プラッツの可能性は無限大!隠れたスポーツセダンを見逃すな!USDMもアリ!? | CARTUNEマガジン
プラッツの可能性は無限大!隠れたスポーツセダンを見逃すな!USDMもアリ!?

2018年12月25日 (更新:2020年07月14日)

プラッツの可能性は無限大!隠れたスポーツセダンを見逃すな!USDMもアリ!?

過去にトヨタから発売されていたプラッツというセダンの車があります。普通のセダンと思いきや、実はトヨタを代表するとある車をベースに開発されたセダンなのです。今回はプラッツに関する基本情報と、プラッツの各種スペックを紹介します。それだけでなく、隠れたスポーツセダンとして知られるプラッツの一部グレードや、USDMカスタムベースとのしての可能性も見ていきます。

プラッツの中身はヴィッツRS!?

ヴィッツをベースとした4ドアセダン

コロ助さんのプラッツNCP12ホイールの画像
コロ助さんのプラッツNCP12ホイールの画像

プラッツとは1999年8月~2005年11月の間に発売されていたコンパクトセダンタイプの自動車です。販売店舗はトヨペット点及びネッツトヨタ店となっていました。当時の背景として、トヨタはプラッツ発売の7か月前に発売した初代ヴィッツが大ヒットとなっていたのです。それを追うようにして発売されたのがプラッツになります。

「プラッツの中身はヴィッツRSである」というふうに言われることがありますが、その所以はプラッツはヴィッツをベースに作られた車種であるということにあります。ヴィッツは4ドアコンパクトカーであることに対して、プラッツは同じ4ドアでもセダンタイプの車です。セダンタイプとなったこともあり、後部には独立したトランクが追加されています。ヴィッツに独立タイプのトランクを追加した車がプラッツと言ってもよいくらいです。

プラッツのスペック

しゅぅくりぃむさんのプラッツの画像
しゅぅくりぃむさんのプラッツの画像

ヴィッツをベースに作られたプラッツのスペックを紹介します。ベース車である初代ヴィッツのスペックを比較しつつ見ていきましょう。

ボディスペック

プラッツのボディスペックは、全長4,145mm x 全幅1,660mm x 全高1,500mm、ホイールベース2,370mm、車両重量は850~910kgの間(グレードによる)、乗車定員5名という感じです。ヴィッツベースとなっているので、初代ヴィッツのボディスペックを見てみると、全長3,610mm x 全幅1,660mm x 全高1,500mm、ホイールベース2,370mm、車両重量840~880kgとなっています。

この中で注目したい点は全長の長さです。プラッツの全長とヴィッツの全長の差は535mmとなっていますが、この差は上記で説明したプラッツに追加されたトランクが関係しています。トランクの追加によって535mm全長が長くなったのです。

足回り

プラッツのサスペンション方式は、FF車の場合でフロントサスペンションがマクファーソン・ストラット式でリアサスペンションがトーコレクト機能付きイータビーム(トーションビーム)式です。4WDモデルではフロントサスペンションがマクファーソン・ストラット式で同じで、リアサスペンションはラテラルロッド付き4リンク式サスペンション。

初代ヴィッツに採用されたサスペンション方式は、フロントがマクファーソン・ストラット式でリアがトーコレクト機能付きイータビーム式ですから、プラッツの足回りと同じです。

その他、サスペンション方式だけでなくブレーキタイプと同じで、フロントブレーキにベンチレーテッドディスク、リアブレーキにドラムブレーキという組み合わせとなっています。なお初代ヴィッツはグレード追加などでフルタイム4WDのグレードも追加されて、そのグレードではフロントはストラット式で同じですがリアサスが4リンク式です。

タイヤサイズはプラッツのFF車が165/65R15で4WD車が155/80R13、ヴィッツは駆動法式を問わず155/80R13が純正サイズで採用されていますが、以降発売される初代ヴィッツ RSは純正タイヤサイズが185/55R15 です。

このようにプラッツと初代ヴィッツの足回り構造はほとんど同じとなっています。プラッツはヴィッツベースとなっているので共通点が多くみられることは不思議ではありませんが、どちらにも4輪駆動モデルが用意されているので駆動方式にこだわる方の選択肢にもなりえる車です。

エンジンスペック

プラッツに用意されていたエンジンは、型式2NZ-FE、1NZ-FE、1SZ-FEの3種類になります。2NZ-FEエンジンは4WDモデルに搭載されていたエンジンです。総排気量1.3Lの直列4気筒エンジンで、最高出力67kW(88PS)/6,000rpmに最大トルク120N・m(12.3kgf)/4,400rpmのスペックとなっています。

VVT-i(可変バルブタイミング)の採用や、スキッシュ燃焼室における熱効率向上の達成、樹脂製ロングポートインテークマニホールドやステンレス製ロングブランチエキゾーストマニホールドが取り付けられ、低中速域での扱いやすさと加速性の向上に貢献しています。1NZ-FEエンジンにも同じよう内容を採用です。

1NZ-FEエンジンはFF車に搭載されていたエンジンの1つです。総排気量1.5Lの直列4気筒DOHCエンジンになります。最高出力(110PS)/6,000rpmに最大トルク143N・m(14.6kgf)/4,200rpmというスペックとなっています。

1SZ-FEエンジンは1NZ-FE同じくFF車に搭載されていたエンジンです。コンパクト化された燃焼室やVVT-iの採用、樹脂製等長インテークマニホールドやステンレス製ロングブラシチエキゾーストマニホールドにオフセットクランクシャフトなども採用され、低燃費性や低中速でのトルクを獲得しています。

発売当時のグレード及び新車価格

通常モデルのグレードは10種類で、それぞれにマニュアル仕様とオートマチック仕様が用意されていました。搭載エンジンで大きく3つに分けられ、さらにそこから3-4つのグレードに分けられます。1SZ-FEエンジン搭載モデルはF-F Eパッケージ-Lパッケージ-ビジネスパッケージの4グレード、1NZ-FE搭載モデルはF-X-X Sパッケージの3グレード、そして2NZ-FEエンジン搭載モデルはF F Lパッケージ-Xの3グレードです。

新車価格は、マニュアル仕様に限ると、最も安いのが1SZ-FEエンジン搭載モデルのF ビジネスパッケージで923,000円、最も高いもので2NZ-FEエンジン搭載モデルのXグレードの1,473,000円です。オートマチック仕様車はマニュアル車の新車価格にプラス75,000円となっていました。

駆動系

プラッツの駆動系ですが、トランスミッションはMT(5速マニュアル)とAT(Super ECT)の両方が用意されています。車両価格はATタイプよりもMTタイプのほうが75,000円安いです。5速マニュアルタイプにはビジネスパッケージというグレードもあり、当時の新車価格も全グレードの中で最安値の923,000円です。

プラッツをUSDMカスタムしよう

プラッツは米国市場でも販売されていた

VIPER-ZERO(岩崎重工)さんのプラッツSCP11カナードの画像
VIPER-ZERO(岩崎重工)さんのプラッツSCP11カナードの画像

プラッツは米国市場や一部のヨーロッパ国、中近東などでも発売されていました。今回はこの中でも米国市場モデルに注目するのですが、日本国内のプラッツのオーナーは米国市場モデル仕様に仕上げることもあるのです。

米国市場で発売されたプラッツはエコー"ECHO"(型式NCP12L)という名称で発売されていました。コンパクトなセダン(米国内ではバジェットカーと呼ばれる)ということを売りの1つとして日本国内で販売され人気の高かったプラッツは、米国市場においてもその点が評価されたことで人気を博したのです。

国内仕様と米国仕様の違い

藤乃さんのプラッツNCP12の画像
藤乃さんのプラッツNCP12の画像

国内仕様のプラッツと米国市場仕様のプラッツはいくつか違う点があります。違いの分かりやすい部分の代表としてフロントのエンブレムが挙げられます。国内仕様のプラッツではアルファベットのPを意識したオリジナルエンブレムが取り付けられていますが、米国仕様のプラッツはトヨタ自動車のよく見るあのエンブレムが採用されているのです。エンブレムに関して言えばリアゲートドアにはECHOのエンブレムやリアスポイラーが取り付けられている点もあります。

それ以外の違いには、ヘッドライトやリアのテールレンズ、アンテナの位置、英語の注意書きシールが貼られているサンバイザーなどがあります。このように、名前が違うだけでなく細かい部分から少し大きいところまで違いがあるのです。この違いにあこがれて、プラッツをUSDM仕様にすることは、プラッツオーナーが着手するカスタム手法の1つとなっています。自車に個性を持たせることもカスタムですので、国内仕様でありながら部分的に米国仕様となっているプラッツは独自性抜群です。

プラッツのおすすめグレード

藤乃さんのプラッツNCP12タイヤの画像
藤乃さんのプラッツNCP12タイヤの画像

コンパクトカーの良いところとセダンのよいところをちょうどよく組み合わせることに成功したプラッツ、ここではこれからプラッツを購入したいと考えている方のために目的に分けたおすすめグレードを紹介します。

1.5Lエンジン搭載車のX Sパッケージ

スポーツ走行も楽しみたい

総排気量1.5Lのエンジンつまりは1NZ-FEエンジン搭載車両のX Sパッケージはスポーツ走行を楽しみたい方におすすめです。このグレードをおすすめする理由は、プラッツの全グレードの中でこのグレードだけ足回りの仕様が少し変わっているということにあります。

フロントサスペンションがマクファーソンストラットでリアサスペンションがトーションビームということは他グレードのFF車と同じですが、X Sパッケージでは前後共にスタビライザーが装着されているのです。さらに、ダンパーやブッシュそしてスプリングといった足回りの性能に大きく影響する部品もこのグレード専用に設計されています。

同じ1.5Lエンジンを積んだFグレードやXグレードと比較すると、スポーツ走行を楽しみたい方には間違いなくX Sパッケージがおすすめです。

生産終了モデルのため購入する場合には中古車となります。

グーネットとカーセンサーおよびカーセンサーラボ合わせて3社のネットで調べてみたところ、グーネットにて1999年式で走行距離9.4万kmのX Sパッケージで5速MTモデルが車両価格19.8万円(総額は35.7万円)、カーセンサーラボでは同じく1999年式で走行距離0.5万kmのX Sパッケージの4速ATモデルが58万円(83万円)という価格です。

AT仕様の中古車はたくさんありますが、MT仕様車は少ないということがわかります。その中でもX Sパッケージは少ないので、どうしてもプラッツにこだわりたい場合、1.5 XグレードのMTモデルを購入してスポーツ走行する方法も考えましょう、このグレードなら2000年式で走行距離8.4万kmのものがカーセンサーにて車両価格28万円で販売されています。

1.5Lエンジンと足回りよりもMT仕様であれば問題なという方には、1.3Lエンジンや1.0Lエンジンを搭載する5速MT仕様がおすすめです。上で紹介したX Sパッケージよりも安い値段で購入することができます。

廉価グレード

スポーツ走行をしたいわけではなく街乗りやUSDMカスタムのベース車両にして、ドライブやカスタムを楽しみたいユーザーには廉価グレードがおすすめです。この場合の廉価グレードというのは、プラッツの全グレードの中で価格が比較的安いグレードのことを指します。

廉価グレードを進める理由は、車両価格が安いこともありますが、街乗りをするために考えて作られたグレードのため日常の使い勝手が良いからです。スポーツ走行をしたいのであればスポーツグレードにすることは理にかなっていますが、特にそういう希望が無くてスポーツグレードにどうしても乗りたいということでなければ、購入する必要はありません。

さらに、2WD車両でエンジン排気量が小さければ燃費も良くて経済的ですので、街乗りのコストパフォーマンスに優れています。例えば、新車価格が最も安かったグレードは2WDで1SZ-FEエンジンを搭載したF ビジネスパッケージグレードです。新車当時の価格は923,000円と100万円を切っています。中古車であれば40万円以下で購入することもできます。

その他ですと、1.3Lエンジンの4WDグレードも球数が多くておすすめです。4速ATモデルが中古車市場に多くみられます。価格帯としてはほとんどが50万円以下です。4輪駆動で運転も楽ですから、街乗りとカスタムをしたい方におすすめする、実用的で便利な車となっています。

トヨタ車ということもあり純正部品の供給も他メーカーより豊富で、ヤフオクをチェックしてみても各種パーツが新品や中古で発売されていることも確認することができました。これらを基にしても、部品供給で困るということは少ないでしょう。古い車は純正部品が製造終了となったことで供給できないものが多いですが、プラッツなら大丈夫そうです。

まとめ

しゅぅくりぃむさんのプラッツの画像
しゅぅくりぃむさんのプラッツの画像

今回はヴィッツをベースに作られたコンパクトセダンであるプラッツについて、その概要やスペック、USDMカスタムとの関係やおすすめグレードなどを紹介しました。ヴィッツをベースに作られたこともあって共通点が非常に多いですが、スペックを見ることでコンパクトセダンとして外せない部分をきっちり押さえこんで作られていることがよくわかります。

スポーツ走行におすすめできるグレードで遊ぶもよし、それ以外のグレードでUSDMカスタムや街乗りに使うもよし、自身に合ったグレードを選んで弄り倒す・乗るとよいでしょう。

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