2018年12月16日 (更新:2020年07月08日)
マフラーから水が出てきた!原因を紹介します!
マフラーから水が出ることがありますが、これは故障ではありません。ときには大量の水蒸気となって煙と誤解されることもありますが、水蒸気ならば問題はありません。マフラーから水が出るのは当然のことなのです。マフラーから水が出る原因と対策を解説します。
この記事の目次
マフラーから水が出てくる原因
朝一発目の始動や寒い日にはマフラーから水が出てくることがあります。この水はエンジンから出たものです。エンジンの燃料となるガソリンには炭素(C)と水素(H)が多く含まれており、エンジンの爆発燃焼とは酸素(O)による激しい酸化反応といいかえることができます。ガソリンが燃焼すると炭化水素 (HC)、一酸化炭素 (CO)、窒素酸化物(NOx)が発生します。
ガソリンがエンジン内で燃焼すると、ガソリンに含まれる炭素(C)と水素(H)が結合して炭化水素 (HC)が発生します。空気中に含まれる窒素(N)と酸素(O)が結合して有害な窒素酸化物(NO)が発生。
炭素(C)と酸素(O)が結合すると猛毒の一酸化炭素(CO)が発生します。そして、水素(H)と酸素(O)が反応してできるのはH2O。つまり、ガソリンが燃焼すると水(H2O)が発生するのです。
触媒でも水が出る
エンジンから出た排気ガスには有害物質が含まれています。それを還元作用によって浄化するのが触媒装置の役割です。ガソリンエンジンにつかわれる触媒とは正式には「三元触媒」と呼ばれ、プラチナ・パラジウム・ロジウムの3種の貴金属でコーティングされたフィルター構造をしています。
エンジンの燃焼で発生した炭化水素 (HC)、一酸化炭素 (CO)、窒素酸化物(NOx)を触媒内で、窒素酸化物(NOx)は窒素(N2)に、一酸化炭素 (CO)は二酸化炭素(CO2)に、炭化水素 (HC)は二酸化炭素(CO2)と水(H2O)還元するので触媒からも水が発生することになります。
つまり、マフラーから出る水は故障ではなく、ガソリンが燃焼したときと、触媒が排気ガスを浄化したときの生成物なのです。
故障ではない
マフラーから水が出るのは故障ではありませんが、故障の原因になる場合があります。マフラーが高温になる走行時は、熱ですぐさま蒸発し、水蒸気として排気ガスとともに排出されますが、エンジン停止後のマフラー内に残った水蒸気は、冷えたマフラーの中で結露し溜まることになります。
マフラー内に溜まった水は、通常走行することで排気ガスとともに排出されますが、短距離走行や長時間のアイドリングを繰り返していると、マフラーの温度が上がらないため水が蒸発できずにマフラーに溜まり続けることになります。
そして、マフラーに溜まった水はマフラーのサビを進行させ、マフラーに穴を開ける故障につながってしまうのです。
マフラー内の水を効果的に排出するためには
マフラー内に溜まった水を排出するには、ときどきエンジンを高回転まで回してやることが効果的です。ただし、マフラーの排気圧力だけでは完全に排出させることはできません。またエンジンが冷えた状態で高回転までエンジンを回すのはエンジンのダメージを与えてしまいます。
油温が安定するまでエンジンを温めてから、水蒸気となった水を高回転での排気圧力で吹き飛ばすことで効率よく排出することができます。高回転を維持して走行することが難しいAT車の場合は、定期的に高速道路を利用することで溜まった水によるマフラーのサビを防ぐことができます。
まとめ
「エンジンから水がでるのは調子がよい証拠」とまことしやかにいわれますが、単純にそうとはいえません。たしかにガソリンが完全燃焼に近づくと有害物質が少なくなり、多量の水が発生します。しかし、完全燃焼できずに有害物質が発生しても、触媒の還元作用で水が発生するため、水がエンジンコンディションのバロメーターとは言い切ることができません。
少なくとも、マフラー内に水が溜まりやすい短距離走行や長時間のアイドリングを繰り返す車では、エンジン内部のスラッジ堆積や摩耗も進行しやすいため、エンジンにとって完全燃焼しづらい劣悪な環境になります。マフラーから出る水の量に注目するよりも、マフラー内に水を溜めない車の使い方こそ、車のコンディションを保つコツです。