2018年11月28日 (更新:2024年08月14日)
ヘッドライトの定番HIDについて徹底解説!HID・キセノン・ディスチャージの違いは?
今はライト周りをHIDにするのが、当たり前になってきています。HIDにも光量や色に種類があります。違いが分からなくては、HIDを付ける時も迷ってしまいます。この記事ではケルビンの言葉の意味や、6000kと8000kの違いを解説していきます。
HID・キセノン・ディスチャージとは
まず最もよく目にするHIDは略称で「High Intensity Discharge lamp」(高輝度放電ランプ)が正式な名称となります。またディスチャージヘッドランプも比較的多く目にしますが、略称での呼び方が異なるだけで基本的には同じ製品郡を表しています。
さらにキセノンライトと言うのも製品によっては表示している場合がありますがHIDのバルブ内にはキセノンガス、水銀、ヨウ化金属などが封入されているためそのキセノンガスを使用しているHIDを差別化のためにキセノンライト等の名称で販売しているのです。
- HID=ディスチャージ=キセノンは同等の商品
アーク放電で発光する仕組みのランプ
HIDランプは、電極に電位差が起こり、電極間に存在している気体に持続的に発生するアーク放電によって発光現象が起きる仕組みです。同じ仕様の従来のランプに比べて、非常に明るいという特徴をもっています
フィラメントを使わない
フィラメントを使わないタイプのランプですので、基本的にほとんど劣化しませんので長期間にわたって使えるメリットがあります。基本的には5年ほどは安定した性能を発揮し、更には消費電力も少ないので経済的です。
色温度・ケルビン数とは?
そもそもケルビンという言葉は、光の色を表す指標のことを言います。光の色にも様々な種類があり、赤っぽい色や黄色い色、青白い色や白い色などがあります。これらの光の色を表す値がケルビンなのです。
数字+ケルビンで表現し、数値が大きくなればなるほど、明るい色になります。数値が小さくなれば小さくなるほど、落ち着いた色になるのです。3000kは家庭で使用されている白熱電球と同じ色です。5000kは太陽光と同じような色合いです。6000k~8000kは外で使用されることが多く、青みが増してきます。
車検に対応出来る色温度は?
ケルビン数によって、車検に通らない場合もあります。ヘッドライトの場合、4000k~6000kまで、フォグランプの場合、3000k~6000kです。車検では光の色合いは検査員が目視で確認します。そのため、範囲内に収まっていても、検査員によってはアウトになることもあります。あくまで目安という形で覚えておきましょう。
- ヘッドライト:4000k~6000k
- フォグランプ:3000k~6000k
色温度による違い
12000Kにもなると白いというよりも青色ですね。ここまで青色であれば、車検には通過できません。やはり、車検を通過させるのであれば、4300Kの黄色味のあるものか6000Kの白い色でなくてはなりません。画像を見ると、だいぶ違います。
たった2000k違うだけで!?と思うかもしれませんが、2000k違うだけで本当に色が違うのです。青では確実に車検は通過できないので最初から取り付けしないか、取り付けしたとしても車検前にノーマルに戻すようにしましょう。
HIDバルブのメリット
寿命がハロゲンランプの3倍から5倍
HIDランプの寿命はハロゲンランプの3から5倍です。その分ハロゲンランプよりも値段が高くなってしまいますが、寿命が長い方が交換の回数も少なく、結果的には経済的といえるでしょう。
発熱が少なく省電力
HIDランプは従来のランプに比べて発熱量が抑えられているので、その熱によってランプなどの機器がダメージを受けてしまうこともありません。また、発熱を拡散するために放熱板などを設置することも必要ありませんので、電気の節約をすることも可能です。
ハロゲンと比較すると、ハロゲンの3分の2の消費電力で3倍の明るさを得ることができるのでとても明るく、省エネ、持続時間が長いというメリットもあります。
純白色の光
HIDランプの色は純白色の色を持っています。他のランプと比べると夜間でも非常に明るい光を演出するので、より安全な車の走行が可能になります。また車のヘッドライトの色は車のイメージとも密接に関係してきますので、明るいイメージを与えてくれるHIDランプを好む方が多くいます。
明るく遠くまで光が届く
HIDランプは、遠くまで光が届くという性質も持っています。従って見通しの悪い道であっても安全運転で走行しやすくなります。夜間など暗い道を走るのが怖いという方もより安心してドライブができるでしょう。
HIDバルブのデメリット
メリットがある一方で、デメリットも存在します。放電に2万ボルトも必要になるため、一気にはそれをまかなうことができません。そのため、点灯させるためにスイッチを入れてから、点灯するまでに少し時間がかかってしまうことがあります。
また、ハロゲンだったヘッドライトなどにHIDを取り付けする場合、2万Vも必要になるので、関連モジュールを取り付けする必要があります。取り付けするとなれば、取り付けスペースなども確保する必要があるのです。このようにメリットとデメリットがありますが、HIDバルブを取り付けしようかな?と検討中の人は、取り付けした後も困らないように、メリットとデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
- 立ち上がりが少し遅い
- 関連モジュールが必要
HIDの交換方法
それでは、取り付け方を紹介していきます。車種によりヘッドライト部へのアクセス方法は異なりますが、その先の交換方法はほとんど同じ工程で行えます。取り付けが不安な方は、カーショップ等でも行えますので、そちらにお願いしましょう。
①ボンネットを開ける
作業する際周囲の迷惑にならない場所で作業しましょう。最初にボンネットを開けましょう。
②HIDキットの仮組み
まずハロゲンランプを取り外します。HIDキットのバーナーとバラストをカプラーで接続し、ハロゲンバルブに接続されていたカプラーと端子にキットのバラストから出るカプラーと端子を接続します。
③HIDの点灯確認
接続が終わったら、点灯確認を行います。点灯したらOKです。点灯しなかった場合、接続した端子の向きが逆の場合があるので、逆に差し替えて再度点灯確認をしましょう。
④HIDバルブを挿入
HIDバルブを挿入していきます。挿入する際は、バルブのガラス部分には絶対に触らないようにしましょう。また、ガラス部分にホコリや脂分が付着している場合、高温になりバルブ本体や周辺部品が発火したり、変形してしまうのであらかじめ確認しておきましょう。
⑤バラストの固定
バラストを固定しましょう。キットにステーなどが付属してる場合が多いのでそちらを活用しましょう。取り付けする際には、熱を持つ場所や、水がかかりにくい場所にしましょう。以上で取り付けが完了になります。取り付けが完了したら是非、ドライブに出かけて違いを実感してください。殻割りが必要な場合は、ヘッドライトを取り外して取り付けられているバルブ類を取り外した後に、ヒートガン、またはドライヤーを活用してヘッドライトのカバーを取り外して作業しましょう。
おすすめHIDバルブ
fcl 6000K D2R
純正交換タイプのHIDバルブなので、安心して取り付けすることができます。色合いも選ぶことができるので、自分の好きな色合いにするといいでしょう。
PIAA HID 6000K D2S D2R
PIAAのライトはWRCやSUPER GTにも起用されるほどの実績があります。6000ケルビンでとても見やすい明るさになっています。また、3年間の保証書も付いているので、もし不具合があったとしても安心です。実績のあるPIAA製のHIDは、安心安全の面からも非常にオススメです。
信玄 プレミアムHIDキット
車のHIDキットの日本ブランドの信玄。100%防水仕様で雨や水による故障の心配もないです。そして、こちらの信玄モデルはライトの平均寿命が2000時間とかなり長いです。耐久力が高いのも非常に嬉しい点ですね。明るさは、55Wハロゲンと35Wバラストを比べると、35Wバラストの方が2倍近く明るくなります。初めてHIDにされる方にオススメです。
フィリップス HID 6000K D4S
フィリップスはとても有名なバルブメーカーです。くっきりとしたカットオフラインによって、対向車がまぶしいと思うことはありません。UVブロック加工のクオーツガラスを採用していることで、紫外線もカットしています。
HID屋 6000K D2R D2S
光のブレを防いでくれる金属固定台座付き、取り付けもとても簡単にできます。光が遠くまで届く特徴がある商品です。このように様々な種類があります。自分の車にあったHIDバルブを選びましょう。
まとめ
車のヘッドライトは、従来ハロゲンランプが主として使われていましたが、最近ではそれよりもはるかに明るい輝度を持ったHIDタイプのヘッドライトが多く用いられるようになってきています。HIDタイプのヘッドライトはグロー放電によって光を放出しますので、高い輝度を実現させることが可能になります。鮮やかな白色項をだしますので、夜道などでも安心して車を運転することが可能になります。
残念ながらLEDライトに比べるとHIDタイプのヘッドライトの寿命はそれほど長くはありませんが、寿命の短さよりも安全性を考慮して多くの人がHIDタイプのヘッドライトを使うようになっているといえるでしょう。