2018年12月03日 (更新:2024年08月14日)
RE雨宮はロータリーエンジンを知り尽くしたチューニングショップ!
RE雨宮と言えば、ロータリーエンジンを得意としたカーチューニングショップです。しかし単に販売の知識ではなく、実際にレース出場したからこそ、そのノウハウを蓄えています。そんなRE雨宮をもっと知りたくありませんか?これまでの、レースでの戦歴や、その時のマシン、デモカー、パーツなどを紹介していきます。これを読めばRE雨宮のことが良くわかります。
RE雨宮の歴史
まず、「RE雨宮」がどういう会社かご存じではない方々向けに歴史を振り返りながらご紹介しましょう。「RE雨宮」(※正式名:有限会社RE雨宮自動車)は、雨宮勇美(あめみや いさみ)を代表に、千葉県に本社を置くチューニングメーカーです。
代表の雨宮氏が板金屋で勤務していたころにロータリーエンジン車と出会ったのをきっかけに、ロータリーエンジンの魅力にはまり、愛車を自らの手でストリートチューン仕様に仕上げて走らせるという日々を送っていました。
その後自動車雑誌における最高速チャレンジの仕事を引き受けたのを皮切りに、1995年からは全日本GT選手権(現在:SUPER GT)、そして2004年には全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)など、数々のレースへ参戦し始めました。
驚きなのは、当時からマツダからのワークスサポートを一切受けず、RE雨宮が独自に作り上げたレースカーが数々のレースで優勝している点です。そのノウハウを生かし、今日でもロータリーエンジンを愛するユーザーへ多くのチューニングパーツなどを送り出しています。
RE雨宮の業績
日本のカーチューニングショップの中でも老舗にあたるRE雨宮です。カーチューニングの中でもロータリーチューンを得意としています。ロータリーエンジンと言えばマツダから販売されていたRX-7またRX-8ですが、RE雨宮は、この2台のチューニングカーを製造したことで有名になっています。
また、代表を務める雨宮勇美氏も数々の武勇伝を残しており、その破天荒さもチューナーたちの注目を集めました。他にも、RE雨宮を有名にしたのはRE雨宮レーシングの実績です。1995年から、全日本GT選手権などの、国内のレベルの高いレースに参戦してきたRE雨宮レーシングは、ロータリーエンジンを搭載するクラスで、常に上位に食い込む活躍を見せ続けていました。
2006年にはドライバーとチームの二つでタイトルを獲得し、さらにマレーシア・セパンラウンドでは4勝を挙げ、ロータリーエンジンの技術の高さと強さを証明してきました。2009年にはドライバーに谷口信輝選手と折目遼選手を迎え、開幕から4連続表彰台を獲得し、この戦歴は当時の新記録であり、今まで以上に注目を集めていましたが、モータースポーツでの経営活動の難しさに打ち勝つことができず、ファンが惜しむ中、2010年にGTから撤退しました。
GTからは撤退しましたが、2004年から参戦しているD1グランプリは引き続き参戦を続け、D1での最高位は2位の結果を残しています。RX-7での戦いを続けたのち、2010年からマシンをRX-8へチェンジし、2016年から松井有紀夫選手を起用し現在に至ります。
RE雨宮の最強ロータリーマシン
RE雨宮が、実際に手がけたロータリーマシンを紹介していきます。
RE雨宮レーシング SuperGT RX-7
1995年に全日本GTに初参戦したRE雨宮レーシング。ドライバーは竹内浩典選手と松本晴彦選手でした、車はもちろんRX-7で、車のカラーは青とピンクを使ったカラーリングでした。主な成績は、第3戦の仙台ハイランドと第6戦MINEでGT2のクラスで優勝を飾り、さらに後半のレースでは3戦連続でポールポジションを獲得しました。
参戦歴は浅いですが、この成績はレース界にインパクトを残しました。続く1996年、山路慎一選手が加入し同・松本選手とスタートした年、開幕戦でいきなりのトラブル発生でリタイヤに終わり、挽回を狙い3位表彰台を獲得するも、シリーズランキングを5位で終了しました。
しかし、オールスター戦ではポールポジションからの優勝を獲得し次戦への期待が高まります。そして臨んだ1997年。ドライバーは引き続き、山路慎一選手と松本晴彦選手の二人、マシンのエンジンを13B自然呼吸エンジンから3ローターの20B自然呼吸エンジンに換装し臨んだ1997年、第2戦の富士で3位表彰台を獲得し、幸先の良いスタートを切れたのですが、その後は鳴かず飛ばずで優勝争いに名前も出ず、シリーズランキングは7位で終了しました。意外と知られていないマシンでもあります。
RE雨宮レーシング マツモトキヨシRX-7
この年からマツモトキヨシがメインスポンサーになったことでカラーが一新し、馴染みのあるイエローカラーに変更しました。ドライバーは変わらず山路慎一選手と松本晴彦選手で戦って行くこととなります。
ようやく第5戦のツインリンクもてぎで、上位に食い込み、優勝を争そうデッドヒートに加わり、久しぶりに見えてきた優勝の二文字でしたが、別マシンと接触し優勝争いから脱落してしまいました。
さらに、マツキヨカラーで戦って3年目。この年にはマツキヨカラーも定着してきたころ、開幕戦から2位で表彰台を獲得しました。強いRE雨宮レーシングが帰ってきたと感じさせ、その後第3戦のSUGOではポールポジションを獲得し、スタートからリードを奪い、いよいよ久しぶりの優勝が見えてきました。
ピットでフロントタイヤが装着できないというアクシデントが発生しながらも、再度トップへ浮上。しかし、無理が祟ったのかエンジントラブルでリタイヤとなりました。イエローカラーが定着した感があるRE雨宮レーシング。新しいスポンサーを加えて次のマシンへと続きます。
雨宮レーシング マツモトキヨシ×アスパラ RX-7
この頃には、RE雨宮レーシングのファンも増えて、アスパラドリンクのロゴが大きく載っている印象が思い出深い方も多いのではないでしょうか。さらにこのカラーパターンは2007年まで続いたので、前マツキヨカラーで定着した黄色と、アスパラドリンクのロゴがRE雨宮レーシングと定着しました。
この、マツモトキヨシ×アスパラ RX-7時代はRE雨宮レーシングの低迷期とも言えます。2001年こそチャンピオンリーグ2位で終了しましたが、2002年は10位、2003年は15位、2004年は4位と上昇したものの、2005年は9位、と鳴かず飛ばずでした。
しかし2006年は違います。第2戦セパンでは優勝。他でも2位を2回獲得し、ランク首位とのポイント差を7ポイントとし、最終戦を迎えます。序盤でスピントラブルがありましたが諦めないレースで6位まで順位を上げ、反対にそれまで首位だった柴電がポイント圏外でフィニッシュしたことで、柴電とRE雨宮レーシングのポイントが並びます。
ルールに従い、上位入賞回数が多いRE雨宮レーシングがシリーズチャンピオン獲得しました。ここからRE雨宮レーシングの時代が到来!かと思われた矢先、メインスポンサーの田辺製薬がスポンサーから撤退し、アスパラドリンクのロゴが消えることになりました。
この影響があったのかはわかりませんが、シリーズランキングは14位に低迷し、このマシンはRE雨宮レーシングの浮き沈みと時代の流れを見てきたマシーンと言えます。
M7 MUTIARA MOTORS 雨宮レーシング SGC 7
2009年、メインスポンサーがマレーシアの自動車販売店MUTIARA MOTORSに変わり、そのことでマシンカラーも白を基調としたものに一新されました。当時は珍しかった、タイヤ無交換作戦を積極的に実施し、その作戦が見事に的中。
全戦9戦中6戦で表彰台を獲得し、驚異的な強さを見せました。この年のシリーズランキングは2位となります。そして迎えた2010年。開幕戦の鈴鹿を優勝し、幸先の良いスタートを切ったのですが、この年、RE雨宮レーシングはGTからの撤退を表明し、GTレース16年の歴史が惜しまれつつ終わりました。
GReddyシリーズ
RE雨宮の代表、雨宮勇美氏が考案しさらに雨宮氏自身がボディウレタンを手作業で盛ったり削ったりしながら作り上げたGReddyシリーズ。この中にはワンオフ車も存在しますが、作り上げられたGReddyを参考としたエアロパーツなども多数販売されました。1995年に登場したGReddy V-7は東京国際カスタムカーコンテストのドレスアップカー部門で最優秀賞を獲得しました。
RE雨宮 D1参加車両
こちらの車両は、2018年度のD1グランプリに参戦したRX-7レースカーです。RE雨宮は3ローター化したエンジンにエクステリアはもちろんのこと、吸排気系統やラジエターなどの冷却系などにRE雨宮独自のチューニングを施しています。ドライバーは松井有紀夫選手が務め、2018年度の第5戦筑波サーキットの単走で優勝をしました。
RE雨宮のオススメチューニングパーツ
これまで蓄えたノウハウが詰まったおススメパーツをご紹介。あなたのFD3Sがかっこよくなるはずです。
FD3S REAR SPOILER-GTⅡ(Wet Carbon)
雨宮レーシングのGTマシーンとまったく同じリアスポイラーになります。サーキットなどのハイスピードドライブを念頭におき開発され、空気ダマリ状の凹みを3D構造化したことにより、効率のダウンフォースを得ることができました。さらに5段階調節可能です。価格は149,040円(税込)ハイタイプはプラス42,000円(税込)になります。
FD3S AD FACER-2
1998年に東京オートサロンにてドレスアップ部門優秀賞を受賞したときと同じ品物です。FD3Sの美しいフォルムを生かし、マッチすることで、シンプルなのに存在感があります。センター開口部は30%拡大しました。さらに専用のクリアーウィンカーレンズも標準装備です。価格は108,000円(税込)です。
FD3S AD STEP D2
FD3S AD HOOD9 Carbon
ボンネットに開放部を大きく設けることで、ボンネット内の熱を抜けやすくしました。さらに、カーボン製なので軽量化も実現しました。価格は140,400円(税込)です。
FD3S SUPER GReddy BODY KIT
エアロが全て揃います。キットの内容はフロントバンパー・アンダースイープ・ヘッドライト(997ポルシェライトキット)・フロントフェンダー・フロントウィンカー・ボンネット・サイドステップ・リヤフェンダー。価格は1,490,400円(税込)です。
RE雨宮 RE Super G エンジンオイル
こちらはRE雨宮が開発したロータリーエンジン向けのエンジンオイルです。通常のレシプロエンジンでは「潤滑油」という役割を担っていますが、ロータリーエンジンでは「冷却効果」や「エンジン内部の密封効果」をも担っているため、レシプロエンジン車よりも一層エンジンオイルに気を使わなければなりません。
こちらのロータリーエンジン車専用のエンジンオイルは、一般のものよりも高粘度で、カーボンが発生しにくいオイル成分に仕上げ、街乗りからサーキット乗りまで幅広くカバーできます。また自然吸気およびターボ車のどちらにも対応しています。
CARTUNEユーザーのカスタム紹介
RE雨宮をこよなく愛するCARTUNEユーザーが、どんなカスタムやチューニングを愛車に施しているのか、いくつかご紹介します。
マツダ RX-8 Type S(SE3P 前期)
こちらのユーザーさんは、エクステリアではフロントリップスポイラーとリアのサイドフラップにRE雨宮のものを取り付けています。またこのユーザーさんはRE雨宮が独自に開発したECU「Redom」を導入しています。これは、RX-8に搭載されているロータリーエンジンの性能をより最大限にまで引き出すお手軽チューニングシステムとなっています。
マツダ ロードスター Limited(NC)
RE雨宮はロータリーエンジンのチューニングを得意としますが、最新のマツダ車におけるチューニングにもRE雨宮は力を入れています。こちらのユーザーさんは、ライトウェイトオープンカーであるロードスターのマフラーをRE雨宮製のものに変えています。前述した「ドルフィンテールマフラー」と同じ低音がよく響くステンレス製で、排気効率とデザイン性を両立させたチューニングパーツです。
RX-7 タイプR(FD3S 前期)
こちらのユーザーさんはFD型RX-7を、大人気カーアクション漫画「頭文字D」に登場する高橋啓介が乗るマシンに仕上げています。エクステリアはフロントからリアまで至る所にRE雨宮のものが使われており、漫画に出てくるマシンがそのまま登場したかようなインパクトと威圧感があります。
まとめ
いかがでしたか?RE雨宮のこれまでの歴史とマシーン並びにお勧めエアロパーツをまとめてみました。マツダのロータリーエンジンを得意としていたRE雨宮です。GTにも出場し、数々の成績を残してきました。
故に、ロータリーエンジンファンの気持ちを虜にしてきたRE雨宮、RE雨宮のパーツを使用することは、ロータリーエンジンのオーナーにとって誇りでもありました。これからもロータリーエンジンを語る上でRE雨宮の実力を外して語ることはできません。
ロータリーエンジンを操るならRE雨宮のことを理解したほうが良いでしょう。RE雨宮のパーツを上手に使い、カッコイイロータリーマシーンを仕上げましょう。