トヨタ プリウスには通常のプリウスと、もうひとつプリウス・PHVが用意されています。PHVとはプラグイン・ハイブリッド・ビークルの略で、より大容量のバッテリーを搭載し、電気プラグから給電することで電気自動車としての枠割が拡大されたプリウスです。
プリウス・PHVとノーマルプリウスの違い
プリウス・PHVはプラグイン・ハイブリッド・ビークルの略で、通常のハイブリッドカーよりも大容量のバッテリーを搭載し、EVスタンドや家庭用コンセントプラグから充電することが可能なプリウスです。
それにより、通常のプリウスよりもEV走行できる距離が飛躍的に増加させ、カタログ値で68.2kmもの距離をエンジンを使わずに走行することが可能になりました。
プリウス・PHVは3代目で初めて追加され、4代目では通常のプリウスから2年遅れで登場。内外装にも大きな違いが設けられて発売されました。
外装の違い
基本ボディ構造は50系プリウスと共通としながらも、ひと目でプリウス・PHVであるとわかるように、通常のプリウスよりもスタイリッシュで先進的な外観が与えられました。その外観は水素燃料電池車であるトヨタ ミライのデザインをリファインしたように見受けられます。
フロントフェイスは切れ長に配置された4眼LEDライト特徴。リアは縦長のコンビネーションランプのプリウスに対してボディに自然に馴染むデザインとなり、ノーマルプリウスよりもまとまりのあるデザインに仕上げられています。
内装の違い
基本的な内装デザインはノーマルプリウスと共通ですが、大きく目を引くのは、インパネ中央に位置する11.6インチの大型ディスプレイモニターです。ナビゲーションやバックカメラの表示はもちろん、ハイブリッドシステムの稼働状況や充電スケジュール、エアコン操作をグラフィカルに表示することで視認性・操作性が向上しています。
ただし「S」グレードには装備されません。
標準のファブリックシートはエンボス柄の特殊表皮を採用し、ノーマルプリウスと差別が図られます。ハイブリッド駆動用バッテリーの大型化により、プリウス・PHVは4人乗りに設定されていますが、そのぶんリアシートはクッションがたっぷりとられているため、ノーマルプリウスよりも快適な座り心地を実現しています。
プリウス・PHVの特徴
TNGAプラットフォームを使用
プリウス・PHVには、4代目プリウスから採用された「TNGAプラットフォーム」が同じく採用されます。TNGAプラットフォームは、旧プラットフォームよりも軽量・高剛性・低重心を進めながら、生産効率の向上を目的としたトヨタの次世代プラットフォームです。
それにより、旧型プリウスよりも静粛性と乗り心地を向上させながら運動性能が高めることが可能となりました。
AC100V/6Aの普通充電にも対応
旧プリウス・PHVや他社プラグインハイブリッドカーでは、200Vもしくは100V/12A程度の電力が必要であり、専用の充電設備を用意しなければ家庭では充電できませんでした。
しかし、新型プリウス・PHVでは100V/6Aでの充電に対応したため、大規模な工事をすることなく家庭で充電できるようになりました。
実際に使用するためには、一般家庭用のコンセントを専用のものへと交換するだけで充電することができます。専用設備に比べれば充電時間はかかりますが、大きな初期投資を必要とせずに家庭で充電できるようになったのは大きなメリットです。
オプションで屋根にソーラーパネルが!
プリウス・PHVにはルーフに装着したソーラーパネルで駆動電力が充電できます。3代目プリウスにオプション設定されていたソーラーパネルは、夏場の車内の空気循環のためのファンを駆動するためのものであり、駆動電力の充電はできませんでした。
2代目プリウス・PHVは、ソーラーパネルで駆動電力を充電できる世界初の車です。ただし、装着できるグレードは、Sパッケージのみ。気象条件によりますが、1日最大6.1kmぶんの電力を充電することがだきます。
プリウス・PHVの値段&色
プリウスのグレードは大きく分けて「S」「A」「Aプレミアム」の3グレードが用意され、それぞれに追加パッケージ仕様や特別仕様車が用意されています。
値段
エントリーグレードの「S」が326万円。11.6インチディスプレイが装備される「S・ナビパッケージ」は367万円。安全装備が充実する「A」は381万円。レザーシートが追加される「A・レザーパッケージ」は407万円。レザーシートが標準となり、装備が充実した最高グレードの「Aプレミアム」は422万円です。
特別仕様車の値段
「S」と「S・ナビパッケージ」に用意される特別仕様車は、周囲の障害物を知らせる「インテリジェントクリアランスソナー」と車庫入れをアシストする「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」を追加した333万円の「S・セーフティープラス」と、373万円の「Sナビパッケージ・セーフティープラス」。
「A」に数々のメーカーオプションを追加した豪華装備の「Aユーティリティープラス」は383万円です。
選べる色
プリウスに設定されているボディカラーはノーマルカラー6色とオプションカラー3色の合計9色です。
ノーマルカラーは、スピリテッドアクアメタリック・スティールブロンドメタリック・アチチュードブラックマイカ・グレーメタリック・シルバーメタリック・スーパーホワイトⅡの6色です。
オプションカラー
有償オプションに設定されたボディカラーは、エモーショナルレッド・ホワイトパールクリスタルシャイン・サーモテクトライトグリーンの3色です。
まとめ
プリウス・PHVは、バッテリーを大型化したことで、走行時に発生するムダなエネルギーを電力として蓄え、より効率よくガソリンを使うことができるハイブリッドカー。ちょうどハイブリッドカーと電気自動車の中間に位置づけられる車です。
完全な電気自動車の運用には充電インフラと充電時間の問題があり、一般家庭に普及するまでにはまだまだ時間がかかることでしょう。トヨタ プリウス・PHVには、電気自動車の完全普及までの間を埋める大きな役割が与えられています。