2018年11月28日 (更新:2020年08月27日)
アバルトの歴史や車種を解説!カスタム例も紹介します!
イタリアの競技車ブランドであるアバルト。フィアット500などを専用チューンしたアバルト595などが有名ですが、取り扱う車種にはどのようなものがあるのでしょうか?アバルトの歴史と車種、アバルト車オーナーのカスタム例をご紹介します!
アバルトの歴史
アバルトは1949年に登場したイタリアの自動車メーカーでした。主にフィアットの車両を利用して自動車競技に参加しており、改造車や部品を作っていたメーカーです。1971年にフィアットに買収され、メーカーではなくブランドとして、フィアットの車にアバルトの名をつけてチューンドカーを販売するようになりました。アバルトが関与した車種はフィアット車だけではなく、ポルシェやアルファロメオ、マセラティにも存在します。
1971年の買収以降、アバルトはフィアットのモータースポーツ部門を受け持ち、WRC向けのラリー車の開発を行っていました。その後、フィアット傘下に入ったランチアがWRCに出場するようになりましたが、そこでもアバルトが車両開発を担当。1990年代にはドイツツーリングカー選手権や国際ツーリングカー選手権に出場するための車両や、アルファロメオ系のGTカー、グループN車両も手がけています。
その後しばらくは、直接的なエンジンチューンは行わず、フィアット車などをベースにターボエンジンに載せ替えた車両をアバルトと冠して販売してきました。2007年にアバルトが公式に復活し、ラリー界でも活動を行うようになります。
2009年には日本国内にオフィシャルディーラーが登場し、2016年よりアバルト車がフィアットの正規ディーラーでも販売されるようになったため、日本にもアバルト車が浸透しつつあります。
過去のアバルト車
アバルトが今までにチューンし販売してきた車両は種類が多く存在します。その中でも1971年以降、ラリーで活躍した車両をいくつかご紹介します。
フィアットアバルト124ラリー
フィアット アバルト 124ラリー 1974年式
— 岡部澄夫 (@sumio_okabe_) 2016年10月1日
フィアットに買収されスポーツカー部門になったアバルトが124スパイダーをハードトップにしたラリー競技用モデル。サイドブレーキとかかなり気合が入ったレーシングモディファイがされている様子 #熱海ヒストリカGP2016 pic.twitter.com/bMbqep4oRb
アバルト124ラリーのベースとなった車両は、フィアット124スポルト・スパイダー。現行車種の124スパイダーも、このフィアットアバルト124ラリーのオマージュとして登場しました。1966年に発売され、DOHC形式のエンジン、4輪ディスクブレーキ、5速マニュアルミッションと当時では先進的なパワートレーンで注目を浴びました。
1970年代にフィアットがプロモーション目的でラリーに挑むことになりましたが、その時に戦力アップを図るためにチームに加わったのがアバルトです。アバルトが加わったことにより、サスペンションの変更やボディの大幅な軽量化などを実現、1973年にWRCデビューを果たしました。
アウトビアンキA112アバルト
アウトビアンキ A112 アバルト 1985年式
— 岡部澄夫 (@sumio_okabe_) 2017年9月25日
意外にも今まで撮っていなかった。
フィアットに買収されたアウトビアンキの小型車を、同じく買収されたアバルトがチューンしたホットハッチ。#熱海ヒストリカGP2017 pic.twitter.com/n4lkvj3Wza
フィアットグループの車両にアバルトの名が初めてつけられた車両がアウトビアンキA112です。もともとは小型の大衆車でした。アバルトモデルはA112のスポーティモデルの位置づけで、日本でも人気の輸入車。
1974年に70馬力の量産仕様が追加されたことにより、アウトビアンキA112アバルトのワンメイクラリーがヨーロッパ各国で開催されるようになりました。その後さらにフィアットは、アバルトの専用チューンを施した97馬力仕様の公認を得たためイタリア国内ラリーを中心に参戦し始めたのです。
現在のアバルト車
現在アバルト車として販売されている車種は3車種。それぞれご紹介していきましょう。
アバルト595
アバルト595はフィアット500をベースとした車両です。1.4Lターボエンジンを搭載しています。アグレッシブなドライビングフィールとチューンアップの歓びを体感できる595のベーシックモデルをはじめ、アバルト595にはいくつか種類があります。
595 Turismoはロングドライブを快適にするため、専用のヘッドレスト一体型シートを採用。トランスミッションも595には5MTの設定がありますが、TurismoにはATモード付5速シーケンシャルのみが採用されています。
さらに、ボディカラーが2トーンになり、ソフトトップを搭載している595C Turismoも登場しています。アバルト595の走行性能の高さとロングドライブに適したシートで快適さと楽しさを追求し、さらにオープンカーとしても楽しめる一台です。いずれも小さな車体とパワフルなエンジンで走る楽しさを味わうことができ、ライフスタイルに合わせた車選びが可能になっています。
トランスミッション | 5MT/5AT |
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駆動方式 | FF |
全長×全幅×全高 | 3660㎜×1625㎜×1505㎜ |
車両重量 | 1110kg |
エンジン種類 | 直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ |
総排気量 | 1,368cc |
最高出力 | 107kW(145PS)/5,500rpm |
最大トルク | 180Nm(18.4kgfm)/2,000rpm |
アバルト695
フィアット500をベースに、フライブリッジボート「56 Rivale」とコラボしたモデル、695。595と基本的なスペックは同じですが、カラーリングが限定仕様となっている特別仕様車的な立ち位置の車種です。ボディカラーはリーヴァ・ブルーがあしらわれたツートーンカラーになっており、車内にもリーヴァ・ブルーのシートが備わっています。
おしゃれなデザインだけでなく、専用の17インチアルミホイールやアクラポビッチ製エキゾーストシステムの採用など、アバルトならではのチューンアップが施されています。
トランスミッション | ATモード付5速シーケンシャル |
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駆動方式 | FF |
全長×全幅×全高 | 3660㎜×1625㎜×1505㎜ |
車両重量 | 1120kg |
エンジン種類 | 直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ |
総排気量 | 1,368cc |
最高出力 | 132kW(180PS) / 5,500rpm |
最大トルク | 230Nm(23.5kgfm) / 2,000rpm |
アバルト124スパイダー
マツダ ロードスターをベースにアバルトが改造を施したのが124スパイダー。エンジンはアバルト595同様に1.4Lターボエンジンが搭載されています。ロードスターの人馬一体の車づくりにパワフルなターボエンジンを組み合わせ、アバルトらしいフロントマスクへと変貌を遂げています。ロードスターオーナーは是非一度乗り比べしていただきたいですね。
トランスミッション | 6MT/6AT |
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駆動方式 | FR |
全長×全幅×全高 | 4060㎜×1740㎜×1240㎜ |
車両重量 | 1130kg/1150kg |
エンジン種類 | 直列4気筒 マルチエア 16バルブ インタークーラー付ターボエンジン |
総排気量 | 1,368cc |
最高出力 | 125kW(170PS)/5,500rpm |
最大トルク | 250Nm(25.5kgfm)/2,500rpm |
アバルトのカスタム例
全体にあしらわれたブラックとレッドのミラーのバランスがとてもいいですね。周りの人とは一味違う、でもやりすぎ感のないスポーティさが魅力的です。
カラーとの組み合わせがメカメカしい印象の1台。エアロのごつさもコンパクトでかわいらしいベースデザインと落ち着いたカラーで中和され、手が込んでいるのにシンプルに感じさせます。
鮮やかな水色がおしゃれな1台。スポーティさとかわいらしさ、カッコよさが詰まった素敵なカスタムカーです。
まとめ
アバルトの歴史とアバルト車の紹介をしてきました。チューニングブランドとして世界から評価されているアバルト。走ることの楽しさをコンパクトな車でオーナーに伝えてくれる素晴らしいブランドです。フィアット500やNDロードスターの購入を考えているという方は、アバルトも候補に入れてみてはいかがでしょうか?