる大切な部品ですから、しっかりと作られた製品を選び、法令に則って作業を行うことが重要です。

商品価格も、工賃も決して安いモノではないので、車に詳しくなければ、車に詳しい友人やショップの方と相談して、商品選びをすることをおすすめします。車のカスタマイズは、車好きにとってはとても楽しいもの。自分好みに車高を変えることでもっと愛車を好きになれることでしょう。

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