2018年11月09日 (更新:2020年07月16日)
エキゾーストマニホールド(エキマニ)ってなに?その役割やカスタム例を紹介します!
車の機関に「エキマニ」と呼ばれるパーツであるのですが、あまり聞き慣れない名前ですよね。車をお持ちの方でも、エキマニを修理・交換するという場面に出くわすことも少ないため、認知されていないのでしょう。では具体的にエキマニとは、どのようなパーツなのでしょうか?今回は、エキマニについてご紹介していきます。
エキマニってなに?
エキマニは、エンジンのシリンダー上部から伸びているパーツで、ボンネットをあけたエンジンルーム内にあります。もう少し詳しくいうと、エキマニはエンジン付近に取り付けられています。エンジンは空気を吸って、燃料と混ぜ合わせたものを爆発させることによって出力を得ているのですが、爆発によって生じたガスは、車外に出す必要がありますよね。そのガスの最初の通り道になるのがエキマニなのです。
エキマニを通じて排気がよくなることで、エンジンの効率があがるため、エキマニは車が快適に走行する上で重要なパーツになります。エキマニは排気系パーツであるため、しばしば「マフラー」と呼ばれることがあるのですが、マフラーは正確には「サイレンサー」といい、最終的に排ガスを出す部分のことですので、エキマニとは役割が異なるのです。先ほどエキマニはエンジン付近に搭載されているとお伝えしましたが、サイレンサーはほとんどの方が見たことあるように、基本的には車のリアに装着されています。
あなたの車が4気筒エンジンの場合は、エキマニは4本足、V6エンジンの場合は片側3気筒ずつですので3本足で搭載されていることがほとんどです。パイプの曲がり具合がたこの足に見えるため、エキマニは「たこ足」と呼ばれることもあります。エキマニは高熱に耐えられる素材でなければいけないため、純正品の多くは鋳鉄やステンレスが使用されているのです。エキマニには社外品もありますので、次は社外品のエキマニについてみていきましょう。
社外品のエキマニに交換するメリット・デメリット紹介
社外品のエキマニは、素材がステンレスや鋼管製が一般的に使われており、高価なものだとチタンが採用されているものもあります。これだけ耐久性の強い金属が使われているのは、先ほどお伝えしたように、エキマニは高熱を帯び、冷えることがないパーツで、サビなどの劣化が激しいパーツです。
エキマニのサビ部分に車の走行中の振動が加わると、エキマニ本体にヒビが入ってしまい、エキマニを交換する必要がでてきます。エキマニの交換は整備士泣かせと言われるほど簡単な作業ではありません。ただエキマニが劣化している、排気をもっと円滑にして走行性能を上げたいという方は、社外品のエキマニに交換する方がいらっしゃいます。ではエキマニを交換すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかについてみていきましょう。
メリット
エキマニを社外品に交換することのメリットは、次の2点が挙げられます。
- エンジン音がしっかり鳴り、音を楽しむことができる
- エンジン特性を変化させることができる
ステンレスやチタンでつくられている社外品エキマニは、綺麗で美しさそのものです。またエキマニは、形状のレイアウト次第で、エンジン特性を変化させることができます。エンジンの高回転性を重視したい方は、エキマニのパイプが太いものを選び、排気の通り道を4本から1本へ集約されているものを選ぶと、排気の効率がアップするため、エンジンが高回転まで回りやすくなります。
それに対して中回転・低回転を重視したい場合は、エキマニのパイプが細いものを選びましょう。排気の通り道は4本から2本、そして1本のレイアウトのものを選ぶことで、混合気が外部へ一気に抜けるのをおさえることができるため、トルクが増した中回転・低回転のエンジン特性に変化させることができるのです。
デメリット
エキマニを社外品に変えることで、以下の2点のデメリットが出てきます。
- 高額な費用をかけてエキマニを交換する割には、大きくエンジン特性を変化させることができない
- エンジンルーム内に熱がこもってしまい、熱に弱い機関に影響を及ぼす
エキマニは、パーツそのものが車種によっては50,000円を超えますし、そこに数万円の工賃が含まれると、何十万円ものお金がかかります。それだけのお金がかかっている割には、エンジンの特性が大きく変化することはありません。なぜなら新型の車になるほど、エンジン本体の性能が良いですので、エキマニを交換しても、思っていた以上の変化を感じることができないのです。
また社外品のエキマニには、遮熱板がついていないというのもデメリットといえるでしょう。ターボエンジンともなるとエキマニの温度は1,000度を超える場合もあります。もし遮熱板がなければエキマニの高温が、エンジンルーム内に広がることになり、他の機関に影響を及ぼす可能性すら出てくるのです。このようなデメリットがあるため、社外品のエキマニに交換する場合は、遮熱板を施すなどの工夫をする必要があります。
CARTUNEユーザーのエキマニ交換事例紹介!
エキマニを交換したという事例が、「CARTUNE」に挙げられています。ここではエキマニの交換事例についてみていきましょう。
スバル・BE5型レガシィB4
エキマニを、純正品からProva製に交換した事例です。エキマニを交換したことで、スバル特有のボクサーエンジン音がしっかりと鳴るようになり、トルクが増したことで、以前よりもスピードアップしました。
三菱・ランサーエボリューションX IX
HKS製のエキマニを、JUN MACHINE SHOPのエキマニに交換。トルクが良くなったことから、低速でもスムーズに発進し、エンジン音が太く、大きな音になったそうです。
マツダ・RX-8 SE3P Type S
Nakamura Racing Factory EXのエキマニに交換した事例で、そのエキマニの価格がなんと180,000円。トルクが良くなったこと、エンジン音が大きくなったことがすぐに実感できたそうです。
トヨタ・AE86型レビンGT-APEX
4-1構造のフジツボのエキマニを装着した例です。パイプが太くなりましたが、トルクが上がり、抜けもなく走るようになりました。AC Schnitzerのエキマニに交換した事例で、吹き上げがよくなり、加速すると良いサウンドを奏でてくれます。735iに装着できるエキマニは数が少ないため、探すのには苦労しました。
まとめ
今回は排気系パーツのエキマニについてご紹介しました。エキマニはエンジンからの排ガスをサイレンサーへ送るための入口部分となっているパーツで、エキマニの性能が良いとトルクが良くなり、走行性能が向上します。普段車に乗られている方でもエキマニを交換する機会は少ないですが、エキマニは常に高温にさらされていますし、純正品は鋳鉄が使われているものが多いですので、サビが発生しているものもあります。
もしエキマニの交換が必要になった場合は、数十万円の費用がかかりますので、劣化してしまうと交換費用がバカになりません。しかしきちんと交換しないと、走行性能に支障をきたすだけでなく、うまく排気が行なわれないと、エンジンそのものに支障をきたす可能性も出てきます。
新型の車はエンジン性能が良いですので、エキマニを交換しても走行性能の向上を感じることが難しいですが、エキマニの交換事例でも取り上げたような「走る車」にお乗りの場合は、ランクの高いエキマニを搭載するのもいいかもしれません。記事を読んでいただいて、エキマニについての知識を深めてくださいね。