2018年12月12日 (更新:2020年06月05日)
愛車を自家塗装!タッチアップペイントからオールペンまでDIYに挑戦
車をドレスアップするとき、手を付けられる場所はたくさんありますが、「塗装」は、車の印象を最も大きく左右する要素の一つです。本記事では、板金塗装、オールペンの費用の紹介から、タッチアップペイントの基本、そして様々なオールペンの形を紹介します。
意外と掛かる車の塗装費用
車に傷をつけてしまったとき、またはオールペンを考えたとき、皆さんはDIYでなんとかしようと思いますか?それともプロに頼みますか?まずは板金塗装、オールペンをプロに頼んだときのおおよその費用を見てみましょう。
板金塗装費用
イエローハットの「クイック鈑金」では、ドアミラーのすり傷なら7,000円程度、ボディー各所の擦り傷は20,000円〜30,000円程度の施工料金になっています。
引用元:http://www.yellowhat.jp/store_service/repair_paint/menu/
大きな傷や凹みに対応する「本格板金」では、約30,000円〜の料金となっており、損傷の程度によってさらに費用がかかります。こちらは個別に見積もりが必要になります。損傷が酷ければ、パーツそのものを交換したほうが安くつく場合もあります。
引用元:http://www.yellowhat.jp/store_service/repair_paint/menu/
オールペンの費用
全塗装には最低でも300,000円以上、場合によっては800,000円程度の費用がかかります。また、特殊な塗装や、オプションによってはさらに追加料金がかかるようです。
プロに任せる?DIYでやってみる?
プロに頼んだ場合、特にオールペンは高額な費用がかかることが分かりました。では、安くつくからDIYに挑戦したほうが良いのかというと、そうでもない場合があります。プロに任せたほうがいい事例はおおかた以下の通りです。
ボディーに凹みがある
小さな凹みにはパテを利用するという手もありますが、大きな凹みはハンマリングなどの特殊な技術や工具が必要で、かつ塗装もタッチアップの範疇を超えるため、難しくなります。
質の高い仕上がりを求める
板金や塗装は、素人がやるには難易度が高く、仕上がりが自分のセンスに左右されます。複雑で個性的な塗装ほど難易度が上がるので、美しい仕上がりを求める方は、プロにやってもらうのが無難でしょう。反対に、「今の色じゃ物足りない」、「出来はともかく自分で塗ってあげたい!」、「お金がない!」という方は、DIYでやってみるのもいいでしょう。
それぞれのメリット・デメリットは?
ここからは塗装をプロに任せる場合と、DIYでやる場合の、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
プロのメリット
自分は車を預けるだけでいい
塗装屋さんに車を預けてしまえば自分でやることは何もありません。代車を用意してくれる業者もあります。
完成度が高い
その道のプロが施工するので、当然きれいに仕上がります。新車当時のような元通りの純正塗装にしたい場合は、プロに頼むのが無難でしょう。
プロのデメリット
高額な費用が掛かる
さきほど説明したとおり、安くて300,000円〜という費用がかかります。
満足のいく仕上がりではない場合もある
特に格安で塗装をしてもらった場合、下地処理や、塗装時、塗装面処理のそれぞれの段階で、悪く言えば「手抜き」の施工になってしまい、仕上がりがあまり良くないことがあります。「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、車の塗装の世界にもそれは当てはまります。
DIYのメリット
費用が安くあがる
お手軽で簡素な塗装を行う場合、費用が安く抑えられらます。オールペンに関しては、この限りではありません。
自分の車に愛着が湧く
DIYでの塗装には、それなりの苦労がかかりますが、出来上がるのは自分だけの唯一無二の車です。丹精込めて色を塗ってあげることで、自分の車のことをどんどん好きになってしまうでしょう。
DIYのデメリット
結局高くつく場合もある
限りなくDIY塗装のクオリティを上げたい場合、スプレーガンやコンプレッサーなどの、プロ仕様のツールを導入しなければなりません。また、塗装スペースの確保が難しい場合は塗装ブースのレンタル、車を一台しか持っていない場合は代車を用意しなければなりません。手間暇かけてやった塗装が失敗に終わった場合、くじけずにやり直せれば良いですが、モチベーションが尽きてしまい、結局プロにお願いすることになると、さらに大きく費用がかさみます。
手間がかかる
初心者がいきなり上手くやるのは難しいので、失敗のリスクは当然高くなり、何度もやり直して腕を磨くことになる可能性が高いです。 また、代車を用意しない場合、車の無い不便な生活を送らなければなりません。用意した塗装ブースによっては、雨や風など、天候にも振り回されます。
部分塗装に失敗した例
雨の日にオールペンした例
愛車をDIYで塗装してみよう~タッチアップペイント編~
簡単キズ補修(難易度★)
タッチアップの詳しい手順は、こちらの動画を参考にしてください。
用意するもの
- マスキングテープ
修復する部位の周囲の塗装面を保護します。
- シリコンオフ
塗装部分の油分や削りカスを落とし、塗料の定着を良くします。
- タッチアップペン
塗料が剥げた部分に色を塗ります。車のカラーナンバーにあったタッチアップを選ぶ必要があります。
カラーナンバーはエンジンルームやドアに記載されている場合が多いですが、車種によっては異なります。
- 耐水ペーパー
傷の汚れや錆び取ります。工程によって、600番や1000番等、使い分けます。
- 研磨パッド
- コンパウンド
こちらも工程によって、細目、極細、液体コンパウンド等、使い分けます。
- コンパウンド用スポンジ
- タオル
愛車をDIYで塗装してみよう~オールペン編~
缶スプレーで簡単オールペン(難易度★★)
こちらの動画では、缶スプレーだけでオールペンしています!無謀な感じもありますが、どこか青春の香りもしますね。
用意するもの
- 塗装するスペース
動画では屋外ですが、風でほこりが舞うことや、スプレーの噴出液が流されることを考えるとあまりおすすめできません。屋内、あわよくば塗装専用のブースが良いです。
- 洗車用具一式
- マスキングテープ
不要な新聞紙やチラシも同時に用意しましょう。
- 耐水ペーパー
塗料を定着させるための「足付け」を行います。
- シリコンオフ
- 大量の缶スプレー
何回重ね塗りをするかによりますが、2~30本程度使うことになります。動画のようなマットブラックだと、もっと少ない本数で済むかもしれません。反対に、質を求めたり、クリア塗装もするとなると、さらに多くの缶スプレーが必要です。
- 勢い
取り掛かってしまうと後戻りできません。一緒に作業してくれる友人もいると捗るでしょう。一つの思い出にもなりますね。
刷毛塗りでオールペン(難易度★★)
タカラ塗料の販売する刷毛、ローラーで全塗装します。専用ホームページがあり、情報量が多いため、初心者でも手が付けやすいです。「刷毛塗り全塗装《CarMakeUp コンテスト》」の第1回(8/31に〆切済)が開催中だったりと、現在盛り上がりを見せている塗装方法です!
スプレーガンでオールペン(難易度★★★★★)
こちらはレベルの高いDIYとなりますが、そのぶん完成度も高いです。スプレーガン初心者のころは、導入費用や技術の面で苦労が多くなりますが、技量が上がってくると、プロに頼むよりもオールペンにかかるコストを圧倒的に抑えることができます。何よりも、動画で塗装している方々、楽しそうです。
用意するもの(基本的なものは省きました)
- 塗装ブース
- スプレーガン
塗料を吹き付ける専用ツールです。
- コンプレッサー
スプレーガンに圧縮空気を送ります。
- 塗料
塗料を作るための硬化剤、シンナー、計量器や、クリヤー塗料も必要です。
- やる気
上手く塗装できるようになるまでに、多くの時間や練習が必要であることが予想されます。しかし、一度身に着けてしまえば一生もののスキルであり、カスタムライフを大きく豊かにするものになるでしょう。
【番外編】
カーラッピング(難易度★★★★)
こちらは、厳密には塗装ではないので番外編としましたが、カラーチェンジという点ではオールペンと全く同じなので、ご紹介しておきましょう。
発色という点では、プロにも引けを取らない仕上がりになります。ラッピングのコツさえつかめば、どんなカラーリングでもDIYで実現できるようになります。ただ、ボディーのサイズにもよりますが、フィルムが割と高い(15万円程度/ロール)という弱点もあります。そのため、カーラッピングもプロに頼む場合は、オールペン並みの費用が掛かってしまいます。
用意するもの
- ラッピングフィルム
様々なカラーバリエーションがあり、海外の富裕層には一般的なカスタムです。
- ヒートガン
フィルムを温めることで伸ばすことで、シワなく曲面に貼り付けることができます。
- スキージー
ヘラという呼称も一般的です。フィルムに下に入ってしまった気泡やシワを取り除く道具です。スマホの画面保護フィルムの気泡を抜く特に使った方もおられるかと思います。
- ナイフレス
マスキングテープと細いひもが一体になっており、あらかじめボディーに貼っておくと、ひもを引っ張ることでラッピングフィルムを切ることができます。カッターでボディーを傷つける心配がなくなります。
- 折れない心
非常に大きなフィルムを貼ることになるなので、慣れないうちはシワや気泡との戦いになります。思い通りにいかずイライラしてしまいそうですが、完成をイメージしながら、地道にやってきましょう。
まとめ
本記事では、プロの鈑金塗装、オールペンにかかる費用や、お手軽なDIY補修からプロ顔負けの本格DIY塗装など、車の塗装に関する様々な情報をご紹介しました。カラーリングは、車の印象を決定づける、最も大きな要素と言っても過言ではありません。また、塗装面が傷だらけだったり、はっとするようなきれいな色だったり、素人感満載の愛に溢れるペイントだったりと、その車の持ち主の個性まで表してしまいます。
そういう意味で、ドレスアップにおける車の塗装というのは、お互いの存在を近づけ、もっと車のことを好きになるための、ビックイベントの一つになると思います。道で個性的なカラーリングの車とすれ違うと、「この車の持ち主は、車が好きなんだなー」と、なんだかほっこりするのは筆者だけでしょうか。本記事が、あと一歩、車の塗装に踏み切れない方の後押しができたなら、筆者は幸いです。